冬の加越山地『医王山』〜スノーシューハイク〜
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- GPS
- 06:54
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 605m
- 下り
- 592m
コースタイム
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 6:35
見上峠から夕霧峠まで、登山道(見上道)を辿るようにして冬道を上りました。帰りは、楽ちんでした。林道「菱池広谷線」を滑るようにして(周回中はスノーシューを履いていました)下りてきました。
(開始):見上峠−医王の里「オートキャンプ場」−スガ池東の交差点−西尾平休憩所(交差点)−前山(小兀)−(しがらくびの北側を通過)−権現山−白兀山−(名前のないピーク)−蛇尾山−白兀平ヒュッテ−夕霧峠(菱広峠)−(林道菱池広谷線を通行)−しがらくび−西尾平休憩所−医王の里(スゲ池)−見上峠:(帰投)
___【 最速のコースについて 】___
夏山で、一般的なのは、「見上道」を利用して、白兀山までを往復するコースです。往復で9.5kmほどの移動距離です。また、車道を車で上がり、途中の脇道から「見上道」に入る短縮した登山コースも設定出来ます。たとえば、「医王の里」の駐車場から白兀山までの往復だと、約6.5km。西尾平休憩所の駐車場からの往復は、約4.0km。「しがらくび」の駐車スペースからだと、約2.0kmの往復登山になります。
● 夏山の最速コース(負担の少ないピークハント)
夕霧峠まで車で上がり、夕霧峠から蛇尾山経由で、白兀山までの往復です。往復で、約2.8kmしかありません。移動距離を比べると、「しがらくび」からの登山が最短距離なのですが、夕霧峠からの往復登山は高低差がわずかしかありませんので、「医王山(白兀山)最速のコース」となります。たった往復1時間で、医王山登山が出来ます。
● 冬山の最速コース(冬道の部分を少なくしたピークハント)
冬山(積雪期)では、「しがらくび」まで林道「菱池広谷線」を歩き、「しがらくび」から、山道(冬道)を登り、権現山を経由して、白兀山山頂に到達します。登頂後は、来た道を戻るだけです。往復約9.5kmですが、山道(冬道)を歩くのは、うち2.0kmほどです。GPSがなくとも、迷う恐れの少ないルートですが、作成したGPXファイルをアップロードしておきました。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
加賀と越中にまたがる「加越山地」の最北端に位置する山です。加越山地(両白山地)最高峰の「白山」からは、真北方向約40kmです。金沢市の東方向で、富山県との県境周辺に所在します。また、医王山は、「日本三百名山」と「新・花の百名山」に選定されています。 医王山は、歴史のある名山です。7世紀後半、越前国(えちぜんのくに)で豪族の子として生まれた「泰澄大師(たいちょうたいし)」が、修行を積み、天皇から鎮護国家の法師に任ぜられました。8世紀になった717年(養老元年)、「泰澄」は、白山に登り開山しました。その2年後に開山したのが、「医王山」です。山中には薬草が多く、薬師如来を祀ったことから、薬師如来を意味する「医王」の名が付けられました。 医王山の最高峰が「奥医王山」という山ですが、『医王山』という山名の峰はなく、いくつかの山からなる山塊の総称です。およそ、11座の山(峰)があります。『前山(まえやま)・権現山(ごんげんやま)・白兀山(しらはげやま)・蛇尾山(だおやま)・奥医王山(おくいおうぜん)・鳶ヶ峰(とんびがみね)・三千坊(さんぜんぼう)・前医王山(まえいおうぜん)・覗(のぞき)・箱屋谷山(はこやたにやま)・黒瀑山(くろたきやま)』の以上です。ちなみに、国土地理院地図で、「医王山」の名が載せられいる位置は、「蛇尾山」です。蛇尾山山頂の入口が不明瞭で山頂も開けていないため、あまり山頂に上がる方はいないようです。 ___【 医王山「見上峠」登山口までのアクセス 】___ 「見上峠」には、金沢の山側環状線(金沢外環状道路)を通り、アクセスします。自家用車では、山側環状線「田上町交差点」から登り坂の車道(県道209号線)を医王山方向に向かいます。