大楠山・畠山
- GPS
- 05:24
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 704m
- 下り
- 671m
コースタイム
大楠山 09:00-09:20
大楠山登山口バス停 10:00
畠山 11:00-11:05
乳頭山直下の分岐点 11:40
送電線鉄塔 12:15
上山口小学校 12:50-13:20
上山口小学校バス停 13:25
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
逗子駅 07:34-(京浜急行バス)-07:57 前田橋バス停 (帰り) 上山口小学校バス停 13:39-(京浜急行バス)-13:59 逗子駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
前田橋バス停から大楠山への登山道には、足元が滑りやすい箇所が多々あります。登りでは特に問題になりませんでしたが、下る時には余程注意深く歩かないと滑ってしまいそうです。 大楠山の先で、道標が「阿部倉・塚山公園」と示している道に入りましたが、急な登り降りがあって、木段にも段差が大きな箇所が頻出します。また直前に降ったらしい雨の影響か、地面がぬかるんで滑りやすく、悪路と言っても良い程でした。 畠山へは、こんな時期に南側の不動橋バス停から歩く人はいないらしく、道は激しいヤブに埋もれ、クモの巣の洗礼と蚊との格闘を迫られます。ここを夏に歩くのはやめておきましょう。 ただし三浦アルプスと畠山を結ぶ道は明瞭でヤブもなかったので、クモの巣さえ覚悟すれば、この時期でもまぁ歩けるようです。 三浦アルプス南尾根は、二子山方向から東回りで乳頭山を経由して南下してくる道が、2本ある送電線鉄塔に差し掛かるまでは広くて良い道が続いていました。 しかし2本目(=西側)の鉄塔をくぐってさらに西へと進もうとした途端、前が見えないほどの激しいヤブへ突入となりました。この時期、仙元山まで結んで歩く人など皆無のようです。 |
写真
感想
短いコースで新しいトレイルランニングシューズを試そうと、この日の行先には三浦半島の低山を選んでいます。
夏に歩く道でないのは明らかな気もしましたが、住宅地に近いコースなので、季節を問わず近所の人が散歩とかで歩いているだろうと思っていました。また、かなりの暑さは覚悟の上で、それでも運動量の少ない低山だからと楽観視して出掛けます。
ところが、いざ蓋を開けてみたら、そこに待ち構えていたのは、かつて経験したことのない過酷なコンディションとの壮絶な闘いでした。畠山までは何とか頑張れましたが、当初予定していた仙元山への縦走途中で、ついに激藪に阻まれて敗走する結末となっています。
逗子駅からのバスを前田橋バス停で降りると、バス停のある交差点がちょうど大楠山への登山口となっていました。
細い道に入るとすぐに前田川を渡る橋があり、その袂には「前田川遊歩道」という案内図が立っています。見ると、そこから車道を歩かなくても川沿いの歩道を進めるようです。しかも、「大楠山登山口にも出られます」とあったので、ここは迷わずその遊歩道を選択しました。
ただしそこは住宅地が間近な川のこと、そんなに綺麗な風景が見られる訳でもなく、下水の排水溝近くではニオイが気になる箇所もありました。でもこの蒸し暑さの中にもかかわらず、何箇所かかなり涼しく感じられる地点もありましたので、車道を歩くよりは随分とマシだったに違いありません。
大楠山登山口の分岐点から登山道に入った途端に、ムッとした湿気が充満していきなり不快指数が急上昇しました。曇り空で日差しによる暑さはなく、まだ気温自体もさほど上がっていないのに、その蒸し暑さで汗が止まらなくなります。
その上、明らかに雨水の通り道となっている道には、ここ2〜3日に降った雨の影響か、足元が滑りやすい箇所やぬかるみが多々ありました。登りでは特に問題となる箇所はありませんでしたが、下る時には余程注意深く歩かないと滑ってしまいそうです。
バス停から、暑さに耐えながら登ることちょうど1時間で、ようやく大楠山の頂上部に到着します。
まず最初に通るのは、国土交通省の大楠山レーダ雨量観測所の前。あたかもそこが頂上であるかのような標識があり、建物には展望台まで付いていましたが、頂上にはもっと高い展望塔があるのが分かっているので、そこはスルーして先へ進みます。
本当の頂上には、雨量観測所の先をさらに短く登ってたどり着きました。展望塔に登るとかなりの高さがあって、360度全周がスッキリと見渡せる眺めが壮観です。ただ、今日の景色は遠くが霞んだままで、絶景というところまではいかないのが残念でした。
大楠山の東側は、いきなりの急降下で始まります。長い木段で一気に高度を落とすと、その後しばらくはゴルフ場のフェンスに沿って道が続いていました。
そしてゴルフ場の角のあたりからは、「阿部倉・塚山公園」を示す道標に従って左に折れていきますが、みるみるうちに細くなった道は、局所的に急な登り下りが出てきたり、段差が大きな木段が出てきたりする上、地面がぬかるんで滑りやすく、悪路と言っても良い程でした。
