北アルプス表銀座


- GPS
- 80:00
- 距離
- 38.6km
- 登り
- 2,906m
- 下り
- 2,845m
コースタイム
1日目 起床(04:30)→バス出発(05:15)→中房温泉(05:50〜06:15)→合戦小屋(09:15〜09:30)→燕山荘(10:30〜10:55)→燕岳(11:20〜11:30)→燕山荘(11:50〜12:05)→大天荘(14:40〜15:20)→大天井岳(15:35〜16:05)→大天荘(16:15)
2日目 大天荘(06:25)→大天井ヒュッテ(06:45〜06:50)→ビックリ平(07:15〜07:25)→赤岩岳(08:35〜08:45)→西岳ヒュッテ(09:00〜09:30)→水俣乗越(10:30〜10:45)→休憩(12:10〜12:25)→ヒュッテ大槍(13:00〜13:35)→槍ヶ岳山荘(14:25)
3日目 槍ヶ岳山荘(04:00)→槍ヶ岳山頂(04:30〜05:20)→槍ヶ岳山荘(05:35〜07:00)→天狗原分岐(08:25)→水俣乗越分岐(09:15〜09:20)→槍沢ロッジ(10:00〜10:25)→横尾(11:25〜11:30)→上高地バスターミナル(13:50〜14:40)→新島々バスターミナル(15:50〜16:08)→松本駅(16:37〜16:45)→穂高駅(17:20)→しゃくなげ荘(17:40〜18:20)→夕食→富士(22:00)
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年08月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
以前から行きたかった北アルプスの表銀座にとうとう行く時が来た。シーズン中の混雑を避けるため週の真ん中からのスタートとした。テント泊であれば週末でも良いかと思ったが、テントを担いで東鎌尾根を登る体力はないので小屋泊まりとした。荷物は軽量にしないと、だんだんと疲れが貯まってくるので、あえて一番小さい30Lのザックを選択し、余計な物は全て排除した。しかし、ツェルトと無線機だけは持ってゆく事にした。
朝、しゃくなげ荘の駐車場には5人しかいなかったが、穂高駅からのバスは満席のため、新たにバスが追加された。しゃくなげ荘の登山者駐車場は10台くらいしか駐車していなかったが週末は駐車しきれないと思うとバスの運転手が言っていた。中房温泉に着くと、さらに人が増え、とても水曜日とは思えない数の登山者でいっぱいだった。スタートするといきなり急登になり、そのまま急登が続く。北アルプス3大急登と呼ぶようだが、木無山の登りより楽なような気がした。人数が多いので、ところどころで渋滞ができた。水曜日でこれなのに週末はどうなってしまうのだろう。
タイミングの良いベンチ毎に軽く休憩し合戦小屋に到着。800円のスイカは購入を迷ったが、食べて正解だった。ほてった体が冷えて落ち着く事ができた。登山者の9割方は食べていたように思う。合戦小屋を出て1時間ほどで燕山荘に到着。とりあえず軽く食事をし、ザックをデポして燕岳に向かう。コマクサ、雷鳥、イルカ岩などを眺めながら気持ちよく山頂に到着。素晴らしい景色だ。残念ながら槍ヶ岳だけにはガスがかかっているが裏銀座方面は綺麗に見る事ができた。山頂で燕山荘に泊まろうか大天井岳まで行くか悩んでいた所、初老の夫婦から助言をいただいた。2日間で槍ヶ岳まで行き、空いた1日で大キレットに行ってはどうか。南岳で自分の体力の余力と天気によっては大キレットを諦めて天狗原に行くのも良いのじゃないかと。そうだ大キレットがあるじゃないか。数年前の会山行時に直前で行けなくなった大キレットだ。燕山荘のオヤジのアルペンホルンは次回という事にして、1日目に大天井岳まで行く事を決断した。
ほとんどの人が燕山荘泊まりのようだった。そんな中、大天井岳に向かう。この燕岳〜大天井岳の稜線歩きは、まさしく表銀座にふさわしく、最高に気持ちよく、ちょっとミーハーな感じだった。コマクサの群生がずっと続いていて、だんだんと有り難みが失せてきた。多少のアップダウンはあるがほとんど水平移動、しかも涼しいので汗もかかない。大天井岳の分岐で大天荘か大天井ヒュッテに泊まるかで少し悩んだ。大天荘なら大天井岳に登れるので晴れていれば良い景色を見る事ができる。また大天井ヒュッテなら巻道なので楽に行ける。燕山荘で一緒にお昼を食べた女子大生二人組が大天井ヒュッテに行くというので非常に気持ちが揺らいだが、景色優先で大天荘にした。
