初日の出を天城山青スズ台で見る
- GPS
- 04:50
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 743m
- 下り
- 726m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
真っ暗闇の中を車のヘッドライトの薄明かりを追って、伊豆半島の中央部を通る国道414号線を天城峠へ向かいました。新天城トンネルの手前を左折し、旧道を天城隧道方面に入り「水生地」の路肩に車を駐車しました。車の気温計を見ると気温は-2°と寒く、車から出ると沢の音しか聞こえない暗夜ですので少し寂しく不安感のみが漂いました。 橋の手前のゲートをくぐり舗装された林道を登って、下り御幸歩道入口に向かいました。歩道を登って行くと杉林の中は優勢間伐されて、以前来た時とはかなりイメージが違っていました。杉の木の間から見上げると、満天の星空が見え、開放感さえ感じることができました。私の歩く足音を察知したのか、闇の中で警戒する鹿の鳴き声が聞こえました。野生動物の能力には驚きます。音で気づくでしょうか、それとも匂いで進入者を察知するのでしょうか。こちらも心細いヘッドランプの灯りだけが頼りで、小さな物音でも緊張して思わず立ち止まってはビビりまくりました。 杉の人工林を抜けブナの大木が多くなった広葉樹林に入り、振り向くと落葉した樹林の間から静岡市清水の街の灯が見え、東の空には三日月と金星が輝いていました。 八丁池から緩い斜面を青スズ台歩道を歩き小高い青スズ台の山頂に向かいました。 山頂は標高1236.7m、三等三角点がありました。小広く、東側は展望が開け、今年の初日の出を見るのに相応しい最高の山頂です。私の選択には間違いはありませんでした。期待と不安を交錯させながら登って来たかいがありました。予定していた時間より早く山頂に着いたので、熱いお茶を飲みパンを食べて腹ごしらえをしました。あまり体験することのない-6°に気温は下がり、寒さに我慢がならなくなりツエルトを被り日の出を独り待ちました。人の声に振り向くと、なんと10名程のパーティーが山頂に登って来ました。メンバーには昨秋に東海バス主催のトレッキング、天城山縦走に参加した時お世話になったガイドさんがいましたので挨拶を交わしました。 7時56分頃伊豆大島沖から待望の新年の太陽が昇ってきました。まさしく初日の出です。北側の落葉樹林の間からは、新年を祝うかのようにピンク色に染まった富士山までもが見えました。 八丁池方面に戻り展望台に上がってみると、全面氷結した「伊豆の瞳」八丁池がキラキラ輝き眼下に見えました。その遙か奥には富士山や南アルプス連峰も見え、いつもは遠く霞んで見られない景色に感動しました。登って来た青スズ台は目の前にあり下田方面の海岸線や達磨山方面も一望できました。 八丁池の池畔を少しの間散策して、下り御幸歩道を下がり出発地の水生地へ戻りました。 |
写真
感想
勝手知ったる天城山と言えども、暗闇の中をヘッドランプを頼りに独りで登るにはいささかの不安があり、数日前から初日の出の山行を行うかためらっていました。昭和32年ごろ天城山中でおきた愛親覚羅さんの心中事件や、松本清張さんが書いた小説「天城越え」のストーリーが脳裏をよぎり変に恐怖心が沸いてきました。また鬱蒼とした天城の杉林の中は昼間でさえも暗く、空を見ることができない寂しく暗いイメージがあります。この暗い杉林を通過することがもうひとつ不安材料でした。週間天気予報をチェックすると、年末から新年にかけての太平洋側は天気が良く、初日の出が確実に見られると思い決行しました。
元旦の早朝は予想通り満天の星空でした。このチャンスは外せないと思い、昨日から支度をしておいたザックを担いて車で出発しました。
途中のコンビニで行動食のパンを2つ買ってから天城へ向かいました。
計画段階で気にしていた杉林は優勢間伐がされて、見通しが利いて明るく感じ、一安心しました。しかし以前来た時のイメージとはあまりにも違っていたので、不覚にも暗闇の中で2〜3回登山道を見失ってしまい登るのに手間どってしまいました。 また鹿の鳴く声や何かの物音には、その度に肝を冷やしビビりまくりました。
山頂で初日の出を待つ時間は、体を動かさないので非常に寒く、冬季用の手袋をしていても指先が痛く感じ、ポケットに手を入れて暖をとり我慢しました。
青スズ台は低山で展望もたいしたことは無いだろうと、山頂に長時間留まる事を想定して行きませんでしたので特別に冬の装備はして行きませんでした。これが大失敗でした。非常用のツエルトを被り、寒さをしのいで独り初日の出を待ちました。
山頂に予定時間より早く到着したのは、暗闇の中を独りで登るので多少気持ちが焦ったようです。初めてのナイトハイクで昼間のコースタイムで登ることばかりを気にしすぎたことと、アクシデントに備え余裕をもって行動しようかと思い、出発時間を予定よりかなり早くしたことが要因です。
短いルートでの短時間の山行でも、冬季の天城山では予想以上に気温が低下します。停滞した時を想定すると、かなりの寒さに耐えられるだけの冬の装備をしての山行が必要だと痛感しました。
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