芦別岳・本谷から新道 (Mt.Ashibetsu)
- GPS
- 10:48
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 2,273m
- 下り
- 2,334m
コースタイム
天候 | 雲一つない快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
旧道登山口から分岐までまだ雪が残っています。ロープも雪の下なので注意。 ユーフレ小屋から本谷は雪が柔らかく割と埋まります。小さな雪崩が頻発しているので注意が必要です。最後の急登も雪が柔らかい状態です。 稜線から山頂までは雪が付いていてルートははっきりしません。南側に回ってから稜線に取り付いたほうが楽だと思います。 新道はなかり下まで雪です。そしてズボズボの雪で埋まる事があるので注意が必要です。 ----------- ・スノーシューなしでOK ・アイゼン、ピッケル、ヘルメットは必携 ----------- |
写真
感想
■1.本谷さん
「あれが本谷だよ」。ご来光を浴びながらi-tomoさんが言った。十勝岳の山頂から見た芦別岳が赤く染まっている。その影の部分が本谷である。目に焼き付く景色だった。それ以降、目を閉じるとその光景が必ず呼び起された。夢にまで出てくる始末だ。天気を見て様子を伺っていたけど、天気が悪かったり、家族の予定があったりと、なかなかグッドなタイミングにならなかった。2017/5/4(木)、快晴予報。そして、家族予定は無し。一緒に行けなかった方もいるのが残念ではあったが、これほどの好条件が整っているので行くしかないっ!!
■2.モルゲン芦別岳
23時頃に札幌を出発した。現地集合なので気の赴くままにふらふらした。ふと、三段滝の付近で停車すると満点の星空。暫く目を慣らすと天の川も見えた。半月(月齢 7.6(小潮))が沈んでいたので綺麗に見えたらしい。その後も芦別岳で星空も見た。綺麗スギル。その後は十勝岳連峰から太陽が出てくるという、映画のような風景を鑑賞した。芦別岳に日が当たりモルゲンロートになっていた。やはり本谷は心を誘い込むように影になっていた。登山口駐車場でi-tomoさんと合流。さあ、出発だ!
■3.滑落が怖い沢
登山口では、おじさん、男女の若者、3人のパーティがテントを畳んでいた。リーダーと思われるおじさんは、ただならぬオーラを放っていた。これが岳人のオーラか。2泊3日するらしい。いいな。夫婦岩登ったりして芦別岳を堪能するとのこと。うらやましい限り。ユーフレ小屋までの道は高巻が多く、かなりワイルドであった。行者にんにくも険しい所に生えている。これは誘惑だよね。しかしながら、気を許すことをないようにし、滑落に注意である。この登山道は凍ってたらまず無理だ。歩みを進め、雪にズボズボ埋まりながら、第一関門の丸太橋に来た。リスクを避け、渡渉で難なくクリア。暫く歩くと、赤い屋根のユーフレ小屋に到着。素晴らしい小屋だった。
■4.ライアン
「こっから先の風景が凄いんですよ」日を浴びるi-tomoさんが言った。「マジすか!」と僕。ザクザク音を鳴らしながら歩いていくと、沢筋には沢山のデブリの跡が。硬直する。ヤバイ所に来ちまったものだなーと。第二関門のゴルジュが出てきた。雪が残っていたので蛤のように閉じていた。日が当たり過ぎると開いてくるのが怖い。ザザザっと、山スキーヤーが下りてきた。沢筋を滑走してきたらしい。僕らが山頂を目指している事を伝えた。そうするとライアンも付いてきた。form newzealandと。DQ犬里茲Δ法◆屮薀ぅ▲鵑仲間に加わった」。
■5.デブリ―ランド
本谷にはドイツ語でインゼル(Insel)と言われる、雪渓の中に島のように出た岩がある。そこからが本谷の本番だ。かなりデブリの量も増えてくる。ふと、「ナッダレ!」とライアンが叫んだ。日に当たっている右手側の斜面が、小規模の雪崩をおこしている。絶賛デブリ生成中である。正直、気持ち悪くて吐きそうだった。しかし、頭の中に「ナッダレ!」のインパクトが大きすぎてニヤニヤしてしまう。ここは楽しいデブリ―ランドと思うようにした。第三関門地獄谷本谷の核心部。物凄い斜度だ。聞いてはいたが登るにつれ斜度が増してくる。アイゼンも履いてたし、雪もズボズボ埋まるので危険という感じではなかったので割とサクサク登った。ヒサゴ沼カチカチだった雪渓をアイゼンなしで登った時の方が縮こまっていた気がする。
