大沢山-カヤノキビラノ頭-笹子峠 〜かくも遠き峠掘繊B56
- GPS
- 08:11
- 距離
- 20.6km
- 登り
- 1,405m
- 下り
- 1,379m
コースタイム
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 8:09
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
甲斐大和駅発16:15 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ヤマプラ(昭文社の地図)では破線表示ですが、落葉に隠れても概ね踏み跡はわかりやすく、終始狭い尾根道を歩くので、道迷いはし難い(はずです)。 ただし、ボッコノ頭まで豊富に有ったテープは、以降全く無くなり、ところどころ立ち止まって確認する必要があります。 道標は各ピークには有りますが、中尾根ノ頭にはそれも有りません。 東へ伸びる中尾根に向わないよう留意。改めて写真で確認しても進むべき道に見えますが、すべきことは北へ転進、薮をかき分け、道を探すことでした。 樹木に遮られ、眺望がほとんど期待できないため、快晴時には勿体ないかもしれません。真冬に静かに歩くのも良いかもしれませんが、積雪時には、カヤノキビラノ頭から中尾根ノ頭の間に在る岩場の通過に手間取ります。 |
その他周辺情報 | 時間が合えば、折り返し地点である日影上からコミュニティバスに乗り、300円でやまと天目山温泉に行けます。 |
写真
感想
久々の低山歩き。長距離、通行量少なく、決して安易に考えていなかったが、出だし、終盤近く、やってしまった。不注意が招く道間違い。過信、思い込み、深く反省している。
松本行きは始発の八王子駅で既に満席、高尾駅から乗車していたら笹子駅まで立つところだった。降車後すぐに登山口に向かう。国道20号線を西へ、追分から神社の裏を登ればよい。ほどなく追分に到着、準備を整え、歩き始めた。そして、いつぞや通ったトンネルに差し掛かり、気付いた。
尾根道はトンネルの上部に在る。「戻るか。いや、しばらくは平行に進む。道無くともどこかで上がれるだろう」結果、その過信に、振出しに戻りやり直すことよりも遥かに体力を消耗させられた。
歩くべき尾根道への「復帰」を虎視眈々と狙いながら、清八峠への道を進む。発電所を過ぎ、渡渉できるほど沢が細くなった頃、「天候この上なく良好、本社ヶ丸に登り、富士山を望むのもよい」計画変更を思い始めた。そんな矢先、登山口の500メートルほど手前で尾根方向に上がって行く道に遭遇する。
即決だった。「尾根まで標高差250メートル。いずれ消えても、最初から道なき斜面を登るよりも遥かに短時間で進めるだろう」道はしっかりと九十九折に上昇し、そして予想どおりか細い踏み跡となり、消失した。なおも等高線に沿いながら徐々に高度を上げて行く。
しばらく進んだのち、松の枝をうるさく感じ始め、残る50メートルの直登を敢行することにした。灌木の薮をかき分けながら進む。振出しに戻らなかったこと、たとえ破線だろうが道を辿らなかったこと、十分に後悔していた。
9時30分、尾根に乗る。一般道の何と優しく有難いことか。大沢山への急登も苦にならず、歩くに連れ、体力が甦ってくるような錯覚すら覚えた。女坂峠への分岐を過ぎると間もなく山頂に到着する。出発から2時間半、予定の時間だった。
ベンチに座り、しばらく茫然としたのち、次なるピーク、ボッコノ頭に向かう。テープはふんだんに有り、狭い尾根ゆえ、ルートに迷いはなかった。コースタイムどおり45分後に到達した。
藤野木方面への道に、誘うようにテープが乱舞している。広めの山頂、肝心の摺針峠への道がわからない。北に進路を定め、不明瞭な踏み跡を追う。急降下するも、尾根は外さない。ようやく道らしき道を進むことができた。
しばらく気持ちの良い道が続く。峠まで、あまり記憶に残らないほど順調に歩んだ。12時、摺針峠を通過、大洞山、カヤノキビラノ頭に向けて、今日最後の登りにかかる。テープは皆無、眺望は相変わらず得られなかった。
カヤノキビラノ頭は予想以上に心地よい場所だった。激しい5時間の後だけに、静けさと柔らかい陽射しに癒された。陽の光に照らされた紅葉が一際美しい。ここから目的地の笹子峠まではおよそ1時間、穏やかなる時間を期待し、ザックを背負った。
下り基調の道をやや足早に進む。中尾根の頭には呆気なく到着した。標識が無いのには何か理由があるのだろうか。ぼんやりと、程よい幅の尾根道を歩き始めた。けれどもほぼ直線状に続くそれは、行ってはならない道だった。尾根が分割する地点でようやく気付く。
情けなさを紛らわすため、急ぎ戻る。再び立ったその地点で、冷静に進路を見定める。藪を少しかき分ければ明瞭な踏み跡が北へ続いていた。15分の時間を取り戻すために、峠までの道を慎重かつハイペースで下りてゆく。午後2時、木々に覆われた空間は既に薄暗い。
笹子峠の切通しには、爽やかな風が吹き抜けていた。不思議なほど静かな空間、2年前の早春、しんしんと降り続いていた雪を思い出す。お気に入りの場所にもう少し留まりたかったが、甲斐大和駅まで2時間半の道標に怖気づく。
笹子隧道甲州市側の入口を見ながら、甲州街道峠道に入る。予想以上に快適な道だった。そして、その後の長い舗道歩きを思えば、もう少し続いて欲しかった。
清水橋の起点を過ぎ、旧甲州街道をとぼとぼ歩く。変化の無い3キロメートルを経て、バスの折り返し点、日影上に着いた。ここからやまと天目山温泉までバスで行き、まいたけ天ぷらを食べる姿が思い浮かんだが、食欲に勝る睡眠欲がそれを許してくれなかった。
再びとぼとぼと歩き始める。駅までの残りの行程は、今日の道のり半分に匹敵する重さだった。国道20号を渡り、駅のベンチに座り込む幸せを想像しながら最後の登り坂を進む。道の両側に、寄り道できる場所は無い。歩程20キロメートル、8時間の旅を終えた時、過ったのは紅葉の華やかさではなく、霧氷の潔さだった。
コメント
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kimichin2さん、こんばんは。
私は昨年から今年にかけ、都合3回大沢山に登りました(うち2回は清八山〜笹子峠の分割縦走の途上、1回は大沢山そのものの登頂目的)
大沢山から下山の際、ルートロスして道なき道を下った経験がありますので、地図にはない道を登って大沢山に通じる尾根を登られたとのこと、どこを通られたのだろうと思い、他人事とは思えず、コメントさせていただきました。
写真3の登山道は、清八山登山の際に傍らを通過した記憶があります。そこを登って尾根に出られたのですね。
それにしても日の短いこの季節に難関のロングコースをご無事に歩ききられて何よりでした。
大沢山〜笹子峠のコースは、静かでいいコース。もっと整備が進んで歩きやすくなるといいですね。(そうすると歩く人が多くなって静かでなくなる?)
toshishun様
おはようございます。
振出しに戻らなかったために、何倍もの労力を費やしてしまいました。
反省です。
大沢山に着いた時には、とにかくほっとしました。
山中(というより駅から駅まで)誰にも会わず静かな山行でした。
晩秋から冬にかけて、静かで、少しだけ「冒険」の山旅をしたいと思っています。(全然反省していない)
でもこの季節、「15時には人里に下りる」は守るつもりです。
toshishun様の「冒険」レコを楽しみにしています。
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