船で行く山、天上山 砂漠そしてバームクーヘンを見に(神津島・天上山)
- GPS
- 25:52
- 距離
- 39.5km
- 登り
- 1,436m
- 下り
- 1,457m
コースタイム
11:44 10合目
12:18 表砂漠
12:45 裏砂漠
13:20 櫛ヶ峰分岐
13:35 櫛ヶ峰
14:14 天上山山頂
14:38 白島登山口
天候 | 1/7 晴れ 波高く風強し 1/8 曇り 波、風ともにおだやか |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
東海汽船大型客船 竹芝 1/6 22:00発 神津島 1/7 10:00着 運賃 6330円 帰り 神新汽船客船 神津島 1/8 14:00発 下田 1/8 16:20着 運賃 4000円 下田からは伊豆急線、JR、小田急線を乗り継いで帰宅。 ちなみに伊豆急下田〜新宿は、運賃3070円。各停のみで約3時間40分かかります。 ※東海汽船は、金券ショップで株主優待券(1枚300円〜400円)を入手すれば35%引きで乗れます。 ネット予約でも15%引きになりますが、3日以上前からの予約が必要です。 神新汽船(下田便)は割引対象外なのでご注意ください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
天上山の登山道はいずれもよく整備されています。 危険個所や迷うようなところはありません。 ただし、櫛ヶ峰への登山道は廃道です。 藪が深く、砂地の痩せ尾根もあるので、行かれる方は注意してください。 登山口には、自由に使える杖が多数置いてあります。 登山ポストは見当たりませんでした。 沢尻キャンプ場、長浜キャンプ場は無料で利用できます(観光協会で申請が必要)。 船は、波の状況により欠航になる場合があります。 東京行きの大型客船は大丈夫でも、下田便は欠航というケースもあります。 欠航になったら次の日まで待つか、飛行機を利用しなければなりません。 ただし飛行機は、ガス缶、アルコール、固形燃料などの持込ができません。 装備には充分注意してください。 |
写真
感想
以前から気になっていた山、天上山。
新日本百名山、花の百名山、関東百名山に選ばれていて、東京にあるにもかかわらず、簡単には行けない山。
ヤマレコで検索してみると、行ってる人がいる。
しかも、楽しそう。
これはぜひ行かねば、と思い計画してみました。
大型客船で金曜の夜22:00発、神津島には朝10:00着。
船中泊だけど、行きはこれで大丈夫そう。
問題は帰り。
東京行きの船は、神津島を朝10:30に出て、夜19:45着。
うーん、もう少し島に滞在したいから、午後に出航する便があればいいんだけど。
調べると、14:00発下田行きの便がありました。
下田からは電車で帰ってくればいい。
これなら1泊2日でも充分楽しめそうです。
1日予備日がほしかったので、7〜9日の3連休で計画を立てました。
5日(木)の段階で状況を見ていると、風速10m、海は大しけ、下田便は欠航との表示。
あー、これは無理かな。
しかし、6日(金)になると状況が一変。風速5m以下に。
すぐに予約を入れ、その日の夜に船に乗り込みました。
二等和室は満席だったので、二等椅子席です。
これが大正解。
乗客が少ないので、4人掛けの席を独占して横になれます。
たぶん和室よりも快適なのでは。
さすがに大型客船。
揺れはほとんど感じません。
ただ、エンジン音はかなりうるさい。
耳栓を持っていったほうがよさそうです。
神津島で降りたのは20名ほど。
テン泊装備の人も1人。
とりあえず村営バスに乗って観光協会に移動します。
バスの運転手さんが気さくな方で、観光スポットや天気のことなど、いろいろと教えてくれました。
「今日のうちに登っておいたほうがいいよ」と教えてくれましたが。
本当にそのとおりで、翌日は曇り。
あの運転手さん、ただ者じゃないな。
観光協会でテン泊の受付を済ませ、ザックをコインロッカーに預けて。
ん、45Lザックだと大型ロッカー(500円)じゃないと入りません。
15Lザックに必要なものを詰めて出発。
黒島登山口までは、車道歩き。
住宅街のすぐ先に天上山が見えていて。
振り返ると海が広がっていて。
なんだか不思議な感覚です。
黒島登山口から登ります。
杖を2本借りてダブルストックに。
で、登りはずーっと階段。
10合目までひたすら階段ですが、景色がいいので飽きることはありません。
5合目で1人追い越しました。
先ほど、同じ船に乗っていたテン泊装備の人です。
聞くと、多幸湾から直接歩いてきたとのこと。
なるほど、そのほうが早く登山口に到達できるようです。
10合目到着。
もう、どっちを見ても絶景です。
表砂漠、裏砂漠と進んでいくと、景色が一変。
今まで見たこともないような風景が目に飛び込んできます。