■6.山頂へ
ゆっくり、ゆっくりと登っていくと、風が強くなり斜度が緩くなってきた。ホッとした。自動販売機でコンポタージュが売切になっていなかった時のようにホッとした。後は山頂部へ駆け上がるだけだ。山頂直下でライアンが写真を撮ってくれた。Canonのデジ1ユーザーであった。「シャシンオクリース、メールアドレスオシエテクダサーイ」と。山頂でメールを教えた。彼は3月までBCのティーチャーだった。4月からはフリー。そろそろ札幌にカミングするらしい。Good Byeとお別れをして、山頂稜線を歩くと、芦別岳のサミットに到着。360°、ビューティフルな眺望だ。大雪山、トムラウシ山、十勝岳連峰、日高山脈、樽前山、風不死岳、恵庭岳、札幌の山、羊蹄山、増毛・樺戸山地、などオール見え。これは「超望」だ!山頂ではウィンドウがパワフルだったけど、岩の影に入るとノーウィンドウだった。そこでしばし休憩して、新道を通り下山した。久しぶりに気分が高揚するドキドキのアドベンチャーだった。北海道は奥が深い。週末登山のサラリーマンだったら、一生を掛けても遊びきれないな。次はどんな景色を見せてくれるのだろうか。まずは、大量に消費したKP(家族ポイント)を貯めよう。そうしよう。家族あっての登山であるのだから。
■7.スマホで撮ったまとめ動画
https://www.youtube.com/watch?v=LEH57ZOexOc&feature=youtu.be
今年の連休で一番天気の良い時を狙って芦別本谷を決行した。
旧道は雪が多く、この前止めたのは正解だった。
ユーフレ小屋から上もゴルジュはなんとか通過出来たが、雪は柔らかく少し埋まりながらの登山になった。
そして右の岸壁から小さな雪崩がひっきりなしに落ちてきて、あまり気持ちの良い感じではなかった。
本谷は相変わらず素晴らしい景観で、Ryo君も歓声をあげていた。
雪が柔らかかったので、最後の急登も僕はピッケルは使わず、ポールを短く持って登っていけた。
今回またシャリバテになってしまい、稜線から山頂までが辛かった。
いつも登る時はあまり口に入れないのだが、やはりコマメに食べる事が大事なことなんですね。なんか食べやすいものを見つけなきゃだめですね。
でも山頂で生ハムを食べて復活しました!(笑)
山頂からは快晴の中、360度の大パノラマ。
快晴で、しかも遠くの山まで見渡せるのは、年に何度もない状況なのだろう。
帰りは尻滑りを楽しみながらの下山になった。
それにしても新道は長い。
降りても降りても登山口は遠かったなあ。
これから先、本谷遡行はどんどん状況が厳しくなると思う。
いつでも行ける所じゃないので、天気の様子を見て行けたのは良かったと思う。
ただ最初に行く約束していて、今回参加出来なかった方達には申し訳ないです。
今度北尾根コースに行きましょう!
コメント
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i-tomoさん、Ryoさん芦別岳お疲れ様でした。
ワンダフォーな写真の数々、堪能させていただきました(^^)/。
私も本谷は狙っているのですが、一つ聞かせて下さい。
足回りはどうしましたか?
当然アイゼンを使うと思いますが冬靴だと雪のない低域が歩きづらそうです。
夏靴だとアイゼンの固定に不安がありそうですが、ガチガチでなければそれでも大丈夫そうな気もします。お二人はどんな感じだったのか教えていただけると参考になります。よろしくお願いします。
ポジさん、こんばんは!
天気にも恵まれ、大絶景を見ることができました。素晴らしいとしか言いようがありません。
足回りはi-tomoさんが記載されている通りです。高巻でトラバースするときもソールが固い靴が心強いと思います。僕は"LOWA TAHOE PRO GT WXL タホープロ"で行きました。後はペツルのアイゼンを装着しました。
実はポジさんと、モアさんの風不死岳大沢レコにも影響を受けました。ここもエキサイティングなので是非足を運んでみていただければと思います。
お疲れ様でした、ご無沙汰してます!お元気そうで何よりです、この時期の芦別旧道から写真でもシビレました、山日和に恵まれて良かったですね〜ヨワヨワ関東人はまた夏山シーズンに北海道お邪魔します、宜しくお願いします!
takakotakako さん、こんばんは!
