大雪山 旭岳〜黒岳 [神々の遊ぶ庭へ]
- GPS
- 08:19
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,077m
- 下り
- 2,016m
コースタイム
- 山行
- 7:19
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 8:19
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
大雪山。
北海道の山にはこれまで親しみがありませんでした。今回3週間の北海道大遠征で大分理解できるようになったものの山の広大さの規模感が本州のそれとも全く異なることにも気づかされました。
大雪山は個々の山の名前ではなく、いわば「北アルプス」とかいう山塊エリア全体を示す言葉であり、大雪山と呼ばれるエリアは神奈川県全体に匹敵するというのだから。
この一帯を表すアイヌ語のオンネヌプリは「神々の遊ぶ庭」とのことだが、足を踏み入れた私を神々は歓迎してくれるだろうか?
出発日は旭岳温泉、旧名湯駒別温泉に宿を取り、翌日は層雲峡温泉に宿泊することとして、旭岳から黒岳に向けて縦走することとしました。
旭岳ロープウェーは平日は6:30が始発。始発は混雑するのではないかと思い、6時5分くらいに乗り場に到着したのですが100人乗りのロープウェーに乗車したのは20名ほど。一番乗りで乗り込むことができました。
姿見の山頂駅についてもまだガスの中で、あまり展望は期待できないかと思いながら出発します。その上風がかなり強そうです。
姿見の池を過ぎ、火口の噴煙を見ながら旭岳山頂に向けてのがれ場を登っていくと風はますます強くなります。吹き飛ばされそう、というところまでではないもののやはり身の危険を感じ緊張を感じます。神々は今日は遊んでくれないのかな、もしかしたら旭岳で引き返した方が良いのではないかと考えながら一歩ずつ登っていきます。
すると雲の上に出たのでしょう。だんだんと空は明るくなり、雲海の向こうには大きな山並みのてっぺんが見えて来ます。きっとトムラウシの山々なのでしょう。
姿見駅から二時間ほどで旭岳の山頂に到着。風は相変わらず強いですが、天気は快方に向かっていますので予定通り黒岳を目指し、東側の斜面を降りていきます。急な斜面ですので雪が残っていたらやや嫌な感じと思いますが、残雪はすでに少なくなっており、雪の上を歩く必要はありませんでした。
裏旭の熊ケ岳、間宮岳などに囲まれたくぼ地はお花畑でした。チングルマはすでに綿毛になっているもののイワギキョウなどが群生していました。遠くに山々も見え、そのスケールの大きさは本州のどこの山とも違う感覚です。
間宮岳に登り返すと御鉢平の壮大な空間が目に飛び込んで来ます。その風景は北アルプス立山から室堂平を眺めたものに近いかなと私には思われました。ただそこは広大な火口であり、全く人の手が入っていない空間。何枚も写真を取りましたが、この広大さはとても写真では伝わらず、その場に身を置くしかないのではないかと思います。
同じロープウェーで登って来た登山者の大半は中岳分岐から裾合平側に周回して姿見に戻るコースをとるらしく、中岳分岐以降では前後に人の気配を感じることがなく私一人となりました。風は相変わらず強く吹いていましたが、不安感はなく、こんな広大な景色の中に一人でいられることの幸福感を感じていました。
北鎮岳の分岐から雲ノ平に向けて斜面を下ります。こちらも雪渓は残っているものの登山道上の雪はなくなていました。下ると風もおさまり、ここまで到達したことの安心感も出て来ます。
雲ノ平の平坦な道はまさに楽園のよう。ここがまさにカムイミンタラなんだろうな。
北アルプスも素晴らしいですが、別次元の雄大さと手付かずの自然と静寂ががここにはありました。一面のチングルマの群勢、これらが全部花をつけたらどんなふうになってしまうのだろう?
御鉢平を離れ黒岳石室に到着。コマクサが咲いていましたし、チングルマも数輪だけですが咲き残っており素直に感動しました。
黒岳に登り返すとまたガスがかかってしまい、旭岳方向の眺望は無くなってしまいました。ここまでは黒岳ロープウェーから観光客も登ってくるのか、やや雰囲気が変わります。
7合目リフトまでは予想以上の急斜面でしたが、花を愛でながらゆっくりと下山。リフトとロープウェーを乗り継いで層雲峡に降り立ちました。
広大な神々の遊ぶ庭のほんの少しの場所にお邪魔しただけではあるものの、その素晴らしさは忘れられないものとなりました。今回は単独行でしたが、次回は是非家族とともに再訪し、叶うならばもう少し奥や別のルートからも歩いてみたいと思いました。
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