ゼロワン白馬岳: 糸魚川から蓮華温泉・白馬岳往復ワンデイ



- GPS
- 12:19
- 距離
- 107km
- 登り
- 4,408m
- 下り
- 4,401m
コースタイム
天候 | 晴れ稜線は霧、一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所・道迷い箇所 特になし |
写真
感想
YASUHIROさん(以後Yさん)と今度はゼロワン白馬岳にしようと相談がまとまった。海抜0mから全て人力で登頂、下山までワンデイで行うゼロワン登山、乗鞍岳は標高差の90%が自転車、剱岳は85%が山歩きの比率だったが、今度の白馬岳は糸魚川発進、蓮華温泉経由として自転車:登山がほぼ1:1だ。サブスリー源(以後M君)が加わって3人での挑戦となった。
糸魚川・姫川河口左岸側の須沢海岸を出発地とし、海岸の駐車場に集合して当初午前2時の出発予定だった。しかし前夜からの、降雨による北陸自動車道朝日IC-糸魚川ICの通行止めが続き、富山からの僕も金沢からの二人も影響を受け、40分ほど遅れての出発になった。台風15号の通過直後だが、前日富山ではもう晴れて穏やかな日だったので雨で通行止めとは最初信じられなかったが、寒気の到来と秋雨前線の影響で若干大気は不安定、局地的な大雨が起きていた。通行止めで自転車通過を待たされたゼロワン乗鞍岳の記憶が蘇る。
須沢海岸を出て姫川左岸道をたどり、JRの線路をくぐったら今井橋を渡って国道148号に入り、先ずは平岩の分岐点を目指す。新品のモバイルナビを仕入れてハンドルに取り付けたYさんが先頭で進む。起伏の変化が割とあり、濡れた路面も残り、後半トンネル・スノーシェッド地帯が多い夜間走行、車間距離はあまり詰められない。よって先頭・後続の負荷差はなく先頭交代なしで行く。交通量はそんなにないが、時折大型車の通過に緊張もしながら、平岩近くの国道パーキングスペースまで進み、そこで小休止。これからのヒルクライムに備えて服装を調整し、装備をチェックし、心を整える。
国道のトンネル手前から平岩駅に行く道に折れ、駅近くで蓮華温泉への林道に入る。ここから蓮華温泉少し手前の標高1500m地点まで、標高差1250m、平均勾配7.3%、途中の白池辺りで若干緩むが、ほぼ登り一辺倒の本格ヒルクライムだ。ごくたまに登山者らしい車に抜かれるが通行は少なく、街灯も全くない真っ暗な道を3台の自転車がひたすら登る。道はかなりの部分濡れていて、最急勾配箇所では後輪が滑る。中間点白池辺りでやや僕が先行し、休憩するならこの辺かと、スピード緩めて後ろから来るYさんに聞こうとしたが、Yさんさっさと通り過ぎてどんどん行ってしまう。結局ノンストップで1500mまで登り詰め、下り後登りを2度ほど繰り返し、やや白んできた蓮華温泉に到着。自転車部分の登り3時間位との予想に、概ね合ったペース。
蓮華温泉駐車場はこれから登ろうとする登山者で賑わっている。雪倉岳辺りの稜線に朝日がさし、うっすらと雪を被っているのが見えた。自転車デポ地を決め、上は寒そうだなと、シューズを履き替え山登り体制でいざ出発。
白馬大池への山道を歩き始めると、Yさん快調でどんどん飛ばす。必死で食らいつくが、このままじゃどこかでギブアップして、もっとゆっくり行ってくれとお願いしなくてはならないかと、考えながらもこらえていたが少しペースダウンしてなんとか音をあげずに付いていけるようになった。GPS記録で調べると、必死のときは30分で330m、その後は500m/hの登りペースだった。
白馬大池で一服。多少雲はあるがなかなか良い天気で、湖面は朝の日差しに輝き、水面から上がる霧に山小屋が映える。僕には30年ぶりの白馬大池だが、前は4月で全面雪の下、山の湖として見たのは初めてだがなかなか綺麗な所だ。ここから小蓮華山に上がる稜線が見渡せる。その向こうの白馬岳を目指し、いざ最後の登りへ出発。
稜線から見下ろす白馬大池もなかなかの眺めだ。などと楽しんで登っていたが、次第にガスがかかり、ついに周辺の草地に雪を見るようになる。軽い布靴なので雪で濡れたら冷たいかと心配したが、幸い積雪を踏んで歩くには至らなかった。小蓮華山で小休止の後、一旦下って白馬岳への最後の登りを頑張り、霧の山頂に到達した。蓮華温泉から4時間余りは予想の範囲、糸魚川から標高差2932mを7時間半ほどだった。
山頂の標石には小規模ながらエビのシッポができている。霧の中、時折大雪渓や信州側の断崖絶壁の下が覗ける。しばし記念撮影タイムで滞在するが、寒くて耐えられなくなる前に下り始めよう。腹減った若いM君はうどんが食いたいと言って白馬山荘に下りて行き、後から追いついてもらうことにした。
下りのガレ道もYさん快調に飛ばす。小蓮華山を過ぎるとまた晴れてきて、白馬大池がまた見えてどんどん大きくなってくる。M君も追いついてほどなく大池に到着。三人とも問題なく元気。
大池から樹林帯を蓮華温泉までひたすら下りる。M君は「白馬山荘ではうどんがなくてラーメンになった、まだ何か食べたい」と大池山荘に寄ったので、またYさんと僕が先行。もう残りの時間は心配しなくて良く、普通の登山者をどんどん追い抜くペースではあるが、そんなにあくせくせずに談笑しながら歩き、また直前に追いついたM君と三人そろって蓮華温泉に到着。途中雨がぱらついて雨具も着たが、この位なら問題ない。
下った割には気温が上がらず、道路も濡れていて自転車は水を跳ね上げるので、防寒装備でダウンヒルに臨む。蓮華温泉からの最初の登り返しだけ踏ん張れば、平岩までに必要な体力は、ブレーキを握る握力だけだ。1200mもの一気のダウンヒルは初めてだったというM君は、下りきって相当興奮していた。やっぱり寒かったけど、下りカーブでスリップ転倒なんてことがなくて、良かった、良かった。平岩からゴールの糸魚川まであと20km余り、僕が先頭で通行量の多い国道を一列で進む。散々体力を使った後で最後のこの区間が割と辛いかも知れないと心配したが、緩いながらも殆ど登り返しのない下り道で、風も追い風だったので快調そのもので糸魚川まで戻ってきた。GPS記録でもこの区間は殆ど30km/hを下回ることなく走破していた。
日差しがまだ明るい午後4時前、出発地の須沢海岸に凱旋。また海岸で記念撮影大会をして解散、13時間の行動を終えた。無事帰ってきた山行はいつも思い出として楽しいが、今回は特別楽しい一日山行だった。あの時は辛かったなぁというのも悪くはないがほろ苦い思い出になる。一方何も頑張りどころがないのでは返ってつまらない。今回のは辛い部分はかき消される程度、終われば充実度100%の、最も楽しいパターンの一日だったと思う。
Yさんの記録
http://w2222.nsk.ne.jp/~turu/hime.html
M君の記録
http://www7b.biglobe.ne.jp/~vr4hr2/2011.9.23.html
コメント
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自転車と白馬岳、お疲れ様でした。
なかなかできないハードな山行ですね。
私も山で自転車を使うことがありますが
冬季閉鎖の中房くらいで皆さんの
足元にも及びません。
いつもハードな山行をしているYさんのお仲間が
ヤマレコユーザーだったのは意外でした。
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