芦別岳の本谷コースは僕の中で、とてもエキサイティングでした。i-tomo超隊長の「いい山は最高のタイミングで行きたいね」と言う言葉が胸に突き刺さりました。夏山の北海道はとても良いので楽しく過ごしていただければと思います~。
i-tomoさん、I_am_Ryo:さん、お疲れ様でした。
それにしても映画を観ているかのような、美しくも迫力満点の素晴らしい山行でしたね。
これもお二方への神様からのプレゼントでしょうか・・・
???
そして今回、一番印象的だったのは何でしたか?
芦別岳は本当に他の山にはない独特の気高さがありますね!
そんな山を最高のコンディションでご無事に登頂されたことに拍手を10回くらいおくりました。
(押せなかったけど・・・)
本当に良かったですね!
お疲れ様でした
ezo-wolf さん、こんばんは!
まさに映画のようでした。映画10本観るよりスゴイです。事実は小説より奇なり、という感じです。
今回は天気が最高でした。山登りで重要な所ですね。青い空に、白い壁のような坂、超デブリ、ゴツゴツした岩、僕の経験上、芦別岳は他の山とは比較にならないほど素敵でした。ezo-wolfさんのお言葉を頂けたのなら、拍手10回以上の価値があります。押せなかったのはシステム上の問題ですが、熱いお気持ちは伝わってきました。コメントありがとうございました。
本谷はアイゼンは必携です。それも軽アイゼンではなく、前爪の付いている10本か12本が必要だと思います。
そうなると靴は固いソールの冬用じゃないと装着出来ないと思います。
今回は冬に使用していた靴を履きました。
そうなると雪やアイゼンはいいのですが、夏道は歩きにくいですね。
でもオールラウンドな靴はないと思うので、何かを我慢しないと行けないと思います。
posiさんはたしかアルパインクルーザー3000でしたか?
下山したら冬と違ってなにもかもドロドロに汚れす。もう春ですね。
ペテガリ岳では失礼しました。
ヨワヨワなんて、テント背負ってペテガリの長い道を歩いているのですからすごいですよ!
今年もぜひいらしてください。
昨年の台風でけっこう通行止めになっているので、日高はハードルが上がってます。
来られる時はぜひご一報いただけたらうれしいです!
時間と体力も必要ですが、天候が何よりも大事です。
確実に行くためには、すべての条件を天候に合わせないとだめだと思います。
今回はチャンスに恵まれて上まで行けましたが、雪に状態によっては撤退もありえました。
今回の一番の印象はやはり紺碧の空ですね。
空に向かって登っていくのは、何者にも代え難い体験です。
いや〜、ほんとに登山ていいもんですよね〜。
GW家族旅行と足の負傷でチームを離脱したことがショックで、記録を拝見するのが遅れました〜。
素晴らしい!うらやましい!やっぱり僕も行きたい!
来年は必ず!必ずチャレンジしますよ!
tacasicaさん、こんばんは!
家族あっての登山ですからね。芦別岳以降、僕も家族との時間を過ごしております。娘も2歳になるので、一緒に居て成長を見守らなければならないと感じました。(7日も登りたい雰囲気を出したら、さすがに嫌な顔をされましたのはここだけの話で)
脚は大谷選手と同じ状態とお聞きしております。治療に専念していただき、回復したらぜひ、芦別岳へ足を運んでいただければと思います。
大雪に行っては感激し、日高に行っては感激していたtacaさんにぜひ見せてあげたい風景でした。今回同行出来なくてほんとに残念でした。
来年必ず行きましょう!
まずは足を早く治してくださいね!
お疲れ様でした、
昔は5月25日前後が本谷の時期と認識していましたが、近年は早くなっているようですね、今年はGWでこんな感じなんですか! これも温暖化の影響でしょうかね。
M6neige さん、こんばんは!
過去レコを見ると、5月後半が多いようですね。
ユーフレ本谷
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=11606
まったく雪の無い時期にも登られている方もいるので、これからも登れそうですね。ただ、僕たちが登った以降に大規模な雪崩あったようです。登るタイミングは重要そうですね。
2年前に行った時も5月2日だったので、昔と比べてだいぶ時期が変わったのかもしれません。
最近は冬に大雪だったと思うような感じはあまりないですからね。温暖化ですね。
本谷は行ってみないと状況がつかめないので、事前に計画を立てるのは難しいです。
でも行くのなら体力、装備はもちろんですが、天候も一番の時に行きたいですね!
膝の具合はどうですか?
久しぶりに夏道を歩くと膝にきました(笑)
Ryanから写真が届きましたのでアップしました。Ryanも無事で良かった、良かった。
https://www.youtube.com/watch?v=qbpO8a9RFXE
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