爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳〜唐松岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 22.6km
- 登り
- 2,643m
- 下り
- 2,139m
コースタイム
2日目:04:05冷池山荘→05:05布引岳05:10→05:50鹿島槍ヶ岳南峰06:10→06:40鹿島槍ヶ岳北峰06:50→08:00キレット小屋08:30→09:35口の沢のコル09:40→10:05北尾根ノ頭→12:25五竜岳12:30→13:35五竜山荘14:00→16:20唐松岳頂上山荘16:30→16:50唐松岳→17:05唐松岳頂上山荘
3日目:07:05唐松岳頂上山荘→07:25唐松岳07:30→07:45唐松岳頂上山荘07:55→08:35丸山08:40→09:40八方池10:10→11:00八方池山荘11:20→(ゴンドラ)→11:50八方駐車場
天候 | 3日間ともに晴れ時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最終日の昼食:蕎麦(林檎舎) 温泉(みみずくの湯) |
写真
感想
登山者カードを提出して樹林帯の中に滑り込んでいく。登山道はよく整備されていて比較的登りやすい。陽がさしていないのはいいのだが、やたら湿度が高く汗びっしょりになった。後方には針木岳と蓮華岳が見えている。最初は調子が良く気持ちよく飛ばしたせいか、昨夜の寝不足のせいか、種池山荘手前からガクっと疲れてきて足が前に出にくくなってきた。やっとの思いで種池山荘に到着。軽く食事をして爺ヶ岳目指してなだらかな稜線に出ると、先月登った剱岳が西側に、美しい鹿島槍ヶ岳が北側に現れた。やっぱり稜線歩きはこうでなくっちゃ。景色を見ていると足が軽くなってくる。ほどなく爺ヶ岳の南峰に到着。その先に中峰、北峰があり、爺ヶ岳には3つの峰がある。北峰を巻いて下っていくと冷池山荘が見えてきた。それは崖っぷちに建っていた。
冷池山荘のスタッフはみんな綺麗で感じが良かった。ちょっと嬉しくなる。布団は少し小さめだが、1枚に1人だった。生ビールで乾杯したあと談話室でくつろいでいたが、さすがに眠くなって食事の時間まで少し寝てしまった。
二日目は行動時間が長いので4時頃に小屋を出た。30分ほどで稜線に出た。だんだんと明けてくる様が美しい。左に剱岳も見えてきた。あまりに綺麗なので、たびたび足を止めて写真を撮った。剱が紅く染まっていく。そのうちに鹿島槍の影が剱に映し出されてきた。先輩がキレット小屋で見たという綺麗な御来光はきっとこんな感じなんだろうなと思った。鹿島槍の頂上からは南アルプス、富士山、八ヶ岳、日本海まで見る事が出来たが、槍・穂高方面は雲の中だった。
扇沢に戻る仲間と北峰で別れて一人でキレットを下った。私にとっては今回の核心部分である。気合いを入れて集中力を切らさない様に行こうと思ったが、どうも気合いが入らない所ばかり。必要以上に鎖が多い。危険なので取り付けたと思うが、明らかに付けすぎ。コースタイムは2時間なのに1時間くらいでキレット小屋に着いてしまった。後から来た可愛い女の子3人組も「エ-ッ、マジ!なんだ、もう着いちゃったよ。でも、ちょっと嬉しい」と楽しそうに叫びながら下ってきた。
冷池山荘でお弁当にしてもらった朝食を食べてから五竜に向けて出発。キレット小屋から五竜までの道のりはアップダウンの連続で結構きつかったし危険な所もあって、こちらの方が今回の核心部分だった。1度だけコースを外れてしまった事があった。G5付近である。結構きびしい所で、戻る事も出来ないし、当然鎖も無い、しかも絶壁である。ちょっと冷や汗が出た。人が死ぬ時はこんなつまらないミスをした時なのかなと思ったりもした。しかし、そのままじっとしているわけにもいかないのでフリークライミングみたいによじ登って正規ルートに出た。昔の剱は鎖が無かったらしいが、きっとこんな感じだったんだろうなと思った。ああ恐ろしい。
五竜からの下りは多少鎖場があるものの、どうという事はなかった。宿泊予定の五竜山荘に着くといきなり「本日は混雑が予想されます」の張り紙が目に飛び込んできた。聞いてみると、ひとつの布団に3人らしい。これでは唐松に泊まった方が良いかなと思えてきた。前の晩も唐松は空いていたが五竜は目茶込みだったと途中で会った人が言っていたのを思い出した。唐松から五竜に向かっているであろう仲間に電話をしたが繋がらない。小屋の人に様子を見てくるからと伝言して唐松に向かった。八方のゴンドラ〜唐松のルートの人達がぞくぞくと列になってやってくる。この人達がみんな五竜山荘に泊まると思うとゾットした。そろそろ岩場になるかなという所で見覚えのある格好をした4人組を発見。そして今日の宿泊場所を検討した結果、五竜が混んでいる事、時間も遅い事から全員唐松となった。4人はせっかくクリアしてきた岩場をもう一度登る事になった。しかも雨が降ってきて滑りやすくなってきている。この岩場は鹿島槍〜キレット小屋間よりもよっぽど大変だった。
唐松岳頂上山荘のスタッフも気持ちの良い人が多かった。小屋のおじさんに五竜山荘のキャンセルをお願いした後はビールやワインを飲んで、いつも通り盛り上がってしまった。
三日目は八方に下るだけなので気が楽だった。唐松岳頂上からは白馬方面に恐ろしい「帰らずのキレット」が見える。仲間の一人が聞きまちがえて「快楽のキレット」と言ったのには大笑いをしてしまった。
八方池の上にある「樺」の樹林帯は想像していたよりも綺麗で嬉しくなった。ガスの中にたたずむダケカンバが幻想的。ナナカマドも多く、紅葉の時期の期待が膨らむ。八方池では白馬在住のオーストラリア人に蕎麦屋と温泉を紹介してもらった。日本人が外人にこんな事を聞くのも変な話だが、彼の紹介してくれた蕎麦屋「林檎舎」のクルミだれの蕎麦は旨かった。念願だった鹿島槍〜五竜の縦走が出来て、とても充実した山行だった。
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