僧ヶ岳 - 宇奈月温泉から-
- GPS
- 10:09
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,838m
- 下り
- 1,834m
コースタイム
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 10:02
天候 | 早朝は曇り、のち快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
〇林道 取付きから林道に入るまで雪を拾ってハイクアップ、合流時林道の壁づたいを歩き雪がつながったところで合流、今後厳しくなりそう。 〇平和の像から1043m林道まで 平和の像からの林道合流は雪が固いので尾根をハイクアップしたが林道に合流時下降するときがかなり急斜面でカチカチ斜面では緊張した。帰りは雪は緩み一部片斜面はあるものの問題なくスキーで通過。 650m付近の林道ショートカットでは行きすぎて急斜面を行ってしまったら合流手前がかなり苦労した。 1043m過ぎの林道では片斜面がひどくシートラアイゼンでトラバースした。落ちると危ない箇所なので緊張感をもって通過した。帰りはそこそこ雪が緩みスキーで通過。 〇1431P付近 手前で雪庇の弱点をよく観察しそのポイントからトラバースに入る。雪は往路復路ともクラストのため雪崩の心配はなかったがアイゼン歩行では隠れたクラックによる踏み抜き、落とし穴に注意。トレースをなぞると余計にハマることもある。 〇1431m〜山頂 若干のアップダウンがあるが上手く巻いたりカニでいけば問題ない。今回はクラスト斜面だったので山頂までアイゼン歩行したので特にルート工作はしなかった。だいたいの雪庇の近くにはクラックがはいっているので気温が高いときは注意。 |
その他周辺情報 | 湯めどころ宇奈月総湯(500円火曜定休) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
日よけ帽子
毛帽子
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ガムテープ
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板
シール
クトー
アイゼン
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感想
水曜日が休みにでき、koueiさんと山スキーに行こうと、行き先相談して本ルートになった。僧ヶ岳は先月に片貝川柏尾谷から登ったばかりだが、同行者がいれば喜んで行く、登り甲斐のある山だから。
今回のルート状況は、カチカチの雪面につきる。標高差のあるルートのどこか一部で氷化しているのはよくあることだが、宇奈月スキー場の標高約350mから1855mの僧ヶ岳山頂までの全てという状況は、僕はこれまで経験したことはなかった、どこの山でも。日曜に気温が上がって富山の平地で最高22℃、月曜日は17℃の雨、その後平年並みに気温が下がって起きた情況の様だ。
駐車場を出て直ぐ、スキー場への林道の入口より手前に階段を見つけ、見覚えのある近道だと思って入った。ところが途中から雪で埋まっていてツボ足のラッセルとなり、道は違う方向に行っているのでスキーを履いて斜面を登り、林道の途中に出た。結果ショートカットとなったが、時間的に節約できたかはよく分からない。
スキー場の上部、傾斜が強くなる手前でクトーを付け、平和の像の先で尾根を行くか、トラバースしている林道を行くか、林道の片斜面が不安で尾根を行ったが、一旦下りる急斜面でクトーに頼る足元がかなり不安だった。標高600mで林道を少し進んでからショートカットしたのは軽いルートミスで、直ぐにショートカットすれば良かった。帰りはそちらを滑り降りた。
2014年にこのルートを登った時は、3月の終わりで融雪が進み、標高800m辺りの痩せ尾根が藪化して苦労したが、そこは問題なかった。
今日の僕の失敗は標高約1000mで、キックターンで足をハの字にしたときに後足が滑って重心を失い、転倒、滑落した。木に当たって止まったが、GPS記録で調べると、標高差10mほど落ちていた。koueiさんが先行して僕が後をついている時だったが、koueiさんと僕とでは使っているクトーの形が違い、koueiさんのは刃に波がついているが、僕のはストレート。koueiさんと同じ傾斜で斜め登行していると、クトーの刃が雪に刺さったまま雪を切って後ずさりするスリップを僕の方が起こしやすい。もっと慎重に、ずれない角度でターンする必要があった。この滑落のときに右足太腿の外側を打ったらしい。その後山中では違和感を感じる程度で登りにも滑降にもさしたる支障はなかったが、下りてから痛みだした。
標高1043mで一旦林道に乗り、300mほど林道を進んで尾根に取り付くのが夏道通りのルートで、ここが積雪時は難所となる。林道が雪で埋まって片流れ斜面となるのだが、今回は林道の名残を残さない凄いもので、滑ればはるか下まで落ちていく。ここはスキーでは危険と強く感じ、シートラのアイゼン歩行とした。ツボ足になれば概ね膝下まで沈むので却って不安は軽くなった。林道を脱するとツボ足でも沈まなくなり、尾根に上がってもシートラを続けた。もっと上では沈むようになってスキーに戻ることもあるかとこの時は思ったが、遂にその様にはならなかった。
