稲村岩尾根→鷹ノ巣山→奥多摩駅(あるいは初めてのソロ山行)
- GPS
- 06:17
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,433m
- 下り
- 1,734m
コースタイム
8:55 稲村岩尾根分岐
10:25 ヒルメシクイノタワ
10:50 鷹ノ巣山 *休憩
11:10 鷹ノ巣山 *出発
14:00 奥多摩駅
天候 | 晴れ。薄く雲あり。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:奥多摩駅(JR青梅線) |
コース状況/ 危険箇所等 |
前日は雨。登りはともかく、下りの道はひどくぬかるんでいたため、何度か尻餅をつくことになった。 また、台風の影響か倒木が多い。山行に支障はないものの、注意を払って歩きたい。 |
写真
感想
稲村岩尾根から鷹ノ巣山に登った。稲村岩尾根は奥多摩三大急登のひとつに数えられている。その名が示すとおり、尾根の終わりには稲村岩がそびえたつ。東日原のバス停を降り鍾乳洞方面へ歩くと日原川を挟んで正面に稲村岩が見える。奥多摩には珍しい、クライマー向けの岩だ。
日原川に掛けられた橋を渡り登山口から山へ入る。まず尾根に乗るために、沢沿いの道を進む。道は開けていて明瞭、なのだが、途中あまりにも開けすぎていて却って道を見失ってしまった。川をせき止めたブロックの脇を抜け、二度ほど沢を乗り越えて無事登山道に戻ることが出来た。前を行く父子ふたりを抜かして進む。まだ小学校低学年であろう少年は、しかし年に似合わない締まった表情をしていた。
一時間で尾根に出る。左手は稲村岩で右手は鷹ノ巣山。せっかくだし、と思い左手に進む。早速岩場となり両手を使って進んでいく。尾根道に急に岩が積まれたような様相で、高度感はさほどでもない。五分ほど進むと稲村岩が見えた。おおう、これは登れない、と思ったのでその場で引き返す。ボルダリングをやってみたいなとおもうことはあるので、いつかあの岩によじ日が来るのかもしれない。
分岐まで登っていよいよ稲村岩尾根を進む。どれほど急登なのだろう、と身構えていたが、傾斜自体はさほどでもなかった。手を使う箇所はあまりなかったが、かといってゆるい尾根でもない。ただ距離は2キロほどでそれなりの距離だ。淡々と進み、一度休憩を入れて二時間半で、ヒルメシクイノタワまで進んだ。もう少し広々とした場所を想像していたのだが、単なるタワであった。手前でパンを一つ食べたので足は止めずに頂上へ向かった。ここからの登りはかなりきつめだったが、30分もかからずに空が開けてきたのだった。
頂上は南側が開けている。薄く雲が出ていたがいくつもの稜線が重なりその向こうには富士山のシルエットも見えた。周りに目をやると7、8人のグループが一つと、ソロの人々が数人おり、日を遮るものがない中で休憩をとっていた。僕も荷物を降ろし、パンを二つ食べた。昨日スーバーで割引になっているのを買ったのだが味は全く問題ない。半額近かったのでまあお得だった。
今日はバーナーもないので、パンを食べ写真を撮り終わると特にするべきことがない。特に疲れているわけでもなかったので、到着してから20分ほどで出発する。最短記録である。
下りは石尾根を経由し、奥多摩駅まで出る。5月の雲取山で七ツ石山から先は歩いたことがあったが、景色はやはり似ている。傾斜もほとんどなかったのでずんずんと進む。
実は将門馬場の付近で「道に迷ったかな」と思う時間帯があった。六ツ石山に向かっているつもりだったのだが、あまり人気のない道に出てしまったのだ。手元には山と高原地図しかなく、1/25k地形図はなかった。コンパスで方角だけ確認し、おおむね東に向かっていることが分かったので、不安な気持ちを抑えつつ進むことにした。台風で倒れた樹々をまたぎ、何かの動物のフンを横目にして足を動かした30分ほどで六ツ石山の分岐に出て安心することができたのだが、一人で行動することの恐さを体で感じた。
その後の道は途中ぬかるんでいる箇所があった。どれだけ慎重に足を踏み出してもすべってしまい、3度ほど尻餅をついた。下半身と手のひらは相当泥にまみれてしまった。ぬかるんだ関東ローム層は手強い。ストックがあったとしても、ストックごとすべってしまいそうな気がする。登山道の脇の杉の木の根が入り組んだを進んだ方がまだましだった。怪我がなかったのは偶然だとしか言えない。
ほとんど休憩もなく、14時に奥多摩駅に到着した。トイレの手前の水道で泥だらけの手と顔を洗った。駅の入り口の前には60lクラスのザックがいくつも並んでいた。三連休の最終日だし、どこかの大学生かなと思っていると、そのザックを担いだのは中学生たちだった。今日はもう帰るだけだったのだろうか、元気いっぱいに友達同士で喋っていた。そんなに若いのに山に行けるなんてうらやましいな、と思わずにはいられなかった。帰りの電車が駅に着くまでには少し時間があったので、駅舎の2階でざるそばを食べ、帰路に着いた。
今回生まれて初めて、一人で山に登り、一人で降りた。装備は身軽だし、自分のペースだけ考えればよいし、普段と比べて楽なことは多かった。けれど今日見た景色や経験したことが、たった一人だけのものになってしまう、という事実に対しては「寂しいな」と思ってしまう。普段つきあってくれる人々に、改めて感謝したい。
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