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Yamareco

記録ID: 131193
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

姥子山・雁ヶ腹摺山

2007年06月30日(土) [日帰り]
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GPS
06:24
距離
20.7km
登り
1,616m
下り
1,331m

コースタイム

遅能戸バス停   07:55
金山鉱泉     08:30
金山峠      09:35
姥子山      10:50-11:00
雁ヶ腹摺山    11:55-12:10
大峠       12:30
ハマイバ前バス停 14:20
天候 曇り。薄い雲なので空は明るく、時折雲間から日が差すこともありましたが、下山後の車道歩き中にはパラっと雨粒が落ちてきたことも。
過去天気図(気象庁) 2007年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
大月駅 07:40-(富士急バス)-07:52 遅能戸バス停
(帰り)
ハマイバ前バス停 15:05-(富士急バス)-15:30 大月駅
コース状況/
危険箇所等
公共交通利用(タクシーは除外)で雁ヶ腹摺山に登るためには、アプローチで延々と林道を歩かざるを得ません。
今回も、下山時には10kmを超える林道歩きをするなど、歩くこと自体が余程好きな人にでなければ、とても薦められないルートになってしまいました。

一方で、マイカーやタクシーの利用を可とすれば、すぐ下の大峠まで乗り付けることが可能です。
このため大峠からの往復が最もポピュラーな登り方になってしまったように思われますが、片道1km、標高差300mではあまりにあっけなく、山に登った気分に浸るには少々物足りなさそうです。

登山道には、特に危険な箇所はありませんでしたが、金山峠の前後に1箇所ずつあった急坂は、地面のコンディションによっては滑りやすいところでした。
今回はどちらも登り坂になったので、さほど苦労しませんでしたが、下りだと難儀させられるかもしれません。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。
※GPS導入前なので、ルートは推測です。

感想

大月駅で乗ったバスの乗客は、私ひとりだけでした。朝のこんな早い時間では、復路で駅へ向かう便のほうが地元の人の足として利用されているのでしょう。
終点の遅能戸で降りた時、登山者姿の私に運転手さんから「お気をつけていってらっしゃい」と声を掛けて頂きました。富士急バスではこういう人情味のある運転手さんを多く見かけるように思います。

バスを降りた先は、舗装された道路をかなり長い距離歩くことになります。天気が良ければ日差しが辛い所ですが、今日はそれはないので、この段階では曇っているのを有り難く感じました。
金山鉱泉で現在ただ一軒営業している山口館のあたりまで来ると、車道とはいえ勾配がかなり大きくなってきて、日差しがなくても高温・高湿で風がないという条件下では、暑くて吹き出る汗が止まりません。
やがて林道は未舗装に変わり、それがようやく終点に達すると、そこから始まる登山道は、思いのほか明瞭でしっかりした道になっていました。

登山道ははじめ、沢沿いを木橋での渡渉を繰り返しながら進みます。沢の水音を聞きながらの清々しいコースで、緑と水の織りなす景色が美しく、空気もヒンヤリしていて心地よく歩けます。
でも沢を離れると、今度は一転して急登が始まりました。地面はザラついた砂状の土で、もし乾いていれば脆そうな感じがあって、下るのであればストックでもないと難しいのではと思われる程の傾斜があります。
でも今日は、昨日までの雨の影響なのか湿っているためにその砂がよく締まっていて、かえって摩擦がきいて滑らずに歩けるようです。それでも高温高湿の中での急登はかなりきつく、やっとの思いで金山峠まで上がりました。

金山峠からは少し下って一旦林道に出た後で、再度山道へ入ると、稜線に上がるまでの短い間がかなりの急登になります。
しかも湿って滑りやすい黒土の急斜面で、手掛かりも乏しいため足場を選んで注意深く登ります。ここも下るのであれば難儀しそうでした。

稜線に出ても樹林の中で展望はなく、淡々と登り続けていきます。
すでに発汗量が半端ではなく、上半身は濡れねずみ状態で、暑さによると思われる消耗も相当に進んでいます。こんな梅雨時に標高差の大きなコースを選んで来たことを少し後悔しました。

林道にぶつかった所で、そこの林道を右へ進むと、やがて右側に姥子山への入口があります。最初に少し下って登り返すと、すぐに姥子山の西峰に出ました。
しかしそこには標識も展望もなく、狭い場所で単なる通過点のようにしか見えないため、地図を見ながら歩いていないと名もないピークのように感じるだけかもしれません。

