【敦賀】蠑螺ヶ岳 北東稜(冬季)


- GPS
- --:--
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 645m
- 下り
- 649m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ,一時的に雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
(積雪状況) ・ 尾根取り付きで30cmほど,山頂付近で100cmに届くか届かないかくらいの積雪。終始スノーシューを使用した。北東稜はヤブ尾根なので,できる限り嶺南地方の積雪が多い時がおすすめ。今回の山行でもまだかなりヤブが出ていた。本当はあと1mくらいは山の積雪が欲しいところだが,嶺南は雪が少なく,温暖な海際でもあるのでなかなか良いタイミングをつかむのが難しいかもしれない。 (アプローチ) ・ アプローチとしては,標高300m付近までは高圧電線の巡視路が使える。それ以降はヤブ尾根となるが,ヤブは濃くなくそれほど苦労はしない。 (北東稜の状況) ・ 標高550m付近の岩記号の箇所あたりから核心部の岩稜が始まる。積雪期は雪壁と雪稜の連続となっている。左右は終始急斜面で,特に南側が切れ落ちており落ちると無事では済まないのでそれなりに慎重な行動が必要。ヤブがかなり出ており煩わしさは否めないが,ブッシュをうまく使わないと登れない箇所もあるので,その処理も楽しむくらいのおおらかな心持ちで。 ・ 全体的にそんなに難しくはないが,第二岩稜(仮称)の出だしの部分など,一部ロープを出したほうが安全に思われる箇所もある(今回は使用しなかったが)。 ・ 身近な雪稜バリエーションルートで例えるなら,比良の堂満岳北壁の中央稜をもっと長くして高度感を増した感じ,もしくは荒島岳の大ワサビ谷右稜をヤブっぽくした感じ,と言ったらいいだろうか。例えがマニアックすぎる? (下山路について) ・ 帰路は一般ルートの浦底登山道を取ったが,特に上部で雪を被った灌木が倒れて雪ヤブになっており,かなり通過に苦労する。また道形やマーキング等も埋まっているので,下りに使用する場合は意識的にルートファインディングする必要がある。 【北東稜のルート概説】 ① 第一岩稜…最初に傾斜が増し,断続的に岩が出てくる区間。急な雪壁状になっており,ブッシュを頼りにほぼ尾根通しに登る。無雪期より難しくなっている印象。 ② 第二岩稜…すっきりした岩稜が連なる,最も印象的な眺めの区間。リッジ通しは相当困難なので右側(北側)の斜面をトラバースしていくことになるが,この斜面の出だしがかなり急で,ロープを出したほうが安全かもしれない(今回は灌木頼りに強引に通過してしまった)。 ③ 第三岩稜…第二岩稜に続く,ややハングしたような岩稜。ここも右側(北側)基部をトラバースして稜上に抜けるが,無雪期に登った凹角は急な雪壁となっている。 ④ 第四岩稜…痩せた雪稜を慎重に通過。もう少し積雪が多ければ完全なナイフリッジになりそうな雰囲気。 ⑤ 第五岩稜…山頂手前の最後の岩峰。第四岩稜から眺めるとかなり険悪に見えるが,実際は右手(北側)の基部を容易に巻ける。 ※ 上記の「第〇岩稜」はhillwandererが便宜的に勝手につけた仮称です。 |
写真
装備
備考 | ・ 要ピッケル・アイゼン ・ 一部ロープを出したほうが安全と思われる区間もあるので,ロープは携行したほうがよい。 |
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感想
敦賀湾の美しい海景をのぞむハイキングの山,蠑螺ヶ岳(さざえがたけ)にひっそりと切り立つヤブ深き岩稜,北東稜。記録未見のこの岩尾根を,昨年6月に登った。
<関連記録>
【敦賀】蠑螺ヶ岳 北東稜(海をのぞむヤブ深き岩稜) 2024年6月16日
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6937875.html
この尾根が真価を発揮するのは,ヤブの埋まる積雪期に違いないと思い,今冬はずっとアメダスで敦賀の積雪量をチェックしていた。が,やはり嶺南は雪が少なく,なかなか思うように積雪が増えてくれない(もちろん,地元の方々の生活にとっては,むしろそのほうが良いに違いないが)。今回の大雪でも30cm足らずの積雪だが,今季これ以上まとまった降雪は望めないように思え,チャンスは今しかないと思い,蠑螺ヶ岳に向かった。
実際に取りついた北東稜は,やはりいささか積雪不足でヤブっぽさは否めなかったが,それにもかかわらず今季で一,二を争う楽しい登山となった。自分でルートを見出し,自分で思いを膨らませて登る山はやっぱり面白い。次にどんな風景が待ち受けているのか分からず,それどころか本当に登り切れるのかすら分からない,それが楽しいのだと思う。たとえ里山のヤブ尾根に過ぎないとしても,それはワクワクする気持ちとはあまり関係がない。
若狭の山には,空の青に加えて,海の青がある。それがいっそう,雪山の白さを際立たせてくれる。眼下に行き交う船を眺めながら,いつまでも座っていたい蠑螺ヶ岳の午後でした。
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