車のナビでは「見上峠」の300m手前にある「医王山スポーツセンター」を目的地に選ぶと便利でしょう。見上峠にある池の圓肪鷦屮好據璽后10台分位)があります。 −−−< 北陸道を東方から来られる場合 >−−− 金沢森本ICで降り、県道159号線(東部環状)を南下、鈴見台より県道22号線(山側環状)を進み、交差点「田上町」を左折、300mほどで交差点「田上本町北」を左折、県道209号芝原石引町線(くねくねの道です)を道なりに進み、医王山スポーツセンターを過ぎたところが「見上峠」。 −−−< 北陸道を西方から来られる場合 >−−− 白山ICで降り、国道157号線を南下(白山山麓方面)、交差点「安養寺北」で左折し、県道22号線を西に進み、交差点「田上町」を右折、県道209号線を道なりに進むと到着。 ___【 医王山の登山口 】___ −−−< 石川県側の登山口 >−−− ● 「見上峠登山口」 見上峠に到着すると、一見、山小屋風の喫茶店「ビタル(Vital)コーヒー」が目に付きます。そばに池(沼)があり、池の畔に駐車スペース(10台分位)があります。喫茶店の向かいに「見上道」の登山口があります。県道209号線の登山口ある位置から、林道田島(たのしま)二号線が分岐しています。林道の入口に、トイレと駐車場(4台分程)があります。ただし、かなり古いトイレなので、来る途中の山側環状線沿いにあるコンビニ等で、御手洗を済ませておくのが良いと思います。 駐車場と駐車スペースが満車の場合は、県道209号線を少すこし進んで、道幅の広いところで路上駐車するしかありません。冬山の時期は、県道209号線は除雪されますが、好天の週末は、駐車スペースが、満車のなることもあるでしょう。スコップを持参して行き、自分で駐車スペースを確保しなければならないこともあるかも知れません。 ● 「菱池小原登山口」/「小原登山口」 見上峠から、南に移動した場所から、奥医王山に向けて、東に登る「小原道」の登山口です。菱池小原町の集落から少し南にある「ため池」のそばに、「小原登山口」があります。後から、集落の東側に新たに「菱池小原登山口」が造られたようです。 ● 「栃尾登山口」 廃村になった栃尾集落跡のある登山口です。奥医王山に向けて、北東方向に登る「栃尾道」の入口です。 −−−< 富山県側の登山口 >−−− ● 「横谷峠登山口」 登山口のある横谷峠は、奥医王山の南側にあります。県境になっている場所で、「石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線」が通っています。「横谷道」を北に登り、奥医王山山頂に到達します。 ● 「金山登山口」 国見平の少し上で、金山峠(三千坊の北側)にある登山口です。大池平に下る「金山峠道」に入ります。 ● 「前医王山登山口」 「祖谷登山口」の上にある林道上の登山口です。前医王山登山道にはいり、台蔵山を経由して、前医王山山頂に至り、さらに、国土原(三千坊と蛇尾山の中間地点)につながっています。 ● 「祖谷登山口」 南砺市祖谷の山際で、ため池の近くにある登山口です。「祖谷道」に入り、国見平に登ります。 ___【 登山ルート 】___ 見上道は、金沢から「白兀山」を目指すメインの登山道です。小原道・栃尾道・横谷道の3つの登山道は、奥医王山に登頂するルートです。二俣道・白兀道・中尾新道の3本は、見上道から分岐し、大池平に下るルートです。前医王山登山道・祖谷道の2本は、南砺市(旧福光)から登山するルートでし。 ● 「見上道」 見上峠から、西方向に登るルートです。見上峠を出発し、医王の森(キャンプ場)、西尾平、前山、権現山、白兀山、蛇尾山、夕霧峠(※)に到達します。見上道のすぐ南側に「林道菱池広谷線」は併走するように通っていますので、登山道からは、容易に、車道(林道)にエスケープ出来ますので、便利です。冬山では、登山道をかんじきを付けて歩くより、スノーシューを履いて、林道をハイクする方が、楽しいかもしれません。 ※:「夕霧峠」は通称名で正式には「菱広峠(ひしひろとうげ)」と言います。金沢市小菱池町から南砺市広谷町につながる「林道菱池広谷線」を中央で分断する(菱池と広谷の中間の)峠なので「菱広峠」となりました。古くから見上峠にある「見上山荘」のご主人様が、「夕霧峠」と呼んだものが、現在は定着しています。