2024登り納め 雪煙舞う燕岳

- GPS
- 12:46
- 距離
- 35.3km
- 登り
- 2,565m
- 下り
- 2,669m
コースタイム
- 山行
- 3:27
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:27
- 山行
- 3:49
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 4:25
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 8:09
| 天候 | 1日目 曇り〜雪 2日目 晴れ〜曇り&強風 3日目 曇り&風雪 |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
/斉狎〜松本駅(前泊) ⊂硝椡〜穂高駅 大糸線信濃大町行き J羚皹〜宮城ゲート 南安タクシー 1名4300円 ■復路 ゝ楙襯押璽〜穂高駅 南安タクシー 1名4300円 ∧羚皹〜松本駅(後泊) 大糸線松本行き |
| コース状況/ 危険箇所等 |
■1日目 ◯宮城ゲート〜中房温泉 CT6時間ほどのアスファルト歩き(自己3時間半)。雪が積もっていたので冬靴で歩いた。 ■2日目 ◯中房温泉〜合戦小屋 年末年始なのでトレースはあり。柔らかい雪質なので登山口からチェーンスパイクで歩いた。 ◯合戦小屋〜燕山荘 合戦小屋でアイゼンを履き、ピッケルに持ち替えた。一応バラクラバとゴーグルも装備したが、稜線上も穏やかなので外して歩いた。 ◯燕山荘〜燕岳 アイゼンとピッケル、バラクラバとゴーグルを装備。西風が強い。風の強いところは岩が出ていたので歩きづらかった。 ■3日目 ◯燕山荘〜合戦小屋 ヤマテンでは18m前後の風雪予報。小屋の中でゴーグルとバラクラバ装着。アイゼンは小屋前のベンチで履いた。小屋周りで風が強く時折台風姿勢をとる。合戦尾根は意外に風が弱く、合戦小屋まで問題なく下れた。 ◯合戦小屋〜中房温泉 柔らかい雪質のため、第3ベンチ付近でアイゼンを脱ぐ。以降ツボ足のキックステップで下った。 |
| その他周辺情報 | ■宿泊地 ◯中房温泉 テント1張1泊2500円(冬季)。2日目はテントを張りっぱなしにしたので2泊分の5000円を払った。入浴料も料金に含まれているため入浴可能。 ※招仙閣の前に水場あり ※荒天時は強風が吹くため、樹林帯とはいえペグダウンはしっかりした方がいいです(張りっぱなしにしていたテントが寝袋ごと飛ばされました) ※テント泊は下記から予約可能。 https://select-type.com/rsv/?id=EwWXU3u_WdM&c_id=286819 ◯燕山荘 1泊2食付16000円 https://www.enzanso.co.jp/register-lodge ※お湯の販売あり |
| 予約できる山小屋 |
中房温泉登山口
|
写真
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
|---|---|
| 備考 | ■テント泊装備 テント:プロモンテVL18 マット:Zライトソル+モンベルアルパインパッド(2枚重ね) シュラフ:イスカエアドライト860 |
感想
2024年の登り納めは燕岳へ。
日本海側は連日悪天候が続いてましたが、厳冬の北アルプスをこの目で見たいと思い、予報の良い30日を狙って決行しました。
予報通りに30日は晴れ間もあり、雪煙舞う表銀座と燕岳の絶景を堪能できました。一年の締めくくりによい登り納めとなりました。
来年も色々な山に登りたいと思います。
西日本や北海道を開拓していきたいですね。
〜以下山行記録〜
12/29 宮城ゲート〜中房温泉
前泊の宿を出発し、松本駅から大糸線に乗って穂高駅に向かった。電車を降りて改札を抜け、ロータリーに停まっている予約済みのタクシーに乗り込む。山が近づくにつれ、昨夜の新雪で白く染められた山肌が眼前に迫ってきた。たっぷりと雪を蓄えた木々を見ていると、これから厳冬の北アルプスに登るのだと強く実感した。
15分ほどで宮城ゲートに到着した。ゲートの向こうには遭対協の人達がいて、登山届の受付をしていた。「すでにコンパスで出しているなら名前だけでいいですよ」と言われたので用紙に名前と連絡先だけ記入する。記入した入山者に渡しているとのことで、リンゴと甘酒をいただいた。甘酒の暖かさが身に染みた。
アスファルトには5cmほど雪が積もっていたので、冬靴で問題なく歩けた。アプローチ用にと持参したハイキングシューズはただの重荷になってしまった。単調で緩やな登りだけれど、19kg近い雪山テント泊の装備を詰め込んだザックが肩に食い込んできつい。
3時間半ほど歩き、中房温泉に到着。テント泊の受付を済ませ、地熱で雪が溶けている場所にテントを張った。すでに雪が降り始めていたので、雪がテントに入らないようにするのに骨が折れた。ペグダウンしようか迷ったけど、樹林に囲まれているから大丈夫だろうと、岩で簡単にガイラインを張る。
