皆子山 - 東尾根〜山頂〜西尾根〜皆子谷源頭部〜西南尾根
- GPS
- 08:42
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 910m
- 下り
- 1,123m
コースタイム
- 山行
- 7:44
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 8:42
天候 | 晴れ/曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
叡山電鉄 - 鞍馬〜出町柳 420円 京阪電鉄 - 出町柳〜祇園四条 210円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■平バス停〜東尾根〜皆子山山頂 バス停から平の集落内へ入り、正教院の墓地の手前から山道になります。 最初は植林帯でやや急な斜面となっている所もあります。 林道作業用の道もあるようだけど、基本的に尾根を辿れば問題はなく、道間違いの心配は少ないでしょう。 明瞭な道を歩いて行き、展望のある小ピークを経て、他のルートからの道と合流すると、すぐに山頂です。 ■皆子山山頂〜西尾根〜西南尾根〜西南尾根登山口 山頂から西に延びる尾根を進んで行きますが、地形図を見て分かるように支尾根が多いので、進行方向に注意が必要。 踏み跡は薄めだけど、目印はあるので、基本的には道迷いの心配は少ないはず。 支尾根がある分、支谷も当然あり、今回もいくつか寄り道しています。 歩いている範囲については、特に危険な所はないはずですが、一般のルートではないので、その辺りに留意を。 尾根分岐から南へ延びる尾根、西南尾根へ進みます。 多少のアップダウンはあるものの、進行方向に迷うような支尾根はあまりないはず。 P819の辺りはなだらかな地形が広がっており、きちんと進路を確認します。 方向転換する辺りで右側は植林帯となり、最後はジグザグ道へ進むか、急斜面の尾根をそのまま下るか、お好きな方を。 修道院村の敷地内へ突っ込んでしまいがちなようなので、注意が必要です? ■西南尾根登山口〜百井〜百井別れバス停〜鞍馬駅 登山口からは延々と舗装路を歩き、百井別れバス停へ。 バスの便とのタイミングを合わせるのは難しく、鞍馬まで歩くのを計算に入れておくべきでしょうか。 以上は無雪期について。 今回はある程度以上の標高では、積雪量は80cmぐらいはありそうで、風の影響による吹き溜まりの発生が多く見られました。 西尾根や西南尾根には倒木があり、それなりの対処が必要な場合もあります。 その他、雪山を歩く際の諸々の注意が必要なはず。 |
写真
感想
京都府の最高峰、皆子山。
以前は谷ルートが一般的だったようだけど、程度の差はあるものの荒れているらしく、歩き慣れている人向けとなってしまっているよう。
そんな中、現在は平からの東尾根ルートが最も一般的な登頂ルートとなっています。
ルートが分かりやすいし簡便なので、確かに使いやすい。
でも、皆子山の魅力は山頂の西域にあると思うのです。
特に皆子谷の源頭部はゆったりした空間となっていて、本当に素晴らしい。
これまでに何度か歩き、是非とも積雪期にと思っていました。
絶好の好天との予報を信じ、歩いて来ました。
堅田駅に着き、バス待ちの列に並んでいたら、前回とは違う方向に列が伸びていたようで、並び直し。
権現山登山口に通じる林道の入口で多くの方が降り、平バス停で降りたのは僕だけ。
先着の団体さんは平の集落内へ向かっているよう。
分かりやすいように9時半にスタートし、平の集落へ入って行くと、団体さんがアイゼンなどを装着されており、その先はしっかりと積雪しているので、ここでゲイターを装着。
男女ペアに挨拶し、登山口にて軽アイゼンを装着します。