夕刻、峠にたたずんでいたところに、風に吹かれて、遙か下にある砺波平野から夕霧が登ってくる景色に惚れ込まれたのかもしれません。 ● 「小原道」 菱池小原町の集落の少し上から、奥医王山に登るルートです。尾根の途中に、「725Mのピーク」があります。そのピークを過ぎた所で、登山道の両側から谷が迫っていて、道幅がかなり狭い部分がありますので、注意が必要です。奥医王山山頂の少し手前で、「栃尾道」が合流しています。白兀山に向かうには、奥医王山通過した後、288段あると言われる木の階段(浄土坂)を下り、夕霧峠に出ます。百万石道路に入ってすぐに、白兀山の登山口があります。 ● 「栃尾道」 栃尾集落跡の登山口から、「オージャラ」を経由して、奥医王山に至るルートです。山頂手前約120mの所で、小原道と合流します。栃尾登山口に行くには、東町(湯涌温泉の北側の町)から林道を登ります。県道10号線沿いの『浅の川温泉「湯楽」』の手前約200mの所から、栃尾集落跡に上がる林道が分岐しています。 ● 「横谷道」 奥医王山から南に伸びる尾根上のルートです。県境の横谷峠から、北方向に、奥医王山をめざし登ります。 ● 「二俣道」 見上道の「しがらくび」から分岐し、覗−地蔵峠−箱屋谷山(直下)−医王山ビジターセンターまでの登山道。 ● 「白兀道」 見上道の白兀山手前から分岐し、覗乗越(のぞきのっこし)を経由し、大沼(おおいけ)または鳶ヶ峰に続く登山道。 ● 「中尾新道」 見上道の登りで、白兀山を過ぎ、蛇尾山側に少し下った地点から分岐している道です。途中、「白兀道」と合流し、大沼(鳶ヶ峰)につながっています。 ● 「金山峠(梯子坂)道」 「三千坊」のそばの金山峠から大沼(おおいけ)に下るルートです。 ● 「前医王山登山道」 前医王山(標高612m)を通過する登山道です。百万石道路沿いの国土原(標高 804m)から出た尾根上のルートです。国土原(休憩所あり)から下り、前医王山の場所で北東へ曲がり、四等三角点「祖谷」(通称:台蔵山)を経由して、林道と交差する地点が「前医王山登山口」です。さらに下って、溜池のある地点が「祖谷登山口」です。 ● 「祖谷道」 富山県南砺市祖谷(そたに)にある「祖谷登山道」から、西方向に登るルートです。国見平の国見ヒュッテのある場所に出ます。途中、「前医王山登山道」に進む道が分岐しています。 ___【 ルートの周囲にある三角点 】___ ● 一等三角点「医王山」939.07m 奥医王山の山頂(南砺市)にあります。 ● 三等三角点「火打坂」648.98m 西尾平にあります。 ● 四等三角点「糸谷」594.91m イオックス・アローザスキー場の北側の峰にあります。 ● 三等三角点「黒滝」789.39m 国見平の南側の「三千坊」山頂です。すぐそばを百万石道路が通っています。「釼道魁覆ろたきやま)」は、この三角点から約900m北側に位置します。 ● 四等三角点「祖谷」554.16m 前医王山から少し下った所です。通称「台蔵山」と呼ばれるピークにあります。 ● 三等三角点「箱矢谷」685.02m 箱屋谷山(はこやだにやま)の山頂にあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
___【 コースの状況等 】___ ● 暖冬で、今季は、積雪量が少ないようです。気温の上がる日が多いためか、溶けた雪が、夜間凍って、アイスバーンになって箇所もありましたが、足で蹴って砕ける程度の物でした。チェーンスパイクを持参していきましたが、使用しませんでした。 ● 私は、周回中は、スノーシューを履き通しました。しかし、西尾平からの登りと、しがらくび(前山を過ぎた所)から権現山(白兀山の手前のピーク)にかけた登りが急登で、スノーシューを履かずに、「カンジキ履き」か「つぼ足」で登った方が良さそうでした。 ● 登山者の多い冬山なので、トレースがよく踏み固まれていることが多く、普通の登山靴か、履き口を絞れる長靴(レインブーツ)でも雪山登山可能です。(ただし、新雪が降り積もった直後は厳しいでしょう。) |
その他周辺情報 | ___【 コース近くにある温泉と観光スポット 】___ −−−< 湯涌温泉 >−−− 湯涌温泉は、『金沢の奥座敷』とも言われる山間にある温泉地です。歴史ある温泉で、「なめらかさと温もりが肌を包み込む」〜というのが、湯涌温泉協会のキャッチフレーズのようです。