トムラウシ山
- GPS
- 10:53
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,508m
- 下り
- 1,494m
コースタイム
天候 | 晴れ、烈風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今日の山頂直下はカチコチ 風は烈風で体が振られまくった |
その他周辺情報 | 温泉:東大雪荘 500円 ご飯:インデアン音更店 カツカレーベーシックルー ★★★★★ 美味すぎる… デザート:インデアン音更店 野菜チーズカレー ★★★★★ 美味すぎる… |
写真
感想
初日はdet氏がURを引いたにも関わらず、曇天。長距離移動の疲労で体調が悪くなってくるわ、キツネにスノーシューとポールが破壊されるわで、辛かった。
2日目に低クオリティ睡眠のせいで抜けない疲労、爆風、といった条件が重なっても登頂できたのは、一緒にいた仲間と、彼らと共に培った経験の賜物だろう。
行きたい温泉にも行けたし満足。来年も楽しみにしている。その時は是非帯広で飲み歩きましょう。
毎年恒例にしようと考えている北海道遠征、今年の目標はトムラウシ。3年前に強風で敗退しているリベンジ登山だった。
2019/02/22
16時退勤からの即新千歳移動、すでに他メンバーは合流し車内で仮眠中。前回敗退時と全く同じメンバーである。この登山のために各自仕事を調整しきっちり休みをとってきており、気合が入っている。25日に休みをとったので三日チャンスがあるけれども、土曜が一番風が弱い予報だったのでこの日でできめてしまおうと話していた。
2019/02/23
この頃の山行は仮眠⇨寝坊の連続だったので、この日は同じ轍は踏ままいと仮眠なしで出発。この日は冬尾根から1794ピークをへて尾根沿いにトムラを目指すルート。始めの渡渉は良いスノーブリッジがありサクッと通過、その後の尾根も四人でラッセルを回し楽に夏尾根と合流できた。ここまで約3時間半。尾根に出てからの風はまあまあ強かったものの、天気も風の強さも回復する予定だったので信じて進んだ。1794前のポコ付近でアイゼンにチェンジ、この辺が前回の撤退地点。この時点でかなりの強風だったが、撤退するほどのコンディションではないと思っていたし、回復する予報を信じていたので進んだ。しかしながら、いつまでたっても風は強いままで、1794からの尾根は雪不足なのかハイマツが露出しバリズボ、視界不明瞭によるルーファイの難易度up等々の影響で、1898の尾根に乗った時には7時間が経過していた。さらにここから先は風がさらに強くなりか爆風だった。ここでメンバーと協議し、さらなる視界の悪化や下山時間の遅れを考慮し撤退することに決めた。この時珍しく撤退の判断に駄々をこねてしまった。もう少しで山頂なのにという気持ちと、この日できめるという気持ちが強かったせいか、謎の自信で行けると思っていた。止めてくれた仲間に感謝。逃げるように下山し東大雪荘にチェックインした。温泉に浸かり、ご飯をたらふく食べて部屋に戻ってきた時にはクタクタだった。次の日もトムラに挑戦するか、しっかり協議せずそれぞれ雑魚寝の仮眠に入っていた。
2019/02/24
0時半頃に後輩の一声によりほか三人が起床。天気など色々話し合って、せっかく北海道まで来たしなぁということで行くことになった。山の中での「せっかく」は危険だけれども、こういう「せっかく」の使い方は悪くないと思う。歩き始めなくては山頂にはたどり着けない。後輩に感謝。
