【荘川】オサンババ〜W烏帽子岳【一色から】
- GPS
- 10:45
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,292m
- 下り
- 1,286m
コースタイム
- 山行
- 9:16
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 10:45
天候 | 曇りのち晴れるも霞強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
当日は県道のその先はまだ冬季通行止めでした。キャンプ場内に駐車するのは遠慮して、県道からの入り口の空きスペース(橋のたもと)に駐車しました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道ではありません。出かけられる際は自己責任でお願いします。 コース全体で危険個所はなかったと思います。雪はなかなか締まらず緩んでいるので踏み抜き注意です。当日はスノーシューが最適、最低でもワカンがないと歩ける状況ではありませんでした。 |
その他周辺情報 | 道の駅桜の郷荘川 http://kankou.city.takayama.lg.jp/2000002/2000509/2000512.html 桜香の湯(道の駅隣接) http://www.hida-ouka.jp/shisetsu01.html |
写真
感想
オサンババといえば、めいほうスキー場からリフトを乗り継いで超簡単に登れてしまうお手軽な雪山のイメージでしょうか。でも、かつてはスキーを履いてないとリフトに乗せてもらえず、スキーをやらない私にとっては縁遠い山となっていました。いつしか登山者でもリフトに乗れるようになってヤマレコでもよく記録を目にするようになりましたが、やっぱりスキー場からの入山は避けたいという意地(←ひがみ)もあり、あれこれとルートを考えてはみるものの、なかなか実行する機会はありませんでした。
ひと頃、限定的な狭い範囲でですが、オッサンと○○ァの聖地とか言われてプチブームになったこともあるオサンババ、今ではすっかり自分も適齢期(笑) では今シーズンこそ出かけてやろうかとその気になりました。
【駐車地〜北西尾根取付き〜オサンババ】
スタートは荘川の一色国際スキー場跡のキャンプ施設から。施設には人の気配があり、場内に車を置くのは気が引けたので、川を挟んだ県道の空きスペースに車を置きます。準備をしていると一台の車がやってきてすぐ近くに車を止めました。様子を見ていると明らかに登山者のようです。若い単独の男性で、まさかオサンババに向かうつもりじゃあるまいなと気になって準備が手に着かないので、あいさつしがてら尋ねてみると、オサンババのお向かいある鷲ヶ岳を目指すとのこと。安心して準備を進め、一足お先にキャンプ場内から林道へ向かいます。林道にはしっかり雪がありましたが、スノーモービルが走ったあとなのか?ギュッと締まっており、しばらくはスノーシューを手に持ってツボ足で歩いていきます。
40分ほどで取付き予定の尾根末端に到着。ここでスノーシューを履き、ヒールリフターを上げて尾根に取付きます。この時点では雪はよく締まっており、これが続けば楽勝だな〜などと思っておりました。やがて林道に出合い、予定通りその尾根直下の林道を進みます。林道はやがて2つに分かれ、谷をトラバースするほうの道をたどります。この道を利用して尾根を乗り換えようという目論見です。その尾根は取付きが急登で、しかもなぜか新雪でふかふか。フーフー言いながら登り上げるとすぐに幅広の穏やかな尾根になりました。
そこから少し下った鞍部からは鷲ヶ岳がよく見えますが、空は灰色なうえに酷い霞でスッキリしません。そしてそこから先の今日のコースの中では一番の急登となりますが、これが薄暗い植林一色^^; 日が当たらないので新雪がそのままの状態で、スノーシューでも沈みまくります。幹の部分がすっかり埋まるほどの雪の深さで、見通しが効かずもがくばかりでなかなか登っていけません。これには本当に心が折れそうでした。
それでも休まず登っていればいつかは、という感じで植林を脱出。ブナも混じる明るい尾根にとびだしたところで、ザックを放り投げて上半身裸となり、首元から入り込んだ大量の杉の枯葉や小枝を払い落とします。
さあ、ここからは快適な緩くて広い明るい尾根道となるわけですが、気がかりなのは空模様。快晴予報に反して雲が多く、強い霞もあって、もう見るからにどんより。目指すオサンババや、旧一色国際スキー場からの尾根も見えてきて、晴れていたらかなり気持ちも盛り上がるところだと思うんですが。
