【平成22年の締め】冬季雲竜作戦【雲取山・飛龍山】
- GPS
- 10:00
- 距離
- 27.6km
- 登り
- 2,342m
- 下り
- 2,269m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:丹波山温泉バス停-奥多摩駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
日陰の雪は凍って要注意。 最後の下り、急坂と落ち葉で滑りやすし。 丹波山温泉のめこい湯を利用。 |
写真
感想
ある日体に傷を負った私は湯治をしようと、東京に最も近いと思われる硫黄泉、丹波山温泉のめこい湯へ行くことにした。しかし、温泉のためだけに出かけるというのも気が進まないので、奥多摩での一歩きを追加。他に候補として三頭山等も挙がったが、三頭山方面は先日歩いており、同じ地域は立て続けに行かないという慣習があるので雲取とした。また、今までは雲が取れることはなかったが、冬の晴れた日であれば雲取山の雲も取れているだろうという期待があった。
昼の時間の少ない冬に中距離以上の作戦を展開する以上は、朝一番出発は必須である。
というわけで朝も早く午前4時30分に武蔵小金井駅を発つ。もちろん駅までは小一時間自転車を使用。そんなことをしている割に睡眠時間は比較的取れたと思う。
それにしても一番早い電車は一番早く目的地に着けるので良いのだが、乗換が多くて寝ようにも寝られないのが難点だ。下手をすれば先日の梅ヶ瀬渓谷のときのように寝過ごして乗換に失敗してしまう。
半眠半起の状態で電車に揺られていたが、奥多摩駅では乗換に遅れまいとバスへダッシュ。
それにしても寒い。あー寒い。寒い、ヤバい、間違いない!
バスの座席は結構埋まっていた。中高年と大学生少々といったところか。
バスは暗い夜の帳の中へ走り出した。とは言っても6時台だ。徐々に空の漆黒は淡くなり、地表と接する所では紅に染まる。そして、その様が湖面にも映える。今日は好い一日になりそうだ。私がバスを降りた時には既に空は明るくなっていた。他の乗客の殆どは鴨沢まで行ったようである。
さて、まずは赤指山へ取り付く道を探さないといかんのだが、例のごとく事前リサーチが適当なのでよくわからない。道を登っていくと左手は民家だ。先に進むとまずい。右手は墓地だ。ここを登っていくのかしら。犬が吠え始めたので転進する。後で調べた所では墓地脇に道があったようだ。また、その先は王子製紙だかどこかの社有地で無断立入は駄目ということになっているようである。
仕方がないので鴨沢に行く。最初からこうすれば良かった。山梨県の丹波山村に入り、すぐの神社脇の道を登っていく。しばらくは車道である。地面は霜で白みがかり、空は快晴で真っ青。後ろからは陽光がじわじわと照ってくる。
切通しのような道をグネグネ登ると人がちらほらと見えてきた。恐らく鴨沢から登ってきた人だろう。他に小袖に3台程度車が停まっている。今日は人が多いのかもしれない。
朝食休憩で休んでいる人を横目に朝日の差し込む木々の中を歩き、水場で水分補給をして暫くの間は、鴨沢から登ってきた人を皆追い抜いてしまったのか、誰とも会わなくなってしまった。所々地面が白くなっているが、あれも雪なのだろうか?地面は霜柱が立ち、歩くたびにバリバリ言って面白い。
七ツ石小屋への分岐手前で後ろを振り返ると富士山がはっきりと、そして堂々と見えた。今日来てよかった。雲取から雲は取れている。
七ツ石小屋に近づくと、何人か山人が憩っているようだ。さすがに朝早くから上っていれば一休みもしたくなる。私は山小屋の上手で水を飲み、雲取での休憩を目指して、まずは七ツ石山を目指す。
七ツ石山は画像の通り、真っ青な空の下禿げ上がった山からはほぼ全方位、これから歩く雲取方面、飛竜方面、さらには富士山方面までよく見える。だが、雲取はここからが大変だ。
