和名倉山(仁田小屋尾根経由)
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- GPS
- 11:26
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 1,408m
- 下り
- 2,136m
コースタイム
- 山行
- 10:24
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 11:25
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
帰り:秩父湖バス停 → 【バス】 → 西武秩父駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
仁田小屋尾根は,バリエーションルートのため,十分な地図読み等の事前準備が必要。特に,イズブナ平から仁田小屋までの区間は,迷いやすい。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
雨具
靴
ザック
昼ご飯
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
カメラ
防寒着
手袋
熊鈴
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感想
12月19日から2日間,前回の5月2日,3日に続き,再度,和名倉山(別名:白石山)登山に行ってきた。初日は,JR塩山駅からタクシーで約1時間かけて登山口近くにある民宿みはらしに向かい,そのまま宿泊。2日目は,午前3時に起床し,同3時30分頃から登山を開始した。なお,土日は,JR塩山駅から上記民宿手前(手前といっても,7,8キロ離れている。)の落合バス停まで向かうバスが運行しているのであるが,11月24日から4月25日までは,運休となっている。そのため,上記民宿に向かうためには,JR奥多摩駅から丹波バス停まで行き,そこから徒歩約3時間かけて向かうか,タクシーで向かうかの選択肢に限られる。今回は,タクシー会社の厚意もあり,1万円以上かかる運賃を,9000円に値下げしてくれた。
今回の登山についての事実及びその感想については,以下のとおりである。なお,今回は,前回の和名倉山の山行記録に記した当該事実及びその感想と重複する部分は,割愛している。よって,前回の和名倉山の山行記録も併せて参照されることをお勧めする。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-662312.html (2015年5月2日,3日山行記録(二瀬尾根経由)参照。)
1 民宿について
(1) 12月19日午後1時頃,民宿みはらしに到着した。これで2回目であるが,この山深い集落において,歴史を感じさせ,かつ,長年登山者に愛されている民宿は,素朴ながらとても良い雰囲気のある民宿であると改めて感じた。この日の宿泊者は,私たち(2名)のみであった。民宿のおかみさんも,ちょうどこの日の営業をもって今年の営業を終えようとしていたようで,今年最後の宿泊者になったことは,意義深い。お茶と地元の柿などが振る舞われた。
(2) 夕食まで時間があるので,上記民宿の周辺を散策することとした。翌日の登山道である将監峠入口からしばらく歩き,牛王院平と将監小屋との分岐地点を将監小屋方面に10分くらい進むと,「背中あぶり」という分岐地点に到達する。その分岐を右に進むと,小高い丘があり,雲取山方面の山々が見渡せる。居心地の良い場所であった。
(3) その後上記民宿に戻り,薪により温めた山水のお風呂に入り,午後5時に夕食。地元で採れた山菜を中心とした料理,鹿肉及びうどんが出された。とても美味しい。ビールが弾む。午後9時前に就寝。
2 和名倉山登山一般道(山頂まで)について
(1) 午前3時24分,まだ日の出前なのでヘッドライトを着用し登山を開始した。外気温は,優に氷点下である。水たまりは固く凍っていた。とても寒い。前回同様,七ツ石尾根に取り付くための林道を歩き,その後,七ツ石尾根を登る。
(2) しばらく登りを進め,牛王院平(標識なし。)を通過すると,山ノ神土分岐があり,道標記載の(和名倉山の別名である)「白石山」に向かって右に曲がる。この付近で,笹藪から「がさがさ」と動物の動く音が聞こえる。暗がりの中でもあって,熊ではないかとの心配が募った。
(3) 前回は,これ以降の二瀬分岐までの景観,特に,西仙波付近における奥秩父縦走路の山々を始め,遠方の富士山及び南北アルプスが一望できる絶景を楽しんだが,今回は,快晴であるにもかかわらず日の出前のため,絶景を楽しむことができなかった。早々に西仙波,東仙波を通過する。
(4) 午前6時30分頃,日の出となり,ヘッドライトをしまう。川又分岐を経ると,二瀬分岐ピークに向けた坂道が続く。二瀬尾根から和名倉山山頂付近までは,やや不明瞭な踏み跡であったが,登山2回目でもありスムーズに歩行を進めることができた。その後,急にうっそうとした木々の中に入る。倒木も多い。しばらく進むと,いよいよとばかりの倒木に気を取られていたところで,突然山頂にたどり着いた。前回と同様に感ずることとして,普通,山頂というと,ある程度のピークを乗り越えた先の多少なりとも見晴らしの良い場所が一般的であると思うが,ここは掲出写真のとおり,倒木と苔岩ばかりのちょっとした広場で,景色もない。何とも渋い山頂である。和名倉山は,玄人・通好みの山として知られているようであるが,通好みの私には,大きな魅力を感じた。
