ニペソツ山・天狗平で敗退(十六の沢林道↑・幌加温泉↓)
- GPS
- 27:22
- 距離
- 25.8km
- 登り
- 1,431m
- 下り
- 1,460m
コースタイム
- 山行
- 3:44
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:44
- 山行
- 9:13
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 10:09
水平距離、累積標高(+、-)
1日目: 9.4km、 +507m, -114m
2日目: 17.2km、+1,140m, -1,525m
(合計):26.6km、+1,647m, -1,639m
天候 | 7月27日(金)快晴 7月28日(土)快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
<復路>幌加温泉BS⇒十勝三股(ノースライナー号バス)、三股⇒市内(レンタカー)、市内⇒帯広空港(空港バス)、帯広⇒羽田 (台風12号の影響で夕方までフライトキャンセルだったが、21時以降に羽田空港が再開されたので、最終便は無事飛びました。) <ノースライナー号バス(北海道拓殖バス)幌加温泉経由は1日1本> https://www.takubus.com/%E9%83%BD%E5%B8%82%E9%96%93%E9%AB%98%E9%80%9F%E3%83%90%E3%82%B9/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8/ <東大雪の林道の状況> http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/attach/pdf/nyurin_kisei-54.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
<三股橋〜十六の沢登山口> ・十六の沢ルートに至る音更川林道・十六の沢林道は2016年夏の豪雨で流失しているので国道273号線の三股橋南詰から徒歩となる。 ・林道がスパッと2〜3m切れ落ち、滑り降りたり左右にかわしたり、踏み跡怪しく藪漕ぎ多数。渡渉や川歩きを強いられ、昨年あったというピンクテープも大分落ちたようで、基本沢筋だから大外しすることは無いが、ルートファインディング力を試されながら思ったより時間がかかる。 ・特に私はテン泊装備でロールマット外付けにしてしまったので、藪漕ぎ時に上部の枝が引っかかるためもどかしく、匍匐前進を何度も強いられる。 ・加えて、この時期北海道といえども午後の高温で1,000m以下の歩きは熱中症寸前で消耗する。 ・結果的に初日は十六の沢登山口でやむなくテン泊とした。 ・登山口ではアブ多数、ルート途中から蚊が凄く、歩行中やテント設営中に十か所以上やられた。 <十六の沢登山口〜天狗のコル> ・登山口では丸太橋が流失しているので、いきなりの渡渉。対岸のピンプテープ目指していくと、山頂までの看板が奥に隠れていた。 ・最初少し急登だが100〜150mおきに緩急が入れ替わる感じ。普通の登山道は歩きやすい(笑)。 ・中盤は急登もないが倒木は時折出てくるので、乗り越えたり潜ったり。 ・その先、平坦地をしばらく歩くが、10mほど右の藪の中で超重量級がドドドっと走る音。こっちに向かってるのかと思い身構えるが、音は下方に遠のいていき一安心。この重量感はやはりな、という感じ。鈴を2つ鳴らしながら、5分おきに笛を鳴らしながら歩いていたのが多少は効いたのかもしれない。 ・小天狗を正面に見ながら少し登ると天狗のコル手前の岩場。上下2本ルートがあるようだが、私は上のルートを選択。