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ハイキング
中国

平郡島・大嶽〜2,道迷い・彷徨の記

2011年12月13日(火) [日帰り]
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nobou その他1人
GPS
--:--
距離
3.7km
登り
320m
下り
317m

コースタイム

平郡東・羽仁10:15-12:40羽仁
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2011年12月の天気図
アクセス
2011年12月13日(火)
10:11 大嶽を目指す。
2011年12月13日(火)
10:11 大嶽を目指す。
10:20 登山口付近で獲物を探すkachan氏
10:20 登山口付近で獲物を探すkachan氏
12:11 水田近くまで降りてイノシシの足跡を発見
12:11 水田近くまで降りてイノシシの足跡を発見
同 ヌタ場らしい
同 ヌタ場らしい
同 水路発見
同 水路を辿って下る
同 水路を辿って下る

感想

 前回の大嶽登山の翌日,わが高校同期会のハイキンググループ『ウロウロ会』のメンバー6人が島にやって来て平郡西地区から東地区までの13kmを歩き、みかん狩りを楽しんだことは先仁書いたが、島を去る日の船便(14:00)までの数時間を大半の同期生達が釣りを楽しんで過ごすことになった中で、1人kachan氏だけが私の提案に応じて大嶽に登ることとなり、10:10発,民宿大野屋から歩き始める。

 10:20,登山口となる神社を通過。一度登った道なので迷うことなく茅くぐりを抜け、先日間違えて登った右手のP162mと左手のP271m(大嶽)の間の細い谷道を通って鞍部に到達。倒れた電柱とフユノハナワラビを見て登山道を登り始める。
 前回見つけた目印を1つ,2つと確認し、3つ目の目印を見つける前に右手の見覚えのある大岩の傍らを通過する時,『一昨日はこんなに岩のすぐ傍を通ったかしらん・・?』と思った。
 その大岩を、一昨日はもっと離れた位置から見て難なく通り過ぎ、ほどなく3つ目の目印を見ていたはずだったと思いながら、『まぁ,それでも大きな違いはあるまい。少し歩けば登山道に合流するはずだ』と思うことにした。それが道迷いの始まりだった。
 相方が平素から山の中を歩き廻って、ヤマブドウだのサルナシ,マツブサと言った木の実やキノコなどを探し廻っている薮山の達人だと言うこともあってあまり気に留めず、無理を通して道理を引込めさせるべく、イケイケどんどんで遮二無二突き進んだのが間違いに間違いを重ねる結果となり、出航の刻限ギリギリまで彷徨うこととなった。

 頭の中にあるのは『本来の登山道よりもわずかに右に寄りすぎている』と言う認識だけである。それでもその差は大したことはないと考えていずれは大嶽の大岩にぶつかることを信じ、右に寄りすぎたのを修正しながら進むが、一向に大嶽らしい岩峰にはぶつからず、それどころか何時ピークを通り過ぎたものか高度を下げ始めたではないか・・。しかも畑の跡と思われる石垣と、道と思えばそれらしくも見える踏み跡のような場所まである。
 下っていることが決定的に思えた時点で、大嶽の右手(西)をかすめて五十谷三島への峠道につながる道に入り込んだのではないかと判断し、それ以上進むのをやめて引き返すことにした。

 その判断はおそらく間違っていなかったと思うが、問題は引き返し方である。後で2.5万図を見ると大嶽を中心に、電柱が倒れていた登り口と、自分達が迷って引き返したと思われる地点を結んで大きく弧を描くように破線が記されている。これを逆に戻ろうとして尾根から外れないように弧線上を引き返したつもりであるが、標高260mを越えた付近から一帯は広い丘のようになっていて大嶽に戻るにはよほど右に寄らなければならなかったらしい。
 逆に言えば来る時に相当左にカーブしていたと言うことなのだがそこまで屈曲したと言う自覚がなかった。そのため、大嶽(P271m)ではなく、大嶽とその北西にあるP287mとの中間点の広い丘状の場所にまで進んでしまったと思われた。
 大嶽の登山道の尾根と、P287mから北に延びる尾根との間には深い谷があるので、P287m付近にまで達した後、その谷を避けようとして北尾根を北に進んだのかもしれない。
 或いは畑の境界を示す石垣や踏み跡らしい所を選んで歩いたこと,途中から右の谷を避けて左寄りに歩いたことを考え合わせると、P287mの南側を通って西尾根を下り始めたのではないかとも思われる。地図で検討するとそちらの方が濃厚である。
 
 途中で小高い岩場を見つけて攀じ登り、大嶽からは左手に見える筈の掛津島が目の前に見えた時,自分達が帰路の登山口をはるかに通り越して大きく北西の海岸寄りに来ていることが分かった。ここで現在地を確認するために水無月さんに電話し、P162の北側にある取水口の沢の上部付近にいるらしいことを告げる。
 実際にはそこよりも更に北西寄りの今崎と神名崎と言う2つの岬に挟まれた、かつて水田のあった地点の上部にいたことが後で分かるのだが、兎にも角にもその水田跡地に向かって下ることにする。

 引き返すよりも谷を下ることを選んで尾根上の一番低い所から林の中を直に下る。幸い密林と言うほどではなく下るのに手間は取らなかったし、この一帯にも随所に石垣があってかつて畑だったことが分かり、下れば何とかなるだろうと一気に下ったところまではよかった。
 谷をほぼ下りきって幾分傾斜が緩やかになった辺りで石でついた頑丈な水路を発見し、これを辿れば難なく麓に出られると小躍りしたが、やがて林が尽きてかつて水田であったと思われる地点に到達した時、目の前に広がる草原に呆然となる。
 目の高さは平地とほぼ同じで向こうに海が見えており、海までの距離は200m程と思われた。だが背丈をはるかに越えるススキの密生に加えてイバラの群生が行く手を阻む。これを乗り越えて進むにいったいどれほどの時間がかかるのか・・?。おそらく刈り払い機で切り開きながら進んでも数時間はかかるのではないかと思われた。

 ズボンは穴だらけ,手は傷だらけになりながら素手でイバラで払い、足を高く上げてススキを踏み倒しながら進むことを試みるも10mが精一杯で、中央突破を諦めて林の末端,草原との境目に戻り、山際を大きく迂回しながら進んで行くと運よく先刻の水路を発見。ススキに埋もれた水路に潜り込み、時には匍匐前進して進めるだけ進むと今は使われない出づくり小屋が見え、最後の30mの薮を強引に乗り切って小屋に辿り着く。そこからは草のない小路があってようやく海岸線の市道に出る。
 そこははじめに水無月さんに伝えた場所より2kmも先だったので再度電話して迎えに来てもらい、何とか出航にも間に合って14:00,島を後にすることとなる。

 相方のkachan氏には申し訳ないことをしたが、迷ったお蔭で島の山道と山頂にまで至る畑のことを知ることができた。以前から不思議に思っていたことだが、この島では海や耕作地について語られることはあっても山との関わりが語られることは殆どない。しかるに山には『耕して天に至る』ほどの耕作地の跡があり、また2.5万図には登山道も記されている。
 大嶽登山を契機にこの島の人々の暮らしと山との関わりを調べてみたいと思った次第。

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