燕岳〜大天井岳〜西岳〜槍ヶ岳〜上高地(表銀座縦走)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 38.8km
- 登り
- 2,946m
- 下り
- 2,880m
コースタイム
2日目:大天荘0610 - 0630大天井ヒュッテ0640 - 0700ビックリ平 - 0840西岳 - 0850ヒュッテ西岳0910 - 0950水俣乗越 - 1130ヒュッテ大槍1150 - 1240槍ヶ岳山荘1255 - 1310槍ヶ岳山頂1315 - 1330槍ヶ岳山荘 - 1415播隆窟 - 1545槍沢ロッジ
3日目:槍沢ロッジ0730 - 0850横尾山荘0915 - 1000徳沢園 - 1040明神館 - 1050嘉門次小屋1220 - 1255河童橋 - 1310上高地アルペンホテル1405 - 1420上高地バスターミナル
天候 | 18日:晴れ 19日:晴れのち雨 20日:大雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
帰りはさわやか信州号(上高地〜新宿)を利用 |
写真
感想
かねてからのtakezo氏お誘いにより表銀座縦走。
お初エリアです。
夜行バス登山ってのも初めて。
えらい早い時期から予定してたので、まさかこんな日本全体が台風に挟まれるようなタイミングになるとは。。。
前日夜、新宿集合でバスを待ちます。
30分ぐらい速く集合場所に着いてたのですが、既にそれらしい方々がチラホラ。
ビル前でザックを背に寝てたり、おしゃべりしたり、ウキウキ感が伝わってきます。
多少遅れてバスが到着、出発と相成りましたが、、、横はカーテンがしてあったけど、前方側はなにも遮るものが無かったもんで対向車のライトやら信号やらがまともに照らしてきます。むむむ。。。
アイマスクまでいかなくても帽子かタオルかなんかもって入ればよかった。
それでも高速にはいってからはまだマシになりなんとか就寝。
朝。
中房温泉着。
お、天気いー。
コンビニオニギリで朝飯を済ませ、もろもろ準備、トイレ後、イザ登山開始!
最初の方はバス着の方々が団子で登りますがじきバラけて渋滞って感じはすぐになくなります。
けっこ急坂だったけど、今振り返るとそこまでキツくなかった。ま、初日でまだ元気だったからでしょうか。
たまーに視界が開けて、下界には雲がかかってますが、雲の上から富士山も見えててけっこいい感じ。
2時間ちょいかけて合戦小屋着。
ハラヘリだったのでカップヌードルを所望。
小腹を満たした後、名物スイカを。
や、そりゃウマイわ。。。
やはり皆様スイカを所望のご様子。
そりゃそうだよねぇ。
さてさて燕目指して再度登坂!
あとちょい。
しばし登ると不意に稜線越しに槍ヶ岳がひょっこり姿を。
やー、思ったより近い!
燕つくまで見えないかなと思ってた事もあり、一気にアガッた。これはアガるでしょ、やっぱり。
この辺から道にイワイワしたとこが出始めますが、まぁ道はしっかりしてるし燕山頂も見えて来たしサクッと燕山荘着。やれやれ一段落。
天気もいいし、けっこ賑わってます。
ザックをデポって山頂へ。
すぐ近くに見えてるコトもあり、ワリとお散歩気分。
ヘンな形の岩が多くてニヤニヤしながらてふてふ歩いてくと難なく頂着。
山頂は狭い中人が多い。。。ま、そりゃそっか。三連休真ん中だし。
危なそうな箇所もないし、月夜に歩いたらキレイそうだなぁ。
振り返ると大天井越しに槍が見えます。
あっこまで歩くぞー。
当初予定ではここで一泊予定だったけど時間も早いし、翌日以降の天気が悪そうってのもあって大天井まで行って寝るコトに。
ま、ここまでより平坦だし、サックリ行くべ。
燕山荘でコークを所望し、糖分補給後、大天井へ。
・・・とたんに人が減りますなぁ。
ココからはハイマツに囲まれながら稜線沿いに歩いて行きます。んー、高山キタ!て感じ。
まあやっぱり平坦なわけですが、、、それでも最後の200メータぐらいの登り時にはけっこキました。
ハアハア登ってると途中でソロハイカに先を譲られるし。えー、僕もけっこキツいんですけどー。とか思いつつハアハア度を増して登ってったり。
やだなぁ見栄っ張りって。
小屋着。
小屋前のベンチでtakezo氏を待ってると激眠気が。やっぱバスの寝が浅かったか。。。
うつらうつらしてるとtakezo着。受付を済ましてテント設営。
空身で大天井へ。
やー、穂高から槍から北鎌からスパっとお目見え。
雲が出始めてたけど、稜線ははっきり見えていい感じ。
振り返ると燕岳も。
展望がステキすぎ。
テン場に戻りメシを食したら、、、就寝。早いけど眠かったし!