1431m峰の通過が最終最大の難所かと当初は予想していた。ここは毎回状況が変わり、どこが突破口か見つけることがキーになる。今回は比較的容易に、雪がつながって雪庇でもない通路を見つけられ、心配したほどではなかった。但し緊張を有する急傾斜のトラバースではあり、スキー履いて抜けるのはかなり危険だったと思う。
1431を過ぎれば後はずっと傾斜は緩く、尾根は広い。今日は青空が広がり、展望良く、夢心地のプロムナードだ。アップダウンがあるので、シートラであっても帰りの目安にと、登り返しの少ないルート取りはしておく。1450mの辺りは日本庭園の様、烏帽子尾根との合流点を過ぎ、1740mの緩いピーク、そして1775mの前僧ヶ岳を巻き気味に行くと、僧ヶ岳本峰は目の前だ。いつも雪の少ない吹きさらしの仏ヶ平を抜け、僧ヶ岳の山頂に達した。
過去2回の登頂はあまり天気はよくなかったので、今日の山頂での大展望にも大満足。雪庇が凄い越中駒ヶ岳、荘厳な雰囲気と谷の迫力の毛勝山、後立山連峰の大パノラマ、koueiさんにもこれを見せられて良かった。
滑降の準備を済ませてさあ行こうかという時に、成谷山方面から向かってくるソロの人を見つけた。到着するまで待とうかとも相談したが、どのくらいの時間で下山できるかその時は不安だったので、行ってしまおうということになった。案外と順調に下れてしまったので、後から思えば待っていて挨拶できればもっと楽しかったのにとは思うが、その時の判断としては仕方ないと思う。
山頂から、カリカリ、ガリガリの滑降に始まって、これがずっと続けば相当に疲れ、下りの核心部も心配だと思われたが、次第に表面だけはサラッとした雪に変わっていき、ゲレンデの圧雪バーンの様に滑り易くなって助かった。1431mの巻きはアイゼンのトレース通りで大した登り返しなく、核心部もさっと通過、1200mで尾根を間違えたのはご愛敬、そして恐怖の林道片斜面トラバースだが、エッジが食い込んでくれて緊張しながらも無事通過。630mピーク部分も林道を無理なく通れて平和の像前に戻ってこれた。
南からと北から、2回続けて行って、僧ヶ岳に関しては満腹感一杯になった。来季また行きたくなるだろうか、今は分からない。
当初は単独で行動しようと思っていたところニシデンさんがお休みをとれることになり同行させていただくことに。候補として唐松岳、金山岩ー十石山、僧ヶ岳が挙がり唐松岳は行きたいけど少し物足りなさがあり、金山岩ー十石山は総合的な技術が求められるので自信がなく、僧ヶ岳も難易度は高いしロングなので自信はないが今季IMPの皆さん登られている方が多く機会があればと思っていたので僧ヶ岳に決まった。
好天が続き、急に気温が上がり雨が降りまた気温が下がったのでなんとなくの想像はつけて核心部の想定をしていざ出発。立体駐車場からのスタートで路地裏を通り取付といつもと違いヘンな感じだった。ゲレンデに着くと序盤からカチカチでクトー装着。最初の核心部の林道は暗くて見えないのとカチカチの片斜面は危険として尾根を行くが林道に合流するため下降するときがかなり気を使った。さらに次の核心部ではさらに片斜面がひどくスキーでは困難としてアイゼン歩行となったがスリリングなトラバースだった。最後の核心部である1431Pの巻きは樹林帯を歩いていると隠れた落とし穴がありトレースを辿っていると腰までハマり危ないときがあった。
無事核心部を過ぎるとあとは快適な斜面、と言いたいところだけどあいかわらずカチカチ斜面は続くのでアイゼンシートラでちょっと修業気味。しかし景色は最高なのでゆっくりあせらず登りスタートから7時間30分で山頂まで無事たどり着けた。立て続けの核心部で山頂まで行けるかなと思っていたので嬉しさも一入。写真を撮ってさあ下山というときに魚津側から登られてくる単独スキーヤーの姿が目に入った。ゆっくりお話でもしたいところだけど登られてくるまでまだ時間はかかりそうだしお話で気を緩めると帰りで怪我したら元も子もない。ニシデンさんも僕もやはり帰りに絶対事故を起こしてはいけないという強い気持ちがあったのでここは心を鬼にして下山することにした。
滑りも快適ではなくガチガチ斜面で余計な体力を使う。核心部通過のため体力温存でこまめに休憩を取りながら進むと尾根を間違って降りた。幸いすぐに気が付いたので登り返して元のルートに合流した。心配していた核心部は雪が緩んだこととスキーでは細心の注意を払えば無事通過できた。あとはモナカ気味のゲレンデを滑り林道を流して無事帰還。ここでやっと緊張から解放出来て達成感が湧いてきた。厳冬期のラッセルでへとへとの完全燃焼ではないけど冷静に状況判断して無事に帰って来れたことは自分の中では大きい。ニシデンさん同行ありがとうございます。
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