白井岳〜長白稜から〜
- GPS
- 05:51
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 857m
- 下り
- 850m
コースタイム
天候 | 快晴のち曇りのち小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
写真
感想
家から円山公園駅へ向かうバスの中で、ヤッケを忘れてきたことに気づいた。だが、ここで戻ったら、行き先を変えざるを得ない。まあ、いい。今日は天気が好さそうだから何とかなるだろう、フリースもあるし。風が強くならないこと祈ろう。
いろいろ迷った挙げ句、朝里峠から屏風岳、天狗岳のあたりをうろついて石倉岳から朝里に下山することにして、円山公園駅から札幌国際スキー場行きのバスに乗ったのだが…。朝里のあたりから石倉岳を見ると、雪は少なく、木と家は多くて、滑れるところは送電線下ぐらいしかなさそうに見える。その後も朝里ダムや朝里峠あたりから天狗岳や屏風岳の方を見ても、あまり楽しそうではない。空には雲ひとつない快晴なのに、こんなコースを辿っている場合ではない気がしてくる(天気が悪いときなら行ってもいい、という訳でもないが)。
スキー場でバスを降りるときには、ひと月前に登り損なった、白井岳の長白稜へ行ってみることに決めていた。その足で駐車場を横切ると、除雪した雪で埋まった朝里岳沢を渡り、長白稜の北東端のP934へ向かって真っ直ぐ登っていく。結構急だが、その分、割と楽に高度が稼げる。左手を見れば、春香山から奥手稲、迷沢山あたりのなだらかな山並みが見える。
途中からツボ足のトレースがあり、上部に行くと左手にオープンバーンが現れ、そこにはスノーボードのシュプール(というのか?)が。長白稜の末端の三角形の斜面はかなり開けていて、ここをヘルベチア・ヒュッテに向かって滑るのも楽しそうだ。
長白稜のてっぺんが近づくと、左側に雪庇が現れ、尾根の上は波打って歩きにくいので、左の長白稜末端斜面の上部、雪庇の下をトラバースし、ヘルベチア側の北東方向から突き上げてくる尾根に上がって、そこから長白稜に出る。
ここからは左側に雪庇の発達した稜線上を白井岳へ向かう。雪庇はそれほど出っ張ってはいないようだが…。左前方には定天とヒクタ峰が重なって見える。左手には烏帽子岳と百松沢山、そして遠方には札幌岳、狭薄山、空沼岳…。P934まで来ると、行く手の雪庇の稜線の向こうにP1020が見えてくる。さらに向こうのP1160もチラリと頭をのぞかせている。雪庇の切れ目からは左下に股下山が見える。もう、あの頂上よりもこちらが100m以上高い。稜線上が波打って“瞬間最大斜度”がきつく、登れないところが現れ、右=北西側の木の生えた斜面から2度ほど巻く。
P1020から見るP1160は圧巻。ちょっと恐ろしいぐらいの迫力、というのは大げさか。長白稜がそこへと一直線に伸びているが、あれが登れるだろうかと心配になる。ここから奥へ真っ直ぐなので斜度はわからないものの、中間部分はかなり急そうだ。もちろんずっと雪庇は続いており、木も雪庇近くまで生えている。急なところは右の斜面からかわせるかもしれないが、木や雪庇と相まってちょっと時間がかかりそうだ。一本西の尾根はかなりなだらかに見えるので、コルから右へトラバースして、この尾根を登ってもよさそうだ。
とりあえずコルまで降ってみることにして、南西の斜面を滑るが、かなりクラストしていてアイスバーンに近く、滑り落ちる感じ。稜線上に戻ってしばらく行くが、見上げる稜線はやはり厳しそうなので、西の尾根に逃げることにして、コルのちょっと上から右の斜面へ。振り返ると、P1020の姿が大きく、頂上直下には岩場が見える。あれほど好かった天気が崩れてくる。
そこそこに急なので雪崩に注意しながら沢を2本ほど渡り、尾根に上がると、そこには複数のトレースがあった。今日のもののようだ。ここから見るP1160は、木も多くあまり迫力はないが、それなりに尖っている。このピークの右=南の稜線上を目指して最初は尾根を、途中からは樹林帯の斜面を登っていく。途中でトレースは右に、白井岳の頂上方向へ緩く登っているので、そこを外れて、より急な角度で稜線に登っていく。
稜線に出て白井岳方向にちょっと行くと、先ほどのトレースも登ってきていて、またトレース利用となる。右前方に余市岳のシルエット。だいぶ雲が出てきて、空も雪と同じ白い色になっていて、うっすら見えるだけ。左前方には、昨春行った、白井岳からヒクタ峰への稜線が見える。あの稜線も雪庇だらけだったが、ここほど両側は切れ落ちていなかった。さて、このあたりからが雪庇の核心部。うねりで“瞬間最大斜度” が急なところで、先行者はスキーを脱いでいるらしく、尾根上に穴が開いている。慎重にスキーを履いたまま通過し、段差も何とかスキーで乗越す。
やっと雪庇も終わり、コルから白井岳へ向けて標高差100mほどの最後の登り。振り返ると、P1210の左に、今日登ってきた長白稜上のピークが辛うじて見えている。次第に斜度が緩くなり、2時過ぎに、どこが三角点かわからない平らな山頂に着く。以前あった山名板は撤去されたのか?去年もなかった気がする。
長白稜の東面も滑ってみたいとは思っていたが、天気も悪くなってきたことではあるし、それは次回の楽しみに取っておくことにして、素直に白井岳の北面を滑ってスキー場に戻ることにする。ただし、なるべく長白稜沿いにトラバース気味に下り、最後にあまり朝里岳沢沿いを滑らなくてもいいようなルート取りで。
カリカリのクラストの上に薄く新雪が載った状態だが、意外と思い切りよく楽しく滑ることができた。ちょっと雪が降ってくる。小尾根を右へ乗越し、長白稜を右に見ながらトラバース。沢型を下っては斜めにトラバースし、また沢型を下る。このあたりにはトレースがいっぱい。朝里岳沢を渡ってスキー場へ戻るところには、立派な“道”と“橋”ができていた。下りは30分ちょっと。3時過ぎにはスキー場に着き、4時発のバスに余裕で乗ることができた。運転手に、どこへ行ってきたのか訊かれて、一瞬つまった後で、白井岳だと答えると、あまり反応がなかった。余市岳という答えを期待していたのだろうか?
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