と、いいつつ、2時間後ぐらいに目が覚めてあとは横になってたけど浅ーい眠りを繰り返してました。いかんね。
翌朝。
takezo氏が外へでて星が凄いぞ、と。
このためにミニ三脚持ってってたので、ここぞとばかりにテン場をうろうろ。不審ですいません。
メシを済ませた頃に空がだいぶ明るんできました。
ま、これは朝日みてからだな。
じわりじわりと明るくなり、ちょうど雲海から頭を出している山の狭間から日の光がこぼれるように登って来ました。
んやー、キレイですなぁ。
その後、片付け、テント撤収。
6時過ぎ。んむ、ゆっくりし過ぎた。
巻き道から大天井ヒュッテへ向かいます。
やー、道自体はそうでもないけど斜面が急で、滑落したら止まれないんじゃなかろうか。
道幅は狭くなってるし、この辺からちょっと危険度が増してますなぁ。
と、ここでサルに遭遇。
親子でハイマツの実でも食してるんでしょうか。
ハイマツの中にサルってちょっと違和感あったけど、普通なのかね?
大天井ヒュッテ着。
おてんしょう、とフリガナ付き。昨日泊まったトコはだいてんそう。
おてんしょうのが正式なんですかね。
牛首展望台へ登って下るか巻いて行くかの2択。ヘタれて巻き道を行きます。えぇ。
こっからも道幅狭く、急斜面をトラバース気味に歩いてくルートが続いてって、油断なりませんなぁ。
まあ狭いだけで道自体はしっかりしてるのでそれほど危険な感じはしないんですが、こういうトコこそ危ないんだろうな、て感じですかね。
赤岩岳手前あたりのピークで小休止。エナジゼリーで小腹を満たします。
赤岩岳を巻いて行き、西岳へ。
赤岩岳はルート着いてないんですかね。ちょっと分岐が分かりませんでした。
西岳頂着。
まだ空は快晴、月がキレイに見えてます。槍まで天気が持つかなー。
下ってヒュッテ西岳へ。
アイスにココロ乱されて休憩。
こっからガツっと2〜300メータ下って600メータぐらい登り返すルートを眺めながら世の不条理に思いを寄せます。下りか。。。
水俣乗越までの間は足下もザレてたり梯子登場したり、かなり急な下りで、前後に他パーティがいらしたので岩を落としたり落とされないかと気にしたりなかなか気が抜けないポイントでした。
水俣乗越着。
先ほど赤岩岳手前の休憩のときに見たソロハイカさんが休憩してました。
takezoを待ちがてらお話すると今日は燕から歩いて来たとか。
え?燕から?とかビックリしてると、2時半から行動されてたとか。そりゃすげー。
つか、月明るかったし、僕らももうちょっと早めに出ても、、、イヤイヤ、燕〜大天井までならアレだけど大天井からは明るくないと危ないよね、と自分を説得。
天気が崩れそうだからと、ここから槍沢へ下っていくとのこと、お気をつけあれー。
さて登り返しの底まで来ました。
あとは登るだけー。
・・・実際には細かいアップダウンはありましたが。
雲が大喰岳の方にかかってます。んむー、お昼までに着ければなんとか間に合う、、、といいな。
と思いつつ登ってきます。やー、今回ここからが一番キツかった。
やっぱ昨日ちゃんと寝れなかった分もあって初日より弱ってるなぁ。
ここの途中で鉄梯子を三つ連ねた下り箇所(上に写真アリ)があり、梯子自体も気ぃ使ったんですが、下りきったヤセ道のトコが強風が吹き抜けてて、今回一番危ない場所だったように思います。
takezo氏が下りて来るのを撮ってたら、下の方に壊れた梯子落ちてるし。ひぃ。
じわりじわりと槍めがけて登って行きます。
ちょっとお昼すぎるかなー、ぐらいで登ってたんだけども遂に槍に雲がかかり。。。
間に合わなかったかー。
ヒュッテ大槍着。
もう上の方は全く見えません。どころかガンガン雲が落ちてきて視界が無くなって行きます。むぅ。
