雌阿寒岳はやっぱり百名山!
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 919m
- 下り
- 911m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:15
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 雌阿寒温泉の野中温泉(国民宿舎と旧ユースホステル)で日帰り入浴ができます。旧ユースホステルの方は入浴料200円。シャンプー・石鹸・シャワーはありませんが、新鮮なお湯がジャブジャブと注がれる素朴でよい温泉です。 |
写真
感想
今年の北海道登山、当初は東大雪のニペソツ山に登る計画でした。が、8月17日に北海道へ上陸した台風7号によって、登山口に続く林道が通行止めとなってしまい、残念ながら諦めることにしました。検討の末、行き先として決めたのが雌阿寒岳です。
雄阿寒、雌阿寒は以前から登ってみたい山ではありました。10年前、僕は道東を自転車ツーリングしたことがあり、雌阿寒温泉の野中温泉ユースホステルに宿泊、近くにあるオンネトーに立ち寄って感動した思い出もあります。野中温泉はとても印象深い風呂でもありましたし、いつかまた行きたいと思っていました。
雌阿寒岳はまた、深田久弥の「日本百名山」で阿寒岳として紹介されています。しかし、深田は噴火活動のために雌阿寒岳に登ることができず、雄阿寒岳のみに登ったことが本には記されています。果たして雌阿寒岳は百名山にふさわしい山なのか。微かな疑問を胸に抱きつつ、登ることとなりました。
初めは樹林帯の登り。先月、相次いで北海道に上陸または接近した台風(9号、11号、10号)による大雨の影響なのか、いろいろなキノコが其処此処に生えていたのは楽しかったです。
ハイマツ帯へ移行し、開けた場所に出ると、雲海が広がっていました。昨日までこの一帯は雨でしたので、豊富な水蒸気が残っていたのでしょう。このところ不順な天候が続いていただけに、この日の天気も直前まで心配でした。でも、こうして頭上には青空が広がり、雲海が見られたことだけでも来た甲斐があったというものです。もっとも、蒸し暑いのには参りましたが。
ハイマツが低くなると、目の前に広がったのは荒涼とした山肌でした。本州では2500m位まで来ないと見れない景色。1500m足らずの標高で見られるのは、北海道ならではですね。
ガレ場を過ぎ、稜線まで来たと思った瞬間に耳に入ってきたのはシュゴォォォォォという音。同時に目に飛び込んできたのは、深くえぐれた地形と、勢いよく吹き出る水蒸気の白い柱でした。これが噴火口か! 大自然の迫力に大感動です。
お鉢を回るようにして山頂へ到達。お鉢の反対側にも噴火口が見えます。なんという景色! この山頂で、ホテルで用意してくれたお弁当を食べました。焼き鮭がしょっぱかったあ(笑)
下山はオンネトーコース。エメラルドグリーンの水をたたえた青池や、もうもうと立ち上る水蒸気など、荒々しい火口の景色を眺めながら歩きました。こんな荒涼とした火山なのに、お鉢の中にはたくさんのツバメが飛んでいました。彼らはここに住んでいるのでしょうか。不思議です。
目の前には真っ黒で均整のとれた形の阿寒富士。その山肌にはジグザグの登山道が刻まれ、頂上にはごま粒みたいな人の姿が見えます。登ってみたい気もしましたが、なかなかの急登そうで、往復1時間というコースタイムに尻込みし、素直に下ることにしました。しかし北海道の雄大な山の景色も見納めかと思うと、帰りたくない気持ちでいっぱいです。
登山道は再び樹林帯へと入りました。事前情報では、大雨による倒木があって歩きにくいということでした。たしかに数箇所、倒木がありましたが、心配したほどではありませんでした。
無事にオンネトーの野営場に到着。今までトイレを我慢していたので、ここでほっと一息です。
オンネトー湖畔へ。10年ぶりの再会です。鏡のように静かな湖面に青空と雲が映っていてきれい。ただ、予想していた通り、水は土砂で少し濁っていて、あの美しいブルーの湖底を見られなかったのは少し残念でした。
さて、もうここまで来れば雌阿寒温泉までは楽勝! 僕らはそう思っていたのですが、少し甘かったようです。ほとんど平らだと思っていた道が結構登っています。気持ちが終わっていただけに、これがきつかった。後で地図を確認すると、120m程の登りがありました。小ピークを越えたら緩やかに下って、ようやくゴール。
雌阿寒岳は百名山にふさわしい山か。深田久弥は雌阿寒岳について、少し登って「夕照を見ただけで引返した」と書いています。山頂のあの景色を彼が見たら、どう表現したでしょうか。登る前にあった僕の疑問は、見事に払拭されました。新たな道東の思い出として刻まれる、すばらしい山でした。10年ぶりの野中温泉も、もちろん最高でしたよ!
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