北アの秘境楽園 雲ノ平・高天原温泉へ(新穂高から)
- GPS
- 75:46
- 距離
- 55.2km
- 登り
- 3,866m
- 下り
- 3,855m
コースタイム
- 山行
- 7:47
- 休憩
- 3:11
- 合計
- 10:58
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 4:40
- 合計
- 11:34
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 7:00
- 山行
- 2:24
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 2:45
天候 | 16日:曇(空気はクリアで眺望良し) 17日:晴れのち曇 午後3時から豪雨 18日:豪雨+強風 19日:雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
新穂高登山指導センターまで徒歩5分ほど。 駐車場の目の前(川の向こう)に深山荘の露天風呂があります。 |
その他周辺情報 | <宿泊 テン場・小屋> ●三俣山荘(テント泊:1,000円) 三俣蓮華岳と鷲羽岳の鞍部にある複数サイトある広大なテント場 サイトに水場有、トイレは山荘利用 サイト脇に水流があってビールを冷やせる ●雲ノ平山荘(テント泊:1,000円) 山荘から25分ある広大なガレた凹地にあるテント場 どこにでも張れるが降雨時に沢が出来るため、張る場所注意 サイトに水場・トイレ有 ●鏡平山荘(素泊:6,500円) http://www.sugorokugoya.com/kagami/shokai/kagami_shokai.html 逆さ槍の写真が撮れる鏡池近くにある小屋(テント場なし) <温泉> ●高天原温泉・からまつの湯(高天原山荘で入浴料支払:300円) 山荘から徒歩20分の温泉沢にある男女別露天風呂と2つの野湯 簡易更衣室のみで洗い場なし ●新穂高温泉・深山荘露天風呂(500円) http://shinzansou.com/rotenburo/ 無料駐車場の川向うにある男女別露天風呂と野湯 簡易更衣室のみで洗い場なし |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
|
---|
感想
とうとう入ってきました、高天原温泉! 3度目の正直ってやつです。
「日本一遠い温泉」「北アルプス最奥の秘境」といわれる高天原、そして夢ノ平・竜晶池。ずっと行きたいと思っていながら、これまで2度、雲ノ平までテント背負って来ながら、何れも豪雨で断念した、私にとって鬼門な場所でした。
●2010年秋 裏銀座からのテント縦走
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-79216.html
●2011年夏 室堂からのテント縦走
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-129243.html
そして今回は、一番アプローチしやすくて悪天にも対応しやすい新穂高からと、とにかく高天原に行くために一番実現可能性の高い行程で計画(折立は遠すぎてね)。
山行前には、天気予報も台風接近で後半は悪天必至だっただけに、とにかくピークハントは二の次にして、高天原温泉をまず目指す行程に変更したからこそ、ギリギリ実現できた、そんな山行でした。
過去2回は、気ままな単独行でしたが今回は同じ山の会に属し、高天原温泉に入ったこともあるK田さんをお誘いし(彼は雲ノ平でテント泊してみたかったとのことで思惑一致)、金曜日に有休をとって、木曜日夜中に車で出発しての4日間行程。
初日は若干の寝不足はあるものの、とにかくその翌日早めに雲ノ平へ入る目的のために、新穂高から長躯して三俣山荘テント場を目指しました。登山口までの長い林道歩き、小池新道の歩きやすい道、望外にクリアに拝めた鏡池からの逆さ槍、そして弓折稜線以降は、北アルプス北部に拡がる青空を山々の眺望に気分をワクワクさせながら、ピークはひとつも踏まずに予定時間通りに夕方4時過ぎに三俣山荘テント場到着(睡眠不足カバーのために弓折稜線と双六小屋前でそれぞれベンチで大の字仮眠あいたので、のんびり行程)。
このルートは北アルプスでも人気ルートのひとつですが、週末の悪天予報の影響なのか、連休前日とは思えないほどの人の少なさ。いつもは人が大勢溜まっている双六小屋前も誰もいない状態(小屋閉めしたかのような閑散さ)。三俣のテントサイトもスカスカで良い場所を簡単にゲットでき、それぞれのソロテントを隣接設営し、屋外夕食&宴を楽しんで、翌日早々に雲ノ平へ入ることとして上出来な初日は終了。
そしてメインイベントの2日目。
早々に三俣から黒部源流碑へ下って渡渉し、日本庭園へ登り返して、早朝の快晴・好展望の雲ノ平へ。四囲の山々がホントにクリアで素晴らしい。
↓雲ノ平・スイス庭園からの眺め↓
広大な雲ノ平テント場は、早朝だったこともあってスカスカで、場所は選び放題。
トイレに近い平坦地を選んで早々にソロテント設営し、温泉セットや水、そして乾杯用のワインを背負って、朝9時前に高天原へ出発。テント重量から解放された軽身は楽チンそのもの、2時間弱で高天原山荘に到着。ここで入浴料300円を箱に入れ、いよいよ温泉沢へ。意外と歩いて硫黄の匂いが漂う温泉沢へ着き、ここにワイン等をデポして、最奥の楽園といわれる夢ノ平・竜晶池をグルっと散策し、戻っていよいよ温泉!