まずは急な下り。下りだからよいものの、のぼりだとなかなか大変だ。その後はまた急な登りが続く。傾斜が急すぎるため道もジグザグだ。久しぶりの2000m峰のためか、疲れる。
ヘリポートで写真撮影休憩の後、引き続き石がゴロゴロ転がる道を振り返り振り返りつつ登り、ちょうど良い時間に山頂に至る。以前来た時よりも人が少なく静かだ。3回目の雲取でようやく青い空を得ることができ感無量である。そのため普段よりも長く山頂に憩った。
では、後半戦。雲取から一旦急降下する。雲取までの禿げた感じのする道と異なり、此方は笹に覆われている。雪も今まで以上に残っているようだが、笹の葉の下に落ちてしまったのか、あまり目立たない。この後半の初めの段階では特段歩きにくいということは無かった。それにしても足跡は結構残っているような気がするのだが、人の気配が無い。三条の湯へ降りていく分岐近くで男性が一人休憩していたのを見かけたくらいだ。まあ飛竜山頂は展望も無いということなので、わざわざ行こうという人も少ないのかもしれない。それなら何故私は飛竜を目指しているのか、というと冒頭述べたとおり、丹波山温泉のめこい湯への途中にあるからだ。
そのうち、日陰になる箇所を多く歩くようになったわけだが、積雪も増えてきた。場所によっては雪が固まって危ない。慎重に足跡をたどる。左側は崖とは言わないまでも切り立っているので滑落したらただでは済むまい。しまいには桟道が現れた。それまでは左側に落ちたとしても地面なり草木なりがあるが、雪積もる桟道で転倒したら、一気にまっさかさまだ。緊張は極限に達する。そういえば、雲取から飛竜の間は尾根歩きと言うよりも、巻き道的な道の連続である。頂に道を通すのはそれでまた危険なのかもしれない。なかなか気が抜けないので疲れも感じてくる。疲れを感じるのは厚着をしているからでもある。やはりコートを買わないとな。肩が重いので肩を回しながら歩く。
何だかムシャクシャしてきたので、開けた所に来たついでに小ピークハント。何の頂かわからないがその辺りで一番高い所に登ってみる。木が生い茂ってスペースも狭かった。飛竜山にはその後すぐに着いたので、そんなに粋がらなくてもよかった。
飛竜山は確かに、展望は無いようだったが、数人のパーティが憩っていた。
「今日は暖かいですナ」などと言葉を交わした後、飛竜権現側まで降りて休憩する。肩が凝っている。薄手で軽く暖かい着物は無いものか。後日、ヒート何とかを購入。
山行もついに終盤戦。ミサカ尾根を延々と下る。雲取-飛竜間に比べ積雪が少ないのは南側だからだろうか。同じ山梨でも大きく異なるものだ。この尾根でも日陰は真っ白だったが。
終盤戦の華は、やはり前飛竜だ。ここは岩が露出して、そこに登れば遮るもの無く、展望は非常に良い。
当初はサヲウラ峠から丹波天平まで行って街に降りようと思っていたが、疲れてきたのと日没までに里に降りる必要があることから、サヲウラ峠で下山することに。ここからはジグザグの急降下。とてもゆっくりは歩いていられない。しかも落ち葉がこんもり溜まっているため、2,3回片足が滑った。そのうち1回は左足が滑って道から足を踏み外してしまった。それでも転倒しなかったのは最後まで気を抜かなかったからだろう。
ようやく下に道や人が見えてきた。途中から足元が柔らかくなって、ありゃ、これは道を間違えたかなと思いつつも、下まであと100mくらいで道自体は下の方に続いていたので構わずズンズン下る。そして降り立った所が砂防ダムか何かの工事現場でちょうど工事中だった。
作業員:「・・・どうされました?」
私 :「えーと、ちょっと山から降りてきたところです・・・」
その後、作業員が仲間に「あっやしぃ〜」と言っていたが、せめて私の姿が見えなくなってから言っていただく優しさが欲しい。
というわけで、最後は何だか気まずい感じになってしまったが、歩きに歩いて、見るものを見て、見どころ満載、興趣充実、非常に楽しく素晴らしい山行だった。
〜おしまい〜
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