足場はあるが重荷だと上半身をかわすのに手の平を岩の凸凹にかけてフリクションが必要だったが、危険を感じることもなく通過。 <天狗のコル〜天狗平> ・天狗のコルにはテント2,3張りが可能と思われる。この時期雪渓は消失しているので水場は無い。 ・天狗平までは比較的緩斜面だが、あまり歩かれていないからか枝が伸びており私のデカザックでは躱すのが大変だった。加えてハイマツにコバエ?が潜んでいて、触れるたび杉花粉のように大量に飛び出してくる。息もままならないのでタオルを顔に巻いて進む。 ・この辺は熊も出るらしいので要注意。私は5分おきに笛を慣らしながら歩く。 ・天狗平手前のガレ場を登りきると、ニペソツの雄姿が正面に圧巻! <天狗平〜前天狗〜幌加温泉> ・ニペソツの雄姿を堪能したら下りましょう。夕方の飛行機で帰京なので帯広に18時迄に戻らねばならず、リベンジを誓う。 ・前天狗東面はスパッと切れ落ちているが、ルートは西面をトラバースして、北面から東側に急降下する。 ・特に最初の高低差50mくらいは急降下。岩場ではなく砂地なので滑りやすくストックは必須と思った。残雪や雨だと厳しいかも。ロープを親切にも付けてくれているので安心感がある。 ・斜度が緩むとお花畑。その下の雪渓は小さく残っているが水流は出ていない。「朝、この辺で熊に唸られた」、と帯広在住の単独女性がおっしゃっていた。 ・その先ニペソツの展望台(p1662)まで少し登り返しと細尾根歩きがある。 ・その先、少し急降下を行くと後半は緩斜面。時折横から沢水が潤沢に流れており、暑い日には冷たい水が気持ちよい。最後車道約2kmで幌加温泉コース登山口。 |
その他周辺情報 | <幌加温泉・鹿の谷> ・登山口から徒歩10分弱の幌加温泉で疲れを癒しました。500円/人。 ・4種の源泉がありそれぞれ違いを楽しめる。私はバス(ノースライナー)の時間があるので長居はできなかったが、露天の硫黄の湯が一番気に入りました。 ・国道まで20分弱歩いて1日一本のバスに5分乗り、三股の車を回収し帰路につきました。 https://good-hokkaido.info/horoka-onsen/ |
写真
装備
個人装備 |
Head Lamp(1)
予備電池(単3x2
単4x3)
雨カッパ・雨ズボン(1)
水筒(1)
非常食(1)
食料(1)
Sports Drink(Amino Vital)(5)
腕時計(1)
ポケットティッシュ(1)
Spork(1)
箸(1)
タオル(小)(1)
携帯電話(1)
筆記具(ペン)(1)
ストック(1)
保険証Copy(1)
デジカメ(1)
手袋(Glove)(1)
帽子(1)
防寒着(1)
地図(1/25
000)(4)
ファーストエイドキット(1)
Burner(平置き用)(1)
コッフェル1.3L(フタ付き)(1)
GPS(Garmin eTrex)(1)
コンバス(1)
予備ライター(1)
細びき 3mm x 3 m(1)
小型4徳ナイフ(1)
計画書(1)
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感想
関東周辺は台風の影響でどこも雨、ということで北海道の山に行くことにしました。
旭川便は一杯なので、帯広経由でニペソツにお邪魔しました。
ニペソツは従来の十六の沢林道は流出のため、ちょっとワイルドですが徒歩でいきます。今年に入ってこのルートのレコはありません。昨年再開された幌加温泉コースは地図上テン場が無く、温泉で前泊すると日帰りで土曜夜の便は困難なので、十六の沢ルートを探検しながら行けるとこまで行ってみましょう。
1日目は帯広からレンタカーで乗り付けますが、スタートが13時前。十六の沢林道の崩壊箇所通過はやはり過酷なアドベンチャーでした。