(5) ここで,今回の登山で唯一となる他の登山者1組(2名)と会った。当該他の登山者は,前日に二瀬尾根入りし,和名倉山山頂付近でテント泊をしたとのこと。軽く会話をし,上記民宿のおかみさんが作ってくれた軽食を食べた(休憩約30分)。
3 仁田小屋尾根からの下山路について
(1) 山頂での休憩は,寒さに耐えられなくなったことから,食事とカメラ撮影を済ませた30分程度で終え,午前8時6分,いよいよ,前回の登山においてチャレンジしたいとした仁田小屋尾根ルートに歩行を進める。仁田小屋尾根ルートは,「ルート」といっても,昭文社の登山地図に記載のない尾根道でありバリエーションルートである。すなわち,積極的に登山道として整備されておらず,登山者も極めて少ないルートである。登山に際しては,あらかじめヤマレコの他の人の山行記録を参考にし,かつ,地形図及びGPSを持参して臨んだ。単純な尾根道ではない(分岐が多い)ので,地形図を十分に読むことが必要である。
(2) 和名倉山山頂から仁田小屋尾根に入ると,倒木だらけの,どこを歩いて良いか見当の付かない場所を歩いていく,しばらくすると,木々に付けたマーキングテープが目立つようになり,進路が安定する。そして,倒木が一気に減り,緩やかで広々とした尾根道に出る。遠望には,雲取山が見える。マーキングテープの誘導に従い,進路をやや南東に変えて進むと,スズダケの道に出て,ちょっとした藪こぎをする。そうすると,コルに出て,目の前のピークに上がると,松葉沢ノ頭に到達する。きちんと山名標識も設置してあった。その後,東寄りに進み,南側に顕著な尾根が続く所をそのまま(分岐を曲がらずに)東に進むと,またスズダケが目立つようになる。ここは,スズダケの密生地である。しかし,踏み跡部分にはスズダケはなく,スムーズに歩行することができる。ここで,またもや「がさがさ」と動物の動く音が聞こえた。恐怖心に駆られながら,一気に藪道を下る。やや急坂である。その後,やや北側に軌道を変更して,ちょっとしたピークを上がると,仁田小屋ノ頭に到達する。ここも,きちんと山名標識が設置してあった。
(3) 仁田小屋ノ頭からは,進路上に明瞭な尾根道が続くが,ここを直進してはならない。南東に進路を変え,イヌブナ平(標識なし。)を目指す。仁田小屋ノ頭から仁田小屋までの間は,踏み跡不明瞭(ない所も多い。),マーキングテープも少なく(イヌブナ平以降はない。),更に尾根が広々としていて,分岐が多いため,非常に分かり難い道である。地形図をきちんと確認し,直感を研ぎ澄ませるべきである。特に,イヌブナ平からは,尾根の広さ及び肉眼において南につながる尾根が顕著に見えることから,進路を誤りやすいと思われる。急斜面であるが,人工林と二次林の境目を下るのが正解である。
(4) しばらくすると,明瞭な踏み跡が出現する。作業路として形成されたものだろう。その踏み跡を仁田小屋方面にジグザグに下降すると,前方左側(東部)に仁田小屋が見えてくる。仁田小屋は,林業等の作業者用の簡易宿泊施設のようであり,立派な建物である。ここから,雲取山を中心とした山稜が見渡せる。仁田小屋からは,沢を越えて,東側に進む。そうすると,また踏み跡(不明瞭)が出現し,踏み跡に沿って歩くと,鹿避けネットで覆われた道が現れる。ここは,入口がネットで囲われているので,そのまま入ることができないが,ネットをポールに縛っているロープをほどくと,ネットが外れる。ネットの内側に入ったら,再度,ネットをポールに縛っておくこと。なお,鹿避けネット地帯は,2箇所ある。その後,トラバースしながらジグザグに下降し,やや強引に降り切った所が雲取林道である。
(5) 雲取林道は,自動車の通行が可能となるゲートまでの間は,落石により大変荒れた道である。ゲート以降は,東側に崖がある道が続き,細かい石が落下してくる。歩行には,落石に十分気を付けたい。ヘルメットの持参もお勧めしたいところである。約15キロ,約3時間歩ききり,ようやく秩父湖バス停に到着。雲取林道歩きは,中々きつかった。
4 おわりに
前回と同様,和名倉山は,玄人・通好みの山として知られている渋い山である。昔は,人の手が付けられていない原生林の秘境のような場所であったようであるが,その後,大規模な森林伐採及び山火事があり,原生林の美しさがなくなってしまった。しかし,それでも,西仙波付近における「深山幽谷」を彷彿とされる幻想的な風景,山頂における倒木と苔むした岩の美しさなど魅力も多い。
今回は,仁田小屋尾根を下山路として選択した。この尾根は,登山口から起算すると,和名倉山までの最短ルートである。公共交通機関を利用する場合,雲取林道の長い道のりを経なければならず,中々容易に行くことはできないが,一度は経験として歩いてみてもらいたいと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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今年2回目の和名倉山登山になりましたが、今回もとても楽しく、今年を締めるにふさわしい山行になりました。ありがとうございました。
仁田小屋尾根は不明瞭な道が多く、自分の読図と勘だけではまだ行けないので、貴重な経験になりました。
民宿は料理がとてもおいしく、おかみさんとのふれあいも楽しかったので、是非またこの民宿を利用しての山行に行きたいと思いました。
お疲れ様でした。また来年も,多様な山行を共に楽しみましょう。
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