ここでtakezo氏からハラヘリ申告。んむ、じゃなんか喰うか、と僕はめんどかったのでヒュッテ大槍でカレーを頂きました。
つけ麺とか売ってて「こんなとこで?」とちょっとひかれましたが、まあコメでしょう。やっぱ。
ハラを満たし、最後の登りへ。
・・・1時間ぐらいで槍ヶ岳山荘着。
も、ガスまみれ。ここからですら穂先は見えませぬ。
本日はココを幕営地と、、、え?明日の天気激悪そう?
・・・撤回。今日中に槍沢ロッジまで撤退することにして、とりあえず槍の頂へタッチしに。
視界はないけど、風はそれほどでもなく、雨も降る直前ぐらいだったので、それほど難なく頂着。
んー、けっこ危ないスね、ココ。
見た目も危なそうだから皆様気を張って登る分いいのかも知んないけど、一緒に行く人はちょっと選びたいかなぁ。
槍ヶ岳山荘から行って戻る間、僕らの他に登りに行こうという物好きは居なかったらしく、独占状態。
人が多いとそれもまたリスクになりそうなんでそういう面でも良かった(と思う事にしました)。
ま、まったく視界なかったけどね。ふん。
梯子は、、、もちっと長いかと思ってたー。
思ったより短いけど、垂直で下の視界があったらもっと高度感あったのかなぁ。
もちろん梯子自体はしっかり着いてるし、岩もホールドがけっこ効くので落ち着いて行けばまあまあ、といった感じ。
風が強いと行く気にはならないと思いますが。
無事槍ヶ岳山荘へ帰着。
さてさて、下り。
3時間ぐらいを目処に槍沢ロッジへ向かいます。
殺生小屋分岐あたりで雨が降り始め。。。
やむかなー、と楽観視が間違ってました。上だけレインスーツ着たけど、槍沢ロッジまでやむ事は無く下半身ずぶぬれ。横着はいかんなぁ。。。
と、このへんでぞろぞろっとライチョウご一行さまと遭遇。
4羽?思ったよりデカイ。
登山道のすぐ脇に徒歩で登場。飛ばんのね、君たち。
お初ですー。
そんなに見たい!て程の思いはなかったんだけども、遭遇するとやっぱしアガッて自分の俗人っぷりを再確認。
徒歩でいずこへか消えて行かはりました。
その後は雨の中ズンズン下って槍沢ロッジ着。
ババ平?テン場まで1キロ戻る気力もなく、風呂アリってこともあって本日は小屋泊にヘタレます。
乾燥室に濡れものを突っ込み、風呂へ。
・・・やー、たまんねー。
風呂上がり、メシまで少し間があったので生ビールでお疲れ乾杯。や、明日は帰りだけだしね。
も、いくらでも入りそうだったけど、メシの時間と相成りまして食堂へ。
おとなりのグループの方々からワイン槍ヶ岳を頂きました。ごちそうさまですー。
こちらは明日槍へ行くとのこと、、、んー、せめて風ないといいですねぇ。。。
ハラもくちくなったところで消灯時間を待たず就寝。
5時起床。
雨音がけっこうしてます。
・・・さ、メシメシ。
んー、弱まりそうにないなぁ。。。
様子見つつ、ゆったり出。7時半出発とかちょっとあり得ないなぁ。
昨日ここまで下りて正解でしたねぇ。
や、にしてもかなり雨降ってる。
普段を知らないんでアレですが、川も増水してるようで激流って感じの横を歩いて行きます。
んむ、のまれたら普通に死ねるな、あれは。
微妙に下りつつ、横尾山荘着。
ちと休憩、と中へ。
紅茶を頂き、一息つきます。
んで上高地まで11キロの標識。
お、まだ今日4キロしかあるいてないんだけども。。。
と思ってたけど、ココ以降は山道というより車道とか遊歩道とかな感じでかなり歩きやすくここからはペース上げれたのでそれほど時間かかんなかった。道は。
時間がかかった要因は、、、イワナの塩焼き。
加門次小屋のイワナが食したいとのtakezo氏のリクエストにより寄ってみると1時間かかるとのこと。
普通は上高地から電話予約とかするんですかね?
