記録ID: 1120511
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無雪期ピークハント/縦走
大峰山脈
春の弥山川・双門ルートから弥山・八経ヶ岳周回
2017年04月30日(日) [日帰り]


体力度
6
1~2泊以上が適当
- GPS
- 12:13
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,358m
- 下り
- 2,358m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
- |
コース状況/ 危険箇所等 |
●熊渡から弥山川入渓ポイント(白川八丁) 林道を30分ぐらい歩いたら分岐がある。右はカナビキ尾根への登山路で、左は弥山川に入渓するルート。途中で1か所、崩壊している部分があるが通過は容易。そのあとすぐに弥山川の水流のない河原に着く。いわゆる白川八丁。このさき全般を通して一番大切なのは、赤リボンを見失わないこと。見失ったらそのまま進まずに立ち止まって赤リボンを探すこと。これは本来のルーファイではないが、利用するに越したことはない。 ●白川八丁から仙人前テラス 弥山川は伏流していて、水流はしばらく無い。しばらく歩いてガマ滝に着く。かならず水量をチェックすること。今回の水量(写真参照)なら登山靴でも遡行可能だが、多くなると沢靴に履き替えた方がいい。登山靴を水没させてしまうと、豆ができやすくなる以外に、登山靴では滑り易くなって転倒の可能性が高くなる。この先は大変長いのだ。渡渉を何回か繰り返した後、ちょっとした岩登りがあって一の滝の吊り橋に着く。吊り橋を渡ると、これでもかっ!という程たくさんの、長いハシゴが連続する。木枝や根っこを掴んで登る部分もあり、余裕をもって登らないとバランスを失ってしまうので注意。仙人前テラスから見る双門滝はすばらしい。さすが名瀑100選の滝。 ●仙人前テラスから狼平 テラスからまだまだハシゴは連続するが、ザンギ平方向に向かって大きく高巻きする。この下りは結構激しいので、ゆっくり時間をかけて慎重に下ること。クサリはあるが、ロープを張って懸垂下降したいぐらいの下りだ。下降点にはちょっと休憩できる河原がある。しばらく河原を歩いたり脇道に入ったりするが、とにかく赤リボンを見失わないこと。でないと高難度の登りやトラバースになってしまう。今は雪に覆われてルートを喪失しそうになる場所が何か所かあるが、もうじきに無くなるだろう。アイゼンは持っていたが出す必要はなかった。あちこちにバイカオウレンが咲いていた。最後に鉄杭の刺さった岩場をグイッと登るとブラブラ鉄バシゴが現れる。意外に腕力が要るので、女性や重装備では結構つらいかも知れない。荷物と別に登った方がいいかも知れない。鉄バシゴのあとにはすぐに空中クイが現れる。ここで落ちたらケガでは済まされないが、ここでの事故は少ないらしい。集中するからだ。このあたりにはオオミネコザクラが咲くらしいがまだ早かった。このあと15分ほど河原を進めば狼平の吊り橋に到着する。ここまでがバリエーションで、ヘルメットやハーネスを解除する。なお、このルートは逆走(下降すること)が禁止されている。 ●狼平から弥山・八経ヶ岳 少し階段状の登りを進むと登山路の右脇に水がでているので、必要があれば汲んでおくといい。その他、ここは一般ルートなので、他の方のレコを参照してほしい。 ●八経ヶ岳から高崎横手 八経ヶ岳は9割の登山者がピストンし、今回のルートのように向こう側へ降りる人は少ない。なぜなら9割の登山者が行者還トンネル西口からピストンするからだ。いつも、もっといろんなルートを楽しめばいいのにと思う。登山路はしっかりしている。明星ヶ岳の肩(弥山辻)で大峯奥駆道と分かれ、広い尾根を進む。ここはレンゲ道と呼ばれ高崎横手まで広い尾根は続く。高崎横手は狼平から約30分ほどで登ってこれるので、ここで時間をチェックしよう。時間が遅くなってしまった場合は、予定をあきらめて狼平の避難小屋でビバーグしよう。ここから熊渡までは、ダッシュしても2時間以上かかるし、カナビキ尾根のルートは暗いと分かりにくい。 ●高崎横手から熊渡 広い尾根が続くのでルートを失わないように注意が必要だ。特に雪で覆われてしまうと登山路がわからなくなってしまう。カナビキ尾根への分岐には写真のような判りやすい案内板があるので、まず間違うことはないだろうが、この案内板がないと、尾根が広いだけにルーファイは難しい。カナビキ尾根の下降は途中から赤リボンが左へ降りろと案内しているが、これに従えばいい。少しダルイが登山路は尾根を大きく巻きながらジグザグに下っていく。ボクは今回初めて、これに従った(笑)。 ‐ |