西峰を過ぎるとやや大きめに下って、同じ分だけ登り返した所が姥子山の東峰です。こちらには山頂標識のほか秀麗富嶽十二景の標識なども並んでいて、ただ単に姥子山といえばこの東峰を指すのでしょう。
東峰では南側が大きく開けていて、晴れていれば展望が素晴らしいと思われるのですが、この日は雲が多くて、見られるのはここよりも低い山に限られていました。
振り返ると、これから登る雁ヶ腹摺山の山頂部が、ちょうどガスの中へ消えようとしているところでした。

姥子山から林道まで戻って、その林道を横断して雁ヶ腹摺山への登りに取りかかります。
道はほとんど見晴らしのない樹林の中にひたすら続いていく具合で、急な箇所はないけれど緩やかになることもなく、ほぼ一定の傾斜になっていたようです。

歩きにくくはないのに、暑さによる消耗がもう極限に近く、ゆっくりとしか足が進みません。その上に何度立ち止まって小休止をしたでしょうか。
精神的にも余裕がなくなって、ほとんど足元ばかりを見て歩くような状態でしたが、上を向いていたとしても特に見るべきものもなかったようです。
ここまで苦しい思いをしたのは昨年6月の大室山以来かもしれません。思えばその時も梅雨時で、雨上がりのジメジメした中での長〜い急登でした。

ようやく傾斜が緩んで大峠からの道が合わさると、すぐ上には何やら標識の類が見えてきました。そこが雁ヶ腹摺山の頂上のようです。
手を伸ばせば届きそうなほんの僅かな距離なのに、最後の力を振り絞る努力の末にどうにか登り切れたという、苦しい登頂でした。
今日はここまで誰1人として見掛けなかったのですが、意外なことにこの頂上も無人です。さすがに姥子山には人がいないかもしれないと思っていましたが、さほどマイナーでもない雁ヶ腹摺山で、休日のしかもお昼時に人がいないのは全くの予想外でした。

振り返って確認するまでもなく、周囲にはガスが立ち込めていて、展望は全くありません。旧五百円札の図柄を説明した案内図や展望図を恨めしく見つめるのがせいぜいです。
ゴロゴロ転がっている大岩の1つに腰掛けて、少し長めに休憩を取っていると、しばらくして大峠方面から男女2人組が登ってきました。今日初めて会う人たちです。
さすがに全く人に会わないなんてことにはならなかったな、と思いつつ、その人たちと入れ違いになる形で頂上を後にしました。

雁ヶ腹摺山から大峠までは歩きやすい道で、ところどころに景色の開けた場所や水場などが出てきて、変化があって楽しんで歩ける道でした。途中で、さらに何組かとすれ違います。
大峠まで降りると、6〜7台の車が停まっているのみで、狭い駐車場にもまだスペースには余裕があります。すれ違った人の数よりは車の台数のほうが多いので、半分くらいは黒岳へ向かった人たちの車なのでしょう。

大峠からは、なんと延々10kmを超える舗装道路を歩いて、山麓のバス停を目指します。
時折分岐する別の林道がある以外、沿道には建物ひとつなく、ひたすら退屈な道のりです。この日はほとんど車の通行がなくて、割と安心して歩けたことが唯一の救いでしょうか。
この林道、ガードレールには時々距離の表示が出てきます。最初「10.6km」から始まって、少しずつ減っていくので、どうやら林道の起点を0kmとして起算しているようです。
するとその林道の起点が、ちょうど私が目的地としているハマイバ前のバス停と同じ地点のはずなので、これが歩く上での良い目標となりました。

かなり下って、唐突に出てくるテニスコートを過ぎると、以降は沢遊びの人や、蝶の採集をしている人などを時折見かけるようになります。
でもまだ先は長く、その後も随分歩いて、ようやく林道の起点に達すると、そこには久々に見る建物の姿と、待望のバス停がありました。

周囲には人の気配が全くなく、帰りのバスも少なくとも始点から乗ったのは私1人だけでした。
でも走り出すと、早速すぐ次のバス停から地元の人が乗ってきたほか、その後も所々で乗客を拾います。
この路線バスが地元の人たちの足として活躍している様子に嬉しくなりながら、駅まで揺られていきました。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2007_04_06/mt2007_04_06.html#20070630

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