83.大朝日岳「輝き出して登ってく」中ツル尾根往復
- GPS
- 12:46
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,734m
- 下り
- 1,748m
コースタイム
- 山行
- 11:40
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 12:40
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
〇朝日鉱泉〜出合 道中、吊橋3か所あり。急斜面のロープ、鎖場がある上に、道細く片側が切れ落ちてる場所があって案外厳しいです。特に帰路は登りが多いような感じがしました。 〇出合〜山頂 ここから「〇合目」と表記されて本番であることを実感します。概ね急登が連続して両太ももがケイレンを起こすほどに大苦戦を強いられました。 ナチュラリストの家のご主人が日帰りの場合は中ツル尾根を強く勧めるのが解ったような気がしました。 僕の場合、左踵が踵骨棘で痛めており登頂が不安だったため、一番確実な中ツル尾根往復を選択しました。 |
その他周辺情報 | 宿泊は朝日鉱泉ナチュラリストの家を利用。一泊二食付で8640円。清掃が行き届いて清潔感があって良かったです。朝食は早立ちのために弁当(おにぎり二個)に変更可能。 ただし、宿泊の場合でも自分で出したゴミは持ち帰りしなければならないので、ゴミを入れる袋(例えばスーパー袋)は必要。 詳しくは朝日鉱泉ナチュラリストの家のHPをご覧下さい。https://www.asahikosen.com/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
スマートフォン
時計
タオル
手ぬぐい
ツェルト
ストック
カメラ
三脚
自撮棒
充電器
使い捨てカメラ
|
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備考 | 虫対策として顔を覆うタイプのマスクを使ったのですが、息苦しくなってNGでした。防虫ネットだと視界が悪くなるけど、こちらの方が良かったのかも知れないかな? |
感想
第83座 「輝き出して登ってく」
7月1日に甲武信岳を登頂した直後にまとまった雨が東海地方に降り注いだ。しかし、それが「7月豪雨」となって中国四国t地方を中心に広範囲で被害をもたらした。9日に東海地方も梅雨明けが発表されて、それからは連日35〜39度の猛暑日が続いて、外での仕事が辛く感じるようになった。
甲武信岳の稿で登っている最中に左踵が痛くなったということを既に書いた。それについて整形外科へ診察に行ったら、昨年の10月に作ったインソールを調整することと、湿布を患部に貼って様子見することとなった。7月に入ってからは、仕事中でも左踵が痛くなり、今度の大朝日岳登頂は大丈夫だろうかと不安になった。
少しでも登頂出来る確率を高めようと思って、登山靴に整形外科で調整が終わったインソールを敷いてみようと思った。しかし、このインソールはマラソンシューズに合わせて作ってもらっているので、登山靴にも合うのかが不安だった。物が試しに約1キロの遊歩道を歩いてみたら違和感が殆どなかったので、ぶっつけ本番にはなるが、これで行こうと腹をくくった。
8月3日、定時で仕事を終えて一旦帰宅。風呂食事を済ませて旅装の人となって名古屋まで来た。名古屋から東京までは夜行バスで、翌8月4日の早朝に東京に着いて、東京から山形までは山形新幹線つばさで向かった。山形から左沢までは普通電車に乗って12時37分、予定通りに左沢駅に着いたがここでも暑かった。
左沢駅前に一台のジャンボタクシーが停まっていた。これが13時発の登山バスなのだと言う。これに乗ったのは僕を含めて3人、全て男性であった。13時になって登山バスは出発した。一時間ほどで着きますからね〜と初老の男性の運転手は言った。
やがて道は未舗装でクルマ一台分がやっと通れるほどの道幅の道を絶妙なハンドル捌きで走っていた。こんな道、僕のプリウスでは走りたくないなと思った。そうこうしているうちに登山バスは朝日鉱泉ナチュラリストの家に到着した。3人の乗客のうちひとりは早速登山を開始して、僕ともう一人はこの宿にチェックインとなって、宿泊費と登山バス乗車料金を支払った。部屋を案内して、登山ルートの説明を受けた。道中の危険な個所や水場の位置を教えて頂き、僕の心にもようやく登ってやるぞーという気持ちになった。
その上に、ひと部屋に僕ひとりだけに充てられて、相部屋だったらどうしようかと思っていたのだが杞憂に終わって良かった。
前置きが長くなった(いつものことながら)。
