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Yamareco

記録ID: 1623226
全員に公開
ハイキング
富士・御坂

大沢山-カヤノキビラノ頭-笹子峠 〜かくも遠き峠掘繊B56

2018年10月21日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
08:11
距離
20.6km
登り
1,405m
下り
1,379m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:50
休憩
0:19
合計
8:09
7:41
79
9:00
9:00
30
直登開始
9:30
9:30
38
尾根に乗る
10:08
10:14
46
11:00
11:00
40
11:40
11:40
21
12:01
12:01
22
12:23
12:23
16
12:39
12:49
40
13:29
13:29
18
13:47
13:47
28
14:15
14:18
32
14:50
14:50
60
甲州街道峠道起点
15:50
甲斐大和駅
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2018年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
笹子駅着7:33
甲斐大和駅発16:15
コース状況/
危険箇所等
ヤマプラ(昭文社の地図)では破線表示ですが、落葉に隠れても概ね踏み跡はわかりやすく、終始狭い尾根道を歩くので、道迷いはし難い(はずです)。
ただし、ボッコノ頭まで豊富に有ったテープは、以降全く無くなり、ところどころ立ち止まって確認する必要があります。
道標は各ピークには有りますが、中尾根ノ頭にはそれも有りません。
東へ伸びる中尾根に向わないよう留意。改めて写真で確認しても進むべき道に見えますが、すべきことは北へ転進、薮をかき分け、道を探すことでした。

