JWV 蓮華岳・船窪岳・烏帽子岳



- GPS
- 75:35
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 2,927m
- 下り
- 3,068m
コースタイム
針ノ木小屋12:00
27日 針ノ木小屋6:00…蓮華岳7:30〜7:50…北葛乗越9:15〜9:30
…北葛岳10:50〜11:10…七倉乗越11:55〜12:10…七倉岳13
:30〜13:45…船窪小屋14:00
28日 船窪小屋5:20…船窪乗越6:15〜6:20…船窪岳6:40〜6:45…
第2ピーク8;15〜8:25…不動乗越8:55…不動岳11:30〜12:05
…南沢岳14:00〜14:10…烏帽子岳分岐15:10〜15:20…烏帽子
小屋16:00
29日 烏帽子小屋5:50…三角点6:50〜7:00…ブナ立尾根登山口9:00
…高瀬ダム9:30=信濃大町七倉荘10:00
過去天気図(気象庁) | 2010年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
扇沢には無料駐車場があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
針ノ木沢の雪渓は、事前に確認の事。 蓮華の大下りは要注意。 船窪の登りは、くれぐれも注意してください。 登山ポストは扇沢登山口にあります。 |
写真
感想
2010年8月25日〜8月29日
26日 晴のち曇
前夜、新宿から夜行バスで扇沢に向かい扇沢は5時15分着である。2号車のYさんは先に来ている。トロリーバスの始発は7時30分なので、立山方面に行く登山者が待っている。朝食を済ませ出発の準備をする。清々しい早朝の空気を吸い、登山届をポストに入れ出発。バスターミナルの左側から登山道に入り、針ノ木自然歩道に入る。ブナの樹林帯を抜け、鳴沢、赤沢を横切り大沢小屋を目指す。大沢小屋の脇の岩に山の文人・百瀬慎太郎氏が詠んだ「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し」のレリーフが設置されている。大沢小屋からは、広葉樹林の中を歩き針ノ木沢に出る。雪渓の先には針ノ木岳が眺められ、アルペンムードが高まる。沢を渡り右岸の雪渓をしばらく登り、9時に軽アイゼンを付ける。今年は雪渓の雪量が多く、左岸を高巻きしなくても登れそうだ。クレバス、穴があるので注意して登る。雪渓上には人は数えるほどしか居ない。貸し切り状態である。雪渓が狭くなり、傾斜がきつくなった地点が、通称ノドと呼ばれる所である。ノドを過ぎ、左岸に渡り、アイゼンを外す。左側の山腹に移り、大岩を過ぎると、レンゲ沢に出る。水はこの上の沢でも補給できるが、ここで補給する。2Lも補給すると肩に応える。赤茶けた砂礫の急斜面をジグザグに登り、針ノ木峠を目指す。針ノ木峠は狭い峠だが、西側に針ノ木小屋が建っている。扇沢から、標高差1100m強である。手続きを済ませ今夜の宿に入る。1人1枚の布団スペースで、ゆったりである。寝不足のため頭が痛く、外はガスのため展望が利かないので、針ノ木岳往復は中止にし、夕食まで休養とする。夕方晴れてきたので外に出るが、虫が多く閉口する。明日歩く蓮華の大下り、北葛岳、七倉岳が良く見える。
27日 晴、曇りのち雨
針ノ木峠の朝は、昨日と違って爽やかで清々しい。快晴の中を登り始める。ハイマツ帯の急登がすぐに始まり、蓮華岳山頂までの標高差は260mだ。岩礫の斜面から稜線の一角に出ると、展望が開ける。360度の展望を楽しみながら、東西に細長い山稜を頂上目指して稜線慢歩を楽しむ。足元には、コマクサが迎えてくれる。山頂の展望は、大パノラマである。槍・穂高連峰・裏銀座・薬師・立山連峰・後立山連峰と絶景である。今日、明日歩く山稜も一望できる。展望を満喫して、いよいよ蓮華の大下りである。北葛乗越まで標高差524mの下りだ。スタートは、コマクサが咲く砂礫の稜線をジグザグに下って、大下りに入る。大下りの核心部は、もろい岩の急斜面が連続し、緊張を強いられる。鞍部が近くなると一段と厳しさが増し、クサリやハシゴが連続する。やっと北葛乗越に着く。山頂から1時間20分かかる。北葛岳山頂までは標高差276mを登り返すが、途中の露岩帯の急登を登り返せば、あとは傾斜の緩い弓なりの稜線が続く。北葛岳から振り返ると、ゆったりとした蓮華岳と、対照的に鋭い針ノ木岳が眺望できる。