昨年のピンクテープももうだいぶ減ったのか、自らのルートファインディング力が試されます。テン泊のデカザックにロールマット外付けではヤブコギに引っかかり時間がかかります。おまけに7-800mの低山は北海道といえども猛暑日には暑くて熱中症になりそうでした。水は翌日含め6L担ぎましたが、快晴時はあと1L多くてもよかったです。昨晩、急きょ行先を変更したので地図準備やら平日の疲れ+2時間睡眠というのも体調万全ではなかったのかもしれません。
圧巻は杉沢橋の崩壊。どこを渡るにしても距離があります。幾つか渡渉ルートを検討しますが、少し上流を渡ることに。倒木の山と渡渉で疲れ、対岸を登ったあとしばし座り込んでしまいました。
その先もワイルドなルートが楽しめます(泣)。
いずれにせよ、十六の沢登山口に16時半到着。
予定した天狗のコルへは無理すれば行けなくもないかな、と思いましたが、コル手前の岩場を暗い中通過するリスクを考え、登山口の駐車場でテン泊させてもらうことに。川の水音に癒される一晩を過ごせました。
さて、翌朝は軽い渡渉からスタートです。
天狗のコルまでは150m前後の登りと緩斜面が交互に4回くらい出てきます。
途中倒木も何か所かありますが、昨日ほどではないです。
稜線手前の鞍部で熊らしき超重量級が右斜面10mほどからドドドっと走りました。最初こっちに向かってくるのか、と藪越しに目をこらして身構えましたが、音は下って遠くなりました。
鈴を2つと5分くらいおきに笛を吹いてたのが多少は効いたのかもしれません。
天狗平まで快晴の中、周囲の山々を堪能しながら歩きます。
右手に石狩岳、その左奥に大雪山・旭岳、忠別岳。山をまわりこむと、トムラウシも見えてきます。
天狗平にあがると、眼の前にニペソツの雄姿がドド〜ん!と飛び込んできます。
何と印象的な風貌でしょうか。
写真で何度も見てはいましたが、まさに眼の前にするとその迫力は圧巻です。
帰り時間の関係で今回は涙を飲んでここまでとします。
ニペソツの姿を目に焼き付けていると、帯広の単独女性が幌加温泉コースから上がってこられ、少し山談義。雪渓(この時期小さい)で熊に唸られた、とおっしゃっていました。この辺はいい山が多いので、近いうちに是非いらしてください、とも。二ぺのリベンジを誓います。
さて、雄姿を目に焼き付けたら幌加温泉コースで下ります。
最初の標高差50mは急降下ですが、次第に緩くなります。
雪渓の辺りでウロウロされている男性と立話し。
ここはさっき熊がいたらしいですね、などと余計なことを言ってしまいました。ニペソツで二百名山完登!の方でしたが、丁度テン泊の場所を探されてたようです。新聞に出たら自分だと思ってください、とおっしゃってましたが大丈夫だったかな。<今日の新聞には出てませんが。
ニペソツの展望台(P1662)でしばしの別れを告げ、急降下を過ぎると、あとは長い緩斜面歩き。後半は渓流を横切る場面が何度もあるので冷たい水に癒されます。
1000m以下となっても吹く風が昨日よりだいぶ涼しい感じ。
最後、車道歩き約2kmで終了。
幌加温泉の4種の源泉を短時間ながら堪能し、国道まで下ってバスで三股の車回収し帰路につきました。
台風12号の影響で帯広-羽田便は夕方までキャンセルでしたが、幸運にも21時以降羽田が再開されるとのことで最終便20:10発はほぼ定刻どおり運航されました。
遠いニペソツ、いずれリベンジを果たしたいと思います。
次は幌加温泉コースかもしれませんね。
暑い夏の北海道を 短時間でしたが満喫できた旅でした。
コメント
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ShuMaeさん、大変ご無沙汰しております|д゚)
ニペソツと聞いて飛んでまいりました(;^ω^)
当方がお邪魔して早や五年も経ちますが、
相変わらずの天狗平からの雄姿を拝見して大変感激しております。
と言っても道中かなり大変だったようで...
