赤城山 荒山北壁 左ルート 藪岩風味のアルパインルート
- GPS
- 04:26
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 631m
- 下り
- 624m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※2024.2.18追記 2024.2.17に登頂した「荒山北壁 ダイレクト右上ルート」の記録公開に伴い、本記録のタイトルに「左ルート」の追記を行いました。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6474664.html ---------------------------- 登山道では有りません。急斜面によるスリップや滑落の危険性が有ります。ヘルメットにアイゼンやアックス等はもちろん、ロープや下降器、スリング等の支点を作れる装備とそれを使う技術が必要です。 ガレや岩が凍ってコンクリートされた厳冬期であれば、アックス、アイゼンが効くので比較的登り易いと思います。 核心の岩場は弱点を通しても卦蘢度のグレードとなるので、可能ならば確保したほうが良いと思います。幸い潅木が邪魔なくらい有るのでスリングが有れば支点に困る事はないと思います。 |
写真
感想
雪山を始めた頃は良く通っていた赤城山。ここの所ご無沙汰だったところを去年の年末にアイスで通った粕川小滝を再訪しましたが、帰りの赤城道路から見た荒山の北面は岩と雪の急斜面でとってもアルパインチック。その姿は荒山の三角形の形も手伝ってまさに「北壁」の迫力。
以前ならとても登れそうにないと思っていた北壁ですが、あれから10年。色んなアルパインルートで鍛えられた今なら登れるかもしれない。むしろ年齢的にも今の自分で登れなければ一生登れないだろう。そんな風に思った事からチャレンジしてみる事にしました。
装備はメットにアイゼン、ダブルアックス。ハーネスと単独なので懸垂下降用に6mm30mロープ。エスケープエイトにカンツキ。ピトン数枚、スリング数本。
姫百合駐車場からは車道歩きですが、できそうな所はショートカットし、赤城道路カーブ33から取り付きました。立派な堰が有る沢の右岸尾根に乗り上げます。この尾根は真っ直ぐ荒山北壁へと伸びており、荒山北稜と呼ぶ事にしました。
地形図で見たよりもはっきりした尾根形状の北稜は左右が急斜面で、注意しながら進みます。一箇所だけ藪の邪魔な小ピークを過ぎ、暫く尾根通しで進むと岩壁に突き当たります。
大きな岩が行く手を阻み、真正面を突破するには確保が必要で、ビレイされていても強点突破は弘幣紊な?ってかUIAAよりも5.10後半くらい有るんじゃないかと言うような迫力です。スケールは全く比較になりませんが、ここは荒山バットレスと呼んでみます。
幸い、左側へ向かいバンド状にルートが繋がっていて、左上すれば弱点を突いて登れそう。と言う事でそっちから登ってみます。藪で押し戻されつつ、アックスとアイゼンを凍土に効かせながら身体をズリ上げていきます。
藪で視界が効かないので登った先でいつ行き詰まるかと言う不安と戦いながら、尾根状に乗り上げました。尾根は右へ向かって高度を上げながら続いており、尾根伝いに登るとバットレスの最上部に乗り上げました。
ここからは左へ。山頂へ向かい急な斜面を進みます。いつの間にか尾根状地形は曖昧になり、深い場所では膝位のラッセルとなりました。
藪をかわしながら登ると、今まで北面の日陰だった場所から急に太陽の光が眩しく差し込み、少し進むと荒山の山頂。丁度祠の裏側から山頂へ飛び出しました。
終わってしまえば卦蘢度の難易度でしたが、明瞭な尾根状から弱点を繋げると自然に山頂に導かれるルートの合理性、ザレた斜面や岩がコンクリートされ藪の葉が落ちた厳冬期が適期である事、日の差さぬ北面から陽光あふれる山頂へ飛び出す演出の素晴らしさ。アルパインルートの重要な要素を備えた良いルートだと思います。
残念なのは藪に阻まれて高度感や景色の抜けが全く良くない所ですが、こればかりは森林限界以下のルートなのでやむを得ない所かと思います。その分、潅木で支点が取り放題なので初心者の安全確保には向いているともいえます。
アイスやアルパインも出来る赤城山の懐の深さを再認識した山行でした。
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