稲葉山 〜晩秋の里山を歩く〜
- GPS
- 04:51
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 304m
- 下り
- 300m
コースタイム
- 山行
- 3:49
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 4:51
天候 | 晴/曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
公共交通機関を使うのであれば、鳥取駅から「中河原」方面行のバスに乗って「宮ノ下」で下車します。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
宇部神社から滝山までは、ほぼ「中国自然歩道」として整備されており、また農耕車が通れるようにコンクリートまたはアスファルトの舗装道路となっています。スニーカーなどでも問題はないでしょう。軽いトレイルランニング等にも良いコースだと思います。 |
その他周辺情報 | 鳥取市には天然温泉の宿泊施設がたくさんありますので、ゆっくりしていってください。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
軍手
ウインドブレーカー
帽子(キャップ)
靴
サブザック(15L)
昼食(カップヌードル詰め替え用+ソーセージ)
調理セット(コッヘル+OD缶+シングルバーナー+箸+ペーパータオル)
カップ
行動食(飴)
非常食(シリアルバー)
飲料(お茶500mL+水900mL)
コーヒー(一人用ドリップ)+ミルク
地図(コース図)
カメラ
iPhone(GPS)
iPad mini
バッテリー
携帯電話
腕時計
財布
手拭い
折畳椅子
トレッキングポール
|
---|---|
備考 | お茶を持ってくるのを忘れていたので、出発点鳥居の近くにあった自販機でお茶の500mLペットボトルを買ったが、結局口を開かないまま持って帰ってしまった。 ウインドブレーカー、非常食、バッテリー、携帯電話、トレッキングポールは使わなかった。 |
感想
「あ〜さひののぼるー いなばやまー…」小学校の校歌は今でも覚えている。が、その「稲葉山」というのがどの山なのか、よく知らないまま50年近くが経ってしまっていた。秋も終わりに近づき、中国山地は冠雪しているので、気にはなっていた近所の山を歩いてみることにした。
スタート地点は宇倍神社(うべじんじゃ)、因幡一宮だ。父に車で送ってもらった。ちょうど七五三の時期で、着物を着た稚児連れの家族が何組か訪れていた。そんな中、リュックを背負い首に手拭いを巻いた中年男はちょっと場違いで居心地が悪く、早々に山に向けて歩き出した。
この道は中国自然歩道「稲葉山へのみち」( http://www.pref.tottori.lg.jp/93956.htm )となっているが、ハイキングのための道ではなく、この山のあちこちに拓かれている畑で作業する人のための農道林道のようだ。歩いている途中、あちこちで農作業している人や軽トラ・軽バンを見かけた。宇部神社(宮ノ下)から上野、そして滝山につながるこの中国自然歩道は、全線農耕用の軽自動車が走れる道幅で、路面はコンクリートやアスファルトで舗装されている。もっとも路面には亀裂や凹凸があり荒れてはいるが、軽トラなら何の問題もない。農耕車が行き来するおかげで倒木や崩れの無い道を歩かせてもらえることは、ハイカーとしては感謝しなければならない。
今年の紅葉はあまり鮮やかでは無いような気がするが、それでも道の途中に紅葉した木々や一面の落ち葉を見つけると秋の深まりを感じる。野生の柿のオレンジ色やカラスウリの赤色にも心が癒される。時折姿を見せる久松山の山腹にも茶色く色付いた木々がまだらに広がっている。
今回のチェックポイントの一つである稲葉山の三等三角点(三角点名称は「小鉄山」)は、遊歩道から少し外れたところにある。道はついていないようなので薮をかき分けていくしかないのだが、三角点少し手前の道脇に「開発記念碑」と記された石碑があったので、ここから入れるかも、と山の中に入って行った。けれどもやはり道らしきものは見つからず、笹や荊(いばら)や灌木をかき分けて、GPS(iPhone)を頼りに三角点へ向かった。ようやく見つけた三角点標石は頭3cm程しか地上に出ておらず、彫られている文字を識別することも困難な状態だった。鳥取砂丘では今日はポケモンを捕まえようと多くの人がスマホを手に彷徨っているのだが、三角点探しも楽しいものだよと教えてあげたい。