8月4日。2時30分に僕は自然に起きた。あまり眠れたという感じではないが、コンディションは悪くなさそうだと感じた。着替えと前日のうちに貰った朝食のおにぎりを食べたりして準備をした。まだ暗いが4時に出発した。最初はヘッドライトと点灯して最初の第一吊橋を通過。道標を確認しながら進んで行った。4時30分頃にようやく空が明るくなって第二吊橋を通過。途中、ロープ、鎖場みたいなところや、道幅狭くて片側が切れ落ちているような道を通過して、約2時間で出合の手前にある「壊れた橋」にある水場まで来た。少し歩いたところに出合の道標があった。朝日鉱泉から4キロ、ここから山頂まで4キロ、すなわちここが中間点。ここからだと気を引き締めた。
出合から登り始めて早々に「2合目」の道標を通過した。ここからは急な登りが続いて苦しく感じた。「3合目」を通過して「4合目」「長命水」の道標まで来た。ここまで登ってインソールに違和感はなくて、これなら行けるかも! と思ったのだが・・・・。
「5合目」「6合目」と通過して、ようやく大朝日岳山頂部とご対面となったあたりから、足が動かず辛く感じるようになった。「7合目」あたりだろうか? 左太ももがケイレンを起こしてしまった。しばらく歩いて今度は右太ももがケイレンを起こした。勿論、左踵も痛いのだが、太もものケイレンの方が深刻だった。僕は太ももを叩いたり揉んだりして少しでも登ったのだが、森林限界を抜けて見えている山頂が遠く感じた。
「そういえば、連日の暑さに負けて筋トレや体幹トレとかサボっていたよなー」
「そういえば、左踵の痛みが心配だと言い訳してジョギングを休みがちだったよなー」
筋トレ、体幹トレ、ジョギングをやっておけば良かったという後悔だけが、僕の頭の中をグルグル駆け巡っていた。
もう引き返そうか・・・・。そんなことを何度想っただろうか・・・・。
休憩を小刻みに取りつつ、確実に山頂へと近付いていた。そして「9合目」を過ぎて、ニセピークまで登り切った。
山頂部を見ると、山頂に立つひとりの登山者の姿が肉眼で見ることが出来た。
時間は充分にある! さぁ、行こうと思って起き上がって山頂へと向かった。
10時40分。大朝日岳山頂に到着した。ここには別の登山道を通って来たのだろう、20人ほどの登山者が景色を眺めたりしていた。
これで僕にとっての百名山は83座目、東北エリアの百名山は全て登頂したこととなった。
景色を眺めると、飯豊連峰や磐梯山は解ったが、山の名前が特定出来なかったけど、遠くの山まで見渡すことが出来た。
11時、長居は無用とばかりに下山を開始した。最悪、明るいうちに朝日鉱泉まで着かなくてはならない。山頂から見たナチュラリストの家は米粒ほどしか見えなくて、明るいうちにたどり着けるのか? 不安だけど全力を尽くすしかない。あれだけ苦労して登った「9合目」「8合目」を一気に駆け下りて、12時ごろには「5合目」の手前まで来ていたので、ここで一本を立てた。
ここから出合までの降りは長く感じた、坂が急だったりつづら折りが連続したりと、登る時は苦労したけど、降りもそれなりに苦労した。出合まで着けば、水場で水を飲んだり顔を洗ったりしようと思いながら、ただひたすらに降って行った。14時20分頃に出合の水場「壊れた橋」に着いた。ここまで来ればあと2時間。推定到着時間は16時頃か、充分に日没までには間に合うなと思いながら水を飲んだり顔を洗ったりした。
でも出合から朝日鉱泉までの道のりはそんなに甘くはなかった。行きの時よりも登っている方が多い感じがしたし、疲れている時に三か所の吊橋、ロープ、鎖場の通過、細くて片側が切れ落ちている道の通過と最後の最後まで俺を苦しめやがるぜと思った。第三吊橋を通過して、その次の第二吊橋を目指すのだが、そこまでの道のりが長く感じた。歩いている最中に、向こうに吊橋か? と見えたのだが、進んでみるとそれは単なる木であった。本物の第二吊橋に着くまで何回吊橋の幻を見たのだろうか? それだけ疲労度がMaxということなのだろうか? 川沿いを歩いている時にアブの大群に襲われたり、登山道の真ん中に蛇が横たわっていたりと、まさに「半端ない」目に遭っていた。
御影森山分岐を通過して、鳥原山分岐も通過した。あとは第一吊橋を目指すのみとなった。吊橋手前でナチュラリストの家が見えたのだが、かなり僕がいる位置よりも上の方に建っていて、そこまで登るんかーい! とガッカリした。
第一吊橋を慎重かつ集中して通過して、「ナチュラリストの家 この上250歩」の道標まで来た。このフレーズ、南アルプスの某所で見たことあるなーと感じながら、登り坂を登って行った。そして16時40分に無事にナチュラリストの家に到着した。時間は12時間40分の想像していた以上のロングトレイルとなった。
その後は、部屋に戻って着替えて風呂に入って、夕食と共に祝杯とばかりに生ビール、ジョッキ二杯を呑み干した。夕食後、外に出たら夕暮れ時で、大朝日岳はまだ見えていた。
あぁ、俺はあの山に登って戻って来たのだなと思った。昨日見た時と比べて、今日、ここから見る大朝日岳は、言葉では言い表すことが難しいのだが、何か違って見えた。
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