僧ヶ岳 - 柏尾谷ルート -


- GPS
- 12:34
- 距離
- 20.8km
- 登り
- 1,819m
- 下り
- 1,800m
コースタイム
- 山行
- 11:30
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 12:35
天候 | 曇り時々僅かに晴れ間、後雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道にはデブリ多数あり。気温の高い時間帯は通過注意。 |
その他周辺情報 | 北山鉱泉600円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
日よけ帽子
毛帽子
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
クトー
アイゼン
スリング
カラビナ
|
---|---|
共同装備 |
ロープ
火器
|
感想
先々週から先週は牛、鳥、猿と登って今回は僧ヶ岳で人間に昇格した。
北陸で冬に山スキーで登る山として充実感のある代表格として僧ヶ岳がある。僕はこれまで僧ヶ岳には宇奈月からと、別又谷北電別又発電所の導水管尾根から登ったが、柏尾谷は2014年2月にトライするも敗退して以来、頼りになる2人を誘ってのリベンジとなった。
車一台で片貝川の県道を南下する。最後の住宅地である東蔵を過ぎると雪でガタガタの路面となり、どこまで走れるのか、スタックしないかと心配になる。進入予定の林道の入口が車内からは見つけられず、通り過ぎて橋を渡ったところに駐車適地を見つけた。50cmほど雪が積もった場所を、3人がかりでスコップで除雪して車一台分を確保し、ここに置いておけば除雪が通っても大丈夫だろうと。歩いて橋を渡り返し、スキーを履いて雪の壁を乗り越して林道に分け入った。
田んぼの間の平坦路を少し歩いて山林に入っていく。北陸では正月以来低温と大雪が続いていたが、今日は気温が上がり低地で10℃に達すると言う。昨日は雪が降っていないはずで、林道の雪は締まってスキーでは僅か沈む程度、凍ってもいなく歩き易い。デブリの押し出しが随所にあるが、乗り越しに難儀したり危険を感じるほどのものはなかった。林道に沢が重なって雪が切れてる側面の通過の方が難所だった。林道を90分ほどで柏尾谷出合の一歩手前の沢まで来た。
この沢の流れで雪が切れて落ち込んでいるので、それを避けて沢沿いに少し登り、埋まったところで沢を渡れないかと登ってみる。次第にきわどい登りになってくるのと、沢は一向に埋まっていく気配はない。一旦戻ろうと下っていくと、林道まで下る手前に堰堤、ここで堰堤の中間部分から落差のない沢床へ、対岸の雪壁を切り崩して攀じ上がり、本来目的の尾根に取り付けることになった。この間で約40分ロス。
900mのピークを目指して急傾斜地帯を登る。ここで僕は2度ほどシールに雪が固まり付く下駄化に見舞われた。湿り雪上から粉雪の上に移るとあっという間にできてしまうのだ。その後は湿り雪がなくなり起きなくなった。1150mから1288mピークの先の小鞍部まで、細かいピークが連なる。帰りの登り返しのないようにトラバースに努めるが、等高線に現れないピークと窪地があり、完璧にはトレースを作れなかった。
まともなラッセルになって来て、踝から脛、時折膝以上になる。1600mの成谷山が見えて大きくなってくる。空はどんより曇りだが、振り返れば黒部から魚津、滑川あたりの平地と日本海まで見える。ピーク手前で左にそれてトラバース、次のピークも巻けばいよいよ僧ヶ岳の山頂領域が見えてくる。ここも小ピークがいくつもあってトラバースで避けて行くが、僧ヶ岳一つ手前のピークだけは両側とも急でピークを越えた。
天気は下り坂で、途中見えていた毛勝山、駒ケ岳も限りなく薄くなって来た。風が強まって来て遂には吹雪に。しかしここまで来て撤退はない。シュカブラをザクザクと、時にはガリガリと踏んでホワイトアウト寸前の僧ヶ岳山頂に到達。殆ど何も見えないし、寒いし、風は増々強くなるし、ともかく急いで下り始めよう。
