鯨山
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 578m
- 下り
- 580m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2009年3月29日、この日は沿岸にある鯨山に行ってきました。
標高は600m程度とあまり高くない山ですが、0辰粒ご濱から立ち上がる山で東北百名山に選定されている山ですし、それなりに登り応えがありそうな感じ。
登山口は「青少年の家」近くにあるので国道に看板も出ており迷うことはないと思われます。駐車場所もこの「青少年の家」の駐車場を利用することができます。断りを入れなくてもとくに文句は言われないようですが、職員の方に一言挨拶をしていくと良いかと思われます。登山道の情報や季節の花の情報など親切丁寧に教えてもらえます。
施設の玄関先でツートンの準備を待っていると、わざわざ職員の方が出てきてくれて
この時期に咲いているかもしれないという「イワウチワ」の花の写真と手書きのガイドマップをいただきました。なんか嬉しいですね。鯨山に登るのを歓迎しますっていう雰囲気が伝わってくるじゃないですか。
青少年の家のキャンプ場の脇にある登山口から登山を開始します。
時刻は10時。…朝は7時に家を出たんですがねぇ…。
やはり沿岸は遠い!
道は尾根伝いに登っていきます。明るくて気持ちの良い登山道です。そして10分も登ると背後に海が見えてきます。今日は天気も良いし、ロケーションも抜群!
登山道には所々に案内標が設置されているので道迷いの心配は少ないと思われます。この看板も青少年の家の職員の方の手作りなんですかね〜。小学生も登るので、年に数回くらい道の整備をするのだと伺いました。
グリーンシャワーの森(現地にそう書いてありました。いいネーミングですね♪)を抜けると山の肩に出て一気に視界が開けます。うーん、いいですな! やはりこの瞬間は何度経験しても格別です♪
出発から40分、300mほどの高度を稼いで標高が400mくらいになりました。
このくらいになるとさすがに雪の少ない沿岸地方でも残雪がありました。とはいえ、日影になる場所にうっすらある程度で、歩くのに支障はありません。
なだらかな尾根道を歩き、小ピークをいくつか過ぎると目指す鯨山が見えてきました。まだまだ先は長いですが、しっかりピークが見えています。
青少年の家の職員の方曰く
「行き先がはるか手前から見えるので、大人はうんざりし、子供はわくわくする」
らしいですよ(笑
…私は…、さてどっちだったと思います?(笑
鯨山本体へのアタックを前に、大沢分岐に向かって50mくらい一気に下ります。このねぇ…あとで登らなければいけないのが分かっているのに下りになるのって嫌ですよねぇ…。谷の向こう側にジャンプ出来たらなぁって思いませんか?
分岐点で一息つき、鯨山本体にアタックを開始します。最初からかなりきつい傾斜で始まった登山道は、進むに連れて斜度を増していきます。このあたりが「イワウチワ」の群生地だと聞いていたので、最初はきょろきょろと花を探していたのですが、だんだんとそんな余裕がなくなっていきます。
途中、女性の単独登山者とすれ違ったので花を見たか尋ねてみると気を付けて見ていたが無かったとのこと。これは期待薄なので目の前の斜面に集中することにしましょう。
途中から残雪もちらほらと…。しかもその雪の下は岩場になっていたりしてけっこう危険な香りがします。張ってある補助ロープを頼りながら慎重に登っていきます。
それでも途中で足を滑らせ転倒しかけました。一応三点支持を守りながら登っていたんですが、ロープをつかんだ手以外全ての支持点が一斉に滑りだしまして…。ロープを支点にして、180°近く回転してしまいましたよ(^^;
ロープがなかったら滑落していたかも知れません。恐ろしや…。
そんなこんなで、頂上に着いた時には疲労でヘロヘロになっていました。体力的な疲労よりも、さっきの転倒とその後の緊張で精神的に疲労したような感じ(- -;
しかし、そんな苦労や疲労も山頂からの眺めで一気に吹っ飛びます!