その他周辺情報 | ・天川村(てんかわむら)、天の川(てんのかわ)温泉は大規模修理で長いあいだ休業中だったが、この4月より新装オープンされている。11時〜20時、火曜日定休、600円。内装が新しくなったが、木の香りがいい。さらにクルマで20分ほど先に”みずはの湯”という施設もオープンされたそうだ。 http://yamatoonsen.com/ - |
写真
装備
個人装備 |
一般日帰り装備
ヘルメット
ハーネス
下降器
ロープ(今回は8mm×30m)
カラビナ数枚
スリング数本
沢靴
アイゼン
ツェルト
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感想
沢あり岩あり泥壁ありの総合格闘技的バリエーションルート、弥山川・双門ルートから八経ヶ岳を周回して来ました。通常、登山靴でも登れる沢ルートで、技術的には難しいルートではないのですが、脚力だけではない総合的な体力が求められます。この時期に登ったのは初めてで、自分にとっての体力測定ルートでもあるのですが、前回(2016年10月)に続き、今回も12時間以上かかってしまいました。なんともふがいないです。
このルートはそんなに難しいルートではないとはいえ、普通の登山装備で登るのは如何なものかと思います。少なくともヘルメットは必要ですし、パーティに最低1本以上のロープが必要です(ソロなら本人)。ヘルメットは落石のためというよりは、転倒したときに自分の頭を保護するためです。沢は浮石だらけだし、すべりやすいので転倒の可能性が高いので絶対必要です。ロープはルート迷いや増水などで高巻きや沢から脱出するときに使用します。ATCなどの下降器を使った懸垂下降技術もできたらあったほうがいいです。重たくなっても、なにか緊急事態になったときに対応できる装備を持ちましょう。こうした安全を担保しない軽装備で、たとえ登れたとしても、それは登ったことになりません。単に運が良かっただけで、それは遭難予備軍です。自分(ら)だけは大丈夫といった過信で、これまで、このルートで、どれだけ多くの登山者が遭難・死亡してきたか、枚挙にいとまがありません。県や村の遭対協もうんざりしています。挑戦される方は、くれぐれもご注意を!
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kuma-san、こんにちわ。
またまた背筋ぞくぞくの沢登り、お疲れさまでした
こちらは写真を見ているだけで精一杯です。
なんだろう〜はミヤマシキミっぽいです
さくちゃん、まいど。
こんな写真で、ゾクゾクするッ?
ゾクゾク敏感症やね。
たしかに、シキミっぽいね。
盲点でした。
クマ
kumaさん、お疲れさんです。
季節的には、まだ早い様ですが・・・・。
空中梯子の手前に、オオミネコザクラの群生地があります。
仙人前テラスでヒカゲツツジも咲いていて、5月半ばが見どころ
でしょうか、危険なのでお薦めはいたしませんが。
イチヨウランも咲いていましたね。
ストラッセさん、まいどです。
そーなんですよね。
オオミネコザクラには、ちょっと早かった。
でも、見たいので、5月中旬にまた来ますよ。
もしよかったら、一緒にどうですか?
ストラッセさんのペースにあわせますよ。
ボクより速いと、ちょっと困りますが・・・
クマ
クマさん、こんにちは。
コメさぼってまして、ごめんちゃい。
またここに行かれたのですね。
あんたも好きね〜って感じですが、
クマさんが好きなのもよくわかるいろんな要素がつまったタフで魅力的なルート。
レコを見るたび行きたい気持ちが強くなります。
前回(だったかな?)のレコで紹介されてた遭難事件は論外としても、軽い気持ちで行ってはいけないというのもよくわかります。
ワタシの足だと日帰りはギリギリかな。
GWなかびにお勉強のクマですぅ。
コメありがとうざんす。
ここはボクの衰えを測定するルートですから、定番です。
昔は、ここに来るたびに、
体じゅうが筋肉痛&アザだらけになったんで、
来るのはイヤだったんですが、
嫌よ嫌よも好きのうち・・・との格言通り、
好きになって10数年になります・・・
いずれ、ご一緒できたらと思いますが、
お互い、ヨボヨボかもです(笑)
クマ
貴重な情報ありがとうございます
参考にさせていただきます
タルグチさん、はじめまして。
これは去年の記述ですが、大丈夫でしょうか?今年は融雪が早いのと、もうオオミネコザクラは咲いているでしょうね。ボクも行きたいのですが、予定がいろいろあって地団駄踏んでます
奈良県遭難対策委員会に知人がいることもあって、ちょっと厳し目に記述してしまいましたが、このルートの場合、何よりも大切なのは、ルーファイ能力と体力です。この2点がしっかりしていたら、遭難することはまずないでしょう。お気をつけて行ってきてください。
クマ
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