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Yamareco

記録ID: 155027
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無雪期ピークハント/縦走
祖母・傾

九州遠征◆祖母山〜尾平黒金ルート

2011年11月22日(火) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 大分県 宮崎県
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GPS
06:45
距離
12.0km
登り
1,408m
下り
1,407m

コースタイム

7:24駐車場-7:34登山口(黒金尾根コース)-8:11川上渓谷展望所-9:06栂原生林-9:46天狗の岩屋-10:03天狗の分れ-展望台で休憩-10:52最初の梯子-11:16山頂11:42-11:56九合目小屋-13:55登山口
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2011年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
登山ポストは駐車場にあります。
駐車場は有料500円。無人ですが、登って帰ってくるとワイパーに封筒が挟まれていますw
トイレは駐車場から登山口までの間5分ほどのところにあります。

危険箇所は所々に。
梯子場、ロープ場など写真の方で確認してください。
冬期、下山時は凍結している箇所もたくさんあるので注意。
馬ノ背も普通に歩けば問題なしです。

感想

午前3時半に静かに起床。
4時半にはぬき足さし足忍び足でペンションを出発。
夜逃げしてるみたいw

私たちが連泊しているペンションは基本朝食付き。
けれどこの日だけはわがままを言って朝食はカットしてもらいました。
もちろん宿泊費はそのままで。
今回はペンションから登山口まで2時間以上かかることと、
阿蘇山や九重山とは違ってロングコースになるということで
まだ真っ暗なうちから出発です。
車のフロントガラスもガチガチに凍ってるし。。。
前日苦労したので今回はペットボトルにお湯を入れてきて
凍りついたフロントガラスを一気に融かす。

九州遠征ラストに登るのは、宮崎県最高峰である祖母山(標高1,756m)。
大分、熊本、宮崎3県にまたがる山で、百名山です。
名前がなんとも地味で私も今回初めてその名前と存在を知ったわけですが、
実は名前の由来は由緒あるもので、、、
信仰の山で神武天皇の祖母、豊玉姫命の祠を祀ってあるらしいです。
にしてももっとこの名前なんとかならなかったのかな〜w

祖母山まではいろいろなルートがあり、
私としてはもっとも短いルートを考えていたのですが、
旦那さまがどうしても‘尾平’から登った方がいいと言うのでそうすることに。
なんでも尾平からの景色がいいらしい。
尾平は阿蘇からは反対側にあたるので登山口までの移動時間がかかります。
登山自体にかかる標準タイムを7時間と考えると、7時には登山を開始したいところ。。。

けれど登山口までの一本道は予想以上に時間がかかりました。
まだかな〜と嫌毛がさしてきた頃、目にした景色。
朝日に照らされてオレンジ色に染まる祖母山。
そう、尾平にはこういうご褒美が待っていました。
なんかカッコイイ山じゃないですかっ!


俄然テンション上がる私wwww


こういうのをアルペングリューエンというらしい。
(ちなみにモルゲンロートは雲が赤く染まることらしい。)
なんだか祖母山に歓迎されてる感じ♪
この景色が見れただけでも尾平に来て良かった♪

ほどなくして駐車場らしきところに到着。
車は一台も止まっていない。
まぁ、平日だし、まだ早いし??
料金ポストらしきものがあったけれど、とりあえず何もしないで駐車する。
準備して駐車場脇の登山道から出発。
3分ほど歩いたところにトイレがありました。
これから挑む山を見ながら歩く。
最終日に相応しい山だ〜♪

そして10分ほどで登山口。
ここで宮原コースと黒金コースとに分かれます。
予定では登りは宮原コースを考えていました(特に何も考えずに予定していた)が、
「景観がよい」「登りに使ってください」と書かれちゃうと、
たとえ「ややハード」と書かれていても黒金を選ばないわけにはいかない。
ピストンは嫌だし。。。
黒金尾根コースを選択。

