【双堡作戦 杁山【山初め】
- GPS
- 04:10
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 602m
- 下り
- 594m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されていて歩きやすいが、こまめなアップダウンが曲者。 |
写真
感想
千葉は標高が低く歩きやすい山が多いと思われるが、そんな中でも鋸山は人気の高いものであり、私もいつか歩いてみたいと考えていた。
この度お日柄も好く、房総半島を大暴走しようと朝4時に起きて出かけた。
鋸山のためだけに遠路電車に乗っていくのももったいないが富山等との連絡も取りづらいとみて午前中に鋸山を歩いた後、時間があれば海を渡って三浦半島に上陸し、また一歩きする算段だ。房総半島の堡と三浦半島の堡、東京湾を挟む双方の堡を歩くことにより双堡作戦と名付ける。
朝も早くから3回乗り換えて保田駅に降り立つ。南房総というと何となく南国のイメージがあるが、海からの強風が砂塵を巻き上げ、非常に寒い。外海が近いとこうも違うものか。もとよりコンビニなど期待していなかったが、幸いにも駅前にスナック自販機があったため軽食とホットドリンクを買って備える。
暫くは民家の合間を縫って歩くが、すぐに何もない野原というか寂しい道を歩くことになる。いや、何もないというのは正しくなく、早めの水仙や静かなダム池が目を楽しませてくれる。周囲の山は小なりと言えども険なり。道路は画像にあるようにボロボロの道になったり、まともな道になったりする。そのうち登りになった。そこを登りきれば登山道の入り口である。山道に入ってすぐ鹿と出会う。人になれていないのか、手を挙げて挨拶するとすぐに逃げてしまったが、ありがたいことである。
登山道入口から山頂までは1.4kmだそうである(その割には時間がかかったような気がするが)。最初は何気ない山道だが、すぐに本性を現す。千葉というとなだらかな山が連なっているイメージがあったのだが、今歩いている山は鋸という名に恥じない山容を誇っている。
そして、周囲に遮るものが全くないため低山と言えども眺望は最高である。因みに、歩き始めてから暫くの間吹き荒れていた強風は、この頃には感じなくなっていた。といっても本日は天気晴朗なれども浪高しだ。
道は概ね整備されているが、長い階段には辟易させられるが陣馬山ほど長くはない。気をつけるとしたら尾根で所々道幅が非常に狭くなっていることだ。それでも小学校低学年より上なら大丈夫だろう。
木立の中やちょっとした広場を経て開けた尾根の端に至る。ここが山頂のようだ。後程、ロープウェイ駅にも山頂の標識があったが、明らかに今いる所の方が高い。そろそろ船の時刻が気になる頃だが、まだまだ乾坤山日本寺と大仏を観ないことには鋸山を満喫したとは言えない。
最後の締めに入るかぁ〜と山頂から降りようとしたら、これがまた急な下りである。ここは陣馬高原下から陣馬山へ至る階段並みの勾配なのではなかろうか。距離的には大したことないが。しかも今回は下りである。スダジオジブリの故近藤監督作品に『耳をすませば』という映画があって、私の多摩歩き等にも影響を与えているのだが、主人公が多摩ニュータウンの風景を眼前に階段を駆け下りていくシーンがあるが、まさしくそういった感じで、富津館山道路がスーッと北のほうに延び、空から海から街から山から、全てが拡がっている。
そして階段が終わる頃、左手には山頂近くまで切り立った絶壁がそそり立っている。かつてここは石切場だったのだ。金谷石として流通し、結構な量が切り出されたようだ。山肌が歪に凸凹している様を見ると、せめて整えて事業を終えれば良いのにとも思うが、そうもいかないのだろう。
石切り場をぐるっと回ったところで日本寺の入口に至る。受付で、初めて来た人には懇切丁寧にどういう順路で歩けば良いか教えてくれる。入口は石切り場の名残のような空間に百尺観音がまします。受付の人の説明どおりに歩いていくと地獄のぞきに至るのだが、地獄のぞきは入口の空間のちょうど真上となり、柵越しに下をのぞくと光の入らない薄暗い空間に人がうごめいているのがいかにも地獄らしい。尤も地獄のぞき周辺は下を見下ろすのも良いが、水平方向、上方向共に展望は抜群だ。
その後は日本寺の敷地内を下っていくと、広い広い。道沿いに羅漢や仁王等の石像が大勢出迎えてくれるが残念なことに、その多くが首無しである。明治初期の廃仏毀釈によって破壊されたとのことだが、このような大きな敷地を有する名寺院でも破壊を防げないとはいかようなものだったのだろうか。或いは千葉では特に激しく行われたのかもしれないが。一度落ちた首をまたくっつけたような石像もあり、悲しみを誘う。そのような石仏群を抜け、春の便りである梅の花を楽しんだ後、大仏といよいよご対面。座像としては日本一の大きさらしい。何でも一度、風化で壊れたようだが修復したようだ。仏を作って魂入れずという言葉があるが、普段の努力で支えていくことの重要性を示すものだ。
大仏とご対面して、いよいよ船の時間が心配になってきた。最後に見晴台から今一度房総半島・三浦半島・東京湾・太平洋を見回した後、ロープウェイ、を使うわけもなく、ロープウェイの点検道を駆け下りて、何とか時間に余裕を持って金谷港に着いたのであった(走る距離は半分ほどでよかったかもしれない。)。
前半終了
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