林道が流出していたとは…( ゚д゚)ポカーン
リベンジ楽しみにしてますよ〜
おつかれさまでした。
Horumonさん、メッセージありがとうございます。
こちらこそ大分ご無沙汰しています。
Horu&penさんのニペソツのレコは よく覚えてますよ。
とてもインパクトがあって、こんな山もあるんだな とつくづく感じたのがつい先日のようだな、と今回登りながらも思い出してました
Horumonさんお膝元のニペソツは、しかしやはり遠かった
前日まで富良野南方の二百名山に浮気しようとしてたのがバレたのか やはりニペソツはそんな甘い山ではありませんでした。ちゃんと計画して(一筋で)きてね
と言われてるみたいな・・・
林道はちょっとした(かなりな)アドベンチャー気分が楽しめましたが、糠平温泉にも最近?熊が出たらしく、道中「熊注意」の看板多数で、北海道に慣れない私としては歩き始めから過剰意識で疲れた面もあります
でも、いずれ近いうちにリベンジしたい山ですね
一昨年の台風は道内各所の林道をズタズタに切り刻んでしまって、今での登山口にも行けない山が多くあると聞きます。
ニペソツもその一つなのですね。
拙者はまだ登ったことがありませんが、1号隊員からはダメだしをくらっている山の一つで、行くならソロになります。
途中で見えていた鈍重な山容のウペペサンケには3年前に登りましたが、そこから見えたニペソツの雄姿を覚えています。
天狗平に上がると突然「ニペ様ドーン!」と現れるのは、皆さん、とても印象に残るようですね。
拙者、行くにしても幌加温泉コースしかないな(⇒1号隊員は湯治留守部隊)
富良野南方の二百名山・・・とは芦別岳でしょうか?
隊長
隊長、こんばんは。
いや〜、自身敗退レコをあげるか(ちょっとだけ)悩みましたが、ルートの様子など皆さんに少しは参考になるかとアップしました
十六の沢林道は流失してるのは他の方のレコで知ってたのですが、”あれほどまで”、とは驚きで、外付けマットはボロボロになるしもちょっと考えとけばよかったな、と反省至極です
隊長はウペペサンケは登られていましたね。地元、帯広の女性も、いい山ですよ〜、とお勧めされていましたが、あっちからもニペソツはいい感じ?だったのですね
天狗平まで(十六の沢コースでは)全く姿を見せないのに突然「ニペ様ドーン!」
は、やはりインパクト感も違いました
幌加温泉コースは長いですが、最後の壁以外は登りやすいと思いますので、
1号隊員は湯治場班でなくとも、天狗平で待ち受け班も可能と思いますので、是非トライください。幻の百名山、確かに。
と思いますので
富良野南方の二百名山とは、そうです、芦別岳。旧道↑新道↓を狙ってました <こっちもリベンジ
ShuMaeさん、お疲れ様でした。
まさにほぼ同じ時期に旭川より、ノースライナーに乗って十勝三股より、石狩岳、トムラウシ、十勝岳への縦走を考えていました。その為に、浄水器を買って準備万端だったのですが、仕事でものの見事に夏休みが潰され、あの南木曽と奥三界に変わった次第です
それにしても北海道のあのあたりの山、大変な状況ですね。
林道が崩壊し、倒木で道が塞がれ、6リットルの水が入ったザック匍匐前進ですか
いや〜、凄すぎますよ
自分ならさっさと退散してたと思います。
6リットルでも不足気味という事は暑かったんですね
ホントにお疲れ様でした
momohiro先輩、メッセージありがとうございます。
十勝三股から石狩岳ということは同じ音更川林道の予定だったのですね。実現していたら先輩の足跡を追っかけた感じですね。あの辺の崩壊は大変なものでした。重荷の匍匐前進やら暑さやら蚊の大群で半ばやけっぱちになってたかも。笑。テント設営時、大群は走って振り切ったりしても20ヶ所以上咬まれてました。泣。
私は逆にこの週末(8/11-12)に御嶽山と小秀山を考えてたので、似たような方面、かつ暑さにやられながらも頑張ってらっしゃるな、と先輩の南木曽、奥三界を拝見しながら感慨にふけってました。私は残念ながら急な腰痛でしばらくパスになりましたが。。。
しかし、三股から石狩岳〜トムラウシ〜十勝とは、やはり先輩、スケールが違いますね!一度は歩きたい憧れのルートですが、近いうちのリベンジ?楽しみにしていますヨ‼
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