金沢市街からは、「香林坊交差点」が起点で、終点が、富山県南砺市「東町交差点」(福光)の「石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線」を進むと、芝原町で「湯涌温泉入口」が分岐しています。見上峠登山口から、比較的、近くにある温泉は「湯涌温泉」と「浅の川温泉」です。登山口から県道209号芝原石引町線を6kmほど南下すると「湯涌温泉入口」にたどり着けます。 ● 湯涌温泉 総湯「白鷺の湯」 県道10号線から「湯涌温泉入口」に入り、芝原橋を渡り、湯涌町内を約1km進んだ所にあります。 ・泉質:ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性温泉)、掛け流し・循環式併用 ・営業時間:午前7時00分〜午後10時00分 ・休館日:毎月第3木曜日 ・入浴料:380円(ソープの据え置きなし) ● 湯涌温泉 「銭がめ」 湯涌温泉の名を冠していますが、温泉宿群のある湯涌町・湯涌荒屋町から離れた場所にある一軒宿です。住所は、金沢市板ケ谷町(いたがやまち)になります。県道10号線から県道209号線が分岐している地点で(平下橋の手前)から、県道10号線を南砺市方向に、約2km進んだ所に所在します。途中の県道10号線沿いには、日帰り施設の「浅の川温泉 湯楽」があります。「湯楽」からは、1.3kmほど南砺市(福光)側になります。 ・泉質:トリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物泉、源泉掛け流し ・立ち寄り入浴:午前11時00分〜午後9時00分 ・休館日:毎週月曜日 ・立ち寄り入浴料:500円(ソープの据え置きあり) ・食事:銭がめコース(5,250円)ほか ・宿泊 / 1泊2食付:11,700円〜 ● 湯涌温泉 「金沢湯涌夢二館」 竹久夢二(たけひさ ゆめじ、1884−1934年)は、大正ロマンを代表する抒情派の画家にして詩人です。特に、「夢二式美人画」で有名です。「夢二」と「湯涌」には、深い縁があったため、2000年(平成12年)、金沢市によって設立されました。総湯「白鷺の湯」の隣に所在します。 ・開館時間:午前9時00分〜午後5時30分 ・休園日:年中無休 ・観覧料:300円 ※:平成27年11月24日〜平成28年3月11日、リニューアル工事の為、休館中です。 ● 湯涌温泉 「金沢湯涌江戸村」 文化財建造物を展示する野外博物館です。江戸時代、日本最大の「藩」であった「加賀藩」で栄えていた屋敷(民家)を多数移築して展示しています。この江戸村の由来は、1997年に閉鎖された「旧金沢江戸村」(現在の湯涌散策園に所在しました)が、2010年に、湯涌荒屋町の旅館群の隣に移転し「金沢湯涌江戸村」として生まれ変わったものです。所在地は、湯涌温泉のある湯涌荒屋町です。金沢湯涌みどりの里(農林業を体験出来る施設)の隣にあります。 ・開園時間:午前9時00分〜午後5時30分 ・休園日:毎週火曜日 ・入園料:300円 −−−< 浅の川温泉 >−−− 見上峠登山口からは、県道209号芝原石引町線を約5.5km南下すると県道10号線に合流します。平下橋を渡り、南砺市方向に、県道10号線を約0.6km進んだ所が「湯楽」です。金沢市街からの場合は、県道10号線を進み、芝原町の「湯涌温泉入口」を通過して、約0.5km進むと、県道209号線(見上峠に向かう道)が分岐しています。この地点から、県道10号線を約0.6km進んだ所が「湯楽」です。ちなみに、「栃尾登山口」に行くには、「湯楽」の上を通る林道を登ります。 ● 浅の川温泉「湯楽」 浅の川温泉は、湯涌温泉に隣接する温泉です。日帰り施設の「湯楽」1軒だけです。源泉が2つあり、「戸室の湯」と「医王の湯」と名付けられています。 ・泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉、無色透明・微硫化水素臭あり)、 掛け流し・循環式併用 ・営業時間:午前8時00分〜午後10時00分 ・休館日:毎週月曜日 ・入浴料:390円(ソープの据え置きなし) ・入浴早割引:午前8時〜午後2時の時間帯は30円引き ・露天風呂/サウナ(無料) ・有料休憩室、有料特別研修室(カラオケ付き) |
ファイル |
冬道の部分を少なくしたピークハントです。
(更新時刻:2016/02/07 03:22) |
