知床縦走[羅臼岳〜海別岳]
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- GPS
- 200:00
- 距離
- 80.3km
- 登り
- 5,088m
- 下り
- 5,222m
コースタイム
4日 知床自然センター-(2)-岩尾別温泉-(1.5)-WL530C1
5日 C1-(2.5)-極楽平-(0.5)-門上-(+)-流氷スロープco1000-(+)-門上-(1+)-WL800-(2+)-愛山荘C2
6日 C2-(2.5)-最低コル-(1+)-知西別Peak手前co1200-(0.5)-最低コル-(1.5)-愛山荘C2=C3
7日 C3-(2+)-最低コル-(1.5)-知西別Peak-(2)-遠音別肩-(2)-遠音別Peak-(1.5-遠音別下ポコ700西Co630C4
8日 C4-(4)-遠音別川co230二股C5
9日 stay C5=C6
10日stay C6=C7
11日 C7-(2+)-略奪点-(1+)-ラサ西コル-(0.5)-ラサ南コル-(2.5)-669手前-(2.5)-901北-(0.5)-糠真布川co750C8
12日 C8-(1.5)-海別岳co1100-(1+)-海別岳Peak-(1+)-樹限co700-(2)-峰浜
天候 | 4日:強い冬型 5日:北ヘリ 6日:気圧の谷の前面 7日:気圧の谷の前面 8日・9日・10日:冬型で寒気流入 11日:気圧の谷の通過 12日:高気圧の張り出し |
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過去天気図(気象庁) | 2011年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
峰浜からタクシーで知床斜里駅 |
写真
感想
3日 プロローグ ぶらり18切符の旅
朝から札幌はドカ雪も、車で余裕の回収。
こんな天気なのに多くの人が差し入れをもって見送りに来てくれた。ありがとうございます。
鈍行列車に揺られながら道東を目指す感じは学生らしくていい。
旭川で時間があったのでラーメン屋によって、適当に買い物する。
斜里についたのは真っ暗になってから。駅の中で少し飲んで、駅の横にテンパる。地味にLここのテンバは4泊目くらいのはずだ。
4日 ちょっと幸先悪いな〜
朝、最後のコンビニ飯を食べてバスに乗る。が、なんとこの始発バスは宇登呂までいかない。
知床自然センターを目指すなら高くついてもタクシーしかないようだ。
とりあえず宇登呂までいってヒッチを慣行。しばらくしておっさんに拾ってもらい自然センターまで。
準備していよいよ出発。
Preの重量化のおかげか、荷物はそれほど苦痛ではない。
除雪は結局、岩尾別橋まで入っていてここにはユースもある。ここが下山でよさそうだ。
岩尾別温泉までの林道は、最後の両岸狭まってくるあたりで雪崩の怖い所が何か所かあった。
木下小屋の裏よりも尾根末端のほうが取りつきやすかった。
快調にコンタを上げていき平らでテンパりやすい所で沈。今日はひさびさの乾野。あ〜、なつかしきこの味。
5日 門のっこし 羅臼は遠い
今日は南からH張り出すらしいが、まぁ無理でしょうと羅臼はあきらめムード。
案の定どっぷり曇っている。
669は上を行ったが、だるかった。その先の尾根上は岩とかもあるので、左手の沢型をいく。
669の東までテンバは伸ばせそう。
842は極楽平に下ろすところが白かった。
極楽平は記録で言われている通りカンバの低木でテントを張るなら天気の見込みが必要。
曇ってはいるが、オホーツク海には一面の流氷、遠くには斜里も見える。遠いな〜。
903は適当に上り、門。
今回はBushしっかり出ていて雪崩は問題ない。しかし、急でズボズボで登るのは大変。
sLに空身で頑張ってもらう。門上で荷物をデポして、受け皿打つも微妙に悪くなってきたのですぐに引き返してのっこすことに。
残念羅臼。
ここから905までは視界あったほうが楽かも。雪崩も怖いところあるし、微地形が面倒。上から捲いてしまってもいいかも。
905あたりで視界落ちる。ここはEPにして前降り。Bushつないでおろした。KLはこの下の斜度の変わり目くらい。
下の方は視界効くのでヒゲ尾根に見え切り。途中微沢がだるかった。
赤イ川は開いていて、下りるのも無理そうなので、国道との合流点までいって道に乗る。あとは道をあるいて愛山荘まで。
リーダーは3年ぶり。相変わらずストーブがあって快適だ。
宿泊していた網走山岳会の人たちによると積雪は例年の半分だそうだ。
今日はペミ。うまい。ってかこれから行動後は毎日ペミだ。
明日の天気は・・・う〜んよく分からん。朝様子を見てみよう。
6日 痛恨の判断ミス
朝起きて飯食うも雪はしんしんと降り続いている。う〜ん停滞か?
