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Yamareco

記録ID: 1737732
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
東海

南アルプス 農鳥岳大唐松尾根

2019年02月20日(水) ~ 2019年02月22日(金)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
20.0km
登り
2,604m
下り
2,604m

コースタイム

1日目
山行
10:51
休憩
0:20
合計
11:11
6:35
6:45
205
10:10
10:10
214
2346mピーク
13:44
13:54
16
14:10
幕営地
2日目
山行
8:56
休憩
0:10
合計
9:06
2:59
208
幕営地
6:27
6:27
18
稜線
6:45
6:45
43
7:28
7:38
28
8:06
8:06
141
10:27
10:27
98
2580mピーク
12:05
幕営地
3日目
山行
5:12
休憩
0:05
合計
5:17
5:50
180
幕営地
8:50
8:55
132
11:07
11:07
0
11:07
ゴール地点
天候 20日:晴れ
21日:晴れのちガス
22日:晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
奈良他の里から広河原へと続く林道を奈良田第一発電所で左折。(直進しようにもトンネルの手前にも柵があり、どっちにしろ進めない)林道を上がると間もなくゲートがあり、その手前に5台程度の駐車スペースがある。
コース状況/
危険箇所等
【ルート状況】
・奈良田温泉〜雨池山[行:216分 帰:132分]
ゲートの少し奥に祠があり、大唐松尾根へはそこから取付く。平坦な人工林を少し歩くと鉄パイプの手すりが付いた巡視路があり、それを利用して高度を稼ぐ。大唐松尾根の登り始めは、地形図上ではかなりの急登だが、この巡視路のおかげで快適に登れる。導水管の上を橋で通過し、さらに登ると鉄塔がある。この鉄塔までは手すりや階段が設置されていて整備されているが、ここから本格的な尾根歩きとなる。しばらくは古い電線沿いに尾根をたどっていく。まず、1200m付近に急登がある。尾根通しに行くか、西面の斜面へトラバースするか、2通りルートが考えられるが、どちらも足場が悪く緊張させられる。そこをクリアすればあとは快適な尾根歩きで雨池山まで行ける。藪もほとんど無かった。下る場合は尾根の分岐が多く、テープ類も少ないので気を使う。

・雨池山〜2346mピーク[行:210分 帰:95分]
雨池山から1900mの窪地に下るところは西側に誘い込まれやすく、読図注意。逆に2346mピークから1900の窪地に下る場合も尾根が右に左に曲がっていて、やはり読図注意。全体的になだらかな区間だが、ぼんやり歩くとルートを外しやすい。

2346mピーク〜大唐松山[行:214分 帰:77分]
2346mピークを越えると、尾根が痩せてくる。大唐松山への登りはかなり急で、岩や倒木も多い。後半は雪も深くなり、かなり苦労させられた。標高差にして250m程度の登りだが、ここは時間を長めに見積もった方がよいだろう。

大唐松山〜2633m標高点[行:200分 帰:168分]
2550m程度の高度で細かいアップダウンを繰り返す。ずっとラッセルになると覚悟していたが、意外にも雪は締まっているところが多かった。尾根上は岩が露出しているところもあり、緊張させられる所もある。北岳・間ノ岳・農鳥岳に白根南嶺の山々を眺めながら、森林限界すれすれを延々と歩くことができ、ぜいたくな区間だと思う。

2633m標高点〜農鳥岳[行:75分 帰:61分]
2633mから2800mくらいまではかなりの急登。アイゼンの前爪2本で登る感じの斜面が標高差150mくらい続き、ふくらはぎがパンプする。ロープが欲しくなるほどではないと思うが、滑落したら止めるのは難しそう。無雪期はハイマツの藪漕ぎと露岩に苦しめられるようだが、今回はただの雪壁になっていて、快適に通過することができた。

農鳥岳〜西農鳥岳[行:43分 帰:38分]
雪は風でぶっ飛んでいて夏道とほとんど変わらなかった。凍った斜面のトラバースもあったが、それほど難しくなかった。

【幕営適地】※積雪期
・1350mの緩傾斜帯
・1542m標高点
・雨池山(特に2つのピークの間は広い)
・1900m窪地
・2320mジャンクションピーク手前の2270mの平坦地(オススメ)
・2320mピーク
・2346mピーク
・大唐松山山頂付近
・2580mピーク付近