七倉乗越までは253mの下りだ。コースは山頂で直角に曲がり、東側の崩壊の激しい七倉乗越に出る。本日、最後の登りの七倉岳には193mの標高差だ。鉄バシゴを登り稜線をたどり七倉岳に着く。山頂には団体さんが居る。東京野歩路会のメンバー13名で、今日は七倉から上がり、明日は我々と同じコースを歩くとのことである。ガスの合間からは、不動沢越しに崩壊が進む船窪岳から、不動岳の稜線が恐ろしいほどの光景を見せている。明日は覚悟を決めて歩くとするか。船窪小屋にはすぐに着くが、テラスは満員である。七倉ダムが展望できる見晴台に行きのんびりする。虫が多く、何カ所も刺される。寝る場所を心配したが、昨日と同じである。夕食は、小屋の女主人の手作り料理だが、ボリュームがあるのと、こり過ぎていないか疑問に思う。夕方より小雨がぱらつくが、夜半には星が出ている。
28日 晴後曇、一時雨
今朝も晴れているが、烏帽子小屋まで天気が持つよう祈る。長丁場で厳しい難所の連続と聞いているので、緊張する。このコースは今日、25人位歩くとのことだが、我々がしんがりの様だ。小屋をあとにハイマツ帯の稜線を少し登り、七倉岳方面の分岐を見送り、切れ落ちた崖をハシゴで下り、樹林帯に囲まれたテント場に出る。この附近の左側は、不動沢に鋭く切れ落ちている。これからこれの連続だ。一時間ほどで船窪乗越に着く。乗越から船窪岳までは、3つの小さなピークを越え、やせ細った岩稜とハシゴなどの難所が続く。1番目のピークを越えた先は鋭く切れた滑りやすい花崗岩のやせ尾根だ。丸太の桟橋や補助ロープが張られている最大の難所だ。3つの小ピークを越えた鞍部から灌木帯の急坂を登ると、樹林に囲まれた船窪岳山頂に到着する。ここには第2ピークの道標が建っている。樹林帯の道を不動岳に向かう。アップダウンの厳しい道が続くので意外と時間がかかる。鞍部から2299m地点付近の稜線は、不動沢に激しく崩壊し、切れ落ちた縁に登山道がつけられている。2341m地点では船窪岳の荒々しい光景が一望できる。不動岳には、また崩壊した稜線の縁を進み、急斜面を登り、花崗岩の岩峰が見られるようになると、やっと南北に細長い不動岳に着く。ここで昼食とする。船窪小屋を出てから6時間を要す。天気がはっきりしない。ハイマツ帯から草地やガレの斜面を一気に下り、南沢乗越を目指す。南沢乗越は濁沢源頭が砂礫の崩壊地になっているので、近づかない。お花畑が点在する斜面を登り返し、笹とハイマツの斜面を登ると広々とした南沢岳の山頂だ。やっとここまで来たか。長かった。空模様があまり良くないので、早々と烏帽子小屋に向かう。南岳をあとに砂礫の登山道を下り草原に湖沼が点在する四十八池に着く。今までの荒々しい風景と一変して、何とも言えない景色が霧の中にある。のんびりしたいのだが、先を急ぐ。登り返して、烏帽子岳の分岐に出る。ガスが沸いているので烏帽子岳はパスとする。前烏帽子岳を越えたシラビソの灌木帯に烏帽子小屋が建っている。50年ぶりに小屋に来る。今日は長かった。10時間40分のアップダウン、急登、崩落地の通過に神経が疲れた。今夜もゆっくり寝られそうだ。夕食までのんびりとアルコールで神経を休ませる。外が慌ただしくなり何事かと聞いたら、下界の信濃大町は雷雲で覆われているとのことで、ここも間もなく降るのかと覚悟する。
29日 晴
今日は一番の快晴である。烏帽子岳に登りたいが、早く下界に降りてお風呂に入りたいので、烏帽子小屋を出発する。ブナ立尾根は北アルプスを代表する急坂で、小屋から登山口まで1200mを一気に下るコースだ。裏銀座の三ツ岳方面や赤牛岳が眺められる。樹林帯を抜けだすと、昨日、一昨日と歩いた不動岳から七倉岳、針ノ木岳、蓮華岳が望まれる。ダケカンバ帯の急坂を下って針葉樹林帯に入っても急坂が続く。三角点、中休みを過ぎ、権太落しの岩からブナの巨木が目立つ道をジグザグに下る。山腹の急坂を下ってハシゴで濁沢の河原にやっと降り立つ。ここがブナ立尾根登山口である。もっと長い下りだと思ったが、意外と短かかった気がする。後で聞くとダムが出来たために、道が短くなったのと、良くなり歩きやすくなったと聞く。対岸に渡り、広々とした河原を行き、不動沢の長い吊橋を渡り、不動沢トンネルを抜けてやっとフイナーレの高瀬ダムに着いた。幸いタクシーが待っていたので、奮発して信濃大町まで乗り、駅前の七倉荘旅館の風呂に飛び込む
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