(過去レコ)阿能川岳〜小出俣山〜俎山稜(日帰り周回)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,833m
- 下り
- 1,359m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【山行記録投稿=2017年3月25日】
残雪期しか行けない山で、どこかに面白い山はないだろうかと、谷川岳の山地図を眺めていて表記の山が目についたのは、今年の3月上旬の頃だったように思う。
谷川岳頂上に立った時、俎瑤泙嚢圓辰討澆燭い隼廚辰燭海箸浪薪戮あるが、小出俣山を考えたことは全くなかった。ネットで調べると結構多くの山行記がヒットするがどれも途中でテン泊しているもので、日帰りの記録は見当たらない。
阿能川で幕営し、翌日小出俣山〜谷川岳と縦走するも、下りのRW最終便(17:00)に間に合わなかったというのもあり、日帰りの周回で俎山稜へ行けるかどうかは事前には分からなかった。
最低でも阿能川まで、出来れば小出俣山まで行き、俎瑤惺圓韻襪どうかはその時点で考えることにしてスタートする。
小出俣山へは川古温泉から小出俣沢沿いの林道を歩き、千曲平から上がったという記事も幾つかあるが、地形図を見ると非常に急斜面となっている。恐らく軽アイゼンでは無理だろうし、ピッケルも要必携かも知れない。
かなり遠回りにはなるが、阿能川岳でも展望が楽しめそうなので、仏岩トンネルから行くことにする。
当日の天気予報は晴れのち曇りで、夜遅くなってから雨。
日中は予報どおりだった。
仏岩トンネル手前の左側の広い駐車場には先行車が一台。
登山靴には高速道のSAで履き替えていたので、着いてすぐ4時8分にスタート。
登山口から赤谷越(仏岩峠)まではずっと雪だったが、多くの足跡有り。吾妻耶山へ登る人が多いと思われる。
峠から北へは林の中だが、陽当たりの良い南向き斜面なので雪のない所が多い。
5時頃ライト不要の明るさとなり、5時05分に送電鉄塔基部を通過。ここまでは一般登山道並みの明瞭な踏み跡あり。
高度が上がり、雪の上を歩くことが多くなって、鉄塔以降の地面の道形が明瞭かどうかは分からなくなったが、雪の消えている部分には明らかな道筋が認められる。
東の武尊山山塊の上から日が昇る。日の出の写真を撮りたいところだったが、灌木越しだったので撮らず。途中、二ヶ所に嫌らしい所があった。下りの急な斜面で、アイゼン無しではやばいと思い、そこで初めて6本爪アイゼンを着ける。
もう一ヶ所は急な下りで、雪が解けてアイスバーンと化していた。二ヶ所とも3〜5mの短い区間だった。
前方に平らな山頂が見えるようになり、あれが阿能川山頂だろうと思う。
事実、そうだった。6時53分に着き、58分まで休む。
よく晴れていて、俎山稜が圧巻だ。絶壁は黒々としたむき出しの岩肌で、雪は全く付いていない。果たしてあの尾根が歩けるのだろうかと不安がよぎる。
目の前の灌木に赤テープがあり、ここが小出俣山への降り口だろうと思い、雪の斜面へ入る。しかし、どうも変だ。前方の尾根よりずっと左に、更に高い尾根がある。
阿能川岳は山頂部が長く、小出俣山へは少し戻ってから下るべきだったが、下る尾根を間違えた。
急な雪の斜面をトラバースして本来の尾根の下りに入ったが、阿能川岳まで続いていた足跡は全くない。足跡の主は阿能川岳で引き返したのだろう。
急な斜面を鞍部まで下り、今度は緩やかな上りだ。所々に急な斜面もあり、雪面は凍っている。つま先を強く蹴り込んでステップを作りながら歩く。この斜面を帰りに歩くのは嫌だなぁ、谷川岳の方へ回った方が楽かもしれないと、その時はそう思う。
小出俣山に差し掛かった頃、千曲平方面から上がってくる単独行が目に入り、ほぼ同時に登頂する。その人は、急な坂だと言いながら、アイゼンを着けていなかったことに少々びっくり!
途中でにわかに雲が広がり、一時は小出俣山頂にも掛かりそうになっていたが、登頂した時には雲も消え、この山頂からも絶景の展望だった。
間もなく別の単独行も来て、今日は一日中誰にも会わないだろうと思っていたが、一時は単独行ばかり三人がいた。
頂上直下で昨夜テン泊した跡があり、その人達と思われる足跡が俎方向へ続いていた。
小出俣山へ予想よりずっと早く着き、しかも俎方面にトレースがあったので、谷川岳へ周回することに決定する。
しかし、そのトレースは川棚ノ頭手前の広い尾根で見失う。雪面は凍っていてよほど注意してないと見えなかった。
川棚ノ頭へは急な斜面で、雪は多くはないが凍っているのが分かる。これを6爪アイゼンで上がるのは危険なように思い、赤谷川源流を埋め尽くす雪の上を渡り、大障子避難小屋の右の尾根に上がろうと思って源流域へ向かっていたが、次第に急な下りとなり、しかもクラストしているのでここは下れないと判断し、9時33分に引き返す。
運を天に任せて山稜を歩くことにする。ストックのストラップを腕に通して両手を使えるようにし、三点確保で雪面から出た灌木につかまりながら川棚ノ頭を超える。
右側は100mもあろうかと思われるような物凄い絶壁、左側は凍り付いた急斜面で、もう頂稜を進むしかない。幸い尾根の幅は50〜70僂呂△蝓厚く凍っている所はない。急な下りは後向きのキックステップで下る。しばらくの間、生きた心地がしなかったが、オジカ沢ノ頭とのコルに降り立った時は大きく胸を撫で下ろした。
オジカ沢ノ頭頂上では風が大変強く、じっとして立っていられないほど。この強風が俎山稜で吹いていたら無事には通過できなかったかも・・・
谷川岳への主稜には数人が歩いたトレースがあったが、やせ尾根で気が抜けない。徐々に雲が広がり、肩の小屋へ着いた時にはトマノ耳はガスに覆われていたので、時間は十分あったが行く気がしなかった。
小屋周辺には10人近くいたが、皆スキーヤーかボーダーらしかった。
ロープウェーにはすぐ乗れたが、激しかった山行の余韻に打ちひしがれ、ゴンドラからの風景を見ることもなくうなだれていた。
タクシーで車を置いた仏岩トンネル登山口まで行き(料金¥6740)、湯テルメ谷川の露天風呂に浸かって帰途に就く。
初めての本格的な残雪期登山だったが、前爪のあるアイゼンもピッケルも持たず、何事もなく日帰り周回できたのは運が良かっただけかもしれない。
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