【危険個所】
・1200m付近の急傾斜地
・2346m〜大唐松山の区間の急坂
・2633m〜2800mの雪壁
その他周辺情報 奈良田の里温泉で入浴(貸し切りでした)
2/20 2:59 暗いうちに奈良田のゲートを出発。
2019年02月20日 02:49撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 2:49
2/20 2:59 暗いうちに奈良田のゲートを出発。
6:44 雨池山到着。山頂標識は三角点からさらに進んだところにありました。
2019年02月20日 06:34撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 6:34
6:44 雨池山到着。山頂標識は三角点からさらに進んだところにありました。
9:27 ラッセルが始まる。2250mくらいか?
2019年02月20日 09:17撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 9:17
9:27 ラッセルが始まる。2250mくらいか?
10:09 2346mピーク。木々の間からは北岳・間ノ岳が見えました。
2019年02月20日 09:59撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 9:59
10:09 2346mピーク。木々の間からは北岳・間ノ岳が見えました。
正面には大唐松山が屏風のよう。威圧感ありました。
2019年02月20日 10:10撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 10:10
正面には大唐松山が屏風のよう。威圧感ありました。
10:52 大唐松山への登り。かなり急。
2019年02月20日 10:42撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 10:42
10:52 大唐松山への登り。かなり急。
12:55 雪も深い。なかなか進みませんでしたが、時間に余裕があるので落ち着いてラッセル出来ました。
2019年02月20日 12:45撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 12:45
12:55 雪も深い。なかなか進みませんでしたが、時間に余裕があるので落ち着いてラッセル出来ました。
13:44 何とか大唐松山到着。読めない標識が良い味出してます。
2019年02月20日 13:34撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/20 13:34
13:44 何とか大唐松山到着。読めない標識が良い味出してます。
13:51 北岳・間ノ岳
2019年02月20日 13:41撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/20 13:41
13:51 北岳・間ノ岳
木々の間に農鳥。西に少し進んだところに幕営しました。
2019年02月20日 13:41撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/20 13:41
木々の間に農鳥。西に少し進んだところに幕営しました。
2/21 3:00 ラッセルが厳しいと考え、早めに出発。
2019年02月21日 02:50撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 2:50
2/21 3:00 ラッセルが厳しいと考え、早めに出発。
3:38 月明かりの農鳥岳が美しい。自分のデジカメではこれが限界でした。
2019年02月21日 03:28撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 3:28
3:38 月明かりの農鳥岳が美しい。自分のデジカメではこれが限界でした。
6:04 うっすら明るく。2700mくらい?
2019年02月21日 05:54撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 5:54
6:04 うっすら明るく。2700mくらい?
これから歩く斜面。急なところもありますが、雪がクラストしていて歩きやすかったです。
2019年02月21日 05:54撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 5:54
これから歩く斜面。急なところもありますが、雪がクラストしていて歩きやすかったです。
6:30 途中で謎のトレースが合流。大門沢から来たのかな?
2019年02月21日 06:20撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 6:20
6:30 途中で謎のトレースが合流。大門沢から来たのかな?
6:37 稜線出ました!
2019年02月21日 06:27撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 6:27
6:37 稜線出ました!
6:45 間もなく農鳥岳。風もありますが全然行動できます。
2019年02月21日 06:35撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
4
2/21 6:35
6:45 間もなく農鳥岳。風もありますが全然行動できます。
6:50 まだ時間は十分あるので、西農鳥も。雪が吹っ飛ばされていて夏道と変わりません。
2019年02月21日 06:40撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 6:40
6:50 まだ時間は十分あるので、西農鳥も。雪が吹っ飛ばされていて夏道と変わりません。
7:28 西農鳥岳到着。
2019年02月21日 07:18撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2
2/21 7:18
7:28 西農鳥岳到着。
塩見・荒川方面もバッチリ。行動食をかじって戻ります。
2019年02月21日 07:18撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2
2/21 7:18
塩見・荒川方面もバッチリ。行動食をかじって戻ります。
8:24 大唐松尾根との分岐まで戻ってきました。下りにかかります。
2019年02月21日 08:14撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 8:14
