扇山・百蔵山(反省の多い山行)
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,279m
- 下り
- 1,309m
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大田峠を越す箇所はナビゲーション併用を勧める。反対方向(梁川駅から来る場合)にも紛らわしい分岐がある。 |
写真
感想
猿橋駅8:25〜百蔵山10:33/10:51〜扇山13:15/13:50〜梁川駅16:00
扇山、百蔵山には昔それぞれ山岳会の家族行事で登ったことがあるが、中央道の行き帰りに見上げるにつけ、つなげて歩いてみたいという思いを持っていた。時候も良くなったので実行することにした。
猿橋駅に着くと、前日からの雨はようやく上がったが、まだ山々は雲に包まれていた。街並みを抜け、桂川の谷間を背に汗をかきながら登っていくと、「百蔵山登山口」を表示したバスが追い抜いて行った。あれ?平日は無いはずでは?と思って山と高原地図の注記を見直すと、「土日祝日ハイキングバス運行もあり」と。「も」か! つまり路線バスは平日も運行しているという意味なのね・・。がっかりしているうちに、人気のない登山口のバス停が見えてきた。気を取り直して集落の中を歩きだす。集落の半ばからは急傾斜のコンクリ舗装道が続き、腰にきて辛い。やっと終わり山道に入るとすぐに分岐の道標がある。正面は百蔵山、右はトイレ経由で猿橋駅。駅に戻る?? 頭が混乱しヤマレコアプリを立ち上げて現在地を確認すると・・。今日は百蔵山の東肩に出る右コースを登るつもりでいたが、それに入るためにはもっと下の集落内で右に分かれなければいけなかったのを、漫然と歩いていて通過してしまったのだ。トイレコースを下れば乗り換えられそうだが、今さら戻る気にもならず、このまま左コースを行くことにした。このミスは深刻だ。すぐ先の沢の水で顔を洗って禊を行い、気を引き締めなおす。
浅い谷状の植林帯を登り、展望ベンチを過ぎると雑木が交じり、足元の黄色の濡れ落葉が陽光を反射してキラキラときれいだ。間もなく尾根に出て珍しい松林風景の道を辿ると頂上だ。南側の谷は雲で埋まっており、富士山の姿もなかった。かすかに高速道の車と列車の走る音が聞こえてくる。先は長いので、軽くお菓子をかじって腰を上げる。
下り道は薄霧が漂い、幽玄な雰囲気だ。濡れ落葉と地面の間が滑るので気を使う。コタラ山を巻いた先の杉木立の平地の中で道は右に90度カーブするので落ち葉の時期は注意が必要だ。宮谷への分岐を過ぎると再び巻き道になり、尾根に戻った小鞍部から右を巻く?踏み跡があり迷うが、尾根通しの道を進む。テープもありこちらが正解のようだ。この辺りは標高が低いので最終盤の黄葉が鮮やかだ。小ピークを二つほど越え、道標のある曲がり角の左に小さな盛り上がりが見え、これが818mのピークだ。山と高原地図ではこれをカンバノ頭として「ピークは通らない」と記載しているが、ヤマレコのマップでは20mほど東のコース上の地点をカンバノ頭としている。ここから尾根は立ちはだかるように急になり、ジグザグで登るが、相変わらず滑るし疲れも出てきて苦しい。左の樹の隙間から権現山方面の長く水平な稜線が間近に望まれるのが慰めだ。高校山岳部時代の最後の頃に行った山なので懐かしい。ようやく傾斜が緩んでくると左手に扇山らしい姿がもう遠くない距離に見えてくる。大久保山の頂上まで最後の頑張りで、後はゆったりとした尾根の遊歩道を散り残った紅葉を愛でながら歩くだけだ。芝原になっている扇山の頂上は、ここも雲が去来して富士山は見えずじまいだが、誰もいないので静かにラーメンタイムを過ごすことができた。
扇山から下り始めるとカラマツが現れ、その落葉が足元の落ち葉の上にさらにパラパラと音を立てて舞い落ちる様は秋の終わりの美しい一幕だった。尾根を離れ、犬目に向かって最後の下りの途中だ。名残りの黄葉を撮影していた時、何となくスマホ→ 機内モード→ 電波と連想し、ハッと背筋に寒気が走った。ココヘリのスイッチを入れるのを忘れていたのだ。久し振りの電車山行で特に身支度という行為がなく駅を歩き始めたため、すっぽ抜けてしまった。これこそ文字どおり致命的なミスだ。本当にがっくりしてしまう。
歩きやすい道を辿れば程なく車道に降り立った。看板に犬目宿とあり、甲州街道はこんな上の方を通っていたのかと驚く。家並みに挟まれた真っすぐな道は確かに宿場の雰囲気がある。
すっかり山行は終わった気分になったのだが、問題はこの後に待ち構えていた。ゴルフ場の上に歩いてきた扇山を眺めながら車道を下り、中央道をガードでくぐった先で、車道は左にカーブし、右に未舗装の道が分かれる。「恋塚」の道標を確認し、ぬかるみをよけながらしばらく歩くと、左側の民家の手前に、左後ろ方向へ登っていく道がある。「梁川駅」の黄色い道標(写真参照)が目印になる。この道に入ってすぐ5mほど先で右に入る踏み跡が正解だ(写真参照)。意識していないと100%直進してしまうだろう。私も直進し、畑に出たところで行き詰った。無理やり林に突っ込んでいくようなか細い踏み跡があったがいかにも怪しい。再びヤマレコアプリのお世話になり、ポインターを頼りに先の分岐まで戻ってようやく道を見出した。薄暗い杉林の中の細道は、迷うことはないが路肩を踏み外さないように注意が必要だ。大野峠を越えると、南側は笹やススキがかぶって歩きにくい。山と高原地図に載っているハイキングコースの、駅まで残り1時間を切ってからこんな苦労をするとは思いもよらなかった。前回の毛無山を思い出してしまう。
ようやく車道に降り立ち、中央線のガードをくぐれば、ダンプの行き交う20号線だ。少し歩くと蕎麦屋があり、駅周辺に店はなかろうと(これは正解)、立ち寄って缶ビールを求めた。見慣れない缶(いつも第三のビールなので)が出てきたが、蕎麦を食べないことに気が引けていたのでそそくさと店を出た。人の姿のない梁川駅に着き、飲もうとしたら、アサヒの製品ではあったが3.5%のライトビールだった。まあ0.0%でなかっただけ良いが・・。 山自体は大変良かったのだが、最後まで何か締まらない山行だった。
【総括】
・経験のある山と甘く考えてコースタイムのチェックだけで済ませ、ルートの把握が不十分だったのがルートミスやバス運行の情報漏れにつながった。きちんとガイドブックを読み、地図と照合してコースを頭に入れ、直近のレコで臨時情報がないか確認するところまでやりきらなければいけない。
・ココヘリ発信器はザックの雨蓋の裏ポケットに入れているのだが、コンパスもそこにしまっているので、コンパスを首にぶら下げるために取り出せば気付いただろう。今回はそれもさぼっていた。(今後は保管は必ず開閉するウェストポーチとし、スイッチを入れてから雨蓋に移すことにする。)
・簡単そうな山でも何が起こるかは分からない。再度、山に向かう態度を引き締めなおさないといけない。
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