更衣室のある男湯は白濁した丁度良い湯加減。大自然に癒されながらワインで乾杯し、ノンビリと温泉を堪能しました(途中、裸のままでワインとカップだけ持って温泉沢を渡渉し、沢向こうの野湯へも遠征して、湯船で寝そべっての一杯も堪能)。
過去2回の敗退の無念分も充分に温泉でリベンジし、高天原山荘から雲ノ平への帰りも標高差450m登りにも関わらず、行きと変わらない2時間弱で雲ノ平山荘へ。
しかし、山荘まであと10分ほどのところでとうとう曇天から大粒の雨が落ちはじめ、たったの10分ほどの時間にも関わらず雨具を着たのに全身ずぶ濡れ。
雲ノ平山荘はテント受付&ビール購入するためだけに寄る予定だったけど、天候急変の激しい雨は、テントへ戻ることを躊躇するぐらい。夕方までにテントへ戻れば良いだけなので、天候の快方を待ちつつ、装備の乾燥も兼ねて山荘に停滞し、残りのワインとおつまみで時間潰しするも回復の兆しは無し、後着の登山者もズブ濡れ、テント装備の人も幕営を諦めて小屋泊に変更する人ばかり。
結局、2時間近く小屋で停滞して天候待ちするも、回復の兆しが無いため、夕食準備のためにテントへ戻ることにして、豪雨の木道にてこずりながらテント場へ戻ると、広大なサイトにテントはわずか3張のみ(うち2張は我々)。
山荘からテン場の距離でも装備はずぶ濡れ。テントに入ると、テント開閉とその装備の濡れでテント内も濡れる始末、おまけにテント入口下が水たまり状態のおかげでテント内にも浸水が。まずはテント周辺をペグで溝切りして、入口下の水を流し、テント内は持っているビニール袋を総動員iして濡れもの剥離、そして吸水タオルで浸水リカバリ、でも雨はものすごく勢いを増すばかり。ということで、夕食&宴は諦め、各自テントで食事対処することとし、翌日は雨が小康状態になるタイミングを待って撤収・下山方向に行動することにして解散。
テントを激しくたたく雨音、濡れた室内と若干の浸水、そしてビニール隔離した荷物が散乱、もうちゃんと夕食を作る気にもならず、行動食としていたパンと魚肉ソーセージ、水に溶かすだけのアイスコーヒーの簡単な夕食だけにして、することなく早々に就寝。夜の間も風雨は激しく、遠くでゴーゴーと轟音が鳴り続けるだけ。
ただただ寝袋に入って、時々浸水チェック、外の様子をうかがう必要のないぐらいの風雨の時間をただ漫然を過ごすだけ。とりあえず高天原温泉に行けただけ良しとするかの2日目はこうして終了。
暴風雨のままの3日目。
早々から目を覚ますも、天候回復・小康状態となる兆しもなし。
そのまま停滞しても仕方ないので朝7時に様子確認も兼ねてトイレへ。
外に出てみると、なんとテントのすぐ裏(約5m)のガレ場が大きな沢に変貌して水量が激しい状態に。テント設営時には沢になるとは思いもしなかった場所だけに、一歩設営場所を間違えているととんでもないことになっていたと改めてビックリ(ゴーゴーとの轟音はこの流れの音だった)。
沢を渡渉し、トイレに行くと、トイレ入口前には庇があって、少し広いスペースが。
この場所を利用しない手はないと、テントに戻ってK田さんに話をし、豪雨の中、撤収作業を開始。テント内の荷物をザックに押し込み、このスペースに移動させ、テントも持ち上げて渡渉してこのスペース前で収納作業をし、とりあえず朝8時過ぎには出発できる状態に。
