笈ヶ岳(遥かなるピークへ15時間の格闘)
- GPS
- --:--
- 距離
- 31.5km
- 登り
- 1,983m
- 下り
- 1,974m
コースタイム
- 山行
- 14:44
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 15:22
1.20 600m 境川ダム
2.10 580m 桂橋
4.16 1290m 1290ピーク
4.53 1200m 1200m鞍部
5.24 1300m 沢へdown
6.42 1200m 沢合流
8.42 1680m 主稜線ポコ
8.49 1650m 主稜線鞍部
10.00 1841m 笈ヶ岳山頂
10.20 1841m 笈ヶ岳山頂発
11.01 1680m 主稜線ポコ
11.21 1200m 沢1200m
12.49 1290m 1290ピーク
13.37 580m 桂橋
14.40 600m 境川ダム
15.23 330m 国道156出合橋
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
難所だらけ 総合格闘技山行 |
写真
感想
石川県内にある山の中でピークに立つのがこの時期最難関の一つ笈ヶ岳、一里野からのアプローチが短くて楽だが、甲府から来る名人の都合を考えれば難儀だが岐阜県側が良いだろう。昨日も鬼のように仕事は忙しくて夕方帰宅後晩御飯を食べて横になった。出合橋発深夜0時の約束で22時に起きて自宅を出ようと思ったが20時に自然と目が覚めて結局2時間しか眠れなかった。深夜23時に出合橋に着くと名人号が先着、間も無く大魔人号もやって来た。すでに皆気合い入れまくりだろう。
23時半にスタンバイしていたが、もう一人が来ない、電話するが出ない、先に出るぞとライン入れておいた。結局30分待って予定通り深夜0時に大魔人、名人と僕でスタートした。林道の積雪は50cm程か雪はカチカチで板はよく走った。長いトンネルを抜け境川ダムに到着。ここから尾根取り付き桂橋まで長い林道を進む。
暗闇の中林道をぶっ飛ばす。桂橋を渡ると尾根の取付きだ。
尾根取り付きで1.5m の雪がありカチカチ斜面をクトーで登る。まだこれから4時間暗闇の中だ。沢を詰め稜線に上がるとアップダウンが多い、1000mを超えると新雪が出て来た。最初チビラッセルだったが徐々に深くなって行った。
1290mポコから下りでシールを剥いで先の鞍部に滑り込む。鞍部まで際どい暗闇滑降である。心臓に悪い、鞍部から少し登り返していよいよメインの沢に滑り込むが雪庇や複雑な地形で思うようなルートを取れず難儀した。しかもトラバース中に先頭を歩いていていきなり表層雪崩に巻き込まれた。少し流されたがとっさに反射的に左手一本で木にぶら下がり辛うじて流されずに済んだ。デブリは谷へ向かって落ちて行きやばかった。左手は負傷したが大丈夫だ、行くしかない。
気を取り直して登り返して皆に合流して沢へ降りてあとは稜線を目指すのみ、この先もルートは複雑だった。天気は快晴、日が昇ると新雪が下駄となり皆苦労した。ラッセルもきついし勘弁して欲しい。際どいトラバースの連続で主稜線に立ち、ここから小さなアップダウンを超えてようやく笈ヶ岳ピークにたどり着いた。実に10時間の難儀だった。苦労した分360度の大展望を満喫した。今日も頑張って良かった。皆で写真を撮り合いさあ下山である。
雪は日向と日陰で目まぐるしく変わり滑りは一筋縄ではいかなかった。帰りもなんどもシールの貼り直しがあり登りでは腐った雪に苦労した。それでも頑張って板をはしらせて桂橋まで下山、あとは長い林道とトンネル歩きに苦労して15時間半後にようやく出発地点に帰還した。前回もう二度とやらないと思ったものだが今回ももう二度とやらないと思った。しかしこの辛さはクセになる
それにしても笈ヶ岳は半端なく遠かった。15時間完全燃焼で幕を閉じた。
コメント
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YSHR様
いつもレコを拝見して、凄すぎると驚嘆しております。
チャレンジングな山行ばかりで、凄い先生だなと感心しております。
ただ、余計なお世話でしょうが、くれぐれも慎重になさって下さい。
山の事故は突然に不意打ちをかけてきます。
私が好きだったHP『婦日の山と仕事報告』で高山市の産婦人科の先生のハードな山行記録写真がありました。YSHR先生のようにチャレンジグな行動パターンでした。
しかし穂高でのスキー山行の最中に落石で亡くなられました。新聞記事で事故を知り、残念でなりませんでした。
YSHR先生は今回は表層雪崩で済みましたが、くれぐれもお気をを付けて。これからも素晴らしい山レコを楽しみにしております。
年寄りの余計なお世話で失礼しました。
メール有り難うございます。山は危険一杯で石橋を叩いて歩いていてもいつどこで何があるかわかりません。これからも安全第一で気を緩めずチャレンジしたいと思います。今後とも宜しくお願い申し上げます。
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