山と共有する”時間” 皆子山
- GPS
- 07:30
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 677m
- 下り
- 663m
コースタイム
9:00コッパ谷登山口(再スタート) - 10:08登山道合流 - 11:20P941 -
12:11皆子山山頂(昼食)13:15 - 14:46登山口 - 15:00平
天候 | 晴れ時々曇り 久しぶりに朝のきらきらした光と午後のやわらかい光を浴びることができました。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口は平バス停から左手すぐの橋を渡って寺の前から始まっています。 コッパ谷はどうやら積雪期のルートとしては使われていないようで、この日無理やり歩いたのは私一人でした。 |
写真
感想
滋賀と京都に挟まれた皆子山。
比良に隣接するこの山には今回が始めての訪問です。
人の少ない静かさを求めての選択でした。
皆さんのレコを覗きながら登山口の見当をつけ、地形図の等高線を確認しながら印をつけていきます。
歩行距離が短いようなので、時間に余裕を持って山を感じることができそうなルートです。
天気はそう良くはなさそうなので山頂からの展望は利かなくても大丈夫。
当日は少し早めに車を出し、明るくなり始めた道を走ります。
予想と違ったのが空模様です。
快晴の真っ青な空が広がっていました・・・
このときの私は正直複雑な心境でした。
今からでも景色の良い山に向かったほうが・・・?
天気の良さで葛藤が起こるなんて変な話です。
気温はかなり下がって国道沿いの温度表示は-7℃(山沿いです)
ゆうべ降った雪が30〜40cm積もっています。
平のバス停横の駐車スペースに車を停めてスタートしますが、堤防の舗装道路を歩くのにいきなりラッセルです!
まだ登山口に着いてもいないのに、今日は体力使うかも・・・
登山口には表示はなく、細い隙間みたいなところから沢沿いを登りだします。
すぐに赤テープを見つけましたが、その後登山道合流までテープは一度も登場しませんでした。
トラブルはすぐにやってきました。
沢沿いを歩きながら、万が一にも雪崩れたらと気になって斜面を直登して尾根に出たのですが、その過程で地形図を落としてしまったのです。
尾根からもう一度下ってみましたが見つかりません。
地図なしに初めての雪山を歩けるとは到底思えません。
自分でつけたトレースを辿りながら再度尾根まで登りますが、心は半分以上武奈ヶ岳に向いていました。
その尾根で思い直したのが、トレースがないのだからとりあえず尾根を登って歩いてみること。
分岐等で立ち往生すればそこまでとすること。
判断の根拠は風がないので自分のトレースは消えないだろうということと、前日の地形図の読み込み時に大体のイメージだけは頭に入れてあることです。
綱渡りのような判断でしたが結果的には運良く歩き通せました。
P941からの下りに迷っていたところ、後ろを歩いておられた3人のパーティーが追いついてきてルートを教えてもらい、さらには地図のコピーまでいただいてしまいました。
出会ってなければ決めていた通りそこでリタイアしていました。
(ヤマレコのことをお伝えしました。 見ていらっしゃいますか〜?
あのときは本当にありがとうございました。)
ここからはいつものように時系列で記述するのではなく、
一番書きたかったことに絞ることにします。
私の山行で大切になることを見つけたものですから。
ゆうべの寒さの中で木の枝に積もった雪が融けないまま朝を迎え、その乾いた雪の結晶がときどきサーッと落ちてきます。
一度湿ると固まってバサバサ、ドサッと落ちるのですが、降ったままの「雪の粉」が音もなく落ちては霧のように広がるさまは見事です。
余韻のように空中を舞う雪の粉が朝日を浴びてきらきら輝くのを見ると、この貴重な瞬間にこの場に立てたことがすごく大事なことに思えて幸福な気持ちになります。
この山が見せている小さなショーの、たった一人の観客のつもりで演じ手と向き合っています。
そう、この瞬間確かに私は山と同じ空間で同じ時間を共有していました。
花を見つけたり鹿やマムシに出逢ったり、登りの急勾配でかく汗もハイカーと交わす挨拶の言葉も、地図をなくしてあたふたすることさえもその山の中でのこと。
だったら山が感じている「今日」に共感してやろう。
それはたぶん「昨日」とも「明日」とも違う自分にとって本当に大事な一日になるんだろう・・・
山に共感??
そこまで私の感受性が豊かかどうかは別にして、きらきら舞う雪の粉を見て頭をよぎったことでした。
そう思い至ってしまうとここにないものをあれこれ気にすることもありません。
(山頂の展望だとか雲に覆われだした空だとか・・・)
ここに「ある」ものを見つけてやればいいんです。
いくらでもありますよ!