ま、バスまで時間あるし、ってことで釣り吉三平を読みつつ待ちました。
塩焼きから漬け物からしょっぱめの味付けだったけど疲れた体に効いた。んまかった。
さて上高地。
当初上高地温泉ホテルを目標にしてましたが、バスターミナルとか考えると手前の方が良いかなってんでお風呂を拝借。
シャンプーとかボディソープとか。や、昨日はお湯だけでご満悦だったんだけども、人間贅沢するようにできてるなぁ。気持ちいい。
4時半発のバスが規定雨量越えの影響で前倒しになるとの連絡をうけ、バタバタとバスターミナルへ。
バスターミナルにはバスが20台近く止まっていて、何でも15時に一斉に下るそうな。
やー、すごい絵面ですなぁ。
何人かバスに乗れなかった方が居た模様。
15時以降通行止めになっちゃうそうなので、ここいらで泊まり決定ですかねぇ。
翌日下りれるといいですが。。。
それ以降はバスは順調に新宿へ着。
おつかれさまでしたー。
3泊4日予定が2泊3日になったり後半天気ガタガタだったりしたけど、トータル全然楽しい山行でした。
んでもやっぱ槍はリベンジしないとなぁ。次は穂高の方から周回とかいいな。
・総括(長文なんで先にまとめを書きます)
当初3泊4日の予定を出発後に2泊3日に縮めたので、
自分たちには若干ハード目な山行になりました。
さらに帰るだけだったはずの3日目は、
大雨で道路封鎖というイベントも加わりバタバタに。。。
一歩間違えたら上高地に取り残されるところでしたよ。
(最終バスに来なかった人もいたけどどうなったんだろう?)
でも、初日〜二日目前半の好天のおかげでとても満足のいく山行ができました。
週間天気予報で諦めないで行って良かった。
次回は槍ヶ岳山荘に泊って、槍の穂先から360度のパノラマを堪能したい。
最初から最後まで荷物が重くて難儀した。
無駄なものを持ち過ぎてるのだろうか?
表銀座は大満足!槍ヶ岳はリベンジするぜ!
=以下の長駄文は暇な人だけドゾー=
・プロローグ
前々から行きたい行きたいと周りに公言していた憧れの表銀座縦走です。
今年の夏は7月、8月と2回のテント山行が悪天で中止になってしまったため
今回は多少の悪天候でも決行するつもりでした。
2度あることは3度あるということなのか、週間天気予報は今回も雨。。。
これはもう天に完全に見放された?
もう降るなら降りやがれといった心境で
とりあえず悪天候に備えた装備をザックに詰め込み、
山小屋泊に備えて現金も用意。万全の準備を整えます。
が、前日の天気予報でとりあえず初日は晴れ予報に。
天はまだ見放してなかったか!?