一眠りして6時、7時と様子を見るもいまいちそう。
が、8時くらいにはスカッパになっていたFuck’in!!。
慌てて出るもコースタイム捲かないと間に合わない時間。高速で行く。
シーアイゼンは樹限からつけた。
天頂平は、最初よりも大沼らへんの方が白い。
866岩ポコや次の尾根や899あたりのコンタの上げ下げは確認できるだろう。
帰りは866ポコの手前の沢型にあてて、それに沿って866にいくのがいいだろう。
コンパス通りにいくと大沼に下ろすところは真っ白で雪崩怖い。右手のシュカブラ捲く。
ここも無理なら東の源頭付近はBushも出ているので確実に行けそう。
最低コルのへの下りはツボ。
ここまでかなりコースタイムを巻いており、ここからもさらに頑張れば行けるかもということで、先に進む。
あとはひたすら登るだけ。みんな無言で登り続けれるも、どうあがいても間に合わなそう。
あ〜〜、やっちまったぜレスキューシート。
みんな疲れ切っている。リーダーは激しく後悔の念に駆られるも、愚
民の「明日、知西と遠音両方いけばいいじゃないですか〜」の一言に少し気力を取り戻す。
休みながら周りを見渡してみると、素晴らしい展望。流氷揺蕩う海、羅臼、駆け抜けてきた天頂平や羅臼湖も真っ白できれいだ。
回復したらのんびりと引き返す。
そういえば、羅臼湖の北のほとりにはテンパれるタンネがあり、翌半でも見込んで入れば、ダブルのっこしは楽になるでしょう。
途中振り返ると端正な知西別が見える。明日は絶対行くぞ。
小屋に戻って今日の疲れを取るため、みんなで存分にストレッチ大会をして明日に備える。
7日 超気合いのWのっこし
起きると星が見えている。行くしかない。気合のラテルネデッパで行く。
取りつきの尾根からはさそり座が登り始めているのが見えて、空の主役は春の星座たちなのだと教えてくれる。
途中リーダーのデジカメ落しが発覚するも、のっこしには替えられない。
昨日のところまでは909を巻いた以外は変わらず。
一瞬知西も見えたりしたが、飛びそうで飛ばないガスに包まれてる。羅臼も似たような感じ。
昨日のところからも問題なく知西Peak。まずは1つめ。
少し休んでいると、ガスガ飛び始め次に目指す遠音別が姿をあらわした。
鋭い頂に細い尾根が突き上げ、ニペにも似た山容だ。なるほど、これは見事だ。
PeakでEPにかえ進む。
のっこし先の尾根は多少細く、左側に雪庇出ているが、シュカブラで容易に判断できる。
ペレケ平も真っ白。青と白のコントラストが素晴らしい。このあたりでスキーに履き直す。
ペレケ平の出口と1184の下りはツボ。あとはさくっと肩まで。いよいよ吊り尾根。EPに履き替えて進む。
確かに少し細めの尾根だが。高度感はなくしっかり歩けば問題ない。
左はシュカブラ、右もBush出ている。今回は雪庇は出ていなかった。
なによりも強敵だったのは壁である。Hの急斜の急な所を3段くらい積み上げた感じ。しかも上部が一番急。
登りは直登できたが、下りなら真尾根は避けて右か左から捲き気味に下ろすのが良い。空身対処もあるかも。
壁を越えた先は全く問題ない。けど、風景的にはニペの最後の登りと瓜二つ。
Peakまであと一息かと思いきやなかなか遠い。
バリズボと今日これまでの疲れに加え、Peak直下の強烈な登りにやられPeakへ。
ヘロヘロだがやってのけた。この山行の大一番勝を乗り切ったこのPartyはすごいなと心底思った。
羅臼や知西はまだ見えているが、しだいに東側から雲が押し寄せてくる。影響が出始めたよう。休んでさっさと下る。
崖までは、シュカブラが出ていて問題ないが、やはり壁は真っ白。硬い雪を頑張って掘って弱層テスト問題なし。
アウトなら、沿っていった右手の尾根の西側を下せば問題ない。
あとは見えていたタンネ目指して下るのみ。みんな本当によく頑張った。お疲れさん。
ペミカンの油が体に染みる。明日は短いのでゆっくりとのっこしの余裕を楽しむ。そういやヒダキストの知床版はシリエスタに決まったのはこの日だったような。
sLはかたくなにシレタカーを押していたが・・・
8日 ほげほげテンバ移動
今日はなちゅげ。のんびりデッパする。遠音別の上部にガスはかかっているも晴れ間が広がってる。
このあたりのポコは大体白い。テンバの先のコルからずっと稜線の東側のカンバに沿って歩いていく。
快適だが、時々白い所あり、パーティを離したりして進める。ドカ雪後はもっとしっかり木の中入る必要があるかも。
2つの岩峰は一つ目が大きく、2つめは小さい。
大きいのはそのまま東を行って、乗り換えるところでツボにして2つめをにしから捲く。
その先、遠音別川に下ろすコルまでの稜線上は吹き溜まりが不規則に出ているが、西のBushに入っていけば問題ない。
沢に下ろすところはアイゼン。雪崩は問題ない。
テンバまでは側面からの雪崩が怖いところいくつか。
上部の白い斜面からデブリが来ているところもある。対岸いったり、離したり。
ところどころ沢も開いているので、沢底は歩けず少しだるかった。二股のところでテンパる。