テントを張った後は中房温泉に向かい、御座の湯と岩の湯に入った。岩の湯は見事な雪見風呂だった。入浴後、売店でビールと柿の種を買い、休憩スペースで入山の儀とした。外ではしんしんと雪が降り続き、続々と宿泊客がやってきていた。皆頬を赤く染めて寒そうだった。このままテントに戻らずに、ここでぬくぬくとしていたかった。
雪の降る中テントに戻り、インスタントラーメンを茹でて昼食とした。夕食も同じものを食べたので少し飽きた。
到着時は貸し切りだったテント場にも次第に人が増え、賑やかになってきた。つい1週間前に新調したイスカのエアドライト860に身体を滑りこませた。厳冬期用だけあってかなり暖かく、快適に眠れた。
12/30 中房温泉〜燕山荘
3時半に起床。ヘッデンで上を照らすと、結露が霜のようになり、天井にびっしりと張り付いていた。予想はしていたけど驚いた。
インスタントラーメンを食べ、ザックに必要なものだけを詰め込んで出発した。時刻は5時。日の出前で、雪が締まっていた。念の為チェーンスパイクをつける。
静まり返った道を黙々と歩いた。トレースはしっかりついていた。吐息が白く、突き刺さるような寒さだった。第一、第二ベンチと標高を上げるにつれ、トレース脇の積雪がどんどん深くなる。吹き溜まりでは背丈ほどもあり驚いた。年末年始の時期でなければ、一人で登ることなど到底できないだろう。
合戦小屋の手前あたりで日の出を迎えた。朝陽を反射した雪が煌めき、たまらなく綺麗だった。合戦小屋でアイゼンを履き、念の為バラクラバとゴーグルもつける。が、合戦尾根の頭に出ても微風なので、ゴーグルはすぐに外した。
しばらく進むと次第にガスが晴れてきた。槍と、そこに続く、白銀の表銀座が姿を現した。風で雪が舞い、幾重にも重なったシュカプラが華を添えていた。残雪期も綺麗だったけれど、厳冬の美しさは格別だった。
燕山荘に入り、暖かさに緊張の糸が緩んだ。まだ掃除中だから部屋は入れないらしく、食堂で休んでいていいと案内してもらった。コーヒーを注文してのんびりしていると、再びガスが晴れ、窓から燕岳が見えた。大急ぎで準備して出発する。
燕岳への稜線は西風が強く、吹き上げられた雪煙の美しさに目を奪われた。西に目をやると槍があり、陽を受けた北鎌尾根が白銀に輝いていた。山頂につき、燕山荘までの稜線と、槍まで続く表銀座を眺めた。大天井の存在感も見事だった。強風で指先がかじかんできたけれど、いつまでもここに居たいと思った。
燕山荘に戻り、食堂でビールを飲んだり、寝室で本を読んだりして過ごした。夕陽を期待して外に出るも、あいにく雲に隠れていた。夕食の時に、年末年始恒例のオーナーのお話しがあった。低体温症の話と、遭難時に半雪洞を掘って助かった人の話が特に印象深かった。
翌朝は18m近い風と、雪の予報が出ていた。合戦小屋に下りるまでが勝負だろうなと思いながら、暖かい布団に入った。
12/31 燕山荘〜中房温泉〜宮城ゲート
5時ごろに起床。窓の外は予報通り、風がごおごおと恐ろしい唸りをあげていた。朝食を食べ、小屋の中でアイゼン以外の装備を整えて小屋を出た。強風の中、小屋前のベンチでアイゼンを履き出発。小屋の裏側に回るあたりでとんでもない風が吹き、とっさに台風姿勢をとった。単独を好んではいるけど、こういう時、前を歩く先行者の存在はありがたい。
燕山荘直下の急坂を下ると、さっきまで吹いていた風が穏やかになった。西風なので、合戦尾根が風を遮ってくれているのかもしれない。なんにせよ助かった。そのまま合戦小屋まで問題なく下りることができた。木々の存在がありがたかった。
その後は問題なくサクサクと下り、登山口に到着。温泉に入る前にテントを撤収しようとテント場に行くと、張っていたはずのテントが丸ごと消えていた。一瞬何が起きたのか理解できずに、頭の中が真っ白になった。
まず盗難を疑った。けれど、アプローチに時間のかかるこの時期に、フライシートにイニシャルの書かれたテントを盗む人がいるとは考えられなかった。中房温泉の方が何か知っているかもと思い、招仙閣に行き事の経緯を説明した。昨夜の強風で飛ばされたのかもしれないとのことで、スタッフの方2名が一緒に探してくれた。
沢沿いや周囲の木々を探すも見つからず、最悪のケースを覚悟した。スタッフさん達も仕事に戻り、それでも諦めきれずに駐車場の辺りを探していると、足元の雪が少しだけ不自然に盛り上がっている事に気づき、掘り起こすと自分のテントだった。嬉しさと安堵で、深い深いため息をついた。
テントを撤収して小仙閣に戻り、スタッフさんにテントが見つかったことを伝えた(ご協力してくださり本当にありがとうございました)。そのまま温泉に入り、休憩スペースでカレーをいただいた。無事にテントが見つかって本当に良かった。
「お世話になりました」とスタッフさんに挨拶をし、中房温泉を発った。3時間くらい林道を歩いて宮城ゲートに下山。予約していたタクシーで穂高駅へ。松本駅で降り、後泊先のホテルに向かった。
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