写真
)摸ζ擦鯏貶から来られる場合=金沢森本ICで降り、県道159号線(東部環状)を南下、鈴見台より県道22号線(山側環状)を進み、田上町を右折、300mほどで田上本町北を左折、県道209号線を道なりに進み、医王山スポーツセンターを過ぎたところが「見上峠」
∨摸ζ擦鮴省から来られる場合=白山ICで降り、国道157号線を南下(白山山麓方面)、安養寺北で左折し、県道22号線を西に進み、田上町を右折、県道209号線を道なりに進むと到着。
正式なパンフレットは、石川県のHPよりダウンロードして下さい。ホーム > くらし・教育・環境 > 自然 > 自然公園 > 医王山県立自然公園〜とたどりますが、アドレス
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/sizen/sizenkouen/iouzen_jouhou.html
を入力すると直上まで移動出来ます。
医王山を構成する「峰々」と、三角点の場所を図示しました。山としては、認識されていませんが、白兀山と蛇尾山の間にピークがあります。そのピークは、「大ザラ」もしくは「奥兀」と呼ばれています。
「しがらくび」まで、登山道(冬道)ではなく、車道(林道菱池広谷線)を歩きます。「しがらくび」から、登山道に入り、白兀山山頂までを往復するルートが、比較的、優しい冬山コースとなります。
上の写真が、今回の物で、下は、1年前です。去年に比べて、だいぶ雪が少ないです。この県道209号線は、6km程先の芝原町(湯涌の手前)で、県道10号線に接続しています。
〜「大門山(だいもんざん)」が見えました。県道209号線は「石川県道209号芝原石引町線」、県道10号線は「石川県道・富山県道10号金沢湯涌福光線」が正式名称です。
昔なつかしい「便所」です。とても古いため、利用される方は、あまりいないと思います。向かいに、4台分ぐらいの駐車場があります。大雪の時は、ここから先は、除雪されてないこともあります。
車道(県道209号線)の右側沿いに、喫茶店「ビタル」・左側に林道「菱池広谷線」が分岐しています。冬山では、菱池広谷線を歩いて登り。「前山」を過ぎた「しがらくび」から、見上道に入る方が多いようです。
上がってすぐ、案内板の後で、分岐しています。右が本来の「見上道」です。ここは、トレースのある左に進みました。送電鉄塔の巡視路である「能越幹線132号」です。
写真上:正面がキャンプ場、右に下ると「森の家(バーベキューサイト)」にでます。写真下(右に下りた所から見上道を見上げました):葉ワサビが栽培されています。道上の記号Lの表示は、オリエンテーリングのポスト(フラグ)です。「医王の里」周辺で利用されているのでしょう。
登山道と林道を合わせると、この地点からは、5方向に進めます。混乱します。冬山のルートファインディングに自信のない方は、「しがらくび」までは、車道(菱池広谷線)を歩いた方が良さそうです。
左上から右下に伸びている尾根は、奥医王山の小原道が通る尾根です。この「小原尾根」の後方に、高尾山のある山並み、さらに奥には、大門山や奈良岳のある山岳地帯が続いています。
ここで、数名の方とすれ違いましたが、ほとんどの方は、「見上道」ではなく、この林道をもう少し先まで歩いていました。「奥医王山」は双耳峰のような山容に見えています。実は、「浄土坂」を上がりきった部分が、山頂の北東側(画面では山頂の左)のピークになっています。
夏山でも、この場所は複雑です。「覗(のぞき)」に進み道は、見上道と平行してはしり、途中で北側の「覗」に向け左にカーブしています。見上道はここから、前山まで急登です。雪道が大変なので、「しがらくび」まで、車道を歩くことをお勧めします。
スノーシューを脱がないと登れそうにもない急登でしたが、あえて、下駄を脱がずに(シューを履いたまま)登りました。返り見た、休憩所の後ろにある小山は、三等三角点「火打坂」のあるピークです。
この「前山」の手前の西尾平休憩所からの登りと、この後、登った「権現山」の手前の登りの2箇所が、急登で辛かったです。ちなみに、「前山」は「小兀(こはげ)」とも呼ばれています。
〜権現山の方向(東)を見上げました。ピークに見えるのは、山頂ではなく、尾根のせり上がった部分です。推測するに、「しがらくび」の名は、「白兀の頚」から転じたものでしょうか?