時には耐風姿勢も要るような風の中で山頂斜面を下り、次のピークを登り返して、後はトレースに乗って成谷山の横腹へ。ここでは嘘のように風が収まって一安心。さてここから滑降を楽しもう。1288ピーク前の小鞍部までは楽しく滑れ、1150mまでトラバースと随所のカニ登りを頑張り、そこから下は斜面は良いが湿り雪になって来て、曲がれはするが力の要る修行となっていく。900mで左に折れて林道を目指す。相変わらずの重雪奮闘で林道に到達。
林道を戻るが、先ずは朝には避けた、沢が横切り渡渉になる箇所。2m程の雪の壁をスコップ出して掘り崩し突破。これで朝のトレースに合流して大休止。以後は林道上を滑降モードで、時折カニ登りもあるが快適に滑る部分も多く、登りの半分くらいの時間で出発点に戻った。
冬の僧ヶ岳に初めてソロで行ったときには、眼前の毛勝山の迫力に圧倒された、その印象は今でも強く記憶にある。その感動を同行2人に与えられなかったのは少し残念だが、申し分ない足応え、達成感は得られたものと思う。僕も本コースのリベンジを果たせ、仲間と喜びを分かち合えて満足である。
冬の僧ヶ岳。富山のヤマスキーヤーなら憧れのヤマだろう。これまで行きたいと思いつつも、現実はソロで行く力量・度胸もない。誰かとコラボのチャンスを待っていたら願いは通じて、師匠とシンモンさんと三人パーティーでチャレンジできることになった。
寝不足だが、モチベーションは高く、三人で合流してシンモンさんの車に乗ってからもさらに気持ちは高まっていく。林道歩きを始めてからも、IMPのメンバーからは雪崩に充分注意せよとのアドバイスを貰っていたので、慎重に進むが、雪は締まっており、軽やかに進んだ(もちろん帰りはもっと慎重に)。
尾根の取り付き前で渡渉があり、ここを突破するのに巻きあがったり降りたりして、時間がかかった。その後は順調に高度をかせぐ。ちょっと重めの雪でだんだん消耗していくが、三人とも意気軒昂でラッセルをまわしていった。
地形図に表れない高低差もあるので、ボコ巻きは100点とは言えないが、90点はとれているだろう。その後は、山頂を遠望しながら富山平野を見下ろし、素晴らしいメンバーと至福の稜線ラッセルを楽しむ。
山頂では風が強く、そそくさと滑走モードにチェンジ。地獄ゴーグルを装着して、慎重に滑り出す。あっと言う間に安全地帯まで戻り、しばし休憩し、のんびりする。あとは雪も重く、私には修行系の滑走だが、ニシデン師匠とシンモンさんはスイスイと滑っていく。悪雪対応の滑りをもっとマスターしないといけないと思った。
林道に降りて、渡渉、デブリ越えなどを経て、最後はヒールフリーで車のデポ地まで戻った。しかし敗退しているとはいえ,これだけのルートをソロでチャレンジしている師匠の偉大さと、いつも周囲に気遣いの優しいシンモンさんの人柄が身にしみた山行だった。いつもながらありがとうございます。成就感満載、大満足の僧ヶ岳ヤマスキー、すべてのことに感謝の気持ちでいっぱいである。今日もブラボーヤマスキー!
僧ヶ岳もまた未踏の山。アルパインな稜線と展望を期待しての登山となった。
淡々と登るが暑くてオーバーヒート気味。ようやく1000mくらいになって冷たい風で快適になった。
右は毛勝などの稜線、左は富山の平野から日本海まで見渡せる。展望に優れたいい稜線だった。
成谷山を過ぎる頃に急に空気が生温くなった。そろそろ天候が変わってくるのか。程なく毛勝などが雲に包まれるようになり、から二つ手前のポコあたりから暴風気味になってきた。
雪庇は日本海からの風で山側に出来るものと思っていたが必ずしもそうではなく、ここでは日本海側に小さな雪庇が形成されているところもあった。
ピークでは喜びも束の間、写真を撮りあったらさっさと準備して滑走へ。
ポコの上への登り返しカニラッセルは前後の幅がなく少し緊張した。崩れたらもれなく滑落…
そこを超えた後のわずか100mほどの斜面が本日唯一の自由に滑れるパウダー斜面だった。一瞬の浮遊感。
中盤は複雑なポコに引いた巻き道トレースを辿ることが多くなり特に滑りは楽しめない。いい雪なのだが。
巻きが終わった後は自由なラインで降りてこれるが、今日のコンディションでは消化試合的。確実に安全に降りることに徹した。
噂に違わず素晴らしい眺め。初の僧ヶ岳を十分に満喫できた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する