テン場内ですら、この濁流沢が出現するくらいなので、戻るルートも源流碑部分での黒部川渡渉はリスクが高いと判断し、祖父岳山頂経由の岩苔乗越ルートを選択。こうして今回の山行で唯一のピークハントとなった祖父岳は、バランスを何度も崩される横殴りの暴風雨状態。なんとか岩苔乗越に到着し、ここから黒部川沿いに下るルートになると、もう半分川の中を下るような状態、ところどころの渡渉も濁流に恐怖を感じながら濁流に足を入れての渡渉。こういう時は単独行でなくて良かったと素直に感じるほど。そのまま下って、源流碑手前の渡渉点が見える場所に来ると、前日に渡渉した箇所は様相が全く変わった激しい濁流、その後の急登登山道も半分滝状態。祖父岳ルートに変更してきて良かったなと。
(ちょうどその濁流渡渉点に単独登山者が差しかかっていて、こちらで見守っているのに気付いて安心したのか、意を決して腰まで濁流に入って、渡渉ロープに必死にしがみついて何とか渡りきっていました。何事もなくて良かった)
三俣の台地までの登り返しも登山道ではなく完全な沢状態。ずぶ濡れで黙々と登り返し、三俣山荘の食堂に入って、ようやく大休止食事休憩(ここで買ったカップラーメンが、疲れと冷えと空腹には最高のご馳走でした)。
ここでまだお昼前。今日の予定をテント泊はやめて鏡平山荘まで下って素泊りにし、最終日の下山をスムーズにすることに方針決定。ここからまた風雨の中、巻き道コースで双六小屋へ向かい(こんな天気にも関わらず双六テン場にはテントが1張、スゴイ)、更に進んで午後3時過ぎに鏡平山荘に到着。小屋前には、昨日からの豪雨で小池新道の途中にかかる沢が土石流で危険な状態となって通行止にしているとの看板も。そんな状況もあってか、小屋は意外と混んでいました(前日から停滞宿泊の団体も)。
小屋の良いところは、濡れものを乾かせること。ほぼ全装備を乾燥室に入れて、ようやく落ち着き、夕食前にビールで軽い宴をし、その後自炊スペースで、前日に残した食材を使って、まったり宴会&夕食。気持ち良く酔っぱらって3日目は終了。
そして最終日。
もう新穂高へ下るだけなので、ノンビリ最後に小屋を出発。雨は先日よりも弱いながらも所々で登山道が沢状態になっていますが、小池新道は登山道に大きな石が並べられているので、水をそれほど気にせずドンドン下って、横切る沢の渡渉点に差しかかると山荘スタッフが見守り役で待機してくれています。この雨の中、きっと渡渉部分を点検・修繕し、また団体さんの渡渉サポートなどもやっていたのでしょう、ありがたいことです。
小池新道後半に入ると先発した団体さんや登山者に追いついてしまい、ペースを落とさざるをえないところもありましたが、それでも順調に下って、3時間かからずに新穂高まで帰着となりました。新穂高まで出ると、蒲田川の濁流の凄さにビビるくらいの水量と勢い、この3日間の雨が凄かったんだなと再認識。
駐車場で荷物を仕舞い、そのまま川向うにある深山荘の露天風呂に行って、汚れと疲れを癒し(露天風呂も一番下の野湯が蒲田川の濁流でドロドロ状態)、長いようであっという間の4日間、念願の高天原温泉山行は無事に終了となりました。めでたしめでたし。
(そういえば、悪天だったのに、帰りの中央高速が大渋滞でビックリ)
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する