橋をいくつか渡りましたが、外れかかっている橋もあって渡るのは無理。
左側の水が少ない所を渡渉しました。
次第に明らかになる‘ハード’さ。
アスレチック風に手も使って登らなければならないようなところもあります。
アスレチック好きな私たちにとってはそれほどつらくはありませんが、
下りに使うのはちょっと厄介かもです。

そして黒金八景No.2とやらが登場。
どれどれ。
景観がよいって書いていたけど、ほんとかしら?
ん〜、まぁ許容範囲。
季節や時間にもよるのかな、もしかして。

このあとは登りがずーっと続きます。
久々に脹脛の筋肉が伸びていくのがわかるぐらいの登り坂。
ずーーーっとずーーっと続きます。

景観がよいとは書いてあったけれど、決して眺望がよい登山道というわけではない。
黒金八景No.2から1時間ほどでNo.3地点。
栂原生林??
景観???
よくわからない。。。何も見えないし。。。
この登山道自体のことなのかな?

なんだか笹藪に覆われてきました。
意外な展開w

このところ2人とも仕事が忙しくて山について詳しく下調べする時間がほとんどありませんでした。
なので祖母山がどんな山かもほとんど知らないまま登っています。
それはそれでドキドキワクワクで楽しい。。。

この後もずーっと藪は続きます。
道幅がだんだん狭くなっていきます。
溶けていない霜柱をザクザクと踏みながら藪をかき分けながら登っていく。

目の前に大きな岩。天狗の岩屋です。
「泊」と書かれているので、ここで泊まれますよという意味なのだろう。
何しろ、こちら側には避難小屋などは一切無いので。。。

天狗の岩屋を過ぎると苔生した岩がゴロゴロの道を登ります。
すると視界が開けてきて、左手に大きな岩峰。
あれが天狗岩。

天狗岩が見えたらすぐに天狗の分れ。
祖母山にまっしぐら。
と思いきや、展望台があったので行ってみる。
藪漕ぎをして展望台という名の岩の上へ。。
そこは景色がすごーくいいところでした。
目指す祖母山見えた〜♪
まだ結構距離ある〜w
というか、あれが山頂じゃないかもしれなーいw
阿蘇山はっきりくっきり見えた〜♪
一昨日はあの一番高いところにいたんだ。
雲ははるか遠くに連なっているのが見えるのみ。
最高のお天気♪
普賢岳も見える♪
眺望最高です。
あまりに気持ちいいのでここでシャリ休憩。
祖母山頂までもうひと頑張り。

稜線はまたもや笹藪の道。
実は山頂はまだまだ先で見えていないんだなぁ。。。
目の前に岩壁が立ちはだかりましたが、登りません。
まきます。
そしてずーっと藪漕ぎ。
こんなに藪漕ぎ多い山は初めてですwwwww

と、やっと標高が稼げるような雰囲気の梯子登場。
と言っても気休め程度。
山頂が近付いてきたけれど、まだまだ標高差がある。
遠く巻くのか??
それとも。。。

やっぱり梯子。
そしてロープ。
岩は所々水が流れ落ちたものが凍っていてツルツル。

ロープ場と梯子を何度かこなして、
最後は岩。
なんとかよじ登ろうと思いましたが、届かなくて無理でした。
みんなどうやって登ってるの???
というか、もしかしたら私たち登るところ間違ってた????

仕方ないので左に逸れて、登れそうなところを模索します。
旦那さまは左端の岩場ではない場所から登りましたが、
途中足元の土が崩れ、滑り落ちるところでした。(セーフ)

結局私は2.5mぐらいの高さのところをよじ登り、最後は旦那さまに上から引っ張ってもらいました。

手や足をかけるのが困難な岩。
ボルダリングとかやっぱりやんなきゃだめかな?

