南ア・尾白川黄蓮谷右俣
- GPS
- 32:00
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,724m
- 下り
- 2,359m
コースタイム
/3 発(635)甲斐駒ケ岳(935-1035)竹宇駒ケ岳神社(1515)
過去天気図(気象庁) | 2005年09月の天気図 |
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アクセス | |
ファイル |
(更新時刻:2018/09/21 11:58)
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感想
小淵沢在住の友人宅テラスからは、鳳凰山・地蔵岳の岩塔と共に甲斐駒ケ岳が高度と量感を持って迫って見える。移築の古民家とはいえ、贅沢なモンだ。今度アレに登るのだ、と思うと気分が良かった。
今回溯行の黄蓮谷右俣は、沢登り愛好家なら知らぬ人は居ないだろう程に名の知れた渓谷で、かつて発行された沢登りガイドブックには例外無く取り上げられ、また各山岳会報告書にも記録を多数見る。賛美する声ばかりを聞くが、さて実際はどうだろう。
林道終点から降り立った谷は、濃緑の深い釜を従え均整のとれた滝を連ねた。見苦しい残置物を多く目にしたのが残念ではあったが、惜しげも無い量の花崗岩が景観に花を添える。そして白い岩床と渓水の緑の対比が美しい。暫くで黄蓮谷が流れを左に分けるが、出合は貧相な印象だ。尾白川本谷の方が面白いのでは・・・? 地図で見る通り、黄蓮谷は強い傾斜を緩めることなく駆け上がり、それゆえに谷から見下ろす下界は他の谷では味わえないほどに高度を感じさせる俯瞰ぶりだ。また、甲斐駒自体が花崗岩の大岩塊で構成されている為に磨かれたスラブ滝や連瀑が最上部まで続き、飽きさせない。スケールを備えた、ガレの停滞しない傾斜振りなのだ。流石は第一級山岳から流下する谷だけのことはある。ドンピシャで山頂に当てられた。
下降路に採った黒戸尾根は、石仏や石碑が散在する歴史染みる路で、長かったが飽きのこない尾根だった。途中見上げた赤石沢奥壁も印象に残った。
黄蓮谷右俣は、廊下やゴルジュこそ無いものの純粋に真っ直ぐ突き上げていく沢登りの爽快感を味わうのには好適な谷に思えた。名渓と呼ぶにやぶさかではない、好みの問題もあろうが。近年話題の尾白川下部廊下帯から継続すればさぞや良いルートになろうが、佐藤裕介君の記録を読むにつけ、並みの心構えでは通れそうにはなさそうだ。
<溯行図あり>
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