甲斐駒ケ岳 赤石沢奥壁 中央稜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 2,457m
- 下り
- 2,458m
コースタイム
終了点〜赤岩ピーク(藪漕ぎ&木登り):2時間10分
天候 | 2017/10/8(日)晴れ午後からガス、テン場からの眺望はなく残念。夜は星空。 2017/10/9(月)晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
2017/10/8(土)
●黒戸尾根を七丈小屋まで
昼過ぎにテン場に到着。
八合目岩小屋にガチャ類をデポしに行く予定だったが、歩荷に疲れ本日はここまで。
2017/10/9(日)
●アプローチ
八合目鳥居跡は広場のようだが幕営は禁止になっている。
広場の南側(山頂に向かい左側)の草を分け入り、草付きを少し下ると岩小屋がある(先客がいらっしゃった)。4名は寝れそうな程広い。
明るくなるまで待機し、薄明りで周囲が見えるようになってから岩小屋前を通りすぎ草付きを下り、取付きに向かう。右ルンゼ前まではかなりの傾斜を下る&トラバースなので、足元注意。アザミが痛い。
●赤石沢奥壁中央稜
yachimayuオールリード
1ピッチ目
出だしの少しかぶったスクイズチムニーにハマる。
奥に入ると安定するが、意を決して身体を出し上部のかぶった部分を越える。
岩は固くカムはバッチリ決まるのでメンタル勝負。
チムニー出口に乗り込み、クラック〜フェースを繋ぎ、草付きまで。
ボロボロのスリングの付いたしっかりした木があるので、そこで切る。
最後のスラブ3mは全く手がかりが無く怖かった。(セレクションのスラブの比じゃない!)
2ピッチ目
草付き・・・だが、花崗岩に泥が堆積した上に草が生えているだけで、
下手をすると岩の表層ごとごっそりと剥がれる場所もあり、一瞬ひやっとしたり。
柔らかい土と草の上を乗り込む系。
うっすら踏み跡ありだが、そのままなぞるとロープが屈曲しまくる。
3ピッチ目
岩の基部に残置スリングあり。真新しいハンガーもあった。
左右からフリーでも行けるらしいが、そこで体力使っていられないので、出だしは人工で乗り切る。その一歩を越えられれば、回り込んだ先にスクイズチムニー。
(アルパインラダー1組持参。使用はここのみ。)
今度はかぶっていないので落ちる心配はないが、ぴったりハマりこむ幅、つまりザックやガチャが邪魔で難儀する。
チムニー出口が少し安定していたので、カム(#0.3)をナッツのように使って支点を作った(ナッツを忘れてきた(汗))が、少々不安定だったかもと反省。
チムニー出口からフェースを右上した先の木でも支点が取れるようだが、次のルートが凹角を左上だったので、位置的にはどちらでも良かったと思うのだが。
4ピッチ目(トポ4ピッチ目の前半)
凹状フェースを登り、顕著なクラック下で一旦切る。
フェースを越えた先のスラブが少し嫌らしい。取れそうなハーケンがあるが、スラブを2,3歩上がらないと届かない。ハーケンを無視してスラブのラインを読んで上部の木を目指して上がったが、そのほうが精神的に楽だった。
5ピッチ目(トポ4ピッチ目の後半)
2年前は、出だしにグラグラのフレークガバがあったとのことだが、綺麗に無くなっていた。頭上の高さに#5を入れてクリップし、最初は右フェースからレイバックで挑むもクラックに移れず、一旦敗退。
フレークガバの取れた部分に乗って、更に上に#6を入れ、ようやく乗り切る。
(#5と#6は、ここでしか使用せず。)
右手ガストンで乗り込めれば#6は不要かもしれないが、広くて足がきめられない幅で如何せん怖い。ここもメンタル勝負。
クラックを越えると小さな尖塔があり、その後ろが藪となっているのでそこで終了。
あまり広くないが、セルフを取りここでアプローチシューズに履き替え、小休憩。
●登攀終了点〜赤岩ピーク(登山道)まで
ロープ半分を肩掛けにして30mとし、コンテで藪漕ぎ&木登り300m。
支点作成用の手持ちガチャが無くなるまで可能な限りロープを伸ばす。
登る前には露岩(IV)でどうするか迷っていたが、結局アプローチシューズのまま、岩の右端を木伝いに登った。途中、クライミングシューズだと何ともないだろうがアプローチシューズだと冷や冷やする部分も。
・・・長かったー。途中何度かYさんにリードして頂いた。
●甲斐駒ケ岳山頂〜下山
最後のハイマツ帯を抜けると全く木のない登山道に出た。
そこから山頂までは6~7分程。
ガチャ等をデポし、ひとっ走り山頂まで行き、360度の景色を満喫した。
が、本日はここからテントの撤収と黒戸尾根の下山があるのであまりゆっくりもしていられない。名残惜しいが急いで下山。
最後はヘッデン使用となってしまったが、18時半には駐車場に辿り着いた。
<感想>
アプローチのアザミが痛い。夏はもっと厳しいと思われる。
また、登攀後の藪漕ぎ用に軍手を用意していたが、すぐに外した。藪漕ぎというより岩と木を使って藪登り状態なので、素手でないと登れなかった。
灌木混じりの藪漕ぎは、支点を取らずともルート取りで支点作成を間引けることを実感した。
三連休だったが土曜の天気が悪かったためか、他にパーティーはおらず。
高度を上げると南アルプスの向こうに見える富士山の見える部分が徐々に大きくなっていく。右手の黒戸尾根を横から眺めながらの登攀も面白かった(こちらからは登山者が分かるが、ノーコールだしこちらが藪過ぎて向こうからは分からないだろうなぁ笑)。
またこの日は晴天で、振り返ると綺麗な雲海と青空と富士山に癒されながらの登攀だった。
登攀に時間がかかってしまったが、アルパインらしいアルパインが出来て嬉しかった。
今回も師匠に感謝です。
今回諦めた赤蜘蛛にチャレンジするためにも、鐙だけでなくワイドももっと練習しようと思う。
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