権現岳〜カモシカ君を求めて
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- GPS
- 10:00
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,366m
- 下り
- 1,349m
コースタイム
・6:20 天の河原 (45m)
・8:25 前三ツ頭 (2h 5m)〜10分休憩 装備見直し
・9:15 三ツ頭 (50m)〜15分休憩 装備見直し
・10:25 権現岳山頂 (1h 10m)〜15分休憩 写真
・11:40 三ツ頭 (1h 15m)
・12:30 前三ツ手前でランチ休憩 (50m)
・12:45 前三ツ頭 (15m)
・14:05 天の河原 (1h 20m)
・14:30 天女山入り口ゲート (25m)
・TOTAL 8時間 55分
天候 | ・曇りのち晴れ。 ・微風。 ・眺望最高の山日和。 ・0℃〜6℃。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・天女山入り口ゲート前に駐車(5〜6台可 無料)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・前泊ポイント「道の駅 南きよさと」は須玉ITより10.5km。 ・須玉ITから「南きよさと」までの最後のコンビニは6.5km手前のセブン。 ・「南きよさと」から天女山入り口ゲート前まで9.5km。 ・天女山ゲート入り口までの道路は凍結なし。 ・登山ポストは天女山駐車場の少し上(登山道)にあります。 ・天女山〜前三ツ頭までは地面露出&凍結ですがアイゼン不要。 ・前三ツ頭〜三ツ頭までは完全に雪道ですがアイゼン不要、防風対策を。 ・三ツ頭〜権現岳まではアイゼン(10本以上)&ピッケル要装備。 ・トイレは天女山にのみあります。 ・全ルートトレース有り〜ありがたく使わせて頂きました。 ・危険個所は山頂近くのトラバースと山頂直下の岩上歩き。 ・下山後の温泉はゲートから約3kmの「パノラマの湯」〜700円/人 |
写真
感想
兼ねてより行きたかったUtunduさんお気に入りというこのルートに今回はアタックしてきました。
以前立てた登山計画を見直し、準備をします。 木曜の八ヶ岳周辺天気予報は快晴、期待が高まります。
水曜日、仕事をさっさと終わらし上司にお願いして早めに帰らせてもらいました(笑)。 かみさんお休みだったので夜ご飯&ランチの準備はかみさんが。 私が帰宅後、入浴済ませ即出発。 前泊ポイントの道の駅「南きよさと」へは19時半に到着しました。 早い! いつも通り晩御飯を楽しみ21時就寝〜かなりいい感じです。
しっかり熟睡し4時起床。 早く寝たせいか目覚めも快適です! 準備をしながらいつもは食べない朝飯(おにぎり)をシャリバテしないように食します。 なんといっても今日はロングですからね〜。 路面状況によって踏み抜き箇所多数ならワカンも使用しなければかもしれないし時間と準備はいくらあっても足りないくらいです。 トイレを済ませ約10km先の天女山入り口ゲート目指します。
明るくなって来ました。 予定では快晴だったはずなんですが・・・曇り。 でも朝焼けなんかも見れたので眺望はいいかも。 いよいよゲート脇をすり抜け登山開始です。
気温は3℃。 歩き始めは全く雪がなくさくさく登って行きます。 25分後、天女山到着。 こちらも全く雪がありません。 写真を撮って、トイレがあることを確認し先へ進みます。 天女山山頂から少し先に冬季閉鎖中の立派な駐車場がありその横が権現岳への登山口、それを少し登った所に登山ポストがあります。
スタート時はインナー・フリース・アウターだったんですが歩き始めてすぐに暑くなり、この天女山でアウター・帽子などを脱ぎ温度調整しました。