なんとなくモチベーションも上がらないまま、安定したセッピの尾根を歩き、大ブナやダケカンバ、ミズナラの混成する広いオサンババ山頂台地に到着すると、意外にもトレースはありませんでした。こちらが正式名称なんでしょうか、山中山と書かれたプレートがあり、そこからすぐ先のブナ林にザックを下して烏帽子岳を眺めて小休止。調子がよければ当然、烏帽子岳まで足を延ばすつもりの早出をしているわけですが、これから晴れてくるのかこないのか?どうなんだよ烏帽子君。駄賃が出ないなら行かないぞ。
【オサンババ〜烏帽子岳〜気良烏帽子〜烏帽子岳】
悩んではみたものの、時間はまだたっぷりとあるし、こころなしか空も青くなってきた?気もしないでもありません。意を決してザックを担ぎ、烏帽子へ続く尾根へと踏み込みます。するとその先、突然トレースがあらわれたではありませんか。おそらく昨日のものでしょう、その上に昨夜の新雪が乗っています。オサンババまで来てないということは烏帽子岳に向かったということなんでしょうか。ここならトレースがあっても決しておかしくないとはいえ、やっぱりちょっと残念です。救いは新雪がその大部分を隠してくれていることです。
それよりもこの尾根の快適さといったらありません。素晴らしいブナ林がどこまでも続き、広くて緩い平和しかない雪タップリの道。ただしアップダウンは大きく、かなり緩んだ雪にスノーシューは沈みます。でもそれを打ち消してくれる行く先への期待が大きく、ワクワク感があります。
そしてちょうどオサンババと烏帽子岳の中間にある床辺山に到着すると、いよいよ烏帽子岳への大きな登りが立ちはだかります。すると、なんとトレースはここで終わっています。パーティーが休憩した跡があり、ここで引返していることがわかります。目の前に続くノートレースの尾根に、だんだん青くなってきた空。モチベーションは急上昇。日焼け止めを塗り直し、喜び勇んで烏帽子岳への登りに向かいました。
登りつめてみれば、烏帽子岳はまだかなり先だと知ることになります。でもここから続く広大な雪原にひろがるブナ林が素晴らしいの一言でした。これは絶対ここまでは来なくちゃいけない。これを知らずに帰るなんて残念すぎます。素晴らしい光景に酔いしれながら、ようやくたどり着いた烏帽子岳には…、なんとワカンのトレースが残されています。私とは反対側から登ってきたものでした。山友から進められていたこともあり、そのトレースを追うようにさらに先にある、気良烏帽子岳を目指します。すでにワカンのトレースはめいほう側の尾根を下山しており、気良烏帽子岳から登ってきていたことがわかります。
今年はこの山域は雪は少なかったのか?ドーム状になっているはずだった気良烏帽子岳の頂上は傾斜しており、そこへ続く尾根はナイフリッジもどきとなっていました。山頂プレートは消失して杭棒だけが立つ山頂からの展望は、強い霞のため目の前の鷲ヶ岳あたりが精いっぱい。何の未練もなくそこをあとにして烏帽子岳へと引き返し、いつもよりかなり短めの昼飯タイムとなりました。
【烏帽子岳〜オサンババ〜尾根下降点〜駐車地】
さて下山と言っても、オサンババまではアップダウンの道のりで往路と変わらない時間を要します。さらに緩んだ雪と日差しに大汗をかいて登ったり下りたり登ったり下りたり。
ようやくオサンババに帰還しますが、新しいトレースはなし。結局、トレースには出合っても、まったく人には出会うことはありませんでした。
下山は登りの尾根よりひとつ北を降ります。オサンババから雪原状の尾根を緩く下り、最後の稜線歩きを楽しみますが、ここもなかなか爽快な風景がひろがっていました。
旧一色国際スキー場へ続く尾根と別れ、左手植林の尾根を下っていきましょう。この尾根は登りの尾根と比べて傾斜が一定で、やはり植林の新雪地帯はありましたが、下りということを差し引いてもずいぶん楽でした。
植林一色になったと思ったらまた自然林になったりで、なかなか高度の下がらないダラダラと長い尾根ではありますが、やがて沢が近づき尾根形状は消え、適当なところから林道へと着地。雪はしっかりとあるので、スノーシューをはいたまま駐車地へと戻りました。
そこには鷲ヶ岳へ向かった男性の車はもうありませんでした。時間は17時直前。久しぶりに丸一日がかりの山歩きとなり、翌日に予定していた揖斐のお山はこの時点で来年へと持ち越しとなったのでした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する