途中までは植林帯がメインで、面白味には欠ける。
当日のものっぽいトレースがあり、あまり苦労せずに済み、助かります。
所々で軽く踏み抜いたり、少し滑ったり。
急斜面区間の手前でピッケルを取り出し、持って歩くのに慣れるように今回も努めます。
傾斜が緩むと、尾根の左側は雑木になり、琵琶湖が少し顔を覗かせます。
冬枯れの森は明るく、雪の白さと青空の対比が美しい。
尾根の両側が雑木になる辺りになると、右側には南比良の山並みが見えるようになり、あちらもかなり白い。
再び植林帯となり、P837を経て、ペースの上がらないままにP941に到着。
少し先ぐらいで霧氷が見られるようになり、好展望の小ピークに到着すると、2人が食事休憩中で、少しお話し。
すでに登頂を済ませ、引き返して来られたよう。
今回はもう下山されるとの事なので、また来られる際には皆子谷の源頭部を訪れるよう、おすすめしておきました。
ゆったりと歩き、山頂までもう少しの所でピークハンターさんのプレートらしき物が見え、カメラをスタンバイしながら歩いていると吹き溜まりに足を取られて、転倒。
レンズが雪だらけ。
何とかかんとかだけど、皆子山山頂に到着です。
ピークハンターさんのプレートが新たに設置されており、キラキラと輝いています。
以前はあったのだろうけど、僕が初めて訪れた時にはプレートはなく、京都府最高峰にないのは寂しいなと思っていたので、非常に喜ばしい。
この日は展望も良好で、ここで昼食です。
軽アイゼンからワカンに装備転換し、西尾根へ向かいます。
尾根上にはスキー板によるトレースがあります。
北風の影響が強いようで、尾根には立派な雪庇ができており、無雪期とは全く雰囲気が違っていて、とても新鮮。
吹き溜まりになっている所が多く、歩きにくいのだけど、それもまた楽しい。
そう思わせてくれるぐらいに素晴らしい風景が広がっており、快晴の青空の下での雪山歩きの素晴らしさを堪能です。
皆子谷の源頭部に到着し、そちらへ。
ずっと見たいと思っていた風景が目の前にあり、期待していた通りか、それ以上の絶景が広がっており、本当に美しい。
スキーのトレースが目の前を横切っているけど、それも何だか絵になる感じ。
ゆっくり歩けば良いのに、前へ前へと進んでしまう。
谷が狭まる辺りまで歩き、今回はそこで引き返します。
戻る際の風景も美しく、谷全体の雪の白さが青空に映えていて、幸福感に包まれます。
シンボル的な木に戻り着き、後ろ髪を引かれるような気分だけど、先へ。
引き続き良い雰囲気の西尾根を歩いていると、前方から人が歩いて来ます。
2人組の男性で百井から登って来られたよう。
だとすると、西南尾根にはトレースがあるのでしょう。
P926を経て、ツボクリ谷の支谷を少し探索。
皆子谷の源頭部とはまた違う雰囲気で、こちらも心惹かれる風景が広がっており、またの機会にもう少し探ってみよう。
西南尾根との分岐に到着し、皆子谷の左俣と言っても良さそうな谷の源頭部へ。
皆子谷の源頭部と同じかそれ以上の広がりがあり、やはり素晴らしい。
先程の人達によると思われるトレースがあるものの、あまり気にせず下って行きます。
すでに傾きつつある太陽が作り出す長い影が雪面を繊細に染め抜いていて、得も言われぬ美しさに見入ってしまいます。
こちらでも気分良く歩き、頃合を見て引き返します。
戻る際の風景も格別で、この日の好天には本当に感謝です。
すでに時間が心配になっており、あまり長居はできず、残念。
また来ようとの思いと共に皆子谷の左俣の源頭部を歩き終え、最後に振り返り。
尾根分岐に戻り、西南尾根へ。
好展望の小ピークからは皆子山の山頂や南比良の稜線がきれいに見えており、良いルートなのを再認識。
少し先でトレースがあり、これを辿る事になるのかと思ったら、程なくしてトレースはなくなってしまいます。
あの人達はどこから登って来たのかな?