朝の光を浴びた雪景色と午後のやわらかい光の景色。
新雪の中をラッセルした踏み跡が午後には素晴らしい登山道(?)に変貌していたこと。
今日はなんだかうまくできたランチスペース。
下りでシリセードを試してみたくて誰も見ていない斜面でやっぱり勇気がなかったこと。
...etc. etc.
取るに足らないことばかりで恥ずかしいのですが、こんなことが全て大切なことに思えて嬉しいんです。
またひとり言の羅列になってしまいました(恥)
私が昨年から山を歩き出して、何のために? ・・・と考えていたことの答えがひとつ見つかったようです。
山と同じ時間を共有すること。
だからどの山も好きなんですね・・・
コメント
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土曜日は残念ながら、家でおとなしくしていました。
静かな、すてきな山は、皆子山だったんですね。
>ここに「ある」ものを見つけてやればいいんです。
すてきな感想ありがとうございます。
今後の山行が変わりそうです。
PS,
ザックはO社ですか。
色が同じです。28Lです。
とんでもない天気でしたね!
家から見える湖南アルプス4山も白くなっていました。
また暖かくなりそうですよ。
次はいい山歩きになりそうですね
皆子山はいい雰囲気の山でしたよ。
登山者が少なかったのもありますが、静かに山と対話できた一日でした。
(私はアブナイ人ではないので念のため
少々思い込みは強いのですが )
同じザックですね!
O社はお気に入りですが、日帰りでもせめて35Lは欲しかったと後悔しています。
今は春からのテン泊用にグレゴリーの60Lを狙っているところです。
2/19に武奈に行ってまして、
平(7:40くらい?)を通るとバス停横で用意をされていた方がおられました。
monsieurさんだったかもしれませんね。
止まればよかった
皆子山、
無雪期でもハードルの高い山思いまだ登ってません。
京都の山って結構行ってないかも
静かで山ってステキですね。
雪が落ちるなど自然音と、自分の鼓動の音が感じられる静けさって良いです。
今回の武奈でもそんな時間を楽しんできました。
ムスメがいるとそんな余裕はありません
国道一本隔てると世界が変わりますよ
静かな山を歩くことができました。
朝の青空はなくなりましたが目の前の景色と対話できた一日でした。
雪山はやっぱりいいですね。
35Lだと冬場も楽に装備がつめられますよね。
アイゼン、わかん、ヒップソリなど、外側にくくりつけてます。
一つ目なので、店員さんに28Lすすめられて買いました。日帰りなら、十分ですよね。
テント泊用は、M社のアルパイン60にしました。
時々、歩荷トレに出ています
シュラフやマット、テント、いろいろ悩んでます
また雪山でしたね
ラッセルをしている間、無心になれそうです
>天気の良さで葛藤が起こるなんて変な話です。
私は天気次第で行く を決定しております〜
他のハイカーの人達がmonsieurさんのレコを見てくれてると良いですね
天気がよければ景色のいい山へ行こうかなんて皆子山に申し訳ないことを考えてしまってました。
今歩いている山を全身で感じることが自分の歩き方のはずなのに、こんな欲の出し方は恥ずかしいことです。
新雪を踏む一歩一歩は本当に無心ですね。
でも10歩も行くと無心ではいられないんですけど
初めてコメントさせていただきます。
monsieurさんの山行記録、いつも「山に対する気持ち」に共感してしまいます。
お天気と葛藤したり、不安になったり、「いいな」と思った景色に見とれたり、気持ちが揺れたり…。一人で歩いている時の、「山」と1対1になる感じがすごく伝わってきました。こういう気持ちを言葉にできるって、良いですね
なんだか読んでいて、じわ〜っとあったかくなってしまって思わずコメントしてしまいました。
私は関西近辺の山にはまったく疎いのですけれど
またmonsieurさんの記録を楽しみにしています。
これからも素敵な発見や出会いがありますように!
よくレコを覗いていただいてありがとうございます
長々と続く私の独り言レコにお付き合いいただいて恐縮です
書いていて「誰かの心に届くだろうか・・・」 と
本当はいつも思ってしまいます。
一人で動くことが多いくせに実は小心者なので
いろんなことを感じながら、感じられたこと自体を喜びたいと思っています。
表現力はまだおぼつかないのですが、また良かったら覗きに来てくださいな
私もお邪魔させてもらいます
>「雪の粉」が音もなく落ちては霧のように広がるさまは見事
わかります!!
とってもきれいですね。
写真に収めようと撮るのですがなかなかタイミングが合わなくて。
おつかれさまでした〜♪
来ていただいてありがとうございます
時間帯がよかったのか、あちらこちらの木の枝からひっきりなしに雪が落ちていました。
そのたびに立ち止まっては飽きずに眺めるものですから歩くのがのろいこと
また見たいですね
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