前回、前々回と足が重く一抹の不安がありましたが膝も痛くならずすこぶる快調で歌なんか口ずさんじゃいます。
「カ〜モシカさん カモシカさん♪ せっかく会いに来てるから、ちょっと出てきて下さいな〜♪」 桃太郎のメロディーで♪ かみさんは「聞こえてるといいね」なんてちょっと冷めた感じです。
天の河原辺りでは絶景が広がります。 富士山、そして南アルプス「北岳&甲斐駒ケ岳」・・・「すっ、素晴らしい! そしてカッコイイ!」 久々の富士山は絵にかいたような美しさ。 そして大迫力の南アルプス! 素晴らしい眺望です。 おんなじ写真ばかり何度も撮って中々前に進みません。 それくらい素晴らしい景色。
でもこれはまだ序の口でした。
天の河原を過ぎ、しばらく行くと急登が始まります。 樹林帯は風もほとんどありません。 急登に息を切らしながらUtunduさんに教わったようにキョロキョロしながら歩きますがカモシカ君は現れません。 しかし、時折木々の隙間から見える景色に励まされ急登を登って行きます。
約3時間後、ようやく前三ツ頭に到着です。 視界が開けているそこも又々素晴らしい景色。 真っ白な仙丈ヶ岳も視界に入りました。 ここでアウター・ニット帽・厚手のグローブと装備を変更し次なるポイント三ツ頭へ。
ここまで登るにつれ雪が増えてきましたが一度融けて固まったような道はアイゼンを履かなくても問題なくサクサク登れます。 たまにガッチガチに凍結しているところがあるので注意しながら脇を歩くと大丈夫でしょう。 ただし踏み固められたトレースを外すと一気に股まで踏み抜きますのでご注意を。
そうして三ツ頭到着しました。 「おお〜!」八ヶ岳の主峰、赤岳・阿弥陀そしてこれからアタックする権現岳が姿を現しました。 左を見ると南アルプス・中央アルプス・そして北アルプスまではっきりと見ることができます。 振り返ると富士山も。 本当に素晴らしい! なんて贅沢な眺望でしょう。 それらは一つずつ見れただけでも感動するのにこれ全部一度に見ることが出来るんです! 空はあいにくの薄曇りで、「晴れないかな〜」なんて考えながら空を見上げると何てことでしょう! 太陽の周りにガス?雲?がレンズのようになって、まあるく虹が出てるではありませんか! 「うわ〜いいね〜!」 この薄く曇りだったからこそ見れたまんまるい虹。 これも又、自然の奇跡ですね〜。
さぁいよいよ今回のコースで最大の難所と言われるトラバースに備え、ここでトレッキングポールからピッケルへ。 履きなれたBDのアイゼンを装着し準備OK! 山頂を目指します。 それにしてもなんて素晴らしい景色でしょう。 何度も立ち止まっては写真を撮っちゃいます。 カモシカ君は現れませんが・・・。 ここでは「虹が見れたからいっか! カモシカ君は今度かな」なんて自分に言い聞かせてました。
ちょっと下りその後直登。 風で消えかかっているトレースを外さないよう前に進みます。 大岩が見えてきました。 「これが噂のトラバースか!」 確かによくみると狭いところでは靴一足(片足)分しか道幅がなく岩を越えるあたりは岩をまたぐみたいで、そのようにトレースが続いています。 山壁側を踏んで足場を確保しようとしましたが凍結していて無理なようです。
ピッケルを握りしめトラバース開始。 かなり斜度があるので踏み外したら確実に滑落しますが数十メートル落ちても崖ではありませんからちゃんと停止すればそれほど大きな怪我はしなそうな感じです。 なんとなくイメージですが・・・。 ともあれ私、かみさん無事に通過し最後の直登に挑みます。
山頂直下は岩ごつごつ!アイゼンひっかけてこけたら大怪我しそうで、トラバースより緊張しました。そしてやりました! 山頂到着! 1人しか立てない狭い山頂に交互に登り写真を撮ります。 山頂〜感無量です! 初の2700m級制覇! そして八ヶ岳の主峰2座目の登頂成功! 八ヶ岳最高〜!