4日分の食料とテント泊装備一式含めトータル19kgとなったデカザックを背負い
毎日アルペン号の集合場所、新宿へ向かいます。
新宿駅を降り集合場所の明治安田生命ビルに向かうと、
一般の高速バス待ちの人に交じってチラホラと登山スタイルの人が。
週間天気予報悪かったのに、意外に行く人多いのかなぁと思いつつ集合場所でzi-kenと合流。
乗り込んだバスは一路中房温泉へ!
★当初の予定
一日目:中房温泉〜燕山荘〜燕岳〜燕山荘(テント泊)
二日目:燕山荘〜大天井岳〜ヒュッテ西岳〜西岳〜ヒュッテ西岳(テント泊)
三日目:ヒュッテ西岳〜槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘(テント泊)
四日目:槍ヶ岳山荘〜槍沢〜上高地
・一日目
中房温泉にバスが到着すると、空は青空でいい感じ。登山客も大勢います。
行きのバスの中でzi-kenと相談した結果、天気がいいうちに少しでも先を急ごうという事で
予定を変えて今日は大天荘まで行くことに。
北アルプス三大急登と言われる合戦尾根を登って行きます。
登り始めて30分ほどで第一ベンチを通過すると
登山道にも日が差し始め、風も無いので汗が噴き出してきます。
第二ベンチ第三ベンチ富士見ベンチと通過していくと
木々の隙間から、雲海に浮かぶ八ヶ岳やさらに遠くに富士山が見えてきました。
前方に見える常念山脈の稜線にも雲はひとかけらも掛かっていません。
久々の好天での登山にテンションも上がります↑↑
合戦小屋に到着すると合戦小屋名物のスイカにかぶりつく大勢の登山者が目に飛び込んできます。
それを見たら、もうスイカ食うしかないでしょって感じです。
汗だくの体と乾いた喉に冷えたスイカがおいしい。
あっという間に食べ終わって先を急ぎます。
合戦小屋を越えて少し行ったところで稜線の向こうに大槍小槍がひょっこりと顔を出します。
明日行くまでそのまま待っててね〜と心の中で呟きまた足を進めます。
しばらく行くと燕山荘と白く輝く燕岳も見えてました。
登山道が岩と白い砂になり、最後の登りを喘ぎながら燕山荘に到着。
槍〜穂高の稜線がくっきりと目の前に広がります。
雄大な景色に嘆息を漏らしつつ、昼食を取ります。
いや〜、この景色だけでも来てよかった。
ザックをデポして腹ごなしに燕岳に向かいます。
目前に聳える燕岳は、青空をバックに白と緑のコントラストが素晴らしい裾を
ゆったり広げて全体としては優美な山容ですが、
ピョコピョコ飛び出した奇岩がスパイス的に山らしい無骨さを感じさせます。
残念ながら立山方面は雲に遮られてしまっていますが、頂上からの360度のパノラマが広がり、
野口五郎岳や鷲羽岳、槍穂高、常念山脈と北アルプス南部の名峰を堪能しました。
予定変更で燕山荘が今日のゴールから通過点に変わってしまったため
まだ遠〜くに見える大天井岳まで先を急ぎます。
気持ちの良い稜線を進み、蛙岩を通り過ぎて大下り。
って結構下るじゃないですか。。。
登り返してこの辺から疲れが出始め、ザックの重さがズシリと腰と肩に圧し掛かりますが、
微妙に角度が変わって右手に広がる槍穂高の稜線を眺めて元気を取り戻します。
左手を見ると雲の隙間から美ヶ原をバックにした箱庭のような穂高の街、
さらにその奥には諏訪湖と八ヶ岳が見えます。
大天荘への最後の登りでは完全にバテててしまいましたが、
ただただ一歩一歩足を前に出すことのみを繰り返して進みます。
ようやく大天荘に到着。疲れてベンチに座り込みます。。。
zi-kenにテン場の手続きを済ませて貰って設営場所を物色。
と、まだテン場には一張りもなく、本日の一番乗り。
設営を済ませると空身で大天井岳へ。
頂上からだいぶ近くなった槍ヶ岳を見て、自然に笑みがこぼれてしまいます。
テントに戻り夕食を取ると、西側に雲が湧いてて夕日は期待できなさそうだし
明日に備えて少しでも体力を回復させとこうと
素晴らしい景色に大満足して床に就きました。
・二日目
まだ暗い中ですが、隣のテントの音で目が覚めました。
外に出ると星空が綺麗。でも風が強い&寒い。。。
朝食を取って荷物を纏めていると東の空が明るくなってきました。
下り坂の天気予報に急ぎたいところではありますが
やはり目の前のご来光を見たい心の方が勝ってしまいここでご来光待ち。。。
雲海の向こうから見事なご来光が昇ってきます。
反対側に回ると、槍穂高が朝日に照らされて輝いています。
写真でしか見たことなかった、すげー綺麗な景色。ただただ感動しました。
さて、今日の目的地は槍ヶ岳。いそいそと出発します。
トラバース道を進んでほどなくヒュッテ大天井へ到着。
トイレを借りに横に回ると、なんと、ここは宿泊者さんと同じトイレを使えるみたいです。
掃除したてだったのか、綺麗な心地の良いトイレでした。
さらに進んで稜線に上がると、ビックリ平との道標が。
なぜビックリ??
