雪の剣山へ
- GPS
- 03:34
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 675m
- 下り
- 676m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
見ノ越の手前から道路を歩く |
写真
感想
高松に出張の用事があったので、家内と待ち合わせて剣山に向かうことにする。土曜日は海辺の高松は北風が強く、急に気温が低下したのが感じられる。天気は冬型の気圧配置となり、日本海側では雪の予報だ。剣山では美しい霧氷を期待したが、実際には霧氷どころではなかった。
阿波池田では車を借りる。祖谷では積雪の可能性があるからと、四駆のパジェロ・ミニを貸して下さることになった。タイヤは勿論、スタッドレスである。吉野川を上流に向かうと小雨が降り始める。途中のサンリバー大歩危で温泉に立ち寄ると、入浴しているとみるみるうち本降りの雪となる。
祖谷地方に入るには大歩危から祖谷トンネルで峠の下を潜ることになるが、トンネルに向かって坂を上がってゆくと急に道路の積雪が増えてゆく。トンネルの出口で警察官に車を停められるが、すぐに「この車なら大丈夫ですね」と先に行かせてくれる。トンネルの先では道路の反対車線に坂を登ることの出来ない車が数多く立ち往生しているのだった。
坂を下るにつれて、再び急速に道路の積雪が減ってゆく。かずら橋のあたりでは路面の雪はほとんどなくなり、無事に宿に辿り着くことが出来る。雪もまもなく降り止んだようだ。
翌朝、宿の窓からは見晴らしが良く、祖谷川の流れる谷間は一面に雪化粧が施されている。予報通り、空は晴れているようだ。荷物を纏めると、祖谷川の流れに沿って上流に向かう。R439に入り、京上トンネルを越えると路面の積雪が増えるが、雪の上には車の轍が続いている。
名頃の集落では道沿いの廃屋に多くの案山子が出迎えてくれる。集落を過ぎると一段と雪が深くなり、遂に先行する車の轍は一台分となる。車高の高いパジェロ・ミニが雪の上を擦る程だから、積雪は20cm近くはあるようだ。多少、雪にタイヤをとられることがあっても、四駆のおかげで順調に進むことが出来る。
見ノ越の直下で、大塚製薬の保養所の前の広場で車を諦めて、あとは見ノ越まで歩くことにする。車の性能からすると、見ノ越まで辿りつけたのかもしれないが、雪が深くなってきたのと、もしも登れなかった場合にUターンする場所を容易に見つけることが出来ないことを懸念してのことだ。
歩き始めると、既に轍が消えてしまっている箇所もある。見ノ越までは積雪した車道を歩いてわずかに30分ほどの距離であった。見ノ越でR438と合流すると、驚いたことに積雪した道の上にはいく筋ものタイヤの跡がある。貞光から登るR438の方が道が険しいと思っていたが、このルートからアクセスする人が多いようだ。それでもこの時期にここまで来ることが出来るのは四駆でスタッドレスを履いている車に限られるのだろう。
背後には三嶺から延々と連なる稜線を俯瞰することが出来るが、三嶺の山頂部は北西から押し寄せる雲に呑み込まれている。このあたりの雲の高さが丁度、三嶺の山頂部の高さと一致しているようだ。
剣山神社に参拝して、いざ登山道に入ると、雪の上にはしっかりとしたトレースが出来ている。すぐにも見上げるようなブナの大樹が次々と現れる。以前、家内と天狗塚から三嶺を経て剣山まで縦走した時には家内は娘と共にリフトで降りてきたので、この登山道を歩いていない。
リフトの下をトンネルで潜り、斜面をトラバース気味に登ってゆく。小さな尾根を越えたところで、霧氷を纏う剣山の展望が一気に視界に飛び込む。すぐ先を行く先行者達に追いつく。上からも下山して来る下山者とすれ違う。多くはないものの、数組の登山者達が登っているようだ。
西島の駅を過ぎると、随所で吹き溜まりが生じ、トレースは完全に雪に埋もれている。吹き溜まりの積雪は余裕で膝上まで達する箇所が多い。山頂のヒュッテの手前で雲の中に
剣山の山頂部は広々とした台地状の平坦地が広がっている。山頂部の木道の上は雪が完全に吹き飛ばされており、木が露出しているところがほとんどである。アイゼンのまま木道の上を歩く人がほとんどのようだが、私は着脱の容易な軽アイゼンなので、アイゼンを外して、山名標のある山頂台地の一角に向かう。
山名標のある山頂の南端部からは雲がなければ、目の前に大きく次朗笈が見える筈なのだ、完全に雲の中であり、目に見えるのは白いガスばかりだ。おまけに雲の中は風がきつく、油断すると体が吹き飛ばされそうなほどだ。山頂の東側の展望台からは一瞬、ガスの切れ目から一ノ森と槍戸山が朧げに姿を見せるも、展望は再び白い闇の中に呑み込まれてゆく。
山頂から下山し始めると、先に下山を始めていた男女が引き返してくる。何かと思えば、雲が上がって晴れそうだから・・・とのことであった。下るにつれて雲の下に出たのだろう。目の前には再び展望が大きく広がる。
リフトの終点となる西島に下降すると尾根の右手に次郎笈の純白の頂きが綺麗に見えている。今頃山頂部にいれば綺麗な銀嶺を眺めることが出来たのだろうが、こればかりは致し方がない。見ノ越から車を停めた地点まで戻る必要があり、時間に余裕があまりない。
再び見ノ越の戻ると、正面に見える三嶺の山頂からは雲がすっかりとれていた。再び車道を歩いて車を停めた地点まで戻る。我々の後からこの道を登ってきた車はいないようだった。気温が上がって雪が湿ってきたせいだろうか、家内が装着しているチェーン・スパイクには雪が団子状になって纏わりついていた。登山前には周囲の木々に見られていた雪化粧もすっかり消えていた。
車に戻ると、再び積雪した道路を下ってゆくが、朝に比べて明らかに雪が柔らかくなっているようだった。名頃を過ぎると急に道路の轍が広くなる。往来している車があるからだろう。久保を過ぎると、道路の雪もほとんどなくなり、安心して走行出来るようになった。
西祖谷の道の駅に寄り道して祖谷そばを食べると、再び大歩危峡のサンリバーで温泉に立ち寄る。阿波池田に戻りレンタカーを返すと、返却の予定時刻をわずか数分過ぎたところだった。それにしても、今回、剣山に登ることが出来たのはパジェロミニのお陰以外の何ものでもない。
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