再び歩道へ戻り、上野村へ向けて歩き始めたが、地図に載っている点線の道を使ってショートカットしようとしたのが間違いだった。まずは、地図に点線はあるが、道はない。笹が生い茂っていて私の頭が出るか出ないかぐらい深い、そこをかき分けて草の無いところまで来ると、獣除けの柵があって、先へ進めない。柵に沿って行ったり来たりしたものの山側には出入口は無さそうだ。柵を乗り越えて畑に入る度胸は無かったので、笹薮を避けながら少し後戻りし、柵に沿って歩き、何とか道までたどり着いた。近道しようとして結局ずいぶん時間と体力をロスしてしまった。まったく、「急がば回れ」のことわざ通りだった。
上野村から滝山の道もアスファルト舗装されていて軽トラが通れそうな道だが、道の脇に「車両通行止」の標識が立っていた。その道を歩き始めたのが12時40分過ぎだった。どこか適当なところで昼食にしようと思っていたが、稲葉山の三角点は草叢の中で、火が使えるような場所ではなかったし、休憩所も無かった。考えてみれば、生活道路の途中に休憩所や東屋は普通無いわな。農耕車が通るであろう道の上で荷物を広げてラーメンを食べるのも迷惑なような、間が抜けているような。滝山へ向かう道の途中で車が1台退避できるような路側が広いところがあったので、そこで昼食にした。コッヘルにお湯を沸かして、家の冷蔵庫から持ってきたちょっと上等なソーセージを温め、その中にシーフードヌードル詰め替え用を入れて少し煮込んで食べた。やはり肉気があるとカップラーメンであっても侘びしくない。ラーメンを食べながらお湯を沸かして食後のコーヒーとした。前回、張り切って山頂で大盛カレーとか食べて後半歩くのがちょっとしんどかったので、量は抑え気味にしたが、これで充分おなかも心も満たされた。
1時間ほどゆっくりした後、山から下りて県道47号線に出た。ここで、バスに乗ったり、家族に迎えを頼んだりして帰途についても良かったのだが、すぐ横に標高147mの名もない山があり、国土地理院地図に道があるように記されているのでそこに寄ってみようと考えた。ただその山へ入るには、道から10m程の高台を走っている線路を越えて向こう側へ行かなければならないが、その道がどうも見つからない。地図ではこの辺に道があるはずなんだけどなー、とうろうろしても、やはり道らしきものは無い。草むらの斜面を10m登るのはちょっと大変、また、下手に線路に立ち入るのも危険だ。ちょうどそこに地元の人らしいお年寄りがいたので、「ここに向こうへ抜ける道があると地図にはあるんですが…?」とiPhoneの画面を見せながら尋ねたら、「道は無いけどなぁ、ああ、それはこれだよ」と指さしてくれた。その先にあったのは、線路の下を貫通するトンネルの中を流れている水路だった。何??、この水路は道なのか?「長靴じゃないと、その靴じゃ無理だよ」と言われて悔しいながら諦めるざるを得なかった。国土地理院の地図にある道が実際の道とずれていたり、廃道になっていて見つからなかったりすることは時々あるが、水路になっているパターンは今回が初めてだった。確かに水さえなければ道として使えるのだろうが、以前は道だったのだろうか?
仕方がないので、もう少し下手にある標高50mほどの丘に登ってみることにした。ここも国土地理院の地図には実線でルートが示してある。こちらは線路まで上がる道が実際についていた。しかし、線路を越えて山の中に入ると道は無い。灌木の中を、iPhoneのGPS地図を頼りに上って行った。少し上った所で、林床に赤い実がぽつぽつと見えた。ノイチゴだ。これはヘビイチゴじゃなくて食べられるヤツだ。よく見ると割とたくさん、あちこちにあるじゃないか。実を幾つかほぐして食べてみた。甘味はそれほどでないが、みずみずしい。いいとこ見つけた。ここをノイチゴ山と名付けよう!。思わぬ収穫で高揚した足取りで尾根へ向かう。そこには送電線の鉄塔があった。ここから先はほぼ尾根伝いに道が続いている。送電線の点検のため中国電力が作った道だろう。ほんの50mの標高でも間近に建物を見下ろすことのできる高台はいいものだ。でも、特別上る価値のある山でもないような気も、…そうだ、この季節ノイチゴが欲しくなったらまた来てみよう。
ハイキングとか、トレッキングとか、これまでとりあえず山に登ることで自然を感じる経験を重ねてきたが、今回のようなきつい登りの無い(薮こぎはオプションね)里山歩きでも十分自然の恵みを感じることができることがわかった。人里に近いことで危険もなく、体力的にも無理なく、気軽に気分をリフレッシュするのには割とお手軽で良い取り組みだと実感した。特にこれから冬場は山にこだわらず、数km程度のウオーキングをしてみるのもいいなと思っている。適当なコースを探すことと、人里を歩いてもあまり違和感のないスタイルを考えてみたい。
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