よく分かりませんが細かいことは考えずにビックリ平からの景色を楽しみます。
先に進むと槍がよく見えます。今日も槍には雲一つ掛かっていません。
俺たちが着くまでそのままでお願いしますと心の中で願いまた歩きだします。
ヒュッテ西岳に到着。ザックをデポして西岳の頂上へ。
何度見ても槍穂高の勇姿に顔が緩んでしまいます。
ヒュッテに戻って売店に行くと小屋番さんは
もう小屋締めの準備をされてるとのことでした。
さて、ここからいよいよ東鎌尾根に入ります。
水俣乗越に向けて連続するハシゴを使って一気に下って行きます。
下がるという事は、その分登り返さないといけない。やだなぁ。。。
岩場が連続し、さらに風も強くなってきました。
強くなり始めた風にバランスを崩さないように注意しながら慎重に岩場を登って行きます。
ここにきて今日も疲れが出てきてしまいましたが、
目の前に見える槍を目指して頑張ります。
ヒュッテ大槍まであと40分という道標を過ぎた辺りで、
今までクリア見えていた槍の穂先の後に雲が。。。
穂先はそのまま一気に雲の中に消えていきました。
あ〜、、、思わず声が出ます。
あとちょっとのところで槍ヶ岳は隠れてしまいました。
今日もここにきてザックの重さがズシリと腰と肩に圧し掛かりますが
天気の回復を信じて一歩一歩登ります。
ヒュッテ大槍に着いて食事休憩を取ります。
が、西側の空に好転の兆しはありません。
ガスの中、岩の東鎌尾根を進んで行きようやく槍ヶ岳山荘に着きました。
ここまで来てもやはり空に好転の兆しはなく、
時々ポツポツと雨粒を感じるようになってしまいました。
大部分は天候が悪化する前に下りてしまったのか、
山荘の周りに登山者はほとんどなく
山荘スタッフが来る悪天に備えてか忙しそうに働いています。
さて、本当ならここで泊る(というか槍ヶ岳の肩に一回泊ってみたかった)予定なのですが
前線+台風という最悪コンボが来ていることは分かっているので携帯で今後の天気予報を見ます。
松本はあすの昼に向けて雨が段々強くなる予報。高山は今夜から大雨の予報!
登山天気を見ると、明日の槍ヶ岳周辺は風速20m近くの予想が出ています。
これはまずい。。。今日のうちにできる限り標高を下げておこう。
という事で、槍沢ロッヂまで死の延長戦突入です。
と、その前に、時刻は12時50分。
標準コースタイムだと頂上を往復して槍沢ロッヂまで行くのは結構ギリな時間ですが
折角来たのだからと風とガスの中、頂上を目指します。
頂上への道はぶっちゃけ崖ですが、難所は鎖とハシゴがしっかり整備され、
それらが無いところも岩自体はガッツリホールドが取れるためサクサク登れますが、
吹き付ける風とガスと高度感に、へたれな自分は本当にここは一般ルートなのかと思うぐらいビビります。
濡れ始めている最後のハシゴを登って頂上に到着!
