北アルプス 奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 36.8km
- 登り
- 2,671m
- 下り
- 2,664m
コースタイム
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 5:30
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:10
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:50
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢より上は、午前中より雪が緩みはじめ雪崩が多発していました。雪崩を避けるためにも登高時刻やラインのとり方には慎重になる必要があります。 |
写真
装備
個人装備 |
50mロープ
登攀具少々
|
---|---|
備考 | ガス缶は2個携行したが、1/2個分も使用しなかった。 |
感想
今年のGWは残雪期3度目の涸沢へ。
最初の年は2011年。アイゼンで雪渓を登るのが怖くて撤退、その後山岳会の門をたたいた。今回は何を感じることができるのか。
とにかく上高地から徳澤を経て感じる北アルプスの雰囲気がとてもいい。久しぶりに帰ってきたぁという気持ちになる。横尾までの10劼砲發錣燭詈臣海米擦魯献腑ングシューズで歩いてみると、足が軽くかなり快適だった。横尾までくるとちょっと退屈な感じがするけど、屏風岩をぬけると雪山の世界が広がり気持ちも高揚する。
今年の涸沢ではテントが多く、テントサイトの端に設営していたつもりだが、気が付くと後続の登山者のテントに取り囲まれてていた。
奥穂高岳へは夜明けの5:00に出発。ルートのあずき沢にはまだ雪崩の形跡は無い。奥穂高の稜線には分厚い雪庇が張り出していたため、雪崩を警戒しザイデングラード側にルートをとる。
穂高岳山荘上部の岩場・梯子および雪壁が核心部であるが、想像よりも雪はすくなく、雪壁にもしっかりとしたステップが刻まれていたため不安を感じることはなかった。真っ青な空と穏やかな風の中、奥穂高に登頂できたのは本当に幸運だった。
下りの懸垂下降用に50mロープを用意していたが、現地の斜面を見てみると少し短く、使いにくいようである。50m二本で懸垂するか、初心者をロワーダウンでおろす場合に50m一本でも使い道があるかもしれない。
穂高岳山荘で頂いたホットコーヒーはまさに至極の美味しさでした。
あずき沢の下りでは、10:30で大分雪が腐っており、奥穂高直登ルンゼから小規模な雪崩が絶え間なく出てきていた。あずき沢のできるだけ左岸にルートをとりできるだけ急いでおりた。巡回していた県警のパトロールは、雪崩に巻き込まれた人がいないか確認するため、自らのリスクを顧みずデブリの中に入りビーコンで探索をされていた。
午後にも雪崩は頻発しており、その規模は拡大していた。それに対して出発が遅い登山者が多く次々と雪崩の巣となっている雪渓を降りてくるのに驚いた。
北穂沢でも繰り返し大規模な雪崩が繰り返して発生しており、一部が登山者にも襲い掛かり、叫び声や流される登山者の様子がテン場からも見えていた。
雪崩は、あらゆる斜面で発生しうる。そして何度でも同じところを流れている。
自分だけは大丈夫と楽観的にとらえ、雪崩の巣の中をロシアンルーレットのようなリスクを抱えて登る登山は避けるべきである。少なくとも雪が緩んだ日中は避けるべきだろう。
雪崩リスクや前日までの疲労から北穂に登るモチベーションは低いものの、そのまま涸沢を後にするのも心残りだったので、2:00に起床し暗いうちに登山を開始する。
ヘッデンを頼りに暗い雪渓を登るのは、意外に静かで心落ち着くものであった。
モルゲンロートが始まるころには雪渓上部に到達していた。涸沢から見上げると美しく輝くオレンジ色の陽ざしも、中にいるとかなり暑い。雪が緩み始めるのを不安に感じつつ、山頂を目指してひたすら登り続けた。
山頂での絶景も素晴らしかったが、気持ちは雪が緩み始める前に早く下ることにあった。シリセードを交えつつ1時間程度で下り、8時には涸沢に戻ることができた。すでに雪はかなり緩んでいた。
テントを撤収し、涸沢ヒュッテのテラスでホットコーヒーを飲みながらパンを食べ、涸沢の最後を味わった。
今年のGWはソロの山行であったが、天候にも恵まれかなり充実したものでした。
ここに何度も訪れたくなる魅力は何だろう。雪に囲まれた日本とは思えない市街地から隔絶された絶景を味わえるのに加え、老若男女の山が好きな人が集まって思い思いに過ごしているのが魅力なのだと思う。ソロ登山者、山岳部の学生、他の山岳会の方、県警パトロールの方など多少言葉を交わす程度の交流が、深く思い出に残っている。
定期的に訪れたい涸沢でした。
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