巻機山 天狗尾根
- GPS
- 20:18
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,668m
- 下り
- 1,652m
コースタイム
- 山行
- 5:43
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 7:00
- 山行
- 3:39
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 4:41
天候 | 1日目快晴、2日目下山するまで快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
数回の渡渉とは、数回靴が水没するということです。雪渓がルートを塞いで、沢の上の雪の上を登らざるを得ないところがあります。私の技量ではそうでした。落ちたら脱出不能。ロシアンルーレットです。沢から尾根へ切り替えるところは直登です。近くの草を引っ張りながら上がります。 |
装備
個人装備 |
長袖シャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
ガスカートリッジ
コンロ
ヘッドランプ
GPS
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
シェラフ
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感想
巻機山天狗尾根これまでで最大のピンチでした。珍しく、先週は毎日夜遅くまで仕事していたので、土曜日は午前8時出発の遅出出勤。しかも、前日、電話会議でアメリカ人の若い子をいじめ倒した罪の意識からかよく眠れず、体調もよくない。ただ、車を運転して巻機山を見てるとなんとなくいけそうな気がして、つい、ヌクビ沢、天狗尾根方面にふらふらと入ってしまいました。最初の関門は、ほぼ沢登りと言える沢伝いの登山路。八峰キレットや槍ヶ岳みたいにごつごつした岩じゃなくて、つるつるした岩の方がよほど怖いです。この時点で渡渉時に靴が完全に水没すること数度。7月に買ったばかりのマウンテンマゾヒストがほぼおじゃんに。意気消沈です。そして、「沢登り大変そうだから尾根伝いの方がいいや」というあほな選択で天狗尾根へ。次の関門は、雪の塊が進路を埋めているのが、2回ばかり。どうしても進路が見つからないので、覚悟を決めて、沢から雪の塊の上にあがり、そのまま数メートル雪の塊の上を登りました。水の流れの上なので想像では確実に雪の下は空洞になっています。あとは、踏み抜くかどうかだけ。ロシアンルーレットみたいな十数歩でした。最後の関門は沢から尾根筋に代わる所で、周りに生えている草を引っ張りながら登ります。途中、聞こえるはずのない人の声がしたので恐くなってあわてて登ると踏み跡のないところに行き着く。しょうがないので、降りると、というより草を引っ張ってブレーキをかけるだけでほぼ滑落していくと、声のしたところ辺りで、ほんの数メートル左に明確な踏み跡が。私をどこかに連れて行こうとした悪いものか、それとも正しい道に導こうとしたいいものか分かりませんが、とにかくそういものと交信できる時点で、精神的にやばい状態です。夕闇も近づき、このままあと少し難路が続くと遭難でした。やっと尾根に出て、割引岳が見えると、快晴でもあり、この後の登山路が想像できるようになりました。完全に日が暮れるまでに割引岳に登れれば、あとは、避難小屋までは見通しのよい登山路で、天気も崩れそうもないことから、なんとかなりそうだと。で、予想通りぎりぎり真っ暗になる前に割引岳に到着。こんな時間、絶対誰もいないと思って上がったら、人影が。一瞬、幽霊だと思ったら、ちゃんと人間でした。その若い子たちはグループで登ってきたけど一人が足をくじいて非常に遅くなったとのこと。ひとしきり、この恐ろしいルートのことを話しました。私は頂上で少し休憩したのでグループは少し先行しましたが、すぐに追いつきます。ただ、私の方も疲れきっているので、悪いが先に行かしてもらいました。グループは怪我した人をサポートしてゆっくり歩いています。私なんかだと、すぐに見捨ててしまいそうです。今の若者は本当に心優しい。人類は着実に進化していっているな、と思いました。小屋でも、もう休んでおられた年配のグループのかたが、あとからグループで来られることが分かると、場所を空けていただきました。年配の方もやさしいです。
翌朝も快晴で、山頂付近をしばらく散策して下山しました。井戸尾根も急坂でした。何十人もの登りの方といきちがったので、人気の山なのだと思いました。
このレポート読んで、またまたおおげさなと思っている方、天狗尾根登られる時はくれぐれも装備と心の準備を。残雪の状態と沢の水量にもよりますが、いわゆるバリエーションルートというのにかなり近いのだと思います。
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