水も汲めるし雪崩も問題なし。ゆっくり過ごすも、寒気で寒めのテンバだ。
9日 stay日
今日はstayを決め込む。思ったよりも晴れており多分のっこせたけど。やることと言えばナポと酒を飲む事。
寒気入っていて寒い。明日もstayかな〜。
10日 stay日
今日は風ゴーゴーいっていて昨日より悪い。それでも昼ごろには晴れ間も見たりしていた。やることは昨日と一緒。
この日、ジョン・健・ヌッツォの新撰組のテーマがムーブメントを巻き起こした。
寒さやひもじいstay食にみんなやられ気味。「明日は動きましょう」のみんなの訴えに行動する決心を固める。がんばるか〜。
11日 ラサのっこし 無限ポコとの闘い
朝、空は快晴。二股から先も、沢は開いていたりして沢底はいけない。
雪崩が怖い所も結構出てきて、対岸や離すなどの対処が必要。ドカ雪後なら高捲いたほうがいいかもしれない。
結局タンネは略奪点の急斜下まであった。
略奪点の登りはゴーカイくらい。ちょろBushつないでいく。
ふと振り返るとすらっとした円錐上の遠音別が見える。
知西側とは全く違い端正な美しい山なった。まさに十勝岳っぽい。
略奪点に着くまで、近くに見えて知多ギバギバしたのがラサだと思っていたが、全然違う丸っこいポコだった。
サブリーダーはシャリばて気味で大変そう。結局西コルまでシーアイゼンで行けた。
Peakに登るとゴールの海別がまだ遠くに、振り返ると羅臼・知西・遠音が白い。
そして両サイドは海にオホーツクには流氷。求めていた景色がここにあった。
白く大きな山が連なる様子はまさに海に浮かぶ十勝だ。
ひとしきり堪能して。先を目指す。
ラサのまきはEPにして西のカンバ帯をまく。ズボズボで大変。多少急だが問題ない。
南コルについて振り返るとびっくり。略奪点側からは想像もできない岩山がそこにはあった。
両翼をひろげた猛禽のようでカッコいい。見直しましたよ、ラサウヌプリ。
さてここからはポコとの闘い。昨日からはやっている新撰組のテーマを口ずさみながらまいたり上行ったり。
一つ一つのポコを越えるたびに海別が近くなっていき、前に進んでいるのが実感できる。
ちなみにテンパれそうだったのは、669の二つ前のポコから669にかけての南側のタンネ。901の北側。予定していた901南のテンバ。
糠真布の750のタンネの森の中にテンパる。ここも水が汲めた。
テンバに入り、ラジオをつけるとただならぬことが起きたことを告げている。地震・津波の情報が飛び交い、緊急地震速報がひっきりなしに流れている。幸い、901で携帯の予報を見れていたので天気予報については問題はなかったが、入ってくる情報が限られていて不安な夜だった。
12日 長い山行の終わり
今日も海別は晴れの予報だが、昨日からの展開的に回復するのは遅れそうなので、ちょっと遅めにデッパ。
海から登る太陽に照らされる木々や雪原が美しい。co1100くらいまできてEPにするも、上部は案の定どっぷりガス。
少し時間待ちをすることに。
ここまであまり使わなかったEPIを出しての時間待ちもやっぱり寒く1時間くらいでしびれを切らしてデッパ。
ここから上はそこそこ急で尾根上の岩を巻いてく感じ。高度感があるところもあった。
なんかかすかに太陽が見えたり下が見えたりして、ガスは飛びそうで飛ばない。
頂稜に出てもそれは変わらず。
あまり視界のないなか、ちょこちょこタラポコのある稜線を不安そうになんども振り返りながら進むグーミンがほほえましい。
そして、倒れこむぐーみん。好意に甘え、最後の登りを登った・・・っとおもったそのもうちょっと先がPeakだった。
計画を立てた段階もPreでも、本山行が始まってからも、ずっと本当に行けるのかと思っていた場所についに立てた。
一緒に来た仲間とがっちり握手し、労をねぎらう。視界は相変わらずで寒い。
まぁ、この程度で満足せずにまた来なさいと言われているようで、これはこれでいいかとも思う。
今回歩いてきた道のり。去年いった岬もこの足元からずっと続いているのだ。
携帯でのっこしメールを打とうとするも、送れないので針デポを巻いて現役最後のPeakを後にした。
あとは下る尾根を見逃さないように注意していき、コンタ尾根に入るとようやくガスが飛んで青空が見えだす。
遅いよ〜と苦笑しつつもうれしいのには変わりはない。白くて大きい海別がその姿を現した。
1年の時に行った阿寒や2年の年始で行った斜里も見える。道東の平原が、海が広がっている。
これがラストか〜とちょっとセンチメンタルな気持ちになりながらも、絶景を眺めつつのスキーを楽しむ。
樹林内に入っても快適な雪質。二股をツボで飛び石渡渉して、林道や農場を適当に下って下山。
Preと本山行含めて18日間も山に入っていたPartyだったの終わってしまうのも名残惜しい。本当にお疲れ様。そしてありがとう。
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