先ほど、「しがらくび」から見えた場所(尾根)辺りからです。富山県側が見えました。積雪期は、車道(林道)から、分岐しているしがらくびの登り口から、この尾根(権現山の手前)を登り、白兀山まで目指す方が多いです。
白兀山の右後方に見えるのが、蛇尾山(だおやま、920m)です。蛇尾山の方が、医王山の主峰といえるかもしれませんが、いつも白兀山に、人気が集まります。
この後、私がすれ違った人の数から推測すると、向こうの山頂には10名以上いたはずです。私が、白兀山山頂に到着したときは、2名に減っていました。
「蛇尾山−白兀山−権現山−前山」の山稜と「奥医王山」の山稜は、夕霧峠(菱広峠)で分断されています。私が思うに、あちら(奥医王山)を『南医王山』、こちら側を『北医王山』とした方が、スッキリするような気がします?
この山頂の展望台の高さは、方位盤の位置で3.5m位あります。積雪は、2m程でしょか。方位盤は、ピンクのリボン付きで、『ラッピング』(ビーニール袋で保護)されています。
ここ白兀山と蛇尾山の間にピークを『大ザラ』(ないしは「奥兀」)と呼ばれています。「大ザラ」と、ここ(白兀山)の間の谷間に「中尾新道」が通っています。ここでまた、私の妄想です〜、「大ザラ」を『東白兀』とし、「権現山」を『西白兀』と命名すれば、スッキリすると思いませんか?
南側から、赤祖父山(あかそふやま)−扇山(おうぎやま)−大寺山(おおでらやま)−八乙女山(やおとめやま)と北方向に山稜が下っています。八乙女山の後方に、牛岳(うしだけ)があり、北方向に長い裾野を伸ばしています。まさに、牛が寝そべっているように見える山です。
北の能登半島に、「宝達山」。眼下に、「箱屋谷山」。谷底には、大沼(おおいけ)のある「大池平」。北西方向(画面左端)に、内灘砂丘と接している「河北潟(かほくがた)」。
宝達山は、ピークが3つあるように見えます。「山頂」は、標高637mで、すぐ東側に、「631mのピーク」があります。さらに、東に下り、鶏坂を登った所が、県境にある「551mのピーク」です。
『大ザラ』と呼ばれるピーク(※)から、白兀山を眺めました。今まで歩いた冬道は、ほぼ、夏道のとおりにトーレースされています。(※:白兀の東約150m・蛇尾の北西約350mの地点のピークです)
正面に、奥医王山(939m)が見えています。蛇尾山は、医王山では、奥医王山についで2番目の高さです。地理院地図では、蛇尾山の記載がなく、蛇尾山山頂の横に「医王山」の文字が記入されています。
夏の蛇尾山山頂は、木枝が切り開かれておらず、なにも眺望出来ません。雪のおかげで、すべてが「オープン」になりました。イオックス・アローザスキー場も、オープン(営業開始)、ここの視界もオープン(開けた)。
今回、蛇尾山から先に進んだ方がいなかったみたいで、蛇尾山−夕霧峠間は、トレースがありませんでした。GPSを頼りに進みましたが、自然と歩きやすい谷側(大池平の方向)に脚が進んでしまい、遠回りしてしまいました。それでも、スキー場の賑わい(子供達がはしゃ声)が聞こえてきた方向をめざし、たどり着くことが出来ました。
階段が凍り付いています。アイゼンが必要かと思う位でした。チェーンスパイクを持参したいましたが、何とかスパイク履かずに、氷の階段を登りました。
スキー場の一番上のリフトが、夕霧峠の林道と接続しています。この時は、このリフトはお休みしていました。画面右下の案内板のある所が、「浄土坂」の入口です。奥医王山の登山口になります。
ちょうど、白兀山山頂で出会ったご夫婦が、林道に下りて来ました。ここは、前山を少し過ぎた所です。冬山では、ここまで林道を歩き、ここから、山道を登り、権現山経由し、白兀山で折り返しのパターンが、最速のコースです。夏山の最速コースは、夕霧峠まで車で上がり、蛇尾山経由、白兀山までの往復です。