樹木に遮られ、眺望がほとんど期待できないため、快晴時には勿体ないかもしれません。真冬に静かに歩くのも良いかもしれませんが、積雪時には、カヤノキビラノ頭から中尾根ノ頭の間に在る岩場の通過に手間取ります。
その他周辺情報 時間が合えば、折り返し地点である日影上からコミュニティバスに乗り、300円でやまと天目山温泉に行けます。
まごうことなき快晴の下、勝手知ったる笹子駅を発つ。
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まごうことなき快晴の下、勝手知ったる笹子駅を発つ。
追分で清八峠方向へすたすたと歩き始める。懐かしいトンネルを前にしてようやく気がついた。歩くべき道はトンネルの上にある。
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追分で清八峠方向へすたすたと歩き始める。懐かしいトンネルを前にしてようやく気がついた。歩くべき道はトンネルの上にある。
出だしの痛恨のミスを引きずりながら、尾根道への復帰を狙っていた。「天気も良いし本社ヶ丸で富士山を見るか」予定変更を考え始めたとき、尾根に通じそうな、地図にない道を見つけた。
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出だしの痛恨のミスを引きずりながら、尾根道への復帰を狙っていた。「天気も良いし本社ヶ丸で富士山を見るか」予定変更を考え始めたとき、尾根に通じそうな、地図にない道を見つけた。
はっきりした道ではないか。地理院地図では廃道扱いの旧道かもしれない。
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はっきりした道ではないか。地理院地図では廃道扱いの旧道かもしれない。
道は踏み跡へ、踏み跡は徐々にか細く。逆方向への進行と松の枝を嫌い、強引に直登を敢行する。残り標高差およそ50、当然のごとく体力を消耗する。
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道は踏み跡へ、踏み跡は徐々にか細く。逆方向への進行と松の枝を嫌い、強引に直登を敢行する。残り標高差およそ50、当然のごとく体力を消耗する。
9時30分、尾根に乗った。素直に登山口から女坂峠経由で復帰するべきだったかもしれない。それにしても一般道の何と有難いことか。
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9時30分、尾根に乗った。素直に登山口から女坂峠経由で復帰するべきだったかもしれない。それにしても一般道の何と有難いことか。
大沢山直前の分岐。笹子駅へ道跡不明瞭、とある。
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大沢山直前の分岐。笹子駅へ道跡不明瞭、とある。
大沢山に到達。予定外に「充実した」2時間半だった。思わずベンチに腰を下ろす。
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大沢山に到達。予定外に「充実した」2時間半だった。思わずベンチに腰を下ろす。
やはり大きな存在。今日は最初で最後の対面だった。
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やはり大きな存在。今日は最初で最後の対面だった。
ボッコノ頭越しに遠く南アルプス。
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ボッコノ頭越しに遠く南アルプス。
急降下する。倒木激しく、ところどころザックを下ろし通過した。
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急降下する。倒木激しく、ところどころザックを下ろし通過した。
華やかなテープたち。こんなになくても、、
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華やかなテープたち。こんなになくても、、
ボッコノ頭。ここも眺望無し。テープは藤野木方面へと続いている。
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ボッコノ頭。ここも眺望無し。テープは藤野木方面へと続いている。
山頂からいきなり道がわからない。
4
山頂からいきなり道がわからない。
いよいよ危うくなってきた。
3
いよいよ危うくなってきた。
振り返る。どうやら間違えてなかった。
3
振り返る。どうやら間違えてなかった。
なかなか気持ちの良い道が続く。
4
なかなか気持ちの良い道が続く。
12時、摺針峠に到達。道中、全くテープ無し。道標、有るはずも無し。さすがにここには有ったが。
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12時、摺針峠に到達。道中、全くテープ無し。道標、有るはずも無し。さすがにここには有ったが。
大洞山。
カヤノキビラノ頭。ここまで怒涛の5時間。こののちは穏やかな尾根歩きを期待して、軽い食事。
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カヤノキビラノ頭。ここまで怒涛の5時間。こののちは穏やかな尾根歩きを期待して、軽い食事。
森のほっとスポット整備事業。もう少し整備の速度を上げてくれるといいなあ。きっと眺望の良い場所、多いはずだから。
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森のほっとスポット整備事業。もう少し整備の速度を上げてくれるといいなあ。きっと眺望の良い場所、多いはずだから。
眺望ないけど、とにかく静か、何となく贅沢。
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眺望ないけど、とにかく静か、何となく贅沢。
おだやかな彩。
今日の相棒。今日の目的地に向かって出発。
3
今日の相棒。今日の目的地に向かって出発。
いきなりの手?思わず見上げた。
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いきなりの手?思わず見上げた。
大菩薩方向に開ける。
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大菩薩方向に開ける。
こちらは本社ヶ丸、三つ峠方向。
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こちらは本社ヶ丸、三つ峠方向。
もう少しで紅葉ピークに。
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もう少しで紅葉ピークに。
吸い込まれそうな崖だった。
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吸い込まれそうな崖だった。
中尾根ノ頭。ここは道標が欲しい。
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中尾根ノ頭。ここは道標が欲しい。
行ってはならない中尾根。疑いもなく、進んだ。
3
行ってはならない中尾根。疑いもなく、進んだ。
見上げれば青空と華やかな葉たち。こののちようやく道間違いに気づき、呆然とする。
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見上げれば青空と華やかな葉たち。こののちようやく道間違いに気づき、呆然とする。
往復700m、時間にして15分のロス。よく見れば誰かが置いた「こっちはだめです」が有った。
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往復700m、時間にして15分のロス。よく見れば誰かが置いた「こっちはだめです」が有った。
標識無いなと思っていたら、誤った場所に立っていた(落ちていた)。
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標識無いなと思っていたら、誤った場所に立っていた(落ちていた)。
この時間でこれだ。進むのを躊躇う。
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この時間でこれだ。進むのを躊躇う。
着いた!14時14分、出だしで躓き、終盤近くで外した山行だったが、目的地の笹子峠に到着できた。峠に着いて感激したのは、伊豆山稜歩道を歩ききって天城峠に着いたとき以来かなあ。
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着いた!14時14分、出だしで躓き、終盤近くで外した山行だったが、目的地の笹子峠に到着できた。峠に着いて感激したのは、伊豆山稜歩道を歩ききって天城峠に着いたとき以来かなあ。
笹子隧道甲州市側から甲州街道峠道に入る。沢沿いの明瞭な道だった。
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笹子隧道甲州市側から甲州街道峠道に入る。沢沿いの明瞭な道だった。
起点近くになるとこんな手すりも。
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起点近くになるとこんな手すりも。
清水橋。峠道の起点。
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清水橋。峠道の起点。
それから車道を歩くこと1時間。長かったがようやく甲斐大和駅に着く。「駅から駅」を歩き通せた。感謝。そういえば笹子駅を出てからここに着くまで誰にも会わなかったなあ。
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それから車道を歩くこと1時間。長かったがようやく甲斐大和駅に着く。「駅から駅」を歩き通せた。感謝。そういえば笹子駅を出てからここに着くまで誰にも会わなかったなあ。