山頂を楽しんでいると程なくして60代位の年配の男性(大ベテランと思われる方)が登ってきました。 この方は、かなり最初のあたりから同じようなペースで後方を登ってこられた方です。 前三ツ頭や三ツ頭では同じように装備を変更し声を掛け合い、「お先です」「お気をつけて」と励ましあって登ってきました。
使い込んだピッケル、一部の隙もないような風貌、きっとかなりの大ベテランとお見受けしました。 「お疲れ様です!」互いの労を労い喜びを分かち合いました。
「3月14日に来た時は前三ツ頭までラッセルで4時間かかって撤退したよ!」〜大ベテランぽいおじさん。
「へ〜」〜私たち。
「今日は歩きやすくいて良かったね。 ずっと先行してくれてありがとう」〜おじさん。
「はい歩きやすかったですね! 先行してくれただなんて、とんでもないです」〜私。
こんな会話をして「ではお先に」「お気をつけて」と今日何度も交わした挨拶をして下山開始です。 こんな大ベテランの方にお礼を言われるなんて・・・う、嬉しい(照)。 このおじさんとは下山後、駐車場でもお会いし話を伺ったらここから5分の所にお住まいだとか。 やはりかなりの強物でした。 そんな方と同じ日に登れて光栄でした。
登ってきた岩を慎重におり、トラバースを越えサクサク下山します。 流石に腹が減りました。 今日はかみさんのお手製サンド。 自分で作る数倍楽しみです。 山頂直下は気温3℃。 普通に考えれば温かいのですが風は冷たいので風に当たらないポイントを目指し先を急ぎます。 ランチのことを考えながらも脳裏をよぎるのはカモシカ君・・・。 一度は諦めたのですがもしかしたらは拭えません。 「ランチ、三ツ頭では風あって無理だろうからその先だろうね」そんな会話をしながらお腹がすいてるので足早に歩きます。
三ツ頭を過ぎ樹林帯へ。 かみさんが良さげなポイント発見。 木々の隙間から富士山と仙丈ケ岳が見えるポイントです。 斜面を踏み固め座る場所を確保し、ゆっくりランチを楽しみました。
ランチ終了後、ピッケルをポールに持ち替え下山開始。
前三ツ頭の手前まで来たあたりでしょうか、かみさんが「あっ! あれ!」指さす方向をみると20m位先にカモシカ君か? 「動かないで!」心で強く念じます! と、同時に我々もドラえもんの道具を使ったかのようにピタッ!っと止まりました。 ゆっくりとカメラを構え目をこらすと「やった! カモシカ君だ!」。 その場で数枚、欲が出てちょっとずつ近づきます。 その時、「あっ!」。 左側の樹林帯へ行ってしまいました。 急いでそれでいて静かに走り寄ります。 そしてカモシカ君が消えたあたりから樹林帯を除くと「いた!」振り向くような格好でまるで私たちが来るのを待っていたかのようにこちらをじ〜と見ています。 「動くなよ! 動くなよ!」念じながらカメラを向けシャッターを何度も押します。 かみさんもお気に入りの一眼レフのシャッターを押しまくってます。 そうして数秒後カモシカ君、数歩歩いて今度は逆向きに振り返りました。 まるでポーズをとっているかのように。 満足できる写真を何枚も撮りカメラをしまいます。 カモシカ君まだ動きません。まだこちらを見ています。 二人で「カモシカ君、会えて嬉しかったよ! 出てきてくれてありがとう! またどこかの山で会おうね! 元気でね!」私たちが声をかけてもずっとこちらを向いたままで下山して行く私たちを見送ってくれたのでした。
感動の余韻に浸りながら下山を続けます。 天の河原で外すまでアイゼンは装着したままでした。 登っている時、帰りは気温が上昇したら雪が緩んで踏み抜き多くなるかと考えていましたが思ったより雪も緩まずにスムーズに下りてくることが出来ました。 トレース外したら当たり前ですが外さなくても4〜5回の踏み抜きで済む程度です。
そうして駐車ポイント到着。 車は私の含め4台。 おじさんのが1台。 下山してきたとき三ツ頭でお会いした単独行の方(この方は今回は権現岳に行かず、ここで下山するとおっしゃってました)のと思われるのが1台。 あと1台は誰の? どこでもすれ違わなかったんですが・・・。 ということでお会いした人数だけですと本日の登山者、私たち含め4名でした。
帰りはここから3kmほどの「パノラマの湯 700円/人」で疲れを癒し山梨の農産物と美味しそうな玉子を買って帰路に着きました。
今回の山行は何度も書いてしまいますが「富士山・北、中央、南アルプス・蓼科山・赤岳・阿弥陀」など全てが楽しめる超〜贅沢な眺望。 最近、いまいちだった調子が戻ったような嬉しい確認。 そしてなんと言ってもカモシカ君との遭遇と一度でいくつも楽しみを味わえるゴールデンルート! 大満足の山行となりました。 調子が上向きになってきたところで又、近々次の計画を考えようと思います。
こんばんは
カモシカとのご対面。良かったですねぇ
目的の山も登れ良い山行でしたね
私も【野伏ヶ岳】でしたが、下山の林道でカモシカが山を登って行くのをみました。(写真は無理でしたが〜)
zenith
コメントありがとうございます。
ええ! 思いは通じるんですね
諦めかけてたのですが最後近くになってようやく姿を見せてくれました。 本当に素晴らしい山でした
zenithさんも遭遇しましたか
なんとも言えない可愛らしさですよね。
この残雪期中にもう一度くらい会いに行ければと思っています。
fall
fallさん、こんばんは。
例のトラバース部分の描写や、感想がとても参考になりました
無雪期でも気持ちいいですが、雪の赤岳、阿弥陀岳が見えるこの時期に登って格別のことと思います
八ヶ岳もあっという間に残雪期になってしまいましたね
カモシカのアップ、よくよく見ると、カワイイ顔なんですね
カモシカならいいですが、熊には会いたくないですね
fallさん
こんばんわ
いや〜
おめでとうございます
ていうか、むしろちょっと羨ましいくらいの可愛いカモシカ君ですね
fallさんの体調も完全復活のようですし、かみさん様のヤマごはんはちょうウマそうだし、楽しい山歩き感満載で最高っス!