大天井岳では素晴らしい景色が待っていた。槍も姿を現してきた。裏銀座方面は名前がわからないので聞いてみるが、すぐに忘れてしまう。どうも行った事がない山は聞いても頭に残らないようだ。大天荘で一緒に食事を共にした人たちは、なかなか楽しかった。我々のテーブルだけが食事が終わった後もずっと話し込んでいた。私以外は大天井岳から常念岳・蝶ヶ岳への縦走だった。石川県から来た70代の老夫婦は中房温泉〜燕山荘〜大天荘〜常念小屋〜蝶ヶ岳ヒュッテ〜上高地と6泊7日の大名登山だと言って楽しそうだった。寝床は2段になっていて綺麗なふとんにシュラフがセットになっていた。水曜日のためかゆったりと寝る事ができた。
翌朝起きてみるとガスだらけだった。しかし、そのまま外でボーっとしていたらだんだんとガスが無くなってきた。すぐに大天井岳に向かう。頂上では10人ほどが御来光を待っていた。槍・穂高がだんだんと見えてきて、陽が登る頃にはすっかりガスが取れて360度のパノラマになってしまった。やっぱり大天荘を選択して正解だった。
大天荘から槍に向かう人は少なかったが、富山から一人で来た人と大阪から来た3人組と何となくチームが出来て槍まで行動を共にした。大天井岳から西岳に向かう稜線はまさしく表銀座で、だんだんと槍が大きくなってきて楽しかった。ついつい“ギンザ、ギンザ、ギンザ”と山内賢と和泉雅子のデュエットソングが口に出てしまうあたりに歳を感じる。西岳ヒュッテではトマト(300円)とハーゲンダッツアイスクリーム(500円)を食べたが合戦小屋のスイカほどのインパクトは無かった。西岳〜水俣乗越〜槍ヶ岳山荘の東鎌尾根が今回の中では一番きつかった。西岳から水俣乗越まで一気に200M以上も下り、そこからまた急登を登り返す。しかもハシゴだらけだ。水俣乗越では槍沢から登ってきた大阪のプロカメラマンが一緒になり我々のグループは6人になった。6人が完全に一緒ではないが付かず離れずという感じで行動し、休憩はほとんど一緒だった。カメラマンは大キレットに行くというので一緒に行こうという事になった。ヒュッテ大倉付近で昨日の女子大生二人組を追い越し、きつかった登りが終わり槍ヶ岳山荘に着くと、そのまま飲み会に突入した。槍の穂先にガスが掛かっていたため登頂は明日という事にして生ビールを3杯ほど飲んだ。ジョッキ一杯1000円もするが飲まない訳にはいかないという感じだった。槍ヶ岳山荘ではやっと携帯が通じた。どこの稜線でもだめだったFOMAだったが、ここには専用アンテナがあるようだった。ウキウキ気分で早速自宅に電話してみると、なんと葬式が出来たからすぐに帰ってくるようにとの事。またしても大キレットはおあずけになった。寝床は一人が半畳ほどのスペースしかなかった。そこでカメラマンが機転を利かし小屋側と交渉し自炊組の棟に変更してもらった。こちらはガラガラで6畳くらいのスペースに二人で寝た。多少ふとんが湿っぽかったが狭いよりは良かった。
翌朝は暗いうちからヘッドランプを付けて頂上へ向かったが意外と簡単に着いてしまった。食事をしてから登る人が多いらしく思ったより空いている。20人ほどの人が御来光を待った。薄暗がりから、段々明るくなっていく様が何とも美しい。笠ヶ岳に槍のシルエットができて綺麗だった。大天井岳も良かったが、やっぱり槍だ。一緒に登ったカメラマンがたくさん写真を撮ってくれ下山後に送ってきてくれたのは嬉しかった。
食事後、大キレットに行くカメラマンにお別れをし槍沢を下った。雪渓があるので涼しくて気持ちが良い。金曜日のためか登ってくる人がやたらに多くて待ちが多かった。
横尾・上高地間は行きで使うと良いのだが帰りに使うと結構長く感じる。それでも景色が良いのでそれなりに楽しめた。上高地に着いてバスのチケットを買うとすぐに生ビールに直行した。その後、バス〜松本電鉄〜JRと乗り換えて穂高駅に到着。しゃくなげ荘で3日分の汗を流し帰路についた。
私のはじめての泊まりの単独山行はロケーション・天気・仲間に恵まれて最高の山行となった。大キレットはおあずけになったが、表銀座だけでも十分すぎるくらいに楽しめた。来年の夏はぜひ裏銀座に行ってみようと思っている。
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