三石山〜佐野峠
- GPS
- 05:35
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,453m
- 下り
- 1,490m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:JR内船駅 |
感想
三石山は、地形図を見ると登山道が1本しかない。山行記録を検索しても、大崩集落からの往復の記録ばかり見つかる。なんとか縦走できないものかとヤマレコで調べると、araigengaさんの記録が見つかった。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-33356.html
この方の山行記録を見ると、私にはとてもまねできそうにない山行ばかりだ。この三石山の記録を見ても、スタートが塩之沢駅で、そこから三石山まで藪漕ぎで登り、三石山から佐野峠まで縦走した後、さらに思親山まで縦走し、井出駅まで歩いている。
私にはとても無理そうなルートだが、三石山までは一般ルートで登り、三石山から佐野峠に抜けることだけに集中すれば、なんとか私でも歩けるかもしれないと思い、実行することにした。
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身延線は台風15号の影響で、内船〜身延の間が、バスの代行区間となっていた。内船駅でバスに乗り換えて身延駅に向かうと、車窓から、線路の崩落箇所が見えた。ごっそりと削れてしまっていて、復旧までは、しばらくかかりそうだ。
バス乗換の時間ロスで、通常時とくらべて15分以上遅れて身延駅に到着。身延駅から足早に登山口に向かう。
大崩の集落で、民家の前で、獰猛そうな飼い犬に吼えられる。民家を通り過ぎても、犬の声が遠ざからないなと思って振り向くと、すぐ後ろに犬が迫っている。この犬、鎖がついていない。
しばらく犬に追われるが、飼い主のおじいさんに怒られると引き返して行ってくれた。
今日は、ただでさえルートが心配だというのに、登山口に着く前に、肝を冷やしてしまった。
登山口に着くと、今から登ろうとしている6、7人の中高年グループと出会う。登山口には、2台の車が止まっている。やはり、ここまで車でくるのが普通のようだ。
登山道は、よく整備されていて歩きやすい。道標も沢山あって、迷うこともない。
先が心配なので、三石山まで急いで登ることにする。
途中、木の枝がトンネル状になっている道を歩いたりして、なかなか楽しい。
三石山は、いつも使っている昭文社の登山地図のエリア外なので、今回は、地形図だけが頼りだ。
地形図に書かれている登山道と、実際の登山道は、少し違っているようだ。実際は、尾根の南側斜面を巻くように登っている。
稜線に飛び出すと、雪を冠った南アルプスの峰々が眺められた。赤石岳や聖岳だろうか。
なだらかで気持ちのいい稜線を登って行くと、すぐに三石山に着いた。
三石山には、山頂付近に、巨大な岩と小さな神社がある。山名標は、そのすぐ裏に立っていて、山頂は、そこから、東に少し進んだところにある。藪に覆われた山頂まで無理して行ってみるも何もなかった。山頂からの展望はなく、地味な印象の山だ。
昼食を取りながら、これから進む方向を確認する。ここからが今日の核心部だ。木々が邪魔して、これから向かう1110mピークは見えない。西側に130mほど下ると鞍部に到達し、そこから2回ほど小さいアップダウンがあり、そのあと、70mのぼり返すと、1110mピークになることを先読みしていく。
踏跡が見当たらないので、コンパスで方角を確認しながら、鳥居のある西側に下っていく。普段、登山道ばかり歩いているので、地面が柔らかい(踏まれていない)ところを歩くと、不安になってくる。
しばらく下ると、かすかな踏跡があったので、その踏跡を追うと、鞍部の手前で、急にしっかりとした踏跡に行き当たった。その周りの木は、つい最近伐られたようで、歩きやすくなっている。
藪漕ぎを覚悟してきただけに少し拍子抜けしてしまったが、これは助かる。
2つ目の小ピークからは、南に延びる尾根を確認する。こちらにもしっかりした踏跡がある。
この踏跡は、おそらく地形図に描かれた林道まで延びているのだろう。
西に進むと、相変わらず登山道といってもいいくらいの歩きやすい道だ。1110ピークの登りの辺りで少し道が怪しくなる。笹藪っぽいところもあるものの、道を失うことはない。
1110ピークからは、地形が分かりやすい。南に延びる稜線上を進み、左右(東西)に延びる尾根に紛れ込まなければよい。この稜線は、境界線上のためか、赤ペンキで木々に印がついているので、この辺りで迷うことはなさそうだ。踏跡もかなりしっかりしている。