人っ子一人いな〜い!&真っ白で視界もな〜い!!
祠の前で記念撮影をして雨が降りだす前にとさっさと降ります。
さて、槍沢を一気に下って行きますが、途中で先を行くzi-kenが何かを指さしてます。
近づくと、なんと3羽のらいてふ様が!
カワイイ。近づいても全然逃げません。
足の方が白くなり、冬支度なのか体つきも若干丸々としています。
写真撮影を終えて、らいてふ様とお別れします。
さらに下ると雨が本降りになってきました。
播隆窟を通り過ぎ、重荷の負担に足の裏が痛くなってきましたが
強まる雨も気になって、根性と勢いで降りていきます。
そんなこんなでずぶ濡れになりながらもなんとか16時前に槍沢ロッヂに到着。
受付を見ると、「入浴時間15:00〜18:00」と張り紙が。
おおおお、お風呂がある!頑張って降りてきたご褒美か!?
お風呂にゆっくり浸かって癒されました〜。
夕食では相席した関西方面からの方々に槍ヶ岳ワインをご馳走になりさらに癒されました。
槍からの視界は無かったけど、頂上登れたし、
らいてふ様も見れたから、まぁ、良しとするか。
・三日目
今日は槍沢〜上高地なので行程的には余裕なんですが、
起きても外は大降りの雨、さらにドンドン強くなっていくようです。
上高地に早く降りてもバスの時間が決まってるので
のんびり様子見しますが、雨が弱まる気配はありません。
仕方なく出発し、ザーザー降りの雨の中をトボトボと歩きます。
降り続く雨に登山道には水が流れて槍沢も増水してます。
横尾、徳澤と通過し、お腹も減ってきたので明神の嘉門次小屋で名物の岩魚の塩焼き定食を食べることに。
中に入り注文すると、今から獲って焼くので1時間ぐらい掛かりますが?と。
え〜、1時間か。。。まぁ、時間に余裕もあるし待ちますかと。
1時間待った岩魚を15分で食べ終わり、再び雨の中を出発。
ほどなく上高地に到着して上高地アルペンホテルの日帰り入浴へ。
すると、フロントの方が今日は規定雨量を超えたのでこれからおそらく通行止めになりますと。
え!?マジ?その人にバスは16時半発なんですがと言うと、
その時間には道路が封鎖されてる可能性がありますと。
慌ててバス会社に電話しますが、何度リダイヤルしても話中。。。
電話がつながらない以上もうどうしようもないのでとりあえず風呂に入ることに。
お風呂は昨日も入ったけど、やっぱシャンプー使えるとさっぱり度が段違い。
いやー気持ちよかった。さらに歯磨き粉で歯磨き歯磨き。口の中もスッキリ!!
さて、風呂から上がって再度リダイヤルするも話中。。。
やべー、無事に帰れるのか?と不安が頭を過ります。
すると見慣れない番号から着信が!?バス会社からでした。
なんでも、道路は15時で通行止めになりますと。
そして16時半発のバスは14時半発に前倒しになりますと。
現在の時刻は14時00分!急いで荷造りをします。
バスターミナル着は14時20分。が、乗り場に係員がいない。。。
近くのアルピコの人に聞くとそのうち戻ってくるから待てと。
しばらくして戻ってきた係員に16時半発のバスの乗客ですがと言うと
14時発のバスの受付が終わってないから待てという。。。
しかも出発は14時半ではなく15時らしい。
どうやらバス会社もだいぶバタバタしてるようです。
待ちつつ様子を伺うと、14時のバスを予約してる人で数人来てない人がいるよう。
その人たちは来ないまま14時のバスは出発してしまいました。
その人たち、一体どうしたんだろう。。。
15時になり、ようやくバスに乗り込めましたが
先導車を待ったりで自分たちのバスが出発したのは結局15時45分。
全然急ぐ必要なかったなあ。。。
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