そしてやっとやっと山頂。
人の姿は無いけれど、誰かのザックが1つ。
少ししたらザックの持ち主のおじさんが歩いてきた。
東側の写真を撮っていたらしい。
祖母山でやっと出会った登山者。
少し言葉を交わす。
おじさんは東京からで一番ポピュラーな神原ルートを1人で登ってきたらしい。
なんでも祖母山に登ったことがある奥さまは駐車場で待機中とか。。。
山頂の記念写真を頼まれたので撮ってあげる。
山頂からの眺めも最高でした。

おじさんは奥さまが待っているので一足先に下山。
山頂は2人占めになったけれど、帰る時間のことを考えて私たちも下山。
帰りは宮原方面から下ります。
北面は陽が当たらないので、凍結したまま。
ツルツルで危険なので慎重に歩きます。
ロープが欲しいところ。

10分ほどで立派な九合目小屋。
休憩なしで尾平へ。

下山道も藪漕ぎです。
途中高齢の女性が1人登ってきて、すごく驚かれました。
私が熊色のフリース着てたからでしょうかwww
九州には熊はいないと言われていましたが、最近この辺りで熊が出たらしいので
無理もありません。
脅してしまってごめんなさい。

それにしても女性1人で祖母山とは。。
今まで誰にも会わなかったと聞き、私たちも山頂で1人と会っただけですと応え、
あと山頂直下は凍結しているので注意してくださいと一言付け加えておきました。

女性と別れた後の馬ノ背。
普通に歩けば落ちることも無いですが、過去に人を追い抜こうとして滑落死亡事故が起きているところです。

藪漕ぎが途切れ、眺められるところに出たので祖母山を振返る。
ここから先もしばらく藪で何も見えない。
夏はここ、どんだけ藪るんだろうね。

この先、途中簡単なロープ場が数箇所あり。
登ってきた黒金尾根ほどではありません。

やっと普通の木に囲まれた道に出ました。
ピンクのリボンを道しるべにして帰ります。
さすがにちょいと足が疲れてきてます。
遠征ということもあって、今回はストックは持って来なかったし。。。

疲れたら癒してくれる色づいた木々たち。

渡渉一回あり。
沢があるってことはもうだいぶ下りてきたってこと。

朝見かけた吊り橋にたどり着く。
ただいま〜♪
九合目小屋からはちょうど2時間で下山できました。


あとは駐車場への道のり。
祖母山を振返ってみる。

いいお山だったよぉ〜♪

祖母山を見ていると、ヘリコプターが一機山頂付近を飛んでいるのが見えた。
ん??
まさか。
おばさん大丈夫だよね?

ずっと山頂上空をウロウロするヘリ。
事故?
違うよね?

※後日ニュースにもなっていないので大丈夫だと思われます。



駐車場に着くと、ワイパーに挟まれた空封筒を発見。
はは〜、やっぱり払わないとね。
500円玉を入れて車のナンバーを書いて料金ポストに投函しました。

体力度  ★★★★
危険度  ★★★
整備度  ★★
眺望度  ★★★★★
山スカ度 なし  
虫集り度 なし (この季節でも藪漕ぎが多いので夏は虫が多そうです)

※上記は、2011年11月22日時点での個人的な評価です。季節や天候によって大きく変化します。


九州遠征3日目最終日。
3日連チャン登山で疲労も溜まってはいましたが、
最高の天気にも恵まれたし、尾平からその山容に魅せられ、登る前からテンション上昇。
少々ハードではあったかもしれないけれど、天狗の分れ展望台&山頂からの眺めで
そんなことは全部軽く吹っ飛びました。
(私たちにしたらその程度のハードさでした。)
黒金ルートは梯子あり、ロープあり、藪漕ぎあり、岩よじ登りありと、いろいろ楽しめ、登り甲斐もあります。
なのに近年どんどん登山客数が減っているとか。
こんなにいい山なのにもったいないなぁ。
今回登った山の中では、私のお気に入り一番に挙げたいのがこの祖母山。
九州に来た際には、人気の阿蘇や九重連山も良いけれど、
山をやっている人には祖母山もぜひぜひ登っていただきたいおススメの山です。

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