8:24 大唐松尾根との分岐まで戻ってきました。下りにかかります。
8:50 急なところ。後ろ向きで一歩ずつ下ります。
2019年02月21日 08:40撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/21 8:40
8:50 急なところ。後ろ向きで一歩ずつ下ります。
8:50 急登箇所を見上げて。ここが大唐松尾根の核心だと思う。
2019年02月21日 08:50撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 8:50
8:50 急登箇所を見上げて。ここが大唐松尾根の核心だと思う。
9:20 農鳥沢の源頭。クラストした雪面で快適にトラバースできます。
2019年02月21日 09:10撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 9:10
9:20 農鳥沢の源頭。クラストした雪面で快適にトラバースできます。
9:28 尾根上には見通しの良い所も多く、気持ちがいい。
2019年02月21日 09:18撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
3
2/21 9:18
9:28 尾根上には見通しの良い所も多く、気持ちがいい。
10:42 でもちょっとした難所も。
2019年02月21日 10:32撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 10:32
10:42 でもちょっとした難所も。
11:35 農鳥岳を振り返って。慣れないセルフタイマーでTAKE3です。
2019年02月21日 11:25撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
4
2/21 11:25
11:35 農鳥岳を振り返って。慣れないセルフタイマーでTAKE3です。
12:05 テントにただいま。「今日中に下山できるのでは?」と悪魔の声が聞こえましたが、もう一泊しました。
2019年02月21日 11:55撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/21 11:55
12:05 テントにただいま。「今日中に下山できるのでは?」と悪魔の声が聞こえましたが、もう一泊しました。
2/22 6:01 翌朝も薄暗いうちに出発。
2019年02月22日 05:51撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/22 5:51
2/22 6:01 翌朝も薄暗いうちに出発。
6:17 行きのトレースに感謝しつつ、大唐松山の急坂もぐいぐい下ります。
2019年02月22日 06:07撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/22 6:07
6:17 行きのトレースに感謝しつつ、大唐松山の急坂もぐいぐい下ります。
8:54 雨池山三角点。帰りは早いものです。
2019年02月22日 08:44撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/22 8:44
8:54 雨池山三角点。帰りは早いものです。
10:35 1200m付近の急坂。慎重に下ります。
2019年02月22日 10:25撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/22 10:25
10:35 1200m付近の急坂。慎重に下ります。
10:38 導水管上部の鉄塔。最終日もいい天気です。
2019年02月22日 10:38撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/22 10:38
10:38 導水管上部の鉄塔。最終日もいい天気です。
10:53 最後は鉄パイプに沿って巡視路を下ります。
2019年02月22日 10:43撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2/22 10:43
10:53 最後は鉄パイプに沿って巡視路を下ります。
11:07 ゲートに戻ってきました。(普段は閉まってます)
2019年02月22日 10:57撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
1
2/22 10:57
11:07 ゲートに戻ってきました。(普段は閉まってます)
安全登山に感謝です。
2019年02月22日 10:58撮影 by  FinePix XP80 XP81 XP85, FUJIFILM
2
2/22 10:58
安全登山に感謝です。

装備

個人装備
長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 ゲイター バラクラバ 着替え ザック ザックカバー サブザック アイゼン ピッケル スコップ 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 水筒(保温性) ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 筆記用具 ファーストエイドキット 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ ポール テント シェラフ
備考 忘れ物:ヘルメット

感想

 厳冬期に一度は3000m峰を目指す山行を計画したい。そう思いながらも今年はパートナーが捕まらず、一人で挑戦した。さらに、当初は5日間用意していた日程も、2日目に予定が入ってしまったことで3日だけになった。
 そこでアプローチの良さから大唐松尾根に目を付けたものの、記録を調べれば甘くないことはすぐに分かった。しかも登山体系ではロープがあった方がよいと書いてあり、正直辞めようと思っていた。しかし直前になると、天気は悪くなさそうだし、まあ大唐松山でキャンプだけでも、くらいのつもりでとりあえず山に入ってみた。
 しかし、気持ちが乗らなくても、足さえ動かせば進んでしまう。大唐松山から白く輝く農鳥岳を見て、スイッチが入ったと思う。そこからは天気にも恵まれて、信じられないくらい順調だった。あまりに暖かいので雪崩は心配になったが。
 やはり冬期登山はコンディション次第だと改めて思った。

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