まずは沿岸の山ということで海方向を見ます。春の海らしく霞がかっていますが、いかにもリアス式海岸というような複雑な地形をつぶさに見ることができます。
足下には浪板海岸の砂浜が。
本日のスタート地点、青少年の家も見えます。あんなところから登ってきたんですね〜。人間の足も案外すごいもんだな、と思います。
重茂半島やオランダ島も綺麗に見えていますね。オランダ島にはいつか上陸してみたいんですが、あいにく海水浴っていう歳じゃないですしねぇ…。自力でスワンでも漕いで行ってみましょうかね〜。
青少年の家の職員の方に「ぜひ山側にも目を向けてください」と言われていたので反対側にも目を向けます。天気が良ければ遠野のウィンドファームの風車群や、早池峰山の姿を見ることができます。
…ちょっと雲が出てきてしまい見えづらいですね〜。青空バックだったらきっともっとはっきりわかるのでしょうが…。
一通り景色を堪能したら山頂の様子を観察します。山頂には神社がありまして、権現様なんかが祀られていますね。なんか鼻の穴が赤いですな〜。花粉症ですか〜?
コンクリートの建物もお社のようです。最初、ただの避難小屋かと思って入ろうとしたら、中にご神体があってギョッとしました(^^;
あと、ここの山には藪山登山隊とかのプレートがありませんでした。(見つけられなかっただけかもしれませんが…)あれ、どこに行っても見かけるんですがね〜。
一通り見て回って、おにぎりとお茶と、ゆで卵なんかで軽く昼食を済ませ下りにかかります。登りの急坂も怖かったですが、下りはもっと怖い(^^;
さっきなすすべもなく転倒しかけた記憶が甦り、かな〜り恐る恐る下ります。
んで、警戒していたにもかかわらず、またしても足下をすくわれました。落ち葉と雪のコラボレーションにやられました…。もうね、足下全体が一斉に滑りだすもんだから為す術がないんですよ。すってーんと、尻餅の見本のような綺麗な転び方でしたが…(^^;
転ぶと分かっていて為す術がない、というなかなか貴重な体験をしました。
怖い急傾斜をなんとか下りきり、大沢川コースへの分岐点まで戻りました。職員の方の話によると、下りはここから大沢川コースへ下るのがお勧めとか。せっかくお勧めされたので、それにしたがって復路は大沢川コースを行くことにしました。
ところが、お勧めのコースのはずが…なんだか様子が…。
山は丸裸になり、伐採された樹木がそこらじゅうに無造作に積み上げられており、道も登山道というよりも作業道…ブルドーザーが走り回った跡が痛々しい感じ。荒れ果て、荒涼とした伐採地帯を抜けても鬱蒼と薄暗い杉林の道は、歩いていてちっとも楽しくありません。
なんでこんな道がお勧めなんだ?と改めて会話を思い出してみると…
「下りは大沢川コースが『楽なので』お勧め」
と言われた気がしてきました。
たしかに傾斜も緩いし、登り返しもないし、楽は楽なんですね。
ううむ、楽を採るか風景を採るか…。
薄暗い林の中をさらに下っていくと椎茸の栽培地がありました。ガイドマップにも「絶対に採らないこと!」とありますね。また、現地の看板にも「これは栽培している物です。採ったら窃盗になります」との警告が…。栽培している物だってのは見れば分かりそうなものですが、言い訳させないためでしょうね〜(^^;
突然、異様な光景が目に飛び込んできました。
ここだけ氷結した木々…。
これは何か異常現象?
ゲームとかだったら、絶対に氷の魔法とかですよね!?
ヒャダルコとかブリザガですよね!?
いったい何故にこんなことに?と不思議に思ったのですが、どうやらその原因は椎茸栽培のためにスプリンクラーで散水しているのです。…でも、こんなガッチガチに凍結させてしまって大丈夫なんでしょうか?(^^;
最後におもしろい物が見れました♪
椎茸の栽培地を過ぎると、そこはもう青少年の家の真下でゴールとなります。およそ3時間30分。休憩を含めてですが、まぁだいたい標準コースタイムどおりですかね〜。
青少年の家の職員の方に無事に下山した事、イワウチワはまだ咲いていなかった事などを伝え駐車場を貸して頂いたお礼をして、全行程完了!
「また鯨山に遊びに来て下さいね」とのお言葉をいただきました。
楽しい一日でした♪
鯨山は標高は低いながらも適度にアップダウンがあり、眺望がよい場所も多く、さらに登山道も良く整備されているので、初心者からベテランまで楽しめる良い山だと思いました。さすがに東北百名山に選定されているだけあります。
真夏では木の葉が生い茂り、眺望も半減してしまいそうなので落葉期に登るのが良いかと。頂上直下の急傾斜にはご注意〜。
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