急いで宿の支払いと準備を済ませ3時に出発した。前日と違い降雪はない一方、登山口の時点で風が強い。無理せず、せめてトムラを見ることができればという気持ちで登っていた。夏尾根まで3時間かかった。トレースがあることを考えるとやや遅く感じる。しかし、尾根からの景色は昨日と比べ物にならないほどに素晴らしかった。ニペウペペ、十勝連峰、さらにはトムラの姿がくっきり確認でき、ちょうど日の出の時間であったため赤く染まっていた。この時点で登ってよかったと思えたし、後は進めるところまで進むだけだという潔い気持ちになれた。この日は前日辛酸舐めさせられた尾根コースは避け、カムイサンケナイ川のトラバースルートを選んでいた。二つのコースを歩き実感したことだが、これはトラバースルートが正解すぎる。尾根ルートに比べ1898コルまでの時間が早すぎる。多分半分以下のタイムで通過できた。風は尾根よりも弱いし、斜度もコルまでゆっくり高度をあげるだけで済む。次来る時も視界があればトラバースルートかなと思った。尾根コースは風が弱く雪が豊富な時に行くと気持ちよい歩きができると思う。1898の尾根まで5時間ほど、風は昨日より強くスーパー烈風であったが、昨日に比べると気力が十分すぎるほど余っており、全員迷わず歩みを進める。トムラウシ公園の巨岩の影で準備を整え、山頂へのアタックを開始した。体を預けられるほどの烈風が常に吹いており、風に対して踏ん張る力を常に使うのでしんどい登りだった。ラストの岩帯は西斜面をつたうトレースがありそれに習おうとしたが、烈風すぎて尾根を越そうにも吹きかえされてしまった。これは無理と思い東の夏道沿いを選択。風は弱いが斜度がありカチコチだったので四つん這いで登った。よちよち進み9時半過ぎついに山頂へ到着。山頂からの景色は近年稀に見る絶景だった。山頂に立った瞬間、表大雪の景色がどーんと映し出され、その圧倒的美しさにほぼ全身の細胞が歓喜しているかのように感じられた。日高山脈が見えるくらい見通しがよく、こんな贅沢していいのかしらと思ってしまうほど。メンバーの一人は7回トムラに来て初めて晴れたという、おめでとうございます。ただ山頂はハイパー烈風で体に当たってくる雪の礫が痛いくらい。この日風はどんどん強くなる予報だったため、頭では即下山しなくてはと思っていたが、ついつい写真撮影や達成感に浸ることに没頭してしまった。それでも15分後には下山開始、早く危険でない地帯まで戻ることとする。この日の風は本当に強かったようで、飛ばされて来た雪で帰りのトレースがほぼ消えていた。視界は良好なので特に問題なく下山でき、改めて天気の良し悪しと登山の難易度の関係を実感した。1000m付近でやっと烈風から解放され、一安心した。そこからはお互いの近況報告や次の山の話、すぐ忘れてしまうようなくだらない話をしつつ楽しく下って来た。
14時頃登山口着。この時は、3年前、昨日の無念の敗退による呪いから解放されたかのような快感があった。みんなで喜びを分かち合う。その後は東大雪荘で汗を流し、最寄りのインデアン音更店へ直行した。今回の北海道遠征の楽しみの4割くらいはインデアンであった。一年ぶりのベーシックカツ中辛大盛りは感動するほど美味しかった。メンバーの一人が無心で完食した後、天井を見上げ「うますぎるっ…」とつぶいていたのがかなりツボに入った。さらに他の三人はインデアン好きすぎて?二杯目のカレーを頼んでいた。カツカレー頼んだ後にカツカレー頼む人を初めて見た。晩は昨日できなかった酒盛りを行い、大いに登頂成功をお祝いした。
2019/02/25
予備日としていたこの日は観光へ費やした。クランベリー、インデアン西18条店に寄った後、かんの温泉へ行って来た。ドライブインいとうにタッチの差で入れなかったのが無念。
16:30頃新千歳空港で解散した。いい旅だった。
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土曜に登れなかった時は、今年も登頂は無理だろうと諦めていた。他のメンバーがいたから日曜も行こうと思えたし、登頂できたと思っている。一緒に行ったメンバーには感謝しかない。
下山中はすでに来年の遠征先の協議に入っていた。各々行きたい山があり、たくさん候補が上がった。これは来年も行くしかない。皆様、来年もぜひよろしくお願いいたします。
コメント
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厳冬期によく攻めて勝ち取った勝利ですね。
素晴しい。
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