戸来岳(大駒ヶ岳)
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- GPS
- 10:59
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 950m
- 下り
- 939m
コースタイム
天候 | 晴、ガス、雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪が深い。ワカンで股下、スキーで膝から太もも。 |
写真
感想
前から登ってみたかった厳冬期の戸来岳。
朝7時過ぎに八戸の自宅を出る。新郷道の駅までは除雪されているので、ここに車を置く。8:40頃、出発。
夏の登山口から登ると急登でスキーが使えないと思われたので、道の駅から一番近い橋を渡ったところの尾根に取り付く。雪は深く、締まりが悪いので、尾根に上がるまでは急登で雪は胸あたりの深さになる。苦労してなんとか尾根にあがる。ここからはなだらかな尾根が大駒ヶ岳まで続いている。
延々と、スキーでラッセル。膝あたりまでの深さ。大駒ヶ岳の登りでは太腿までの深さ。とても疲れる。
頂上手前でさすがに急登となり、スキーを外す。ワカンを付けるのも面倒で、ツボ足で登ると、股下から腰あたりまでの雪。もう頂上なのに此の雪の深さには驚く。年末年始の寒波でかなり積もっただろうなあと思っていたが、ここまでとは予想しなかった。さすがに頂上はクラストしていた。
14:00頂上着。頂上は猛吹雪で視界も悪い。写真を撮っただけですぐに下山。とても寒い。
ところが、視界が悪いのと、スキーでの下降は私は苦手であるので、ワカンに換えると、股下から腰あたりのラッセルとなる。自分のトレースも見事に消され、コンパスと地図を頼りに下山方向を何度も確認しながら下降する。ほどなく下りが急になり、雪の多さもあり、スキーは使えないことに気づく。
下れど下れど、雪が多くとにかく疲れる。下山もひたすら本気でラッセルである。ブッシュも背中のスキーに絡まってひっくり返ると腰までの雪に悪戦苦闘となる。ひっくり返って困っている亀のようだ。
そのうち、暗くなりヘッドランプを点けて下山をつづける。時計を見ると午後5時を過ぎる。
夜の帳が降りて、すでに8時間以上のラッセルにさすがに疲れを感じ始める。相変わらず雪は深く、ウンザリする。このような状況になると、自分の決めた下山方向に疑心暗鬼となるが、何度も地図をみて、コンパスで確認して、方向を取る。自分の決めた方向を信じるしか無いよね、と自分に言い聞かす。雪が多く、夏道なんか痕跡も無い。コンパス通りに、何度も沢を横断し、その都度、小さな尾根に胸までの雪をかき分けて登る。
と、突然、休憩所の様な建物にたどり着く。一安心する。再度、コンパスで方向をとり、深い雪にめげずに降りて行くと、急に広いところに出る。もし、林道だったらこれに平行して大きな沢が流れているはず。耳を凝らすと風の音ではない、沢の音。夏に登った記憶をたどり、コンパスで方向を確認し、林道だと確信する。あたりは真っ暗である。
ワカンからスキーに換える。思えば、今日は何度、この交換をしただろうか。結構つかれる作業。
足首ほどのラッセルを続けると、急に建物が目に入る。夏の平子沢登り口の近くにある休憩所である。よく見ると電信柱もある。
これで迷う心配なく、このまま林道をラッセルすれば自宅に帰れると思うと、幸せな気分となる。すでに午後6時を過ぎている。家内が心配していると思うと、疲れも感じず、ピッチを上げる。
ふと空を見るとオリオン座と三日月。ヘッドランプの明かりに粉雪がキラキラ輝き、空はきれいな星空、ますます幸せな気分。
無事、午後7時過ぎに愛車に戻る。自宅に携帯で連絡すると、案の定、「あと30分待って連絡無かったら、警察に連絡しようと思ってた。』 ヒュー、良かった。それだけは勘弁。
実は途中で、暗くなるし、雪は深いし、疲れたし、ハラ減ったし、で雪洞でも掘ってビバークしようかなという考えが頭をよぎったが、ビバークの辛さより家内の事が気になって、そのような考えはすぐに捨てたのでありました。多分、学生時代だったら、すぐにビバークしてたかも。雪洞は大好きである。
だれも居なかったし、登った形跡も無かった。三ツ岳に行く元気も無かった。
あ〜疲れた。帰宅したら、息子がパスタを作ってくれた。
後でネットで調べたが、この山の厳冬期の記録はほとんどないらしい。http://hikeaomori.web.fc2.com/snow.html
もしかしたら、厳冬期単独では初めての記録かもしれない。
コメント
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お久しぶりです。しばらくコメント欄閉じておられたので、何か考えるところがあるんだろうなと思ってました。
またしても激しいラッセルマシーンでしたか
戸来岳、前にも登られていましたね。いい山ですね、私も登ってみたい。周回してみたいです、もちろん冬でなく。厳冬期一人ラッセルというのはpamir88さんの決めた当面のスタイル?それとも大きな山へのトレーニング?抜群のキャリアあるから、この先のことも考えているのでしょう。いずれにしても奥様やお嬢さんに心配かけないようになさってくださいね
おっしゃる通り戸来岳は良い山です。山深い感じが気に入っています。
kiyoshiさんにはたぶん気に入ってもらえる山域だと思います。おそらく連休あたりの残雪期が楽しいんじゃないかなあと。
もし、私で良ければご案内します。これで2回登ったので何となく地理は分かってきましたから。出来れば残雪ある春の陽光まぶしい時期に。
えー、早速、私のページで計画作ってみました(笑)せっかく行くなら、南八甲田も歩いてみたいので、戸来岳一日、櫛ヶ峰一日みたいな。残雪期なら、藪も何とかなるのか。かえってひどいのか。pamir88さんの6月の記録を読みながら、考えていました。山スキー内緒で買っちゃおうかなとか…(笑)でもパーティ組むにはあまりにも実力違いすぎですね
とりあえずのお誘いでしょうが、お言葉、ありがとうございます。
またの記録楽しみにしていますね
4月から連休の頃だったら薮は少ないと思いますよ。
どうか、ご遠慮なくご連絡下さい。
春山は陽光気持ち良く、ビスタリですよ。
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