今日は快晴で日差しが暖かいせいか、身延側の麓から、しきりに太鼓の音が聞こえてくるおかげか、あまり不安ではない。下では、何かの祭りでもやっているのだろうか。
緩やかに下って行き、少し登り返すと、996ピークで、そこから西に90度近く、曲がる。南にそのまま直進しないように注意していたが、実際は、分かりやすい踏跡と赤ペンキのお陰で間違えずにすんだ。そこからも、小ピークと鞍部を確認しながら進む。
大島峠の手前で、木々が大規模に伐採されたところに出てきた。峠の西側の木がすべて伐られている。木の運搬用のワイヤーが張り巡らされていて、日曜だというのに林業関係者だろうか、2人の人が働いているのが見えた。
大島峠には、小さな祠が一つあるだけだ。この峠には、地形図には書かれていない林道が通っている。祠から林道まで10mほどで、林道に降りる道もある。
この林道を南に進めば佐野峠まで行けることは、事前に調べていて知っていたのだが、林道を歩いたのでは、つまらないと、稜線を進むことにする。
160mほど、急坂を登る。まだまだ赤ペンキが続いていて、ヤブもなく、分かりやすい。ピークから少し下ると、先ほどの林道が稜線をまたいでいる所に出る。ここは、林道に下りざるを得ない。
林道を渡った先は、コンクリートで固められているので、しばらく林道を歩くことにする。
この林道からは、眺めがいい。今日は、眺望が効かないルートが長かったが、ここに来て、富士山が目の前に広がった。雪の白さと影の部分のコントラストがいい。
このまま林道を進んではいけないと思い、斜面に取り付くも、ススキと茨のヤブがすごくて2回程、林道にはじき返される。3度目にようやく尾根に乗ることができたが、まだヤブっぽい。
ススキをかき分けて、しばらく南に向かって登って行くとピークに着いた。ここが△939.7だろうと思い、地形を確認する。ここから南東に向かって緩やかに下るはずだが、やけに急斜面だ。
おかしいと思いながら、地形図を確認する。南西に延びる尾根はあるのだが、南東に向かう尾根が、明らかに急すぎる。
試しに少し下ってみるが、踏跡も怪しくなってきた。なんだか不安だが、さっきの林道まで戻るのは簡単なので、下ってみることにする。下の方に何か白い線が何本か見える。あれは何だろうと思って、更に下ると、それが、佐野峠の駐車場であることに気がついた。
結局のところ、△939.7だと思っていたのは、△939.7と佐野峠との間にある950mピークだった。思い返せば、林道に降りてから、しばらく林道を歩いたのだから△939.7は巻いてしまったということだ。△939.7に登るには、林道をすぐに渡って尾根に取り付かないといけない。
林道が地図に書かれていないのも間違えた原因だけれど、ちゃんと地形を先読みして登っていれば、こんな間違いはしなかったはずだ。それぞれのピークの手前の傾斜などが異なるし、林道をしばらく南東に進んだことを確認していれば、△939.7には登れないことが分かる。
結局は、読図が全然できていないことが分かり、ショックを受ける。佐野峠のベンチで1人、富士を眺めながら反省した。
佐野峠は、以前来たときと様子が変わっていた。駐車場と立派なトイレがあるのは変わらないものの、今回歩いた、地形図に載っていない林道の入口は、今年の4月には閉じられていた。それが、今は通れるようになっている。入口に佐野峠樋之峠線と書かれていて「大島峠→」と書かれたプレートもあり、大島峠まで車で行けることが分かる。(逆に以前は通れていた、地図に載っている佐野峠線は、土砂崩れのためゲートが閉じられていた)
将来は大島峠から三石山までの登山ルートができてもおかしくなさそうだ。最近、林業関係者が入っているおかげか、道も案外良く踏まれているし、もう少し整備されれば、大崩から登るよりも標高差が少ない分、楽に登れるかもしれない。
johndoeさん、こんにちは
山行記録の紹介いただきありがとうございます。
まだ、身延線は全線復旧していなかったのですね・・・
私も、johndoeさんの記録を拝見しております。いつも素晴らしい文章に写真以上に心に響くものがあります。
いつか、どこかでばったりなんてことがあるかもしれませんね
araigengaさん、こんにちは。
わざわざコメント、ありがとうございます。
私は文章を書くのが苦手なので、人に見られるのは、恥ずかしい限りです。他の方のような楽しい記録は書けません。写真がないせいもあって、アクセス数が少ないのが救いです。
昨日は、牛ノ寝通りを歩いていました。araigengaさんも、かなり近いところにいたみたいですね。
いつも山行記録、拝見させてもらっています。これだけ山の中を自由自在に歩けたら、さぞ楽しいだろうなと思って、いつも感心しています。
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