一眼レフのレンズが曇っています。レンズそのものが冷え切っているため、拭いても、すぐに曇ってしまいます。コンパクトカメラは懐で暖めることが出来ますが、大きなカメラは、そうはいきません。「フォギー効果」だと割り切って、レンズ曇りを気にせずに撮影続けました。
林道と登山道が交差して「五叉路」になっている場所です。見上道のことは、もう忘れて、ひたすら、林道を滑っていきます。スノーシューを履いていると、雪のスロープの下りは、楽ちんです。
スノーシューに雪が凍り付いています。車を30分運転して、車内が暖まってから、刷毛で掃除しました。アトラスの一番大きいサイズで、長さが76cmもあります。他に、匹敵する長さの物はあまりありません。MSRの大きい物でも、長さは64cmまでですが、オプションで「テイル」を増設すると、76cm位になるはずです。過体重の私にとっては、長いサイズでないと、雪の中に沈んでしまいます。
温泉街の1kmほど北側の上山町から、南の山々を眺めました。「高尾山(たかおやま)」もスノーシューハイクに好適な山でしょう。刀利ダム(とうりダム)の西側で、三等三角点「下順尾山」(標高696.54m)のあるピークが見えていますが、地図に山名がありません。下順尾山と呼んでも良いのでしょうか?このピークの3.5kmほど南に「順尾山 (ずんのおやま・883m)」があります。
この場所が、県道209号線の終点になります。上の写真では、左側の見上峠側から下りてきました。県道10号線「平下橋」を渡り、「湯楽」さんと「銭がめ」さんを偵察してきました。
〜宿です。「源泉掛け流しの古代檜風呂」らしいです。私は、まだここのお風呂に入ったことがありません。今日は時間切れが迫っていましたので、写真だけ撮らせていただきました。
芝原町の湯涌温泉入口です。金沢市街から来ると「浅の川温泉」の看板が目立ちますが、赤い看板の「ゆわく温泉」に進みます。ちなみに、交通標識には、「横谷5km」と表示されていますが、栃尾集落と同様、横谷集落も廃村になっています。
「芝原橋」を渡り、約600mの所で、湯の川に架かる「福神橋」が左手にあります。この橋を渡った突き当たりに、「江戸村」があります。総湯は、このまま400mほど直進した所にありまあす。
福神橋のそばにある足湯です。湯川温泉には足湯が2箇所あります。もう一つは、総湯のそばにある「白鷺の足湯」です。ここの「あし湯」は、足湯船の容量が小さいので、冬は、温度が低くなっていると思います。
シンプルな説明図です。どの山も、見る位置によって、ずいぶん違って見えます。初めての場所から眺めだと、山を見間違えることもしばしばです。そこで、私は、登山で撮影した写真と、「カシミール」のカシバード撮影を比較して、山を同定するようにしています。
「カシミール」の見通し機能で確認すると、この位置から奥医王山山頂が、見えないと判定されますが、ぎりぎり見えているように思えます。山頂より栃尾尾根の稜線が高く見えますが、山頂より近くにあるための視覚効果です。
江戸時代の屋敷(民家)を移築して展示しています。1997年に閉鎖された旧「金沢江戸村」が2010年に、この場所に移転し、新「金沢湯涌江戸村」として生まれ変わりました。今回は、場所の確認だけで、入村(入園)しませんでした。
江戸村と道路を挟んで、はす向かいにあります。農林業を体験出来る施設です。建物は「農産物加工交流センター」です。センターの裏には、果樹園、道の向かい側には、市民農園があります。
総湯の隣(手前側)にあります。現在、工事のため、休館中です。広場には、夢二の愛した「湯の町」をイメージしたようなステージが造られています。右手奥に、薬師堂にあがる階段があります。
〜柄杓は木製ではなく、アルミ製です。清めるためでなく、飲むための柄杓ではないでしょうか?手水なら、口を清めたあと、吐き出さないといけないのですが、私は、美味しく飲んでしまいました。舎の上には「池心(ちしん)」と書かれています。「池の中心」と言う意味か?