「すげー、すげー」と呪文のように呟きながら。
しかし、むちゃくちゃ風が強い。
ためしに垂直にジャンプしてみました。
数センチ後ろに着地。
昨日は、もっとすごい風だったらしい。
櫛ヶ峰の分岐までやってきました。
観光マップでは、「登山道崩壊」などと書かれていますが。
特に、立ち入り禁止にはなっていません。
行ってみます。
急下りだけど藪が深く、足元が見えません。
杖で探りながら慎重に下りていきます。
で、目の前に広がる絶景。
巨大なバームクーヘンです。
砂地の層なのに、崩れずに残っているのが不思議ですね。
しかも、工事で発見されたのではなく、自然にこうなったのがスゴイ。
ここでバームクーヘン食べたらおいしいかも。
※櫛ヶ峰に行かれる方は注意してください。
夏は、藪が相当深くなることが予想されます。
松の枝が何本も突き出ているので、刺さります。
砂地の痩せ尾根があり、滑ったらたぶん止まりません。
谷に引き込まれるような踏み跡もあるので、帰り道はさらに注意が必要です。
この後、天上山をぐるっとひと回りして、白島登山口へと下りていきます。
こちらはずっと樹林帯の中。
眺望もないので、軽く走って時間短縮です。
けっこう早く下山できたので、物忌奈命(ものいみなのみこと)神社と郷土資料館へ。
神津島の歴史と成り立ちを勉強してきました。
山行後、時間があるときは、できるだけ郷土資料館に立ち寄るようにしています。
ネットでは調べられない、様々な情報が得られます。
ザックを回収して沢尻キャンプ場へ。
日没前にテントを設営します。
ほかには1張り。
さきほど会った方のようです。
どうしても気になるのが、後ろにそびえ立つ廃ホテル。
まさにバブルの遺産。
ちょっと中に入ってみました。
と、廃ホテルにテントを張っている人が。
釣り客でしょうか。
この後、温泉に入って、波打ち際でビール飲んでから就寝。
夜の海って、けっこう好きなんですよね。
でも、波の音がうるさくてあまり眠れなかった。
翌日は島内探索。
天気は曇りですが、風はほとんど吹いていません。
まずは島の北側。
海岸線にそびえ立つ奇岩、豪華な赤崎遊歩道など、本当に楽しい。
沢尻キャンプ場に戻って、テント撤収。
まっちゃーれセンターへ寄ったら、昨日会ったテン泊装備の方が船を待っていました。
これから大島へ行き、その後は三宅島へも行く予定だとか。
島巡りの旅ですか、うらやましい限りです。
今日の出航は、すべて神津島港から、となっていました。
波がおだやかなのでしょう。
神津島港のほうが何かと便利。
14時発なので、13時過ぎに戻ってくれば大丈夫なはず。
よっちゃーれセンターで朝ごはんを食べようと思ったら。
営業時間は11時〜14時とのこと。
仕方ないので、近くの商店でパンとチョコレートを購入しました。
そして、島の南側へ。
流人墓地、ジュリアの十字架、神津島灯台と。
どちらかというと、歴史的なスポットが多いようです。
空港まで行ける破線ルートがあるようなので、ちょっと行ってみようと思いましたが。
背丈を超える、ものすごい藪。
あきらめて、神津島港に戻ります。
神津島港に戻ってきたのが12時ちょうど。
よっちゃーれセンターでゆっくりご飯食べようと思ったのですが。
下田便が急遽、多幸湾に変更になっていました。
しかも出航時刻が13時20分に早まったらしい。
島内放送が流れたようですが、島の端までは聞こえないんですね。
神津島港から多幸湾まで、歩くと1時間半。
間に合いません。
バスは11時40分に出てしまいました。
タクシー呼ぼうか、それともヒッチハイクか。
迷っていると、東海汽船の方が車で送ってくれるとのこと。
みなさん、本当に親切ですね。
30分ほど余裕ができたので、よっちゃーれセンターでおさしみ定食をいただきました。
ついでに島焼酎も飲んで。
無事、下田便に乗り込み出航です。
船が小さいのでかなり揺れます。
波はおだやかなはずなのですが。
大型客船とは違うんですね。
乗客は、全部で10人ほど。
話を聞くと、昨日はとんでもなく揺れたとか。
転覆するかと思うほどだったそうです。
見ると、ほとんどの人が船室で横になってじっとしています。
揺れ対策ですね。
下田便を利用される方は、覚悟しておいてください。
16時頃、下田港に到着。
港から徒歩5分のところにある、温泉の銭湯に寄ってから電車に乗りました。
さて、神津島。
本当によいところです。
人も温かいし、食事もうまい。
天上山の絶景、帰ってからも夢に出てきます。
暖かい季節には、また違った表情を見せてくれるでしょう。
もう一度行ってみたい。
でも、下田便はできれば使いたくない、かな。
※今回の山行は、zawadaさん、muscatさんのレコを参考にさせていただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。
コメント