何度となく歩いているし、進行方向に迷うような所はあまりない尾根なので、トレースがなくても特に問題はないけど、まだ積雪量は豊富だし、吹き溜まりが少なくないので、それなりの苦労が待っています。
バスの時間に間に合うかを心配しつつ歩き、P889を経て、その先のアセビの多い辺りは少し歩きにくく、注意して進みます。
P819の手前で大きく踏み抜き、ワカンがはまり込んで、抜けなくなってしまう。
3分ぐらい格闘して、何とか脱出。
なだらかな地形の広がるP819を経ると、まっすぐに延びる尾根を下ります。
日当たりが良いせいか、積雪量は目に見えて減って行きます。
方向転換する辺りからは地味な道となり、最後の急斜面区間は木々の間をすり抜けるように進むので、滑ってしまわないように注意して下り、やっとの事で西南尾根の登山口に到着です。
ここでワカンを外し、身軽になります。
ここからは長い舗装路歩き。
道は除雪されており、基本的には歩きやすいのだけど、所々に雪が少し残っており、過去の経験からしても、気温が低いと凍結して大変になるはず。
陸地谷出合は寒々としていて、人を寄せ付けない雰囲気です。
百井の集落を歩いていると、花脊の鉄塔が視界に入って来ます。
かつてのような姿ではなく、土台から外れ、斜めに転がされたようになっている。
悲しい情景ですね、本当に。
「ありがとう」の思いを込めながら視界から消えるのを見守り、これでお別れです。
黙々と歩き、百井峠を通過。
百井別れバス停に到着ですが、バスの時間まで50分以上あるので、そのまま先へ。
バスに乗っている際に見ていた通り、道脇の斜面には大量の倒木があり、改めて凄まじい台風だったのだと思わされます。
歩くうちにどんどん暗くなり、くらま温泉を経て、叡電の鞍馬駅に到着し、この日も無事にゴールです。
ずっと歩きたいと思っていた積雪期の皆子山。
好天の日に狙いを定め、期待に胸をふくらませながら歩きましたが、その期待に十分に応えてくれる風景が山頂の西側の一帯には広がっており、心から堪能しました。
素晴らしさをうまく伝えたいのだけど、適切な言葉を探すのは難しく、やはり実際に歩いてみるのが一番?
また機会を見て、訪れたいですね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
village greenさんこんばんは。西尾根でお会いしたのは、どうやら私のようです。どうも口下手な私は、少ししかお話し出来ずに、別れてしまいすみません。village greenさんとは知らずとても失礼してしまいました。山で人に出会うと、別れた後で、もう少しちゃんとお話しすればよかったといつも後悔します。
私達は、車(ニコニコレンタカー)を使い、ヒノコから、少し先の火打谷の隣(北)の尾根を登ってきました。西尾根のルートについて、昨年皆子山でお会いした方々に、「火打谷」から登って来たと言ってもわかってもらえなかったので、今までと同様に、百井方面と答えてしまいました。地図を出してお話しするべきでした。
百井方面まで行く、と聞いて、そこにバス停はないし、その先、花背峠方面まで歩かれるのかな?それとも何らかの方法で車だろうか?と考えました。それなら、ちゃんと聞けばいいのに、だめですね..
私達のトレースは、うろうろ迷走しており困られたのではないかと後でちょっと心配しつつも、歩き慣れた感じの方なので大丈夫だろうと勝手に考えていました。
帰りに尾根道を戻ってくると、雪上に「×」印があり、他の方が迷わぬようにと気配りされているのに感心しながら歩きました。
目指しておられた広い谷に、先に足跡を残してすみません。この時期に誰も来ないだろうと勝手に考えておりましたので..
また山での再会を願っております。
追伸 皆子山山頂での真新しいphさんのプレートを見て、じつはこの日お会いした方こそピークハンターさんではないか、などと後で勝手に思ったりしていました...