〜この温泉を発見したらしい。江戸時代は、加賀藩により保護されました。大正初め、ドイツで開かれた万国鉱泉博覧会で「日本三名泉(※)」の一つと折り紙が付き、以来、「夢二」を初めとした文人墨客(ぶんじんぼっかく)の来湯が、現在も絶えないとのことです。※:現代の「日本三名泉」は、有馬温泉・草津温泉・下呂温泉の3泉です。
装備
個人装備 |
■[テント・装備等]■
ザック
ストック
スノーシュー
チェーンスパイク
キャップ
バラクラバ
冬用グローブ
軍手
サングラス
ロングスパッツ
小型シェルター
ストーブ
ガス(OD缶250g)
サーモスボトル
■[電気製品・GPS等]■
スマートホン
GPS
一眼レフデジカメ
コンパクトデジカメ
予備電池
ABCウォッチ
■[寝具・アメニティーグッズ]■
ガベッジバッグ4L(携帯トイレ2回分・トイレットペーパー1ロール)
■[クロージング等]■
防寒着(ダウンジャケット・ストームジャケット等)
タオル3本
■[食糧・水等]■
水2L
お湯900ml(サーモスボトル)
おにぎり3ヶ
カップ麺1ヶ
お菓子少々
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共同装備 |
コメント:気温が比較的高く防寒具があまり必要ありませんでした。
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感想
___【 良かったこと 】___
● 天候に恵まれた。
● 登山道(見上道)をスノーシューで登り切ることが出来た。登山道の圓鯀る車道を登らず、急登でもあえて、スノーシューを脱ぎませんでした。辛かった分、充実感がありました。
● 蛇尾山から夕霧峠までの間は、トレースがなく不安だったが、なんとか、コース取り(ルートファインディング)出来た。
___【 悪かったこと 】___
● 天候が良かったが、遠方の「立山」や「白山」が見えなかった。たぶん、向こう側(高山地帯)では、雪模様だったのでしょう。
● 雪山の状況が良かったので、もう少し軽装備(ザックを軽くして)で望んでも良かった。移動時間が短縮出来たはずです。
___【 最後に 】___
今回の雪山、天候には恵まれましたが、ふかふかの新雪が積もっていなかったので、少し物足りない気もしました。しかし、もし新雪が積もりトレースがなかったとしたら、かなり辛い雪山登山になったでしょう。今回は、自身で、「上出来の登山」と評価します。
私は、山行後に、なるべく、(アフターの入浴とともに)ミニ観光することにしています。残念ながら、冬の夕刻まで、登山に時間を費やしてしまいましたので、あまり、観光は出来ませんでした。いつものことです。きっと、山行計画が少し身の丈を越えてしまっているのです。いつか、「湯涌温泉」のような所に、1泊して、登山と観光(温泉保養)の両方を堪能したい物です。
とりあえず、近隣の雪山登山(スノーシューハイク)をもうしばらく、楽しみたいと思います。
___【 過去の「医王山」記録のリンク 】___
私は、昨年、医王山に4回登山しました。うち2回は冬山(1月と2月)でしたが、記録はアップしていません。5月と6月の2回分アップしております。
● 医王山 ミニ周回コース
2015年06月21日(日帰り)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-664593.html
● 医王山周回満腹コース(情報満載の保存版)
2015年05月22日(日帰り)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-647236.html
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