でも先々週の様子と比べると、あっという間に雪が溶けててびっくりです・・・
Utundu
こんばんはー!カモシカとの出会いラッキー
八ツはよさそうですね。自分も行きたいです。
ふもとに長い間住んでいたのに当時は山に興味がなく1回も登ったことが有りません…
自分もここから全開で「山」登りまくろうと思ってます。
しかし…fallさん夫妻のご飯はいつもおいしそうで…
うらやましい限りです…
satoyamaさん、おはようございます。
参考になったのでしたら嬉しいです。 斜めになりながら写真をとった甲斐があります
赤岳&硫黄は迫力あるあそこから雪がある間に見れて大満足です
確かに! 熊だったらゾッとしますが、カモシカは本当にかわいかったですよ
この残雪期中に赤岳行けないかな〜なんて調子にのったこと検討中です
fall
Utunduさん、おはようございます。
タイトルだけでばれちゃいましたか
嬉しくってついタイトルに入れてしまいました。
おかげ様で調子上向き気味です
それんしても今回は本当に最高! 出来すぎくらいの山行でした! このルートを知ったのもキョロキョロ歩く歩き方もUtunduさんのおかげです
今回はありがとうございました。 また、お気に入りルート教えて下さいね
fall
chachamaruさん、コメントありがとうございます。
休み明けに1度たたいたからか今回はとても快調に上ることができました! なんか競走馬みたいですね
カモシカ君は念じながら歩きましたが思いが通じて幸せです。
chachamaruさんは八ツのふもとに住んでいたんですか
ところで、もしご存知でしたらなんですが千葉の柏からアクセスが良くて5〜6時間で登って下りてこられる良さげな山ありませんでしょうか? 同行者は初心者です
来週、仕事のついでになんて話がでておりまして
もしご存知でしたら申し訳ありませんが教えて下さい
エンジン全開のchachamaruさんは次はどこを目指されるのでしょうか? 今からレコ想像してニヤけてしまいます
fall
こんにちは、chachanaruです
さっそく、再レスしちゃいます。
お勧めは「筑波山」なんですが…これではあまりに芸がないので…
「愛宕山〜難台山〜吾国山」の縦走がお勧めです。
難台山はこれからカタクリの季節になると思いますよ。
道も広くて整備も行きとどいたいいコースだと思います。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-86161.html
自分のレコで恐縮ですがリンクしときました
chachamaru
chachamaruさん、早々に情報ありがとうございます
日程は木曜日を予定しておりまして、あとは天気次第なんですが雨さえ降らなければ、ありがたく頂いた情報通りにまったく同じコースを辿らせて頂きます!
ありがとうございました!
fall
こんにちは!fallさん
権現岳登頂おめでとうございます!
そしてカモシカさんに会えて良かったですね!
私も山に登る時は『何か動物出て来ないかなぁ〜』と
思いながら歩きます。
八ヶ岳には何度も行っていますがカモシカには1度しか会ったことがありません。
赤岩ノ頭でバッタリでした!
それにしても夫婦で登山とは羨ましいです!
私の趣味は山登りとマラソンです
妻の嫌いな事は山登りとマラソンです・・・
yamatyan
yamatyanさん、こんにちは!
いつもレコ拝見させて頂いてます。
はい、ありがとうございます!
本当にカモシカ君・・・思いが通じたようです
今年、4度も八ツに行かれているyamatyanさんで1度しか会ったことないんですか?
赤岳〜硫黄の間にはほぼ高い確率でいつもいるのだと思っていました
夫婦で登山・・・きっかけはお互い健康診断で運動不足を指摘され体重が増加してきたことによるものです
マラソン〜山を登る為の体力作りにはもってこいのいい趣味ですね
奥様は・・・はは
fall
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