お会いしたのは、michikusa78さんでしたか。
改めて振り返ってみると、確かにもう少し色々と聞いておけば良かったのかな。
僕もそんなに話上手な訳ではなく、うまく会話を進められない事がよくあります。
レコの文字数は多いけど、基本的に口数は多くないはずなので。
話上手な人のペースに引き込まれて、会話が進む事も時にはありますが。
当日は『百井方面=西南尾根』の図式ができてしまっていて、火打谷とかは頭の中になかったのです。
コメントを見て、そう言えば、michikusa78さんが以前に歩かれていたな、と。
ヒノコと大見を結ぶ道をまだ歩いた事はなく、火打谷も実際に見ていないので、知識として頭に定着していなかったのでしょう。
当日の会話で「火打谷」が出ていれば、「この人がmichikusa78さんなのでは?」と思った可能性はありそうですが。
この日は尾根分岐からどこへ向かうかがポイントでしたが、歩き慣れている点や、花脊の鉄塔を確認する意味でも南下するのが良いとの事で、西南尾根を下り、ヒノコから百井へ向かいました。
去年の11月の失態があるので、早めに下山すべく、安全第一での選択ですね。
まだ雪山歩きには慣れておらず、所要時間を読みにくいですし。
トレースを見ていて、自由に歩かれているなと思っていました。
僕の場合、ログを取っているという意識がどこかにあるので、整った歩き方をしようと思いがちで、あまり自由に歩いていなさそう。
まあ、惑わされる事はなかったので、ご安心を。
あの×印は思いつきに近く、きっと初めての試みです。
先へと進むには歩かねばならず、雪原を歩くとトレースはできますからね。
詫びたりするような事柄ではないでしょう。
僕も皆子谷の源頭部にしっかりとトレースを残しましたし。
僕と同じように風景を堪能しながら歩かれたんだろうなと思いながら歩いていました。
新調されたピークハンターさんのプレート。
この日の嬉しい驚きでした。
これまでのレコで皆子山の山頂にプレートがない事を伝えていたので、見てくれていたのかなと勝手に思う事にします?
竜ヶ岳でも同じようにしていたら、プレートが復活しましたし。
日本には素晴らしい山域はたくさんあるんだろうけど、プレートの充実度は京都が一番だと思っています。
まあ、他の地域の事はほとんど知らないのだけど。
ピークハンターさんがどんな人なのか、知りたくもあり、謎のままなのが良いと思い直したり。
michikusa78さんほどではありませんが、僕も京都北山をメインに歩いているので、またお会いする機会はあるでしょう。
おそコメ m(__)m
この雪でこの距離は流石ですね
日が陰ってから鞍馬まで歩くと一層疲れが増しますね
バスは追いついてきましたか
ずいぶん昔、雪の雲取山から花脊高原前に降りた時は暗くなりかけていました ヒッチハイクしようかとも思いましたが結局鞍馬に着いたときは真っ暗でした この時が一番疲れましたねー
花脊の鉄塔、5日の午後淀から写しました 棒のような状態に見えましたがvgさんの写真で納得がいきました
ひっくり返っているように見えますね
コメントの遅さは僕の方が上のはずですよ。
今回は下山してからの舗装路区間の方が長かったですからね。
アクセス面での難しさがやはりありますよね。
そのおかげで静かな中で素晴らしい風景を堪能できるのだろうけど。
今回はバスに追いつかれる前に鞍馬駅に到着できました。
バス路線がなくならないように、できるだけバスに乗るようにしたいけど、翌日が仕事だったので、今回は早く帰るべく叡電で帰りました。
以前に早めに予定を切り上げた事があり、次のバスまで時間があるので、大悲山口BSから歩いたのです。
その時は、くらま温泉の辺りで追いつかれそうになり、そこからバスに乗りました。
数台の車の運転手さんが「大丈夫?」と声をかけて下さり、ありがたいなと思いました。
olddreamerさんも同じように歩かれた事があるんですね。
旧道別れBSから花背峠BSまでがやたらと長く感じるんですよね。
花脊の鉄塔、解体されるとの報を聞いてから注視して来たけど、もう残りわずかでした。
この日も早めに行動できていれば、百井青少年村から和佐谷峠へ向かい、そこから杉峠へと思っていたのだけど、駄目でした。
何とか百井から姿を見られるぐらいには残っていたので、最後のお別れはできました。
僕は山歩きを始めてからの期間がまだ短いのだけど、olddreamerさんのように長く鉄塔を見て来られた人にとっては、大切な物が失われるとの感覚がさらに大きいんじゃないかなと思っています。
悲しいけど、もうお別れなんですよね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する