舗装道路に降りた後は、まず大楠山登山口のバス停に出て、バス道路を1区間分だけ歩いて、不動橋のバス停へと向かいます。
そして不動橋の交差点を右折した後は、すぐ左に分かれて登っていく細い道に入ります。何の案内もないかと思っていたら、その細い道に入るところに、畠山を示すごく小さな標識が控えめに立っていました。
その細い道を終点近くまで進むと、先程と同じ標識が現れて、畠山への登山道入口を示していました。草が茂る中に、そうと分かって見れば辛うじて道形が認められる程度の道で、標識がなければ、そこに道があることなど全く分かりません(少なくとも今の時期は)。
入口がそうでしたから、進むにつれて草木が繁茂してきます。クモの巣も非常に煩わしく、しばらく誰も歩いていないのは明らかでした。おまけに多数の蚊の襲撃まで受けて、こちらが動作を止めると連中にたかられるので、終始動き続けていなければならないのには参りました。ヤブも濃くなる一方で、あっという間に、常にヤブを掻き分けながらでないと進めない状況に陥りました。あまりの煩わしさに、もう引き返そうかと何度考えたことか。
どうにか畠山の頂上に到着すると、ヤブ山かと思いきや、意外にも東側が少し開けていました。横須賀方面の街並みや、東京湾とそこに浮かぶ猿島などが見渡せます。とはいえさほど居心地の良い場所でもないので、ここでは短い時間の滞在にとどめて、そそくさと先へ進むことにします。
畠山を越えて北側に下っていくと、こちらのほうが道筋はしっかりしていました。この時期でも、三浦アルプス方面から畠山までを往復する人はいるのでしょう。この日も若い女性の2人組(こんなヤブ山に?)が先行してくれていて、そのお陰で、その2人を追い越すまでの間は、クモの巣を払う手間も不要でした。ただし道筋は明瞭でも、所々には通りにくい箇所があったりします。また小刻みなアップダウンも多くて、この暑さの中で激しく消耗していきます。
それでも畠山から40分ほどで、ついに幅広の穏やかな道に合流しました。三浦アルプスの一般コースに合流したのです。歩く人も多いはずの三浦アルプスだけに、ここから先は歩きやすい道が続いて、仙元山まで問題なく歩けると思って、ホッとしたのでしたが・・・
三浦アルプス南尾根を西に向かうと、最高点と思われる211mピークを乗り越えて、その先で送電線鉄塔のピークに登り返すまでの間は、確かに良い道が続いていました。
ところが、送電線鉄塔のピークの先で、いきなり道がヤブに埋もれています。草木が道を覆い隠してどこが道かも分からない程で、クモの巣も激しく、最近人が通った形跡が全く見られません。強引に突破しようと一旦は踏み込みましたが、その先も延々と同じ状況が続いていく様子です。
すでにさんざんヤブを漕いできて精神的に疲弊していることに加えて、暑さの中での疲労もピークに達しつつあります。ようやく良い道に入ってホッとしたと思ったら、その道も激しいヤブだったという落胆も大きく、ここでついに心が折れてしまいました。撤退です。
しかし問題はどこへ撤退するかです。なにしろ非常に中途半端な地点にいて、安全確実そうな一般的な下山コースなど近くには全くありません。来た道をずっと戻るだけの体力も気力も残っていませんし、来た道を戻ることはヤブへの再突入を意味するので、体力が残っていたとしても気が進まなかったでしょう。
唯一すがれそうなのが、少し手前に南へ向かって下る細い道の分岐があって、小さな標識が行先を「上山口」としていたこと。どういう素性の道なのかも、上山口がどんな所なのかも全く不明でしたが、南へ下ればバス道路に出ることは分かっていたので、一か八かその道に賭けてみることにします。
すると、草木がややうるさい箇所はあるものの、幸いにもヤブというほどの箇所はなく、途中からは道がやや細くなりますが、歩きにくくなることもありません。思いのほか順調に歩けてしまい、しばらく下った先でちゃんと住宅地に出られました。
いざ下ってしまえば、なんだかあっけないものでしたが、たまたま目の前にあった道を訳も分からずに試してみたら、それが上手くいっただけのこと。この道がこんな盛夏にも特に問題なく歩けたのは、単に運が良かっただけに過ぎません。
小学校の近くで疲弊した身体と精神を少し静めてから、上山口小学校のバス停に着いて時刻表を見ると、はたして、逗子駅への路線は休日の昼間でもほぼ30分間隔で運行がありました。次の便も15分後に来るというタイミングで、ホッと胸を撫で下ろしました。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2010_07_09/mt2010_07_09.html#20100801
写真主体のブログ版
http://cellist.blog.ss-blog.jp/2010-08-01
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