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お疲れさまでした<(_ _)>
山行記録の行程・感想・写真 等々 すごい の
一言です
私は船は全くだめなんですが
本当にスゴイ!、素晴らしい 山行記録をみせていただきました
westmalleさん、
いつもながら、自由な発想というか思いつく角度が凄いです。また今年も色々とやっておくんなはれ、と楽しみモード。
いや、東京から船で山に(島に)行こうかという発想すら私にはありませんでした。新百名山だとは。
しかしバブル期の廃ホテル、テント張らずに中のベッドで横になった方が。。。って気もしますがそこはやっぱり潮騒聴きながらテン泊が味ってことなんですね。
いずれにせよ、新年早々、眼から鱗なレコありがとうございました。
こんばんは、westmalleさん
天気もよくて、最高でしたね
しかも株主優待で35%offとは、そんなのがあったんですね。
いい事を教えていただきました。
今度行く時は私もその手を使わせていただきましょう
それにしてもやっぱり天上山は天気のいい日に登った方が
全然魅力がありますね。
私の時は天気イマイチだったのでうらやましいです
いいレコを拝見させていただきました
コメントありがとうございます。
今回、このような山行ができたのも、ヤマレコのコミュニティのおかげなんです。
他の人のレコを参考にして、計画を立てることができますから。
「神津島」で検索すると、何件か出てくると思いますので、ぜひご覧になってください。
zawadaさん、muscatさんも素晴らしい山行をされています。
船は苦手ですか。
いえいえ、飛行機という手もありますよ。
ちょっと高いですけど。
では。
なんだか島巡りの山行、はまりそうです。
船で知り合った人も、伊豆諸島のそれぞれの山に登っていると言ってました。
山登り+船旅が楽しめて、一石二鳥なんですよね。
そうそう、廃ホテル。
ベッドで寝ようかな、と一瞬考えました(笑)。
でも、後で調べたら心霊スポットらしいです。
とても泊まる勇気はありません。
神津島、いいとこですよ。
ShuMaeさんもいかがですか。
天候にはホント恵まれました。
最高の状態で天上山を満喫できて大満足です。
株主優待の情報、実は船に乗ってから知りました。
釣り客のおじさんが教えてくれたんです。
「伊豆諸島行くなら常識だよ」と。
株主優待券は、当日の電話予約でも割引が効くはずです。
なので、天気の状態を確認してから申込が出来ます。
こういう情報も共有できるのがヤマレコのいいところですね。
muscatさんの次のレコも楽しみにしております。
では。
westmalleさん、またまたこんばんは。
奥武蔵のレコのコメントでwestmalleさんが天上山へいったことを知って、このレコを拝見しました。
神津島へは小学生のころ、夏休みに父親に連れられて、何回か行ったことがあります。天上山にも登りました。今思えば、それが私の初登山だと思います。その時と山の雰囲気は変わってなくて、大変懐かしく、子供のころの出来事も一緒に思い出されました。
でも海のずいぶん変わったようですね。遊歩道や は当時はありませんでした。大きな港も、多幸湾にはありませんでしたので、船の発着は神津島港のみでした。
当時の記憶としては、多幸湾へ行く途中、道路が峠を越えて多幸湾へ下りていく所からみた多幸湾とその上にそびえる天上山の絶景が忘れられません。
このときの島体験が原体験になって島にあこがれるようになったのか、大学時代には当時はまだあまりメジャーではなかった沖縄の離島や無人島へ行き、一人で島内探検をしていましたが、westさんのこのレコでの神津島探索を読んで、そのことも懐かしく思い出しました。
そしてまた、あの頃のように島探検をするのも良いなあと、見直しました。
神津島へは妻を連れてそのうち行こうと思っておりましたので、その際にはこのレコを参考にさせていただきます。
天上山が初登山なのですね。
あの絶景、子供の頃に見たら感動もひときわ大きいでしょうね。
神津島も一時期の離島ブームのおかげで、遊歩道や港を整備し、温泉も作ったようですね。
その頃にリゾートホテルも作られたようですが、すっかり廃墟と化してます。
ブームが過ぎて十数年。
今では、落ち着いた観光地として楽しめるようになりました。
このレコは1月に行ってますが、充分暖かかったです。
夜も、モンベルの#3で暑いくらいでした。
冬のほうが、人が少ないのでオススメです。
夏のシーズンだと、海水浴・ダイビング客ですごいことになりますから。
伊豆諸島は、近々また行く予定です。
一度、無人島の八丈小島で登山してみたいと思っているのですが。
なかなか難しいようですね。
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