感想

 久々の低山歩き。長距離、通行量少なく、決して安易に考えていなかったが、出だし、終盤近く、やってしまった。不注意が招く道間違い。過信、思い込み、深く反省している。

 松本行きは始発の八王子駅で既に満席、高尾駅から乗車していたら笹子駅まで立つところだった。降車後すぐに登山口に向かう。国道20号線を西へ、追分から神社の裏を登ればよい。ほどなく追分に到着、準備を整え、歩き始めた。そして、いつぞや通ったトンネルに差し掛かり、気付いた。
 尾根道はトンネルの上部に在る。「戻るか。いや、しばらくは平行に進む。道無くともどこかで上がれるだろう」結果、その過信に、振出しに戻りやり直すことよりも遥かに体力を消耗させられた。
 歩くべき尾根道への「復帰」を虎視眈々と狙いながら、清八峠への道を進む。発電所を過ぎ、渡渉できるほど沢が細くなった頃、「天候この上なく良好、本社ヶ丸に登り、富士山を望むのもよい」計画変更を思い始めた。そんな矢先、登山口の500メートルほど手前で尾根方向に上がって行く道に遭遇する。
 即決だった。「尾根まで標高差250メートル。いずれ消えても、最初から道なき斜面を登るよりも遥かに短時間で進めるだろう」道はしっかりと九十九折に上昇し、そして予想どおりか細い踏み跡となり、消失した。なおも等高線に沿いながら徐々に高度を上げて行く。
 しばらく進んだのち、松の枝をうるさく感じ始め、残る50メートルの直登を敢行することにした。灌木の薮をかき分けながら進む。振出しに戻らなかったこと、たとえ破線だろうが道を辿らなかったこと、十分に後悔していた。
 9時30分、尾根に乗る。一般道の何と優しく有難いことか。大沢山への急登も苦にならず、歩くに連れ、体力が甦ってくるような錯覚すら覚えた。女坂峠への分岐を過ぎると間もなく山頂に到着する。出発から2時間半、予定の時間だった。
 ベンチに座り、しばらく茫然としたのち、次なるピーク、ボッコノ頭に向かう。テープはふんだんに有り、狭い尾根ゆえ、ルートに迷いはなかった。コースタイムどおり45分後に到達した。
 藤野木方面への道に、誘うようにテープが乱舞している。広めの山頂、肝心の摺針峠への道がわからない。北に進路を定め、不明瞭な踏み跡を追う。急降下するも、尾根は外さない。ようやく道らしき道を進むことができた。
 しばらく気持ちの良い道が続く。峠まで、あまり記憶に残らないほど順調に歩んだ。12時、摺針峠を通過、大洞山、カヤノキビラノ頭に向けて、今日最後の登りにかかる。テープは皆無、眺望は相変わらず得られなかった。
 カヤノキビラノ頭は予想以上に心地よい場所だった。激しい5時間の後だけに、静けさと柔らかい陽射しに癒された。陽の光に照らされた紅葉が一際美しい。ここから目的地の笹子峠まではおよそ1時間、穏やかなる時間を期待し、ザックを背負った。
 下り基調の道をやや足早に進む。中尾根の頭には呆気なく到着した。標識が無いのには何か理由があるのだろうか。ぼんやりと、程よい幅の尾根道を歩き始めた。けれどもほぼ直線状に続くそれは、行ってはならない道だった。尾根が分割する地点でようやく気付く。
 情けなさを紛らわすため、急ぎ戻る。再び立ったその地点で、冷静に進路を見定める。藪を少しかき分ければ明瞭な踏み跡が北へ続いていた。15分の時間を取り戻すために、峠までの道を慎重かつハイペースで下りてゆく。午後2時、木々に覆われた空間は既に薄暗い。
 笹子峠の切通しには、爽やかな風が吹き抜けていた。不思議なほど静かな空間、2年前の早春、しんしんと降り続いていた雪を思い出す。お気に入りの場所にもう少し留まりたかったが、甲斐大和駅まで2時間半の道標に怖気づく。
 笹子隧道甲州市側の入口を見ながら、甲州街道峠道に入る。予想以上に快適な道だった。そして、その後の長い舗道歩きを思えば、もう少し続いて欲しかった。
 清水橋の起点を過ぎ、旧甲州街道をとぼとぼ歩く。変化の無い3キロメートルを経て、バスの折り返し点、日影上に着いた。ここからやまと天目山温泉までバスで行き、まいたけ天ぷらを食べる姿が思い浮かんだが、食欲に勝る睡眠欲がそれを許してくれなかった。
 再びとぼとぼと歩き始める。駅までの残りの行程は、今日の道のり半分に匹敵する重さだった。国道20号を渡り、駅のベンチに座り込む幸せを想像しながら最後の登り坂を進む。道の両側に、寄り道できる場所は無い。歩程20キロメートル、8時間の旅を終えた時、過ったのは紅葉の華やかさではなく、霧氷の潔さだった。

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コメント

笹子 大沢山
kimichin2さん、こんばんは。

私は昨年から今年にかけ、都合3回大沢山に登りました(うち2回は清八山〜笹子峠の分割縦走の途上、1回は大沢山そのものの登頂目的)
大沢山から下山の際、ルートロスして道なき道を下った経験がありますので、地図にはない道を登って大沢山に通じる尾根を登られたとのこと、どこを通られたのだろうと思い、他人事とは思えず、コメントさせていただきました。
写真3の登山道は、清八山登山の際に傍らを通過した記憶があります。そこを登って尾根に出られたのですね。

それにしても日の短いこの季節に難関のロングコースをご無事に歩ききられて何よりでした。

大沢山〜笹子峠のコースは、静かでいいコース。もっと整備が進んで歩きやすくなるといいですね。(そうすると歩く人が多くなって静かでなくなる?)
2018/10/28 21:36
Re: 笹子 大沢山
toshishun様
おはようございます。
振出しに戻らなかったために、何倍もの労力を費やしてしまいました。
反省です。
大沢山に着いた時には、とにかくほっとしました。

山中(というより駅から駅まで)誰にも会わず静かな山行でした。
晩秋から冬にかけて、静かで、少しだけ「冒険」の山旅をしたいと思っています。(全然反省していない)
でもこの季節、「15時には人里に下りる」は守るつもりです。

toshishun様の「冒険」レコを楽しみにしています。
2018/10/29 8:51
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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