三度目の正直で鋸山の山頂へ―冬の陽射しと黄昏時を楽しむ
- GPS
- 06:25
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 427m
- 下り
- 420m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
高尾06:34(京王高尾線・京王線) 明大前07:11/07:17(京王井の頭線) 渋谷07:24/07:38(東急東横線) 横浜08:06/08:18(京浜急行本線・久里浜線) 京急久里浜08:54 京急久里浜駅バス停09:00(京浜急行バス) 東京湾フェリーバス停09:11 久里浜港09:25(東京湾フェリー) 金谷港10:05 復路: 保田16:42(JR内房線) 浜金谷16:45 金谷港17:20(東京湾フェリー) 久里浜港18:00 東京湾フェリーバス停18:11(京浜急行バス) 京急久里浜駅18:22 ※打ち上げ 京急久里浜21:27(京浜急行久里浜線・本線) 横浜22:04/22:14(東急東横線) 渋谷22:41/22:54(京王井の頭線) 明大前23:00/23:06(京王線) 北野23:35/23:38(京王高尾線) 高尾23:47 |
写真
感想
友人に誘われて鋸山へ。
鋸山へは過去2回行っているが、あとから確認すると山頂まで行っていなかったことに気が付いたので、今回は三度目の正直で山頂まで行ってみたい。
鋸山の登り口となる金谷までは久里浜から東京湾フェリーで行くと近いので、待ち合わせは京急久里浜駅で。
自宅から京急久里浜駅までは何通りか行く方法があるのだが、たいして時間が変わらないので一番安く行ける京王線、京王井の頭線、東急東横線経由で横浜まで行きそこから京急に乗ることにした。
井の頭線に乗っていると朝日に輝く新宿の高層ビル群が見える。
映画『君の名は。』では朝日に輝く新宿の高層ビル群が感動的に描かれていたが、自分にとっては苦手な光景だった。
この京王線、京王井の頭線、東急東横線のルートは約20年前、高校生の時の通学ルートだったのが、毎朝朝日に輝く新宿の高層ビル群を眺めながら暗鬱な気分になっていたからである。
が、今日は久しぶりにその光景を見て、その時の呪縛から解けつつあるのを感じた。
今の自分だったらもうちょっとうまく「彼ら」ともうまくやれたであろうと思う。
東急東横線の渋谷駅は地下化されて当時の面影はない。
そして東急東横店が解体されて当時の面影がまったく消滅した時、当時の呪縛から完全に解放されるのだろうか。
京急久里浜駅で友人と合流し、東京湾フェリーに乗り込む。
船体にはチーバ君が描かれていてかわいい。
船内には冬の陽射しが満ちて暖かく快適なのだが、友人と甲板に上がり冬にしては穏やかな風を浴びつつ、三浦半島の向こうに顔を出してくる富士山を眺めているとあっという間に対岸の鋸山が目の前に迫っていた。
鋸山の山頂に向かうコースは何通りかあるのだが、今回は友人がセレクトした「車力道」を行く。
このコースは名前のとおり切り出した房州石を車力(案内板によると、ここでは主に女性の仕事だったとのこと。)たちが運んだコースである。
石を運び出しやすいように緩やかな傾斜になっていて、ところどころ岩盤が切通しになっている。
そこに生えた苔が、冬の陽射しに輝いている。
途中「石切り場」に立ち寄ると、『天空の城ラピュタ』の地下構造のような切り出し方になっていて大迫力だ。
案内板によると、鋸山のところは向斜になっていて、地下に向かって傾斜した地層に沿って質の良いところを切り出したのでこのような切り方になったとのこと。
前回ロープウェイを使って登った時(↓)はこんな場所があることには全然気が付かなかった。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-176470.html
手作りの看板で「おすすめ」と書かれていたとおり登りやすい車力道だったので、あれ?もう?という感じで展望台に到着。
そこそこ広い広場になっているのだが、人でいっぱいだ。
今日は地上部が冷えて逆転層ができているのか地表付近に澱んだ空気が滞留していて遠望が利かず、残念ながら南アルプスはうっすらとしか見えない。
それでも、大島、天城山から箱根、そして富士山ははっきりと見ることができた。
振り返ると富山と保田の海岸が見え、冬の海がきらきらと輝いている。
展望台から今回の目的である鋸山の山頂までは、照葉樹林の中を歩いて行く。
鋸山のイメージからすると山頂部の尾根はもっと岩場なのかと思っていたのだが、意外にも土壌がかなり発達しているのだ。
山頂部は北側にしか展望が開けておらず、樹々が南からの陽射しを遮っているので少々寒々しい。
そこで展望台まで戻って陽射しの中軽食を摂ることにした。
その後有名な「地獄のぞき」では、歩いているときに偶然一緒になった方に沢山写真を撮っていただき温かい気持ちになる。
保田の街に下る途中で日本寺の大仏も参拝。
よく見ると大仏にも鋸山の地層のラインがはっきりと入っていた。
保田に「漁協直営食堂ばんや」という施設があり食事と入浴ができると友人が調べてくれていたので、そこまで歩いて行く。
途中保田の海岸沿いを歩く。
海水浴場になっているようなので夏場は賑わうのだろうが、冬場の静かな海沿いを歩くのが好きだ。
いや、一人だったら寂しいかもしれない。
友人と歩いているから楽しいのだろう。
漁協直営食堂ばんやでおすすめの海鮮丼を食べ、ここのオリジナルの食べ方ということで、途中で温かい出汁を注いで食べたら、かなり満腹になった。
お風呂は高濃度人工炭酸泉とのことで、陽の射し込む気持ちのいい施設だった。
保田駅から浜金谷駅まで1駅電車に乗ることにしていたが、休憩所で休んでいるとあっという間に保田駅に向かう時間となった。
浜金谷駅に到着するとちょうど日の沈む時間で、海の向こうの天城山から箱根、富士山がシルエットとなってどんどん濃くはっきりと見えてきた。
今回不思議だったのは、最近日本全国の観光地で外国人観光客をたくさん見かけるようになってきたが、東京湾フェリーにも鋸山にもほとんど外国人観光客がいなかったことだ。
東京から近いし、40分ほどの船旅で富士山を眺めることができるのだから、うまく宣伝すればもっと外国人観光客が増えるのにと思った。
フェリーの座席が半分もうまっていないので、ちょっともったいない感じがした。
長野の地獄谷野猿公苑みたいに外国人観光客のだれかがいい写真をインスタグラムなんかにアップしたらいきなり人気に火が付くかもしれない。
乗ったフェリーの時間がちょうど黄昏時だった。
橙色と藍色とが交じり合う不思議な時間に、遠く富士山のシルエットを眺めていた。
久里浜に到着後友人と打ち上げをする。
こういう時間を重ねることで、